今回は、どうしてもやりたかったネタ三昧です。
では、どうぞ御ゆるりと。
見世物の戦いではエンターテインメント性が必要となる。
中でも、必ず殺す技と書いて『必殺技』と言うのは特に顕著だ。
煌びやかでど派手で、一種の花形と言えなくもないだろう。
そこに、ロマンはあるのだろうか?
学年別タッグトーナメントは楚々なく進み、残り試合数もあと少しになってきた。
既にベスト8が出揃い、誰が優勝するかの話で盛り上がっている。
ちなみに、どのペアが優勝するかのトトカルチョは禁止された。そう、我らが
「ふぅ、やっとココまで来たなって感じだな。しかし、何と言うか…見事に身内ばかりである」
「仕方がないよ一夏。僕たちの知り合いはほぼ全員が専用機持ちだもの。
結果は自ずと分かってたじゃないか」
「あー…まぁ、なぁ」
「あはは、気を取り直してコレでも見てみる?最新の校内新聞だけど、
各ペアの前評判が載ってるよ」
ベスト8以降の試合前日、出揃ったペアを見ると見事にいつものメンバーで占めていた。
この結果が何となく予想でていた一夏は何とも言えない予定調和ゆえの脱力感を感じるが、
シャルルがそんな彼を立ち直らせようと別の話題を振る。
彼女の手には最新の校内新聞が握られていた。その内容は・・・
織斑一夏 & シャルル・デュノア ペア
言わずと知れた唯一の同年代男子ペア。同性同士の気兼ねない心持ちのせいか、ペアとなった
期間が短いながらも息のあった連携をとる。
爆発近距離火力の白式を扱う織斑一夏君の思い切りの良さと、オールラウンダータイプの
ラファールを
「う~ん、改めてサンキュー。シャルル」
「どうしたのさ、一夏?」
「いや、思い返してみれば凄く助けられてるって思ってな」
「ありがとう、一夏。でも、僕も一夏の攻撃力には期待してるんだからお相子だよ。
それに、まだまだ終わりは先だよ?」
「ああ、頑張ろうぜシャルル!打倒ラウラ!オマケに優勝だ!!」
「うん、頑張ろう!」
両者とも第三世代IS専用機を操る国家代表候補生ペア。単純な力量と機体性能はとある例外を
除いてトップクラスと言っても過言ではないだろう。
近距離よりだが全距離対応の甲龍、アウトレンジの鬼であるブルーティアーズ。確りとした役割分担による運用は堅実なモノがある。
どちらか片方を即座に潰そうとしても、そう易易とはいかない。代表候補生としてISバトルの
運び方は確かに一般生徒より先にあるようだ。
「鈴とセシリアも順調に勝ち進んでいるようだな」
「そうだね。まぁ、二人とも代表候補生で第三世代の専用機だからね。順当って感じかな」
「戦うことになったら、まず近づくまでが大変そうだな」
「そうだね。どちらとも第三世代特殊兵装持ちだから、オルコットさんのオールレンジ攻撃の弾幕と、ついでに凰さんの不可視の弾丸も飛んでくるよ…ね」
「「ヤバい(ね・な)…」」
篠ノ之箒 & チェーロ・プニャーレ ペア
まさかの両者合意で組んだとは思って見なかったペア。よく同じグループに居るのは
分かっていたが、ソレまでと思っていたので予想外である。
戦いは守りの篠ノ之箒さんに、速度のチェーロ・プニャーレさん。チェーロ・プニャーレさんのスティレットは半専用機であり、コトブキカンパニーオリジナルISである為公表されている
スペックデータ以外は謎であり、また篠ノ之箒さんに貸し出された打鉄用の『
守りきり近づいての一刀両断、速さで翻弄され撃ち切り刻まれる…謎ゆえに今回のダークホースかもしれないペアである。
「確かにこの二人が組むとは思わなかったなぁ」
「そうだね。でも、記事通りに謎が多い機体って言うのは確かだよ」
「月甲禍津のバリアは…零落白夜しか通さなそうだなぁ」
「僕としてはプニャーレさんの機動能力の方が驚異だね」
「「う~ん…」」
更識簪 & 布仏本音 ペア
ある意味で一般的なペア?と言えるかもしれないペア。
つーか…専用機だけのペアが多すぎるんですよ、今回。
戦闘面では更識簪さんの専用機‐打鉄弐式がメイン。打鉄の系譜だが、高速機動用に設計し直しているので元とは別物と言っていいだろう。
手持ちは薙刀である
中~遠距離がメインと成っている。
だが、ペアである布仏本音さんはバトルが得意でないため囮に徹している面があり、
実質更識簪さんが一人で戦っている。
しかし、何故か布仏本音さんに接触した選手は機体の不調になる事が多く、何かあると私達は
踏んでいる。
「更識さんて、なかなかの腕前だよね」
「ああ、俺だと近づけさせてくれなくて…そのまま終わるな」
「でも、一夏だと布仏さんの方が大敵じゃない?」
「え?あ、そっか…近づかないと俺はダメだから」
「うん、それで何か起こったら僕だけになっちゃうよ」
その後の記事での紹介ペアは余りパッとしないものが続く。考えてみれば、まだ出ていない
『例外』ペア以外は例え代表候補生がペアだろうと専用機持ちではないのでしょうがないのであろう。
千冬に言わせれば、代表候補生だろうと一般生徒だろうとドングリの背比べレベルらしい。
二人で残りのペアの特徴を把握しながら読み進めてゆくと…その『例外』で最も強敵で恐ろしい
ペアの記事まで来た。
十千屋 雄貴 & ラウラ・ボーデヴィッヒ ペア
今回の災厄と言っていいペア… 寧ろ、何故組ませてしまったと教師側に抗議を入れたいと
思わせるペアである。
ラウラ・ボーデヴィッヒさんは現役軍人、十千屋雄貴さんは最近明らかにされた情報だがFAでの従軍経験と言うか…ラウラ・ボーデヴィッヒさんの指導官をやっていた時期があるらしい。
つまり、現役ISライダー&そのモドキのペア。
戦闘面ではどちらとも卓越した操縦技術&戦闘センス、ラウラ・ボーデヴィッヒさんの専用機の第三世代特殊兵装‐停止結界と十千屋雄貴さんの
特にシャガールⅡは実際に撃たせてもらったのだが、ISの反動自動相殺機能が殺しきれない反動が襲いかかってきており、
この現実を認めきれない私達の横で…素顔は何時も通り見えないが、きっと平気な顔で的の
ど真ん中を連射しながら当てていた……一体どういう事なの?
「「……・・・あ」」
「そう…だった。そうだったじゃねぇかぁ…」
「うん、そうだったね。ボーデヴィッヒさんに勝つ前に最大の…
いや、最恐の壁が存在があったよ」
「やべぇ…勝てる気がしない。特に師匠に」
「あの人、僕らが複数で襲いかかっても平気でこちらを潰しにかかるものね。
まぁ、今回は負けてもしょうがないんじゃないかな?」
「いや、足掻くだけ足掻かないと…後で師匠に地獄を超えた修行に放り込まれる ((((;゚Д゚))))」
「あはははは… (;・∀・)」
嫌な現実にブチ当たった二人は、この日の夜は決めた就寝時間まで他のペア対策そっちのけで
十千屋&ラウラペア対策を必死に練るのであった。
何故、シャルルまで必死に成っているかと言うと…自身もいつの間にか一夏メンバーに組み込まれており、同じトレーニングを受けている。つまり、無様な戦い方をすれば自分も
翌日もトーナメントの続きである。が、もうベスト8まで出揃ったので残り全試合数は七つ、
今日くらいで終わるだろう。
トーナメント表を見るとほぼ相手は一般生徒=ノーマルIS組ばかりであり、一夏&シャルル、
箒&チェーロはさっさと勝ち上がった。十千屋&ラウラは最終試合で一般生徒相手なのでまだ出番はなく、盛り上がりはないだろうがとある試合だけは違った。
その試合とは、『鈴&セシリア 対 簪&本音』の試合であったからだ。
今回初めてとなる専用機同士の対決に観客の誰もが浮き足立ち、今かと待っている。その熱気はピットで待っている生徒達にも伝わっている。
「さて、遂に強敵が現れたわよ」
「ええ、『日本の代表候補生』更識簪さんですわよね。
しかも、今トーナメント初となる専用機の相手ですわ」
「あっちがどう出るかは分からないけど、
事前に決めたポイントはしっかり覚えているでしょうね?」
「ええ、簪さんがどちらを相手取るかにせよ。その誘いに乗り抑える。
その間に布仏さんを墜とすのでしたわね」
「ちょっと、抜けてるわよ。布仏とガッツリ接触したらイケナイってのが」
「ええ、それも存じてますわ。物理的に弄られてISが不調になるなど試合中では
恐ろしい事ですもの。あとは、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変にするだけですわ」
「……何かフラグが立ったような?」
鈴とセシリアはピットでコレからの試合の注意点を確認しあい、あとは自分たちのISが十全に
力を発揮できるように最終確認を進めていた。
一方で簪と本音も自分のIS、本音は学園から貸し出されているラファールだがこちらも其々のISの最終確認作業に入っている。
「かんちゃん、ココまできちゃったね~」
「ええ、戦力差から考えての予定ラインまで残れた」
「でも~、相手がリンリンとセッシーだよ~?専用機だけのペアは流石にキツいよ~
負けちゃうかも~」
「そうね。でも、私にも意地がある。だから、『
本音、キツいかもしれないけど手回しをお願いね」
「了解なのだ~。ドカンと一発大勝負だよ~!」
どうやら、簪はここ一番の勝負に出るようだ。調整をしながら打鉄弐式を撫で、その瞳には力が篭っていた。
試合開始の合図と共に先に行動したのは簪ペアであった。牽制とばかりに簪は連射型荷電粒子砲の春雷をセシリアに撃ち、自分が相手取るとアピールしているようである。
予定通りセシリアは彼女の誘いに乗り激しい銃撃戦となった。一方で本音を追うのは鈴の役割になったのだが、
「いっくよ~!チョウチョの様に舞って~!!」
「(ランダム回避を織り込めての接近。意外とヤルじゃない布仏やつ)」
「ゴッキーの様に逃げ~る~~っ!!」
「だぁああ!?なにヤってんのよアンタはぁあ!?」
蛇行する回避運動を織り交ぜた飛行で接近してきた本音に対して鈴は感心するが、
次の瞬間裏切られる事となる。
何せ、近づいてきたと思ったら全速力で彼女の前から逃走したのだらから。コレには鈴は器用に空中でコケて、声を張り上げた次の瞬間…
「と、見せかけてぇ!ハッチーの様に刺~すっ!!」
ゴガァン!!「あべしっ!?」
「で、ゴッキーの様に逃げ~る~~っ!! 三\(≧д≦)/」
「待てやぁあゴォラアァア!!(#゚Д゚)」
無駄に洗練された無駄の無い無駄な動きに準じるような本音の見事な
ドロップキックが鈴に突き刺さる。
そこからまた逃走を始めた彼女に鈴はキレかかりながら追いかけるのであった。
そんな、コントとは裏腹なセシリアと簪の銃撃戦は見事なもである。
どちらも紙一重で避けながら縦横無尽に撃ち続けていた。
「(くっ、コチラのパターンを読まれていますわね。
今の状態が私の最大の
「(パターンは何とか読める…けど、予測よりも早い!一歩踏み込みたいけど、
踏み切れない!!)」
セシリアはビット二つを外周軌道に乗せて撃ち、残り二つは自分に随伴させ攻撃を行っている。コレは戦闘時のビット操作簡略の為に自分自身の軌道とビットの軌道をある程度パターン化しているためなのだが、今は其々十通り以上のパターンを持ち状況に合わせ随時変更していた。
その為、このパターンを読み切って避けに入るのは並大抵では有り得ない。
だが、簪は集めに集めたデータを使いそれをギリギリであるが可能にしている。
両者は互いの力量を認め、心には同音同意の言葉が生まれた。
「「(この人は強い!!)」」
そして、彼女らの流れ弾が飛び交う外周では・・・
「わーん!リンリンが本気で追っかけてくる~~Σ(||≧д≦)」
「その呼び方で呼ぶなぁあ!!」
相変わらず、
鈴が衝撃砲のチャージを始めた時にソレは起こった。
本音の後ろに量子が集まり、丸い何かを形作って現れたのは手榴弾である。鈴はそれを見ると
回避運動をとり、さらに追加できた物は衝撃砲の標準を本音から外し撃ち落とす。
このようなパターンを今まで何回も繰り返していた。
「(本当に囮って訳ね!自分からは積極的に攻撃せず、あわよければ被弾するような妨害しかやってこない。でも、ブラフの物とか吸着地雷とかトゲ付き鉄球?とか、バリエーション豊富なのは
やめてよね!?)」
「ファン・リンイン…ホン・リンイン…ホン・メイリン……チュウゴク!! (`・ω・´)!」
「まったく別
本当に詳細を見れば高度な逃走なのだが、コミカル臭が抜けない二人である。が、それは唐突に終わりが来た。
本音が簪からのプライベートチャンネルでの指示を受け、急に軌道を変えたのである。どこかへ飛んでゆくその途中で
奇しくも、彼女も簪からの目晦ましを受けた直後であり
彼女とそれの背後から突っ込んできた鈴であわや激突になるかと思ったが、セシリアの回避と鈴の急制動で難を逃れる。
だが、一難去ってまた一難と言うのだろうか?四方八方から
「コレは…」
「動かない方が良さそうですわね。僅かでも動いたらズドンッというのがお約束ですわ」
「そう…でも、
この状況のお約束パターンで一旦動きを止めた二人に簪の声が耳に届く。
すると、ちょうど覆っていた煙が晴れ周りが見え始めてきた。
これでようやく状況が細かく把握できる。簪と本音は少し遠い位置に居るが、それよりも異質なのは自分たちの回り約20メートル位だろうか?そこにソフトボール
因みにそこから光学標準が出ているみたいだ。これの正体は皆目検討が付かないが、鈴は急に
思い出す。コレは本音を追いかけていた時にブラフに使われたものだと。
「で?簪、コレは一体どう言う状況なのかしら?」
「鈴…こちらの戦力では、ほぼそっちに勝てない。だから、
「そうですか、ならばコレらは自動迎撃のビットでしょうか?」
「違う。今から真の姿を見せる。…アイテムポット連動開始、量子展開…
簪の打鉄弐式から鈴とセシリアを囲んでいる物体=アイテムポットへ交信の為のレーザーが
届くと他のアイテムポットへと次々と繋がり、まるで二人は檻に入れられた気分となる。
それは、間違いではなかった。全て繋がったアイテムポットは量子を噴出し大小様々な箱型へと変化していく。変化が終わると、箱が二人を囲む。
「こ、こりは・・・」
「異質な光景ですわね…」
「準備完了…コレが私の切り札!!」
この掛け声で箱型の物は次々と一面が両開きで開き中に収められている物が日の目を浴びる。
中は円柱状の物が規則正しく入っていた。
コレは正しく・・・
「ね、ねぇ…」
「冗談…ですわよね?」
「ふっ…半径20m!ミサイルスプラッシュ!!」
「\カーニバルダヨ!!/ ヽ(‘ ▽‘)ノ」
「ミサイルカーニバルです、派手に行きましょう」
「おやっさん、何を突然?」
「いや、なんか言わないといけない気がして」
そう、大小様々なミサイルが収められており…それが一斉に鈴とセシリアに襲いかかる。
「「ぎゃあああああ!?!!」」
以前、簪が十千屋に頼んでいたのはこのミサイルポットであった。これは元々、『水中作業用FA グライフェン』を陸戦または空間戦闘用に改修した『アーマーグライフェン』に付けるパーツである。
アーマーグライフェンの見た目はミサイルポットの過重積載といった感じであり、一機あたりに付けられる最大数のミサイルポットだと174発にも迄ぶ。簪はFAプラモデルで機体自体は知っていたので実物が無いか彼に聞いたのであった。
結果は有り。こうして、出来合いのミサイルポットを幾つも格安で借りたのである。
さて、話を戻そう。ミサイルの文字通り嵐に見舞われている二人だが、たぶん十千屋の手も
入っているこのミサイルカーニバルはタダものじゃないだろう。
「熱い!冷たい!なにか飛んできたー!?」
「せめて、ビットを盾に!…てっ、何か貫いてきましたわー!?」
ミサイルと言っても種類がある。
そう、その多種多様なミサイルが彼女たちに襲いかかっているのだ。その原因は、
その対策として、動きをあらゆる面で阻害するために各種ミサイルてんこ盛りとなった訳だ。
数分…いや、もっと短いかもしれないがミサイルは全て撃ち出され辺りに爆煙が立ち込める。
その中心に鈴とセシリアの居た。
余りにも凄まじかった為、観客も生きているか心配になった程だが彼女たちは生き残っていた。
しかし、ISは大破寸前でSEも残り僅かであろうことは誰の目から見ても明らかである。
「はぁはぁ…セシリア、生きてる」
「ふぅふぅ…えぇ、今ほど生きてるいる素晴らしさを実感した事はありませんわ」
二人は背を向け合って、無事を確認し合った。セシリアはビットを盾にして、
ミサイルを撃ち落とし続け。鈴は双天牙月を回して回転シールドにし、衝撃砲で相殺し続けた。
僅かな希望も掴もうとする決死の努力と奇跡で二人は生き延びたのだが、奇跡はそう長くは
続かない。僅かに残ったSEと気力を振り絞って、簪達を仰ぎ見た瞬間に何かの影が見えた。
それは黒くて丸くてドクロマークがあって導火線がついていて、ついでにもう線には火が着いている。そう、その正体とは
二人がそれを認識した間もなくに爆発し、残ったSEは吹き飛ばされた。幻覚だろうが、この時
ドクロマークが嘲笑った気がする。
「た~まや~…けっ、キタねぇ花火だじぇ~」
「本音、野菜王子の真似は止めた方がいい」
これにより、この試合に決着がつき次にコマを進めたのは簪・本音ペアとなった。
そして、ベスト8の最終戦は十千屋とラウラの出番となる。二人共ISの最終確認が済み、
ピット内の発着場で出番を待っていた。
「さて、コレが終わればいつものメンバーと当たる戦いへと続く。
今回の相手は一般生徒ペアだが、油断はするなよ?」
「ふっ、誰にモノを言っていると思ってるんだおやっさん。無能、怯懦、虚偽、杜撰、
どれ一つとっても戦場では命取りとなる。故に全力全開といかないでも、万全の用意は
してある」
「じゃあ、」「では、」
「「行くぞ!」」
こうして、次なる戦いへと赴く二人… ジジジ・・・ジジ・・・
だが、二人はまだ気づいていなかった。 ジジジzz・・・・
この戦いの中に仕組まれた・・・ ジジ・・・チチチ・・・
悪意の
さて、少しばかり話を戻そう。汚い花火となり、その燃えかすとなった鈴とセシリアはそのまま簪ペアの手によって収容された。
ちなみに、彼女らが(強制的に)燃え尽きた時のポーズは・・・鈴は車田落ち、
セシリアがヤムチャっていたそうである。
「くはぁっ!はぁはぁ・・・あ~、負けたのか。スゲー怖かったわ・・・」
「う、うぅうん。改めて生きているって素晴らしいですわ。
・・・あと、運んでくださりありがとうございます」
「いいよ~いいよ~、ISライダー困ったら助け合いでしょ~?」
気がついた彼女らは運んでくれた簪達に礼を言うと、先程のアレはなんだったのか聞いてみた。
すると、簪は「とある機能の
その機能とは、打鉄弐式に搭載予定だった
弐式の最大武装で、第3世代技術のマルチロックオン・システムによって6機×8門の
ミサイルポッドから最大48発の独立稼動型誘導ミサイルを発射するものであるが肝心のシステムが完成出来なかったのだ。
このままだと、使えないので通常の単一ロックオン・システムが搭載する予定であったが、
簪と
彼はこう言い出した・・・
「なに? マルチロックオン・システムが完成しないって?だったら、逆に考えたらどうかな。
別に狙わなくってもいいんだって」
その結果、全方位からの過剰一斉放射へと繋がったのである。
「・・・・・・だぁぁあ!??!結局、
「おじ様・・・これ以上、わたくしのトラウマを増やさないでくださいまし (つд⊂)」
謂れを聞いた彼女たちは一頻り怒ったり、泣いたりしてあとは落ち着いたのか次の疑問を尋ねる。
「はぁはぁ・・・ふぅ・・・、それにしてもこんなの有るんだったら
もっと早く使っても良かったんじゃない?つーか、後はコレで楽勝でしょ?」
「(フルフル・・・)ミサイルの消費量が半端じゃないから次の試合までに納品が追いつかない」
「まぁ、確かにねぇ」
「それに・・・」
「それに・・・?何ですの?」
「もう、使わない。いえ、
「「は?」」
まさに一撃?必殺であるが、これ以降は使えないと言う簪について鈴とセシリアは疑問の声を上げた。
すると、彼女は手の平を上にしてから親指と人差し指をくっつける。
「使用費用が掛かり過ぎて一ヶ月に一回出来れば良い方。それにコレを使うと、
お金が掛かり過ぎるからって私の懐銭も出て行っちゃう・・・もう、予約用により分けていたお金以外無い」
そう言う彼女は、どこか遠くを見つめ・・・何かを悟ったような泣きそうなような顔をし
背中が煤けていた・・・・
「今月、店頭で買おうと思っていたアレやソレも買えない・・・あ、引き落としは来月もだから来月のヤツも・・・・・・」
「ね、ねぇ・・・簪?どうしても買いたいんだったら、貸すわよ?」
「え?良いの・・・」
「赤字覚悟で使ってくれたって事は、それだけ私達を強敵だって評価してくれたんでしょ?
あ、無論貸したお金は返せるようになったら直ぐに返してね」
「わたくしからもよろしいですわ。無期限無利子でお貸し致しますわよ?」
「ありがとう・・・鈴、セシリア」
こうして、トラウマを引き換えにより強く友情を結んだ彼女たちであった。
しかし、この必殺技の欠点を知らない一般生徒達にはミサイルマスターとして恐れられたのは
言うまでもない。
答え合わせ: おまけ:世の中は○ ⇒ おまけ:世の中は金
今回はネタ増し増しでお送りしました。
簪嬢を暴れさせてスッキリしています。だが、まだまだ今後も出番は有るんだぜ?・・・かなり間が空くかもしれませんけど。
さて、書きたかった所は書けたのはいいですけど、短くなると思って書いた蛇足が思いのほか長くなりましたね。
本当に書ききるまで予測が付かないのが未熟な証ですね・・・
まぁ、ソコは一旦置いておきましょう。
次は十千屋とラウラの出番ですが・・・IS学園の行事がこのまま平穏に終わると思っているのか!?
てな訳で、『学年別トーナメント編』のラストバトル予定です。
それが終われば後は、数話やって完全にこの編が終わる予定です。が、予定は未定・・・どうなる事やら。
何だかんだで同じくらいの進みになっている、別の書き手さんに遅れをとらないように進めていきたいです。
では、今回は此処まででございます。
そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。