城下町の低身長   作:かるな

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個人的には光と茜が好きです

岬サナさん、katakinさん、感想ありがとうございます!


団らん

 

「今週もまた買い物―!? 出かけたくない…」

 

 

茜ってほんとくじ運無いよな…

 

 

「茜ちゃん、あたしカレーが食べたい!」

 

 

んで光、お前はどんだけカレーが好きなんだよ…

 

 

「出かけたくないんだって…」

 

 

 

「茜ちゃん! やっぱりカレーが嫌いなの!?」

 

 

 

「だから違うって言ってるじゃん…一歩外に出たら監視カメラが…」

 

 

 

「そんな気にすることないよ、全国ネットでパンツ見られてるんだし」

 

 

 

「やめてえぇぇ!」

 

 

机に突っ伏す茜、妹に弄ばれるってどうなの?

 

 

「あんたちって選挙活動する気ゼロよね」

 

 

 

「僕はあります!」

 

 

 

「私だってあるもん!」

 

 

あかねえの言葉に対して輝と光が文句を言うが、俺ら兄妹で選挙活動まじめにやってるのなんてかなねえくらいだろ。

 

 

 

「輝や光じゃ相手にならないの」

 

 

 

「「ええ~!」」

 

 

言い方はきついけど、俺もそんな感じするなぁ。

選挙活動してないけど。

 

 

 

「そんなことないよね? 光だって頑張ってるよね?」

 

 

 

「頑張っては無いかも」

 

 

おいおい…

 

 

 

「フォローした私のためにも頑張って!!」

 

 

 

「ふふん! いざとなったらあたしの能力で票集めなんて楽勝だもん。大人の魅力でメロメロにしちゃうんだから!」

 

 

光の成長した姿か…

それはそれで早く見てみたいな。

 

 

 

「24時間しか持たないじゃない」

 

 

 

「うっ!」

 

 

 

「しかも国民にはあんたが10歳だってばれてるから意味ないじゃない。それに変化するのは外見だけだし」

 

 

 

「ううっ!」

 

 

 

「見た目で人を引き付けようだなんてだめよ」

 

 

手鏡見ながら前髪直してるやつが言うセリフじゃない…

 

 

 

「いいもん! 将来はあたしの方が胸大きくなるし」

 

 

 

「はあ!? 大きさより形が大事なの」

 

 

そう言って自分の胸を強調するかなねえ。

ほんとは見たいけど、目のやり場と茜からの視線に困るのでやめていただきたい。

 

 

 

「大きさだよ! 修ちゃんが言ってた!!」

 

 

おいおい、その話佐藤先輩にするなよ。

泣き崩れるぞ。

次の日からバストアップ体操とかやり始めかねんぞ。

 

 

 

「言ってねえ! しいて言えば感…ボフっ…」

 

 

言い終わる前に近くにあったクッションを投げつける。

我ながらいい仕事をした。

 

 

 

「茜ちゃんはどう思う?………ごめんなさい」

 

 

茜に話を振った光は、茜の胸を見ながら申し訳なさそうに言う。

 

 

「謝らないで……」

 

 

 

「ごめん…」

 

 

 

「やめてぇ…」

 

 

茜って光にとことん弄られてるよな。

 

 

(ドンマイあか..ゴフっ!!)

 

 

慰めてやろうとしたら湯のみが飛んできた…

なんて妹だ、兄を殺す気か!!

 

 

 

「お兄様大丈夫? 痛いの痛いのとんでけ~」

 

 

 

「ありがとう…栞…」

 

 

そんな俺に天使が舞い降りた。

純粋に俺を心配してくれる!

他の奴らなんて自業自得だなんて思ってるのに、栞は何ていい子なんだ…

これが奏似じゃなかったら完璧なんだけど…

 

 

 

「優、なんかムカつくから手鏡投げていい?」

 

 

 

「理不尽!!」

 

 

 

「葵姉さんもだけど、皆選挙に興味が無くて助かるわ」

 

 

 

「興味が無いわけじゃないけど…」

 

 

困ったような顔をして答えた葵姉さんはそのままリビングから出てしまう。

 

 

 

「本気出されたら敵わないし…」

 

 

 

「でも現状一位葵お姉ちゃんだよ?」

 

 

 

「なぜだか分からないけど、姉さんは王様になるのを嫌がってるし、何とかして支持率を下げてくるに違いないわ」

 

 

 

「何か悪いことして?例えば?」

 

 

 

「うーん…そこの優みたいに、茜のプリンを勝手に食べちゃうとか」

 

 

 

「それ私に嫌われるだけじゃん! ………優!?」

 

 

 

「じゃ、俺バイト行ってくるから!!」

 

 

食べていた茜のプリンを栞にあげると、全力で玄関まで急ぐ。

 

 

 

「あ、優! 帰ったら覚悟してよね!!」

 

 

背後からの死刑宣告を聞きながら家を出る。

 

 

俺今日帰りたくない…

 

 

 

 

 

 

「流石にこの時間帯になるとお客さん少ないね。いつもこんな感じなの?」

 

 

 

「はい、夕方にもなると少ないですね。夕食を喫茶店で済ます人もそんなにいないので。それにしても、先輩のシフトはとっくに終わってるんですから、残らなくてもよかったんですよ?」

 

 

 

「いや~、お客が少ないときに残業してしっかり稼ぐ。大事なことだよ」

 

 

 

「そうですか、ならこの事はオーナーに包み隠さず報告しときますね」

 

 

 

「冗談だって! ちゃんとオーナーにも連絡は入れてるから! はぁ、あの人怒らせるとほんとに怖いんだよ…」

 

 

オーナーが起こった時の怖さといったら、葵姉さん以上…

普通の人間なら即死レベルである。

 

 

 

「いつも頑張ってる桜ちゃんを手伝おうと思ってね」

 

 

 

「あ、ありがとうございます…」

 

 

うんうん、素直な反応が一番だよね。

かなねえも見習ってほしいもんだ。

 

 

「おっと、電話だ」

 

 

不意にポケットに入れていたスマホが鳴る。

 

 

「先輩、仕事中ですよ」

 

 

桜ちゃんから冷たい目で見られるが、今はお客さんがいないので許してほしい。

俺の勤務時間も終わってるしね。

 

 

「葵姉さん、どうしたの? え? まだいるけど……ハイ…申し訳ございません、今すぐ戻ります…え? 大丈夫だけど…分かったよ、それじゃあ」

 

 

 

「葵様からですか?」

 

 

 

「うん、バイトで残って仕事をしているのを連絡し忘れてた…」

 

 

 

「あはは…そしたらもう戻った方が良くないですか?」

 

 

 

「でもその前に一つお願いしたいことが…」

 

 

 

「今はお客さんもいないので、構いませんよ」

 

 

 

「ほんとごめんね、俺も手伝うからさ」

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう桜ちゃん、それじゃあ後はよろしくね」

 

 

 

「はい、任せてください。でも先輩? 貸し一つですからね?」

 

 

 

「あはは、もちろん…」

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

 

 

「お帰り優君」

 

 

出迎えてくれたのは葵姉さん。

 

 

「頼まれてたもの、ちゃんと持ってきたよ」

 

 

 

「急にごめんね、助かったわ。でも、バイトの時間が延びるなら、ちゃんと連絡すること!」

 

 

 

「はい、本当に申し訳ございませんでした……ところで、何でテイクアウトが必要なの? 買い物は?」

 

 

 

「それなんだけど……茜と光が行ってくれたんだけどね、買い物を忘れてたみたいで…」

 

 

 

「何それ……」

 

 

ていうか買い物しに行ったのに買い物しないなんて、何しに行ったんだよ…

 

 

「ほら、皆待ってるから早く早く」

 

 

 

「はいよ~」

 

 

リビングに入ると葵姉さんが言った通り皆揃っていた。

 

 

「「優(ちゃん)遅いよ!」」

 

 

 

「誰お前ら…」

 

 

訂正しよう。

2名以外は揃っており、後2名は見たことあるような奴が…

 

 

 

「「優(ちゃん)の妹だよ!!」」

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

 

「あー、成程ね。それで自分を大きくしたけど、服のサイズが合わないから茜を小さくしたと………それにしても小さすぎないか?」

 

 

 

どうやら買い物に向かう途中に光が猫を追いかけてたら、猫が木に上って降りられなり、猫に手が届かない光は自分を成長させて猫を助けたのだが、成長したことで服のサイズが合わなくなった光は茜を小さくして服を交換したのだそうだ。

 

 

 

「でしょ優兄! かわいいよね!!」

 

 

茜の隣に座っている岬と奏が、小さくなった茜を撫でまわす。

 

こりゃあもとに戻るまでずっと二人の玩具だな。

 

 

 

 

 

 

 

「にゃ~」

 

 

 

「っっっっっ!!!!」

 

 

 

「どうしたの優兄さん?」

 

 

 

「猫っ! 猫っ!!」

 

 

俺は瞬時にソファまで撤退する。

少しでも遅かったら殺られてた…

 

 

「優ちゃん猫苦手なの?」

 

 

 

「苦手っていうか、何を考えてるのか分からなくて怖いんだよ!!」

 

 

 

「優兄さんの能力は動物には使えないからね」

 

 

昔道にいた野良猫に能力を使ったことがあったが、こちらの言葉は送れても、向こうからの言葉は意味不明な単語が羅列されて帰ってくる。

一種の暗号のようなものなのである。

 

なんというか、それらが頭の中に流れ込んでくるのは非常に気持ち悪い…

俺はその日から動物に対して敏感に怯えるようになってしまった。

しかもたちが悪いことに、どうやら俺は動物に好かれやすい体質らしい。

 

 

 

「優君、皆待ってるから早く席について」

 

 

 

「わ、分かってるけど…」

 

 

ボルシチと格闘? し、何とか席についてバイト先から持ってきた料理をみんなで食べる。

 

 

 

 

 

食後にかなねえから羽交い絞めされ、岬にボルシチ(猫)を近づけられるといういじめにあった俺はその後、生気が抜けて廃人になっていたという…

 

 




春休みに入ったので完璧に暇なので、超スピードで書き上げていきたいと思います。

それに伴って、登校時間をバラバラにしようかとか思ってます。

今考えてるのは1日3話です。

時間帯はまだ決めてないので、朝のHRがつまらないからヒマつぶしが欲しい方、会社の休憩時間に読みたい方、寝る前に読みたい方など、自分の読みたい時間を言っていただけたら、その時間にしようと思います。

活動報告にアンケートを出しておくので、ぜひお願いします!

評価・感想・お気に入りお待ちしております!

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