城下町の低身長   作:かるな

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約1ヶ月ぶりです......

ようやく余裕が出てきたので、執筆を再開しようと思うのですが、前程の速度は出せそうにないです。

気長にお待ちください!


プール後編

 

「............。」

 

 

 

「さ、災難だったね優......」

 

 

 

茜に浮き輪を没収された俺は、溺れないように必死に手足を動かして、何とか戻ることが出来た。

 

ただし、相当な体力を持っていかれたため、今まさに死にそうなのである。

 

 

 

 

 

 

「あ、茜姉さん達が戻ってきたね」

 

 

 

「遅いよ優兄!」

 

 

 

「悪かったって。ほら、飯にしようぜ」

 

 

小学生組の相手をしていた遥と岬、小学生組と合流して昼食を取ることにした。

 

 

 

 

 

 

「優ちゃん、たこ焼き頂戴!」

 

 

 

「ほいよ」

 

 

 

「やったー! はむっ.......熱っ!!」

 

 

 

「熱いから気をつけろよ」

 

 

 

「遅いよっ!」

 

 

 

妹とのこういうやり取りは癒される......

 

 

 

「さて、皆食べ終わったな。じゃあ行くか!」

 

 

 

『はーい!』

 

 

 

午後は俺が小学生組の面倒を見ることになっているので、茜たちとは別れて別の場所に行く。

 

 

 

「ところで、光達は行きたい所とかあるか?」

 

 

 

「あ、あのっ! 私ウォータースライダーに乗ってみたいです!」

 

 

 

光の友達の1人、ちかちゃんがそう答える。

 

 

 

「ウォータースライダーか......。面白そうだが小学生は保護者同伴じゃないと滑らせてくれないんだよな~」

 

 

 

光達の行きたい所に行ってやりたいが、やはり危険な所は避けたいものである。

 

だがやはり、連れて行ってあげたい気持ちの方が強い。

どうしたものかと考えていると、光が何かを思いついたような顔をする。

 

 

 

「優ちゃんが私達の保護者になればいいんだよ!」

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

ちょっと待て、俺が保護者に?

 

 

 

 

 

 

 

警察に通報されたりしないか?

 

 

 

「あ、でも優ちゃんじゃ保護者として見てくれないかな......」

 

 

 

「ん? どうしてだ?」

 

 

 

保護者同伴と言っても、しっかりとした人が一緒にいれば大抵何とか許してもらえた気がする。

 

 

 

「だって......背が......」

 

 

 

「.........。」

 

 

 

 

無言で光の頭に両拳をセットし、グリグリしながらウォータースライダーへと連行する。

 

光の友達は、俺と光のやり取りを微笑ましいといった感じで見ていた。

 

 

 

 

 

 

「そちらの3名様は小学生ですので、滑る際には保護者と一緒に滑って貰うことになりますが、よろしいですか?」

 

 

 

「ちかちゃん達は俺と一緒に滑っても大丈夫?」

 

 

 

「「はい!」」

 

 

 

4人纏めて滑るわけにもいかないので、1人1人俺と一緒に滑る。

 

 

 

「じゃあ最初は誰が行く?」

 

 

 

「あたし行きたい!」

 

 

 

勢い良く光が申し出てくる。

ここのウォータースライダーは俺も初めて体験するので、身内とならそんなに心配いらないはずだ。

 

何がとは言わない。

 

 

 

「では、保護者の方はここに座ってもらって、お連れの方は足の間に座ってください」

 

 

 

「よし、準備おーけーだよ!」

 

 

 

「光、しっかり掴まってろよ?」

 

 

 

「では、楽しんでくださいね~」

 

 

 

背中を押されて滑り出す。

 

ここのウォータースライダーは結構凝った作りで、何回も曲がりながらスピードが上がっていき、真っ暗なトンネルの中に入ると急に落ちるように速度が上がるため、絶叫系が苦手な人にはかなり辛いかもしれない。

 

 

 

「「いえーい!!」」

 

 

 

俺は絶叫系大好きなため特に問題はない。

光の方を心配していたが、こちらもかなり余裕らしかった。

 

 

 

 

 

 

「さて、次はちかちゃんだね」

 

 

 

「はいっ! 宜しくお願いします!」

 

 

 

光の友達という事もあり、かなり元気がいい。

 

 

 

 

 

 

 

「列があまり進みませんね」

 

 

 

「う~ん、新人の子とかが係をやってるのかな?」

 

 

 

先程よりも列の進みが遅い。

夏休みに入ったばっかりなので、まだ仕事に慣れない子が多そうだ。

 

バイトをしているせいか、すぐにこういった考えをしてしまう。

 

しばらくすると先程よりもスムーズに列が進むようになり、ほどなくして俺達の番になる。

 

 

 

 

「はい、では次の人どうぞ」

 

 

 

あれ? なんか聞いたことある声が.......

 

声のした方を見てみると、そこには何故か知った顔が.......

 

 

 

さ、桜ちゃん!?

なぜここにいるんだ?

確かに長期休暇の時は喫茶店以外にもバイトをしてるって聞いてたけど.......

なんて運が悪い!

 

1回目なら光が一緒にいたから何とか説明できそうだけど、今一緒にいるのは桜ちゃんにとって全く知らない女の子。しかも小学生。

 

 

 

バレたら間違いなく殺される......

 

 

 

最近学校でクラスの女子と会話をしたとか言うと、かなりの高確率で折檻されるか包丁を突きつけられる。

 

 

 

なぜだ......

 

 

 

とにかく目線を合わせずに指定された位置に座り、後は係員が背中を押すだけとなった。

 

良し! このまま行けばバレずに......

 

 

 

「その女の子は誰ですか? 先輩?」

 

 

 

「これは誤かっ!」

 

 

 

言い終わる前に背中を押されてスタートする。

 

 

 

 

 

 

もちろん滑ってる最中は、桜ちゃんにどう弁解しようか考えていた。

 

 

 

 

「さ、さて次は君だね」

 

 

 

冷や汗が止まらない。

 

 

 

震える体をどうにか動かし、またスタート地点に座る。

 

もちろん係員は桜ちゃんなわけで......

 

 

 

「2人目ですか、オイタガスギマスヨ? 先輩?」

 

 

 

「.........。」

 

 

 

もう何を言っても助からないかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光達寝ちゃったね」

 

 

 

「結構はしゃいでたもんな」

 

 

 

帰りはぐっすりな小学生組だった。

 

 

 

「よし、じゃんけんで負けたやつがおんぶな」

 

 

 

『じゃーんけーん......』

 

 




週に1~3投稿できたらいいなぐらいです......

ps.執筆してると、他の作品も書きたくなる事ありません? そんな余裕無いですけどw

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