城下町の低身長   作:かるな

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マジですみませんでした。
色々忙しくなってしまい、中々投稿できませんでしたが、今日からは、今まで通り投稿できると思います。

失踪はしないので、ご安心ください!!


プール前編

 

『いえーい! プールだー!!』

 

 

 

「はぁ......」

 

 

 

現在、茜、光、岬、+αでプールに来ている。

ついでに遥も岬に無理やり連れてこられている。

計8人だ。

 

 

 

「何でお前が来てんだよ......」

 

 

 

なぜかちゃっかり付いてきている花蓮。

 

 

 

「えー? いいじゃん。てゆうか、何で私を誘ってくれないのさ!」

 

 

 

「うるさい。面倒だからだ」

 

 

 

「うわっ、本音が出てるよ。そもそも、光ちゃんだって友達連れてきてるじゃん!」

 

 

 

「良いんだよ、光がいつも世話になってるらしいからな」

 

 

 

光には友達を連れて来いと言ったが、花蓮には一言も言っていない。

 

 

 

「それなら私だって優に宿題見せてあげてるじゃん! 」

 

 

 

「戯けが! 宿題よりも妹の方が上に決まっていよう!!」

 

 

 

「じゃあもう見せないから」

 

 

 

「すみませんでした」

 

 

 

この変わり身の早さよ。

 

 

 

「優ちゃーん、早く入ろうよー!」

 

 

 

「はいよー」

 

 

 

全員を引き連れて入場する。

いつも公共施設を利用する際は茜がいるので貸し切りにするのだが、人目に慣れるため

に今回は無し。

 

その代わりに茜にはいつものツインテールをほどいてもらい、あまり人目を引かないようにした。

 

 

 

「ほんとにいいんですか? 私たちの分のお金も払ってもらって」

 

 

 

「いいって、気にしないで。いつも光がお世話になってるから、そのお礼だよ」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

小さい子の笑顔っていいよね。

しかも礼儀正しいし。

最近の若者も捨てたもんじゃないな。

 

 

 

「......ロリコン」

 

 

 

「黙れ岬。お前の分だけ自腹にさせるぞ」

 

 

 

先日のバレーボール対決のせいで、岬と茜の分を余計に払わなくてはいけなくなった。

高校生2人、中学生1人、小学生3人分。

 

結構きつい......

 

 

 

 

 

「さて、ひとまずみんな着替えて、あそこの前に集合な」

 

 

 

『はーい』

 

 

 

女性陣と男性陣とで別れる。

といっても、男は俺と遥しかいないんだが......

 

 

 

「遥、光たちのおもり頼んだぞ」

 

 

 

「分かったよ」

 

 

 

「さて、行くか」

 

 

 

着替え終わったので待ち合わせの場所に行くが、やはり女性陣はいない。

そんなに時間がかかるものなのだろうか......

 

集合場所に着いた後、しばらくすると女性陣が到着する。

 

 

 

『お待たせー!』

 

 

 

「よし、全員そろったな。なら行くぞ」

 

 

 

「ちょっと待った」

 

 

 

全員が揃ったところで移動を開始しようとすると、花蓮に腕を掴まれる。

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

「どうした? じゃなーい!! 優、あんた女の子の水着姿に何も思わないの!?」

 

 

 

「そんなこと言っても妹たちのはこの前見たし......あ、光の友達がいたな。だが相手は小学生だぞ? さすがに......」

 

 

 

「私は!?」

 

 

 

「あー、カワイイ―ゾ―」

 

 

 

「腹立ったから三発ぐらい殴らせて」

 

 

 

「おい花蓮、小学生も一緒にいるんだぞ! 流石に今日は暴力無しで!!」

 

 

 

「ちっ!」

 

 

 

小学生がいなかったら本当に殴りかねないので、今日は光達に感謝である。

 

 

 

「さて、とりあえず高校生組と小中学生組に分かれて行動だな」

 

 

 

「えー! 優ちゃんも一緒に遊ぼうよ!!」

 

 

 

「そうだよ優兄!」

 

 

 

「う~ん、お前らはともかく、光の友達たちがいいなら構わないけど......」

 

 

 

「優さんの事は光から聞いています! 是非、私たちと一緒に遊んでください!!」

 

 

 

「分かった」

 

 

 

光の友達からの頼みだ。

無下にするわけにもいかんだろう。

 

 

 

「このロリコン兄貴」

 

 

 

「.........。」

 

 

 

「ちょ、ちょっと待って優兄! ごめん、ほんとにごめん! もう言わないから!! お願いだから手放して~!!!」

 

 

何かを口走った岬にアイアンクロ―を喰らわせる。

え? 暴力は無じゃなかったかって?

これは躾だよ、し・つ・け。

 

 

 

「岬、次は無いぞ?」

 

 

 

「はい......」

 

 

 

 

 

 

その後、午前と午後とでグループを分けた。

 

午前は高校生組と小中校生組。

午後は中高生組と小中校生組+俺。

 

 

 

 

「さて、取りあえず流れるプールに来たんだが......」

 

 

 

「ちょっと待って優、一つ気になってることがあるんだけど」

 

 

 

「どうした花蓮。何でも言ってみろ」

 

 

 

「何で浮輪付けてんの?」

 

 

 

「泳げないからに決まってるだろ」

 

 

 

「......。」

 

 

 

花蓮がかなり呆れた目で俺を見てくる。

だがな! 泳げないものはしょうがないんだよ!!

 

 

 

「茜、優の泳ぎってどれぐらい深刻なの?」

 

 

 

「う~んとね、顔を付けて泳げない」

 

 

 

「......。」

 

 

 

「......。」

 

 

 

もう死にたい。

 

 

 

「さ、流石に午前中だけで泳げるようにするのは難しそうだし、今日の所は純粋に楽しもうか」

 

 

 

「そう言えば、この流れるプールは何処に向かってるんだ? 見たところ無限ループする感じじゃ無さそうだし」

 

 

 

「多分あそこだよ。一定間隔で波が来るっていう」

 

 

 

「よし、早速行ってみるか」

 

 

 

茜と花蓮が先に進み、俺はその後ろを浮輪に乗って付いて行く。

 

 

 

 

 

 

「お~、結構波が強いな」

 

 

 

「優、奥まで行ってみようよ!」

 

 

 

「よし、行くか」

 

 

 

「あ、待ってよ二人とも」

 

 

 

茜に浮輪を引っ張られながら、波の発生地へと連れてかれる。

 

 

 

「ん? なんだか人が減ってるような......」

 

 

 

「もうすぐお昼だし、皆戻ってるのかも」

 

 

 

「成程、ならここは俺たちが独占だな」

 

 

 

 

 

 

『ただいまより、大波が発生いたします。十分注意してください』

 

 

 

 

 

 

「「「え?」」」

 

 

 

ゴゴゴゴゴ!!

 

音のする方を向くと、発生地の方から大波が現れる。

 

 

 

「「「ぎゃああああぁぁぁぁ!!!」」」

 

 

 

大きな波は、そのまま三人を飲み込んだ......

 

 

 

 

 

「う......あ、あれ? 俺たち確か波に飲まれて......」

 

 

 

波に飲み込まれてた際の記憶はないため、何が起こったのかは分からないが、とにかく無事だったらしい。

 

どうやら奇跡的に浮輪の上に乗れたらしく、水面に浮かんでいるのだが、なぜか温かい。

人のぬくもりだろうか。

 

それと右手に柔らかい感触が......

 

 

 

 

「あ、いたいた! おーい、優、花蓮!!」

 

 

 

少し離れたところから茜の声が聞こえる。

 

 

 

どうやら、茜だけ別の場所に流されたらしい。

 

 

ん? 茜だけ?

おそるおそる体を上げ、よく見ると......

 

 

 

「か、花蓮!?」

 

 

 

花蓮は俺の下敷きになっていたらしい。

 

 

 

説明すると

 

浮輪

花蓮

 

の順に積み重なっている。

 

 

 

「う......」

 

 

「花蓮気が付いたか! 大丈夫か?」

 

 

 

 

「まあ、なんとか......なっ!! 優、手、手!!」

 

 

 

「え? あっ! す、すまん!!」

 

 

 

「こ、今回のはお互い無事だったんだし......別にいいよ......///」

 

 

 

危なかった......

これが棒アニメのように転んだとかなら、ただでは済まないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「優?」

 

 

 

後ろから冷えた声が聞こえてくる。

振り向きたくない......

 

 

 

「人が心配してたのに......花蓮に何してんの?」

 

 

 

「あ、茜! これは事故なんだ!! ほら、全員無事だったってだけでも......ひっ!」

 

 

 

まずい、茜のオーラが半端ない。

 

早く逃げないと......でも俺泳げないし、これが絶体絶命というやつか!!

 

 

 

「で、でも今日は暴力無しのはずだろ!?」

 

 

 

「なら......」

 

 

 

茜が俺から浮輪を取り上げる。

今俺らがいる場所は、波の発生地付近なので、深い。

もちろん足はつかない。

 

 

 

「ちょ、茜! お願いだからそれだけは!!」

 

 

 

「さ、花蓮。そろそろ時間だから戻ろ」

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

「待って二人とも! お願いだから置いてかないで!!」

 

 

 

足がつかないことと、元々泳げないこともあり、手足をバタバタさせながら助けを求めも、茜は振り向きもせずに戻っていく。

 

 

花蓮は少し申し訳なさそうな顔をしているが、茜が醸し出すオーラには勝てなかったのか、茜の後に付いて行く。

 

 

 

俺、生きて帰れるかな......

 

 




バンドリ楽しい!
蘭のピックアップまだかな......

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