2話アップしたかったんですけど、間に合いませんでした...
明日その分アップします!
「は~学校終わっちゃった…」
「お前ほんとに学校好きだな」
いつものごとく机に突っ伏す茜。
「もうちょっと授業増えないかな」
「めったなこと言うな茜。もしそれのせいで宿題が増えてみろ、俺は毎日葵姉さんの部屋に監禁されることになる…」
体が震えてきた…
おかしいな、葵姉さんとの勉強は楽しいものだったはずなんだけど……
うっ! 頭が!!
「それは優の自業自得でしょ。そろそろ帰ろう」
「はいよ……あ、ごめん茜。かなねえに頼まれてた仕事があったんだった! 先に行っててくれ」
「え~、しょうがないな~」
流石に茜を一人で帰らせるのは申し訳ないので、仕事を早く終わらせるために生徒会室へと急ぐ。
「いつも手伝わせちゃってごめんね優」
「暇だしいいよ。俺もう行くから、お先に」
「気を付けて帰りなさいよ」
「は~い」
先に行っているであろう茜に追いつくために走ると、何やら見知った先輩がなぜか電柱に隠れていた。
声かけた方がいいかな…
(あの~、佐藤先輩?)
「うひゃあ!!」
(ちょっ! 落ち着いてください佐藤先輩、櫻田 優ですよ! 修兄の弟の!!)
「優君!? え?どこにいるの!?」
う~ん…この人には何度か能力で会話したことある気がするんだけどな…
なんでこんなに動揺してるんだろう。
ふと佐藤先輩が見ていた方を見ると、修兄と茜が歩いていた。
二人並んで、ぴったりくっついて。
あ~、成程。
佐藤先輩にはあれが茜に見えてないのか。
確かにあんなにくっついてたら、いつものツインテールが見えないもんな。
これは面白そうだ…
「佐藤先輩、後を付けるならもうちょっと上手くやりましょうよ」
「え!? そ、そんなつもりは…」
「二人が角を曲がっちゃいましたよ! 早く追いかけないと」
そう言って佐藤先輩を修兄の元へと急がせる。
「ふむ、我ながらいい仕事をした」
そんなことを思いながら、自分も後を付けていき、曲がり角に隠れて様子を伺う。
「佐藤、どうして俺たちの後を付けてきたんだ?」
「す…好き、だから…櫻田君のことが好きだから!!」
「なっ!!」
おうおう修兄め、かなり動揺してるな。
茜に至っては顔を赤くして目を逸らしてるし。
「お前の気持ちは嬉しい。だが、俺は今奏を王様にしないための妨害工作で忙しいんだ!!」
「へ?」
え? かなねえを妨害する?
何のために?
「しかも選挙はまだまだ先だ。それでも、待っていてくれるか?」
「も、もちろん!」
よし、これで一件落着だな。
そう思ってその場を立ち去ろうとしたが、近くにあった木の枝を踏んづけてしまう…
おいおい、どこの漫画だよ。
三人とも流石に気付いて………ますよね~
しっかりとばれてしまい、なんて言い訳を使用か考えていた所に、茜がダッシュで突っ込んで俺の手を引っ張る。
「修ちゃんは佐藤先輩をしっかりと送っていってね!」
「ちょ、待て優! お前いつからそこに!?」
「じゃ、修兄。お幸せに~」
茜に引っ張られながらその場を後にする。
後で修兄に何か言われそうだけど、かなねえを差し向ければいいか。
「いいなー修兄、彼女かー。俺も欲しいなー」
「………あっそ」
なんか茜が冷たい…
さっきのやり取りからずっとだ。
「もしかして、修兄が取られるとか思ってる?」
「…………。」
図星だな。
「いいか茜。いくら俺たち兄妹が他の誰かと結婚しても、俺たちが兄妹であることには変わりない。なんて言ったって血が繋がってるんだからな。それ以上に強い繋がりなんて存在しない。甘えたいときはいつでも甘えていいんだぞ」
「…………。」
茜が先程よりも少し力を込めて俺の手を握る。
まったく、可愛い妹だ。
「優はあのバイトの子が良いの?」
「な、なんてこと言うんだ茜! 桜ちゃんとはそう言う関係じゃなくて、その、ほんとにただの後輩だから! しかも俺の好みはあそこまで胸が小さくなくて、葵姉さんぐらいは欲し………痛い痛い! ちょっと茜、手が潰れる!! ほんとマジで!!!」
「潰れろおぉ!!!」
「ああああぁぁぁぁ!!!」
俺って、何でこんなに不運なんだろ………
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