いつもより内容少ないです...
空音スチーマー。さん、感想ありがとうございます!
「おはようございま~す」
ダンディ君ゲームが終わりその翌日。
昨日はバイトに行けなかったので、その埋め合わせとして今日来ている。
「おはよう優君、いつもすまないね。開店まで時間はあるから、奥でゆっくりしてていいよ」
挨拶を返してくれたのはこの喫茶店のオーナーである紫音さん。
「好きでやってることなので、オーナーが気にすることはありませんよ。ではお言葉に甘えて時間までゆっくりしてます」
そう言いながらスタッフルームへと向かう。
ドアをノックしてから中に入ると…
「あ、おはようございます。 優先輩!」
「おはよう、さくらちゃん」
一つ下の後輩で同じバイトの女の子がいた。
名前は加藤 桜、俺よりも一つ下ということは中学三年生である。
普通なら中学生はバイトを許されていないのだが、桜ちゃんの両親は海外で仕事をしており、祖父祖母は中学に上がったと同時に他界してしまったため、一人暮らしをしているのである。
学費と生活費を稼ぐためにこうして毎日バイトをしている。
「ここで会うたび思うんだけど、たまには休み入れないと体壊しちゃうよ?」
「む…優先輩は私に会いたくないんですか?」
頬を膨らませながらジト目を向けてくる桜ちゃん。
「はいはい」
「なっ! 受け流さないでくださいよ!」
軽い雑談をして時間を潰した俺たちは、制服に着替えてから仕事場に向かった。
桜ちゃんは既に制服を着ていたので俺が着替えるだけだった。
もちろん、着替えるときはさくらちゃんを部屋から出したけどね。
「今日はお客さん少ないですね、オーナー」
「ふむ、なら私は買い出しをしてこよう。留守番は頼んだよ」
「それなら私が行きますよ?」
「それには及ばないよ。買い出し以外にも用事はあるしね」
「そういうことなら、留守番は私たちに任せてください!」
ビシッと敬礼をする桜ちゃん。
「では行ってくるよ。あ、優君」
「はい、なんですか?」
「二人きりだからって、手を出さないようにね」
「出しませんよ!! それに毎回言ってるじゃないですか! 俺はもうちょっと胸のある女性が好みだって……待って桜ちゃん、何で包丁をこっちに向けてるの!? 誰も料理は注文してないよ?」
目からハイライトが消えた桜ちゃんの手には、いつの間にか持ってきた包丁が握られていた。
ちなみに桜ちゃんに胸の話は絶対にNGなのである。
まだ中学生だが、それでも三年生。
成長期を迎えているはずの桜ちゃんの体には、女の子らしい膨らみは全くと言っていいほど無い。
下手すると中学の頃からほぼ胸が成長していない茜よりもペッタンコである。
「活け造りって、新鮮なうちに食べれるのでとっても美味しいんですよ?」
「それって魚とかの話だよね? 間違ってもバイト先の先輩を捌いたりなんてしないよね!?」
「フフフフフ 」
「怖い怖い怖い!! 助けてくださいオーナー!」
「今回は君の自業自得だから、自分で何とかしたまえ」
「そ、そんな!!」
無慈悲にもオーナーに見捨てられた俺は、迫りくる恐怖を何とか乗り切るために、来週の予定や財布の中身を思い出しながら必死に打開策を考えていた。
後輩の女の子って羨ましいです。
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