城下町の低身長   作:かるな

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昨日は大変申し訳ございませんでした...

東京から帰ってきたのが11時30で、流石にこの短時間で書き上げるのはきついと判断し、布団へダイブしました。

明日か明後日に2話分投稿します...


スカート戦争 後編

 

『下から覗ける。下から覗ける。下から覗ける。』

 

 

生徒会室へ向かうも、茜のパンツを見るために付いてくる変態集団。

 

変態が編隊を組んでやってきた!!

 

 

 

「今日はやけに視線を感じるなー?」

 

 

 

のんきだなぁおい!

こっちはお前のパンツを見せないように必死なんだぞ!

 

 

 

(どうするよ花蓮)

 

 

 

(どうするも何も、男子たちに覗かせないように急いで生徒会室に行かないと!)

 

 

 

くそ、何か打つ手は無いのか!?

そうだ!

 

 

 

(おい花蓮! あいつらは俺が引き付ける。そのうちに茜を生徒会室に!)

 

 

 

(待って優、相手は一年男子全員よ! どうにかなるわけないじゃない!!)

 

 

 

(妹のためだ。兄が体を張らないでどうする!)

 

 

 

(優……あんた最高の兄だよ! 生きて帰って来てね!!)

 

 

 

(任せろ)

 

 

 

花蓮にグッと親指を立てると、変態集団の前に立ちふさがる。

 

 

 

 

 

 

 

「ここを通すわけにはいかないな」

 

 

 

「な、櫻田 優! 貴様っ、我々の邪魔をするつもりか!!」

 

 

 

「お前ら、茜のパンツを見ようとしたんだ。生きて帰れると思うなよ!!」

 

 

 

「くそっ! 我々の理想郷はここまでなのか!?」

 

 

 

ふっ、初戦お前たちが何人集まろうとも、妹を守ろうとする兄の前にはすべて塵に等しいぞ!

さあ、かかってくるがいい!!

 

 

 

「少し待ってもらおう」

 

 

 

「ん? 何だお前」

 

 

 

突然、集団の中から一人の男が現れた。

 

 

 

「これを」

 

 

 

すると男は、懐から一つの封筒を取り出して俺に差し出す。

 

 

 

「何のつもりだ? 金など払っても、妹のパンツなど見せはせんぞ」

 

 

 

「いえ、これはあなたにとってお金よりも大事な存在かと……」

 

 

 

そこまで言われると、受け取って確認せざるを得ない。

 

受け取った封筒を開き、中身を取り出すと……

 

 

 

「こ、これはっ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は教室で一人、席に座っていた。

 

 

 

 

 

渡された写真を見ながら……

 

 

「はぁ~、これが見れるなら茜のパンツなんて惜しくないな」

 

 

そう、渡されたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイト中の桜ちゃんが映っている写真

 

 

ご来店したお客様を笑顔で席に案内する桜ちゃん。

 

忙しく食器を運んでいる桜ちゃん。

 

注文を間違えてしまいペコペコと頭を下げる桜ちゃん。

 

お客様が連れていた子供と遊んであげる桜ちゃん。

 

お客様に笑顔で「ありがとうございました」と見送る桜ちゃん。

 

 

 

 

 

あぁ、心が癒される……

 

 

 

 

 

一緒にバイトをしていても、すぐ側で常に働いているわけではないため、こういった桜ちゃんの仕事ぶりや表情は伺えない。

これらは金などといった汚れきった物とは比べ物にならない、とても貴重な写真である。

 

 

 

まったく、これをただでくれるなんて、あいつらって結構いいやつなのかも。

 

 

 

 

 

 

 

「随分幸せそうね、優君?」

 

 

 

「そりゃあ、こんなもん見せられたら誰だって……」

 

 

 

後ろから声がしたので振り返ると……

 

 

 

「お姉ちゃんもそれ、見てみたいな?」

 

 

 

「あ、あ、葵姉さん!! いつからここに!?」

 

 

 

本来なら一年生の棟にいるはずのない、葵姉さんの姿が……

 

 

 

「さっき来たばっかだよ。それよりも、優君? 写真」

 

 

 

「あの……これはとくに大したものではなくてですね? お姉様が見る程の物では…」

 

 

 

「優君、見せなさい」

 

 

 

「………どうぞ」

 

 

 

葵姉さんの圧力には逆らえず、頭では渡してはならないと思っていても、体が勝手に動いてしまう。

 

 

 

「ふーん、優君はこういう子が好みなのね」

 

 

 

「いや、別に好みというわけではなくて……その、先輩として後輩が仕事をちゃんとできてるか確認したくて…」

 

 

 

「ふふふ、そうゆうことにしといてあげる」

 

 

 

葵姉さんから写真が返される。

 

良かった、処分だなんて言われたら今頃窓から飛び降りてたよ…

 

 

 

「ねえ優君。茜がスカートを履いてないって噂あったでしょ?」

 

 

 

「そ、それがどうかしたの?」

 

 

 

「さっきかなちゃんから連絡を貰ったの。それで、茜は登校中にスカートを引っ掛けて破けちゃったみたいなの」

 

 

 

「へ、へぇ~」

 

 

 

「それで短パンに履き替えたつもりだったらしいんだけど、授業の予鈴に体が反応しちゃって、短パンを履き忘れちゃってたみたいなの」

 

 

 

「あ、茜らしいね…」

 

 

 

「それで、クラスの子たちは茜がスカートを履いていないのを知って、生徒会室に呼ばれた茜の下着を見ようと付いていったんだって」

 

 

 

「ま、まったく、男子ってしょうがないですよね…」

 

 

 

「でも茜は短パンを履いてるつもりだったから、皆の誤解を解くために制服を持ち上げちゃって、案の定下着が見えちゃったらしいの」

 

 

 

「ははは、ドジですよね…」

 

 

 

「しかも、茜が下着を見られないように男子を引き付けようとした子が、ある写真で買収されちゃったらしいの」

 

 

 

 

 

 

「…………………。」

 

 

 

 

 

ゆっくりと後ずさる。

いつでも逃げれるように。

大丈夫、足には自信がある。

いくら葵姉さんでも俺には絶対に追いつけない。

 

 

 

 

 

「あら優、どこに行くつもりなのかしら?」

 

 

 

声が聞こえた方を振り向くと、満面の笑みで仁王立ちしているかなねえが……

 

 

 

「その、気分が良くないので保健室へ行こうかと……」

 

 

 

「なら、私たちが付いていってあげるわ。ねえ葵姉さん」

 

 

 

「優君とお話ししたいことがいっぱいあるし、その方がいいわね」

 

 

 

じりじりと二人に距離を詰められる。

 

 

 

「あ、あの、お姉様方?」

 

 

 

「「ふふふふふ」」

 

 

 

全てを悟った。

 

俺はここで死ぬ運命にあると……

 

 

 

 

 

 

 

茜のスカートの事に気付いていたのに指摘しなかったこと、写真で買収されたことなどを問われながら保健室に連行された。

 

その後、貰った写真を二人の目の前で処分するか、茜に渡すかの究極の二択を迫られた。

 

 





今度fgoコラボカフェに行こうと思います。

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