城下町の低身長   作:かるな

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fgoでネロが欲しいあまりにイベントガチャを無視して回した結果、くーふーりんオルタが出たのでパリピです




決意

時間は1日戻り土曜日。

ダンディ君ゲームが終わった日の夕食をみんなで取っていた時のことだ。

 

 

 

「明日からトイレ掃除……おまけにパ、パ、パンツ。しかも3位…」

 

 

「茜、ご飯食べないの? 大好きなハンバーグよ」

 

 

落ち込む茜に母さんが声をかけるが、それでも椅子の上で膝を抱え込んでうつむく茜。

 

 

「ドンマイ茜」

 

 

そう言いながら茜のハンバーグに手を伸ばそうとするも、隣に座っていたかなねえに頭を叩かれる。

 

 

「王家に生まれたせいで、お前たちは必要以上に注目浴びてしまう。そのせいで傷つくこともあるだろう。だが王族として最低限の義務と責任は生じる。お前たちは国の希望だ。誰が私の後を継ぐかは分からないが、皆その自覚を果たすための覚悟だけは忘れないでほしい」

 

 

いつもおちゃらけている父さんだが、さすが王様だな。

威厳がある。

 

 

 

「パパったら、また被って帰ってきちゃったの?」

 

 

 

こういう抜けたところが無ければ完璧なんだけどな。

 

 

 

 

 

食事を終えて風呂も済ませた後、暇だった俺はテレビを見に部屋から出てリビングに向かった。

 

 

「こんなところで何やってるの茜?」

 

 

この声は葵姉さんだな。

茜もいるのか。

 

 

声が聞こえてきたので、ドアを少し開けて会話を聞く。

 

 

 

 

 

「私は野に咲くタンポポになりたい…」

 

 

えー…いきなりどうした

 

 

「注目されたり、監視されたりするのはもういや」

 

 

そういうことか。

茜も好きで人見知りやってるわけじゃないからな。

いつもの日常が茜に与えるストレスは半端なものじゃないだろう。

 

 

「一つだけ方法があるとしたら、王様になることかな。そうすれば監視カメラを廃止したり、王家ニュースを打ち切ったりできるかも」

 

 

監視カメラはともかく、王家ニュースはたまに面白いから残してほしいなー

 

 

「お姉ちゃん、私王様になる。王様になってひっそりと生きる!」

 

 

矛盾してるぞ茜。

 

 

「私は応援するよ、茜」

 

 

「うん! ありがとうお姉ちゃん」

 

 

茜が目標を見つけたのなら、兄としても嬉しいもんだ。

 

 

 

 

 

「じゃあ、茜の大きな一歩を祝って、優君に一言貰おうかな」

 

 

え?

 

 

「優いたの!?」

 

 

「はあ、葵姉さんにはかなわないや」

 

 

どうしてばれたのか、やっぱり長女というものは恐ろしい。

 

 

「最初にタンポポになりたいなんて言った時にはどうしたものかと思ったけど」

 

 

「最初から聞いてたの!?」

 

 

「俺も応援するよ。でも、負けないけどね」

 

 

「ありがとう! でも、優も王様になりたいの?」

 

 

「ま、俺もやりたいことあるしね」

 

 

「そうなんだ……よし、王様目指すなら普段から意識高くした方がいいよね?」

 

 

「そうかもな。じゃ、俺もう寝るから」

 

 

そう言いながら部屋に戻ろうとすると、茜に肩を掴まれる。

 

 

かなり嫌な予感がする。

 

 

 

 

 

「優も王様目指すんでしょ? だったら、優も明日から花蓮に宿題見してもらうんじゃなくて自分でやんないと!」

 

 

「あ、茜!? もうちょっとこう、遠回しにだな!」

 

 

 

まずい、かなりまずい。

普段二人でこういう会話をするのは問題ないのだが、ここにはもう一人……

 

 

 

 

 

「優君? 宿題見せてもらってるんだ?」

 

 

櫻田家の兄妹序列一位、葵姉さん…

真面目で責任感が強い葵姉さんが、宿題を見せてもらうことなど許すはずも無い。

 

 

「あ、いや、その…さ、最近忙しくてですね?」

 

 

「優君、私が宿題見てあげるから部屋においで?」

 

 

「ま、まさか答えを!?」

 

 

「自力で解き終わるまで部屋から出さないから」

 

 

「……………。」

 

 

 

 

終わった…

どう考えても終わる気がしない。

別に量が多いわけじゃないんだが、なにせいつも授業を聞かず、宿題もやってかないのでさっぱりなのである。

 

こうして俺の長い夜が始まった。

 

 




後書き書くことなくなってきた...


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