城下町の低身長   作:かるな

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週一更新になりかけてる......

大鉄人ワンセブンさん、感想ありがとうございます!

ps 気付いたらお気に入りが100件超えてました!
嬉しい限りです!


生徒会室

 

「だぁ~~! 終わったぁ!!」

 

 

 

先程まで睨めっこをしていた最後の書類を上に放り投げ、机に突っ伏す。

長い時間目を酷使し続けていたからか、目を瞑っているこの時は少しだが安らぐ。

 

 

 

「書類を投げるな!」

 

 

「いでっ!」

 

 

 

不意に後ろから柔らかい何かで頭を叩かれる。

全く痛くはないものの、追撃が来ないように手でガードしながら後ろを振り返ると我が姉である奏(通称かなねえ)が腕を組みながら立っていた。

 

櫻田家の女性陣の中でもトップを誇るナイスバディの持ち主でもある。

 

なあ、アンタが俺を殴るのに使ったものは書類を丸めたやつだろ?

 

 

 

 

因みに今俺達は学校にいる。

 

もう少し詳しく言うと、夏休み返上で生徒会の仕事をしているのだ。

 

この真夏日に。

 

しかも今日に限って学校のクーラーを点検しているため、暑い。とにかく暑い。

しかも仕事が書類整理なので窓を開けるわけにもいかず、なんとか扇風機に風量を最低レベルまで落として誤魔化している。

 

そのせいか汗がかなり出てくるのだ。

 

夏の猛暑、汗、ブラウス。

この三点セットが揃い、予想される光景はそう!

 

 

ブラすk

 

 

 

「待ってかなねえ! 何でボールペン握ってるの!? しかも逆手持ち!」

 

 

 

胸元を片腕で隠し、もう片方の手に握るボールペンで俺に天誅を下そうとしてくる姉を必死で宥める。

 

 

するとそこへ......

 

 

 

「書類整理お疲れ様です。奏さん、優くん」

 

 

「う、卯月会長! いい所に来ました、助けてください!」

 

 

 

咄嗟に駆け寄り卯月会長の背中に隠れる。

隠れると言っても会長はかなりの小ささなので、厳密には盾にしているのだが......

 

 

 

「今日はダメですよ、優くん。ついこの間助けたばかりじゃないですか」

 

 

「そんなぁ!!」

 

 

「それに、いつもの事ながら原因は優くんにありそうなので.........では私はこの書類を提出しに行きますので、今日の仕事はここまでです。お2人ともありがとうございました!」

 

 

 

会長はそう言うと、俺達が先程まで整理していた書類の束を抱えて部屋から去ろうとする。

 

まずい、非常にまずい。

何とかして卯月会長の気を変えないとっ...!

 

 

 

「卯月会長、僕は以前から貴方は天使のように儚くお美しいものだと思っていました。会長のためならば如何なる事も喜んで受け入れるつもりです。ですので今回はどうか、ご慈悲を......!」

 

 

 

どうだ卯月会長!

人間なら褒めた讃えられれば嬉しくないわけがない。

ましてや女性ともなれば効果は抜群のはずだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妹の茜さんがいるにも関わらず私を口説くんですか? これは報告しておかないと......」

 

 

「しまったーーーー!!!」

 

 

 

くそっ、なんて取り返しのつかないことを!

我が身の可愛さあまりにラスボスへの最短ルートを開けてしまうとは......

これではいくらこの場を凌いでも待ち受けてるのはバッドエンドじゃないかっ!!

 

 

 

「ふふふっ、冗談ですよ。茜さんには秘密にしておきます。ではお2人共、後はごゆっくり」

 

 

 

書類を抱えながらこちらに一礼をし、会長が部屋から出て行った。

 

最後の希望を失うという気持ちがわかった気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュカッ!

 

 

 

...............。

 

 

 

 

突然頬の横を何かが掠めたので、恐る恐る横を見てみると-----

 

 

ドアにボールペンが突き刺さってました。

 

 

 

「さて、会長の許可も得た事だし、覚悟はいいわよね? 優?」

 

 

 

かなねえの手にはいつの間にか増えたのであろうボールペンが6本握られている。

 

俺とかなねえの距離は3m程しか離れておらず、躱すのは絶望的だろう。

だが俺には常人よりも優れた反射神経がある筈だ、多分。

 

かなねえの右手が攻撃の予備動作に入る。

動作はゆっくりだが、ここは生徒会室とい事もあり多くの物品があるので、無闇に走り回る事は出来ない。

 

ならとるべき行動はひとつ、飛んでくる全てのボールペンの軌道を全て読み切る!

 

 

 

 

いくぞかなねえ、金(ボールペン)の貯蔵は充分か!!

 

 

 

 

 

 

シュカカカカッ!!←全てのボールペンが俺の体ギリギリに突き刺さる音。

 

 

 

カッターが紛れてたのは見間違いだと信じたい。

 

 

 

 

 

「........。」←にっこり笑顔のかなねえ。

 

 

 

シュシュンッ!←かなねえの手にボールペンが補充される音。

 

 

 

「.........。」←十字を切り必死に祈る俺。

 

 

 

最近こんなことばっかな気がする......

 




前回の反動なのか文が短い...

次回はまともなお話です。

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