ヨシ―ダさん、活動報告コメントありがとうございます!
「くっそ~......」
後輩に店を追い出された俺は、とりあえず家へと向かう。
仲直りするといっても、特に悪いことをしたとは思っていないため、気が進まない。
そう思っているうちに、家へと着いてしまった。
「た、ただいま~」
誰も返事をしない。
父さんも母さんもまだ帰ってはいない。
テストが近い問うこともあり、皆部屋にこもっているのだろうか。
部屋に戻ろうとするが、茜と顔を合わせるのも気まずいためリビングへと向かう。
「あ、やっと戻ってきた」
そこにはテーブルに座りながらアイスを食べているかなねえがいた。
休憩中だったか。
「ただいま、それ俺のアイスだよね?」
「一個ぐらいいいじゃない。そんなにケチケチしてると社会に出てからお姉ちゃん不安よ」
「かなねえに言われたくない」
「そんなことは今どうだっていいわ。優、私の部屋に来なさい」
「え?」
姉から唐突に部屋に来いと告げられる。
かなねえの部屋に呼べれるのは珍しい。
「どうせ自分の部屋に戻るのは気まずいからって、ここで勉強しようって思ってるんでしょ?」
「うっ......」
「だったら私が教えてあげるから部屋に来なさい。休憩したくてここに来た人の迷惑でしょ?」
「まぁ、確かにそうなんだけど。いきなりどうしたの? なんか気持ち悪い」
「アイス投げるわよ」
「ごめんって」
かなねえに連れられて部屋に行く。
高校に入ってから部屋に行くのはあんまり無かったな。
「なんかかなねえっぽい部屋」
「それは褒め言葉でいいのかしら?」
「一応ね。ところで、何で俺を部屋に呼んだの?」
「さっきの言ったでしょ。あんたの勉強を見てあげるって言ってんの」
「嘘だね。栞以外に厳しいかなねえがそんなことを言うはずがない」
「はぁ。なんかムカつくけど、確かにその通りよ」
「それで、ほんとの目的は?」
「あんた茜と喧嘩してるでしょ」
「......うん」
「あんたたちの雰囲気が悪いと、あたしらまで雰囲気悪くなっちゃうの。どうにかしなさい」
「仲直りしろとは言わないんだね」
「そりゃあ、あんたらの喧嘩に口を出すつもりは無いわ。でもそのせいで悲しむ人がいることは覚えておきなさい」
「悲しむ?」
かなねえの言ったことに首をかしげていると、突然袖を軽く引っ張られる。
引っ張られた方に視線を向けると......
「優お兄様と茜お姉様、喧嘩しちゃ嫌なの」
栞がか細い声で、だがしっかりと意思がこもった声で言う。
「栞? これはお兄ちゃんとお姉ちゃんの問題でな?」
「喧嘩しちゃいや!」
「えと......その......」
「嫌!!」
「......。」
栞の目に涙がたまっていく。
(おいかなねえ! もしかしてこれを狙ってたのか!?)
(さあどうでしょうね。早くどうにかしてあげないと、栞泣いちゃうわよ?)
かなねえがしてやったりという顔でこっちを見てくる。
(くそっ! 後で覚えとけよ!!)
(あら? あんたがそんなこと言える立場かしら?)
(ぐぬぬ......)
気を取り直して栞の方を向く。
「栞、お兄ちゃんが悪かった。ちゃんと茜と仲直りしてくるから、ね?」
「お兄様ほんと?」
「あぁ、もちろんだ。俺が嘘をつくと思うか?」
「栞お兄様を信じる!」
なんて純粋無垢な笑顔なんだ。
昔のかなねえを見てるようだ。
「優お兄様、もう茜お姉様と喧嘩しない?」
「......。」
無言で顔を逸らす。
いくら栞の頼みでも、こればっかりは約束できない。
「うぐっ...えぐっ...うぅ......」
「優が栞を泣かしたー」
「違う! いや、違わないけども!! こればっかりは双子だししょうがないというか......ああもう、分かりました! もう茜とは喧嘩しません!!」
「......ほんと?」
「ほんとだ! だから栞、お願いだから泣き止んで」
「うん!!」
なんていい笑顔だ。
まさかかなねえに仕込まれたのか?
だめだっ!
栞があのかなねえと同じ考え方を持ってしまう!
捻くれてしまう!!
「あんた失礼なこと考えてるでしょ? いや、考えてるわね。別にどっちだっていいわ。あたし今結構イライラしてるの。少しぐらい姉のストレス発散に付き合ってくれてもいいわよね?」
「なっ! 理不尽すぎるぞこの悪魔!!」
「ええ悪魔で結構よ。とりあえず栞は自分の部屋に戻ってね」
「はい、奏お姉様!」
「え、ちょっと待って栞。今いなくなられると俺の身の安全がっ!」
「さ~て、覚悟はいいわね? 部屋に来たときさんざん人の悪口言ってくれたんだから、それ相応の事をされるってことは理解してるわよね?」
「待って、それかなねえの図星だっただけじゃん! しかも言葉なんだから、俺の体にダメージがあるのはおかしいと思うんだけど!!」
「そう、ならあんたのバイトの後輩、桜ちゃんだっけ? あの子にあんたが女の子とデートしてたって伝えておくわ」
「嘘を言うつもり!? しかもそれ間接的に俺の体にダメージあるんだけど! 下手したら死んじゃうんだけど!?」
「つべこべ言わずに男なら覚悟を決めなさい」
「ちょ、待っぎゃああああぁぁぁぁ!!!」
頑張れニッポン!
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