大鉄人ワンセブンさん、感想ありがとうございます!
前回のダンデライオン!
その1、メイド姿でご奉仕
その2、女子声で妹をメロメロに
その3、女の子気分で後輩からの電話に出る
パシャッ! パシャパシャッ!
「事情は分かりました。とても似合ってますよ先輩!」
「桜ちゃんお願いだから写真撮らないでぇ!!」
桜ちゃんからの突然の電話の後、何とか誤解を解き、今に至る。
電話の件はと言うと、今から学園祭に行きますということだった。
「さて、優君の可愛い写真は店に飾るとしよう」
「何でいるんですか店長。てか、そんな写真絶対に飾らせませんよ!!」
「何でとは失礼だよ。せっかく可愛いバイトの子の学園祭なんだ。行かなくては面白くないだろう?」
「店長の求めてる面白さって純粋じゃないから怖いんですよ!」
現に俺のメイド姿の写真を店に飾ると言い出している時点でお察しである。
「てか桜ちゃん! 何ちゃっかり待ち受けにしてんの!? 嬉しいっちゃ嬉しいけど、せめて別の写真にして!!」
桜ちゃんたちと別れた後、休憩が終わったので茜と一緒に教室へと戻った。
前半にしっかりと茜の相手をしたおかげか、いつもより機嫌が良かったのは幸いだ。
それよりも......。
「くそっ! こんなに忙しくなるなんてっ!!」
今は丁度お昼時、学園祭とは思えないほどの込み具合の対応に追われていた。
混雑時を予想して事前に作っておいた料理は勿論、人気があると思われるメニューの作り方は優先的に厨房スタッフに教えこんだ。
だが、この学校の学園祭というものを完全に甘く見ていた。
俺たちが通うこの学校は、王族である俺たちが通っているというのもあるが、大学への進学率もかなり高いため有名なのである。
「優香ちゃん (優)、接客お願い!」
「は~い、今行きます!」 ※裏声
「ぐったり......。」
ピークが過ぎ、お客さんたちも捌けてきたので今は休憩中である。
「......。」
「......。」
茜と花蓮もぐったりした様子で、他の皆も慣れない接客でかなり営業スマイルが引きつり始めている。
「バイトしてる俺が皆より早くへばるのはなんか違うよなー」
休憩室を出て、ホール担当の人と代わり仕事に戻ると、丁度二人組のお客さんが来ていた。
「お帰りなさいませご主人さ...ま......」
「やあ優君、お昼は大変そうだったね。それにしても、面白いものが見れたよ」
「先輩! 今のもう一回お願いします!! ちゃんと録画するので!!」
「う......うわああぁぁぁん!!」
「やっと......終わった!」
学園祭は何とか終了し、片付けも終えた俺たち。
後は後夜祭のキャンプファイヤーの準備が終わるのを待つだけである。
人生で初めての文化祭は疲れこそしたものの、クラスの皆で協力して作業をするということにかなりの達成感を感じていた。
「う~ん......なんか忘れてる気がするんだけどなー。ま、いっか。」
「優、そろそろ準備が出来たみたいだよ!」
「おう、行くか!」
キャンプファイヤーでは、お馴染みのフォークダンスがある。
男女で踊るのが一般的だが、葵姉さんによると、流石に皆恥ずかしいのか参加する人自体が年々少なくなっているらしい。
生徒会はこの傾向を良く思っていないらしく、何とか参加人数を増やそうとしているのだが、中々良い案が出ないという。
「あのさ、優」
「ん、どうした茜?」
グラウンドに向かっている最中、隣を歩いていた茜が突然聞いてくる。
「その......後夜祭のフォークダンスに、誰かから誘われてないの?」
茜が不安そうな顔を向けながら聞いてくる。
いつの間にか手が握られていた。
「んなわけないだろ。そう言う茜こそどうなんだよ? お前に浮いた話なんて聞いたこと無いぞ?」
「......うるさい、ばか」
握っている手に少しだけ力が込められる。
いつものお仕置きではなく、妹らしい反抗のように感じた。
「ほら、むくれてないで早く行くぞ」
外が騒がしくなってきた。
どうやらもうそろそろ始まるらしい。
メイド服のまま踊るのは少し躊躇ったが、ここまで来ては最後までこの姿でいるのもいいかもしれない。
グランドに着くと、既に集まっていた男女ペアがいた。
「.........。」
「ほら茜、手出せ」
まださっきの事を引きずっているのか、頬を膨らませして顔を逸らしながらだが、手を出してきた。
全く、扱いづらいお姫様だ......。
茜の手をしっかりと握り、曲に合わせて踊る。
今回のフォークダンスはペアの入れ替えが無いので、終始茜と一緒なのだが......。
「茜、顔上げろ」
「......うぅ///」
2人組のダンスでは腰に手を当てたりと、体が触れることが多い。
気持ちは分かるが、この程度で恥ずかしがっていては国同士の交流会で開かれるパーティで踊ることすらできない。
現に茜は俺意外と踊ったことは無い。
全く、ほんとに手のかかるお姫様だ。
ダンデライオンの原作の続きが早く読みたいです。
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