IS×FA 遥かな空を俺はブキヤで目指す   作:DOM

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いよいよ、トーナメント戦が開始いたしました。
それぞれの戦いの様子は少ないかもしれませんが、楽しんでいってください。


では、どうぞ御ゆるりと。


IS×FA33ss:月甲禍津

 さぁ、宴の始まりだ。

 少年少女よ…主に少女ばかりだが、己の力を振り絞れ。

 戦い、勝ち、負け、喜び、悲しみ、様々な経験をして大きくなれ。

 だが、一方で地獄の使者が居ることを忘れてはならない。

 

 

 ついに始まった学年別個人…いや、訂正せしよう。

 学年別()()()トーナメントがついに始まった。

 観客たちは戦いの火蓋が何時切られるのかと心待ちにしている。

 

「一年生 Aブロック 一回戦 一組目、準備お願いしたします」

 

「シャルル、出番だぜ」

 

「うん、一夏。ねぇ、緊張しない?」

 

「するけどさ、こういうのは出たとこ勝負。思い切っていこうぜ?」

 

「あはっ、そうだね」

 

 進行役のオペレーターから一試合目の準備を告げるアナウンスが入る。

 初戦先頭の一夏たちは既にピットに居り、最終チェックを行っていた。

 ほんの僅かの不安からシャルルは一夏に聞くが、彼は笑い飛ばすかのように言い彼女の不安を払う。

 

「さて、頼むぜ。充電くん」

 

「(・_・)b」

 

「…この作業ロボットもコトブキカンパニーのお仕事なんだよね」

 

 一夏が誰かを呼ぶとそこには、コンセントの頭をした平べったい体を持つロボットが立っていた。

 そのロボットは白式に付けるメガスラッシュエッジを分割した形で身に付けている。

 これは『充電くん』。

 コトブキカンパニーが(主に十千屋が主導で)作った『汎用型整備補助ロボット』である。

 主な用途は名前の通り様々な機械への充電だが、高度な自律稼働が施されており整備作業の手伝いもできるのだ。

 他にも、変形して整備用ベットにもなったり、

 

「(`・_・´)」

 

「よし!白式にメガスラッシュエッジを転送だ!!」

 

 FAいや今回はISにだが、専用ベースの傍に立たせることでベース内に立った機体に充電くんが身につけた装備を量子転送することも出来るのだ。

 この機能はFAの素早い換装やパーツのみの整備の為に付けられたものだが、今は後付け出来ずに格納も出来ない白式の為に毎回メガスラッシュエッジを付けたり、外した時に預かったりするのが役目である。

 量子の光がベースから立ち上り形作ってパーツを白式に取り付けてゆく。10秒くらい経つとそこにはメガスラッシュエッジの分割武装を付けた白式があった。

 充電くんは一夏がベースから降りたのを確認すると、ベースを背負い手を振って自らの待機場に戻ってゆく。

 

「サンキュー、充電くん」

 

「うん…慣れた。慣れたけどね、サラッと凄いモノを投入しないで欲しいなぁ。

 十千屋さんもコトブキカンパニーも…」

 

 慣れ過ぎた一夏は戻ってゆく充電くんにお礼を言うが、未だ慣れていないシャルルは何処か遠くを見てこの光景を見るのであった。

 しかし、何時までもこうしては居られない。準備が完了した一夏と気を取り直したシャルルはピットから飛び出し、アリーナへ出たのである。

 

「よろしくね。一夏君、シャルル君」

 

「ふっ、勝った…出番的に勝った!後はもう散るだけのお仕事です!!」

 

「ああ、良い試合にしような」

 

「こちらこそよろしくね。あと、パートナーの方は大丈夫?」

 

 一夏達の初戦の相手は他クラスの知らない女子生徒ペアだったが、片方は楽しそうにもう片方は…何か今にも「我が生涯に一片の悔い無し」とか言って散りそうなテンションである。

 その一人のせいで、回りは少しばかりテンションについて行けないが試合が始まるれば大丈夫であった。

 対戦相手のペアのISはどちらともラファール・リヴァイヴ、全距離対応で扱いやすいISだ。

 そして、アサルトライフル、マシンガン、ショットガンを使い基本的なガンナーとして中距離戦を主とするみたいである。

 シャルルはライフルで応戦。一夏はメガスラッシュエッジを盾替わりに使用し、隙が出来たと思ったらアローモードにして牽制する。まぁ、いくら弾速が早いアローモードの矢でも苦し紛れに撃つようならば余り当たりはしないが。

 しかし、当たればそれなりの威力を持つ矢は十分牽制になったらしく、シャルルはリズムを崩した相手の一方を逃さず集中攻撃しSEをゼロにした。

 

 「我に悔い無しぃーーー!!!」

 

「何言って墜ちてんのよ!?」

 

「何か…うん、ご苦労様です」

 

「さて、残りは君一人だけだけど。降参する?」

 

「いえいえ、折角男性IS装着者二人とバトルできるんだから…

 最後までお付き合いさせて下さい!」

 

「分かったよ。行くよ!!」

 

「(ゴメンな。実はシャルルは女の子なんだよ)」

 

 心の中で謝罪をしながら一夏達は残った対戦相手を追い詰めてゆく。流石に2対1、片方は既存ISと言えどもフルカスタムの専用機、ついでに相方も一夏(専用機)…どこぞの無理ゲーよろしく、対戦相手の女子に勝ち目は無かった。

 対戦相手のSEもいい感じに減ってきていて、一夏とシャルルはとある連携で彼女にトドメを刺す事にする。シャルルはライフルを一旦領域内にしまい、新しい武器を取り出した。

 

「H.W.U06:EXB(エクシードバインダー)!ウィングユニット装着!フルドライブ!!」

 

「メガスラッシュエッジ!ブラスターモード!セミマニュアル GO!!」

 

 シャルルが呼び出した武器はH.W.U06:エクシードバインダー。そう、コトブキカンパニー製の武器である。メガスラッシュエッジを見て物欲しそうな目をしていたシャルルに使い心地のレポートを出すことを条件として、船の中で余っていたコレを貸出したのだ。

 この武器はウィングブースター×2、フォトンライフル、マルチアイテムハンガーで組み合わせられている複合武器である。

 組み合わせにより、シールドブースター、積層シールド、フォトンキャノン、ビックシザーズと支援機から武器・防具まで幅広く対応できるのだ。

 今回はラファールのマルチウェポンラックにシールドブースターを接続し、ウィングを開いて高機動形態をとっている。そして、手にはフォトンライフルを持っていた。

 

「行くぞっシャルル!」

 

「任せて!一夏!!」

 

 二人は猛スピードとなり相手を攪乱する。その隙を突いて一夏が肉迫し、メガスラッシュエッジで挟み込んで抑える。

 ブラスターモードの際の誘導装置代わりとなっているブレードを操作して挟み込んだのだ。

 

「1!」

 

 動けなくなった相手をシャルルがライフルで狙い撃ち、暴れられる前に一夏がブラスターのチャージショットを撃って放り出した。

 

「2の!」

 

 そして、体勢を立て直される前に猛スピードで接近しまずは一夏の零落白夜で攻撃し、その刹那にシャルルのシールドブースターのウィングが叩きつけられる。

 

「「3!!」」

 

 「きゃぁああ!?」

 

 畳み込まれる様な連続攻撃に最後のシールド無効を付けられた2連撃、相手のSEは完全に溶けて消えた。

 

「へへっ、どうだ?連携攻撃『一石二鳥』は!」

 

「う~ん、日本語訳は間違ってないぽいけど…カッコ良さ大幅ダウンだよね、その言い方は」

 

 初戦は一夏達の快勝。次の試合へと駒を進め事となった。

 

 

 一方でコチラは観察室、教師しか入れない部屋で先ほどの試合を千冬と山田先生が見ていた。

 

「ふわ~、凄いですねぇ。2週間ちょっとであそこまでの連携が取れるなんて。

 やっぱり才能ありますよ織斑君は」

 

「ふんっ、アレはデュノアが合わせているから成り立つんだ。アイツにそこまでの技量はない」

 

 山田先生は感心したようにつぶやくが、千冬の相変わらずの辛口評価に苦笑気味で次の事を言う。

 

「でも、ああやって他の人が合わせてくれる織斑君自身も凄いと思いますよ?

 魅力の無い人には誰も力を貸してくれませんから」

 

「まぁ……そうかもしれんな」

 

 千冬の返答はブスとした感じであったが、最近の山田先生はソレが照れ隠しなんだなと気づいた。故に弟さん思いだなぁ、と微笑ましく思うが急に浮かんできた考えで表情が曇る。

 

「あの、行き成りの形式変更はやはり先月の事件のせいですか?」

 

「詳しくは聞いていないが、おそらくは。より実践的な戦闘経験を積ませ各自の自衛力の底上げを目的としているんだろう。何せ、今年の新入生は第三世代のテストモデルが多い。

 無論、事が起これば私達教師が守るがこの数が有限である以上は、自身の身は自分で守らなくてはいけない。特に専用機持ち(テストモデル)達はISも守らなければならないからな」

 

 この会話にはISの条約とその抜け穴に関係する。

 ISの技術というのは基本的に開示していかなければならない義務がある。だが、コレではどんな新発見・新発明しても直に開示しなくてはならなくなり、技術が盗まれるなどして開発元は損だけしかない。

 そこでIS学園が登場する。IS学園は基本的にあらゆる法の適応外となっている。

 このため、世界広しといえどもISの新技術において『データを開示せずに実戦データを集められる』のはココ(IS学園)しかないのだ。

 それ故に各国のテストモデル達がここに集まってくる理由になっている。

 

「(だが、コトブキカンパニーの奴らだけは別だ。FAはISの近似なのだろうがISではない。

 ならば、そこで培った技術はここにあるISの何れ位先までいっているのだ?)」

 

 ISの技術面に考えがいっていた千冬は急にコトブキカンパニーの異常性に向く。

 ISの近似ではあるがISではないFAは先ほどの規定には当たらない。

 つまり、どう開発しようが開示する義務はない。

 一夏とシャルルが貸し与えられているH.W.Uはイギリスなんかは喉から手が出るほど欲しいものであろう。何せ、ビーム兵器と自律兵器の一つの完成系なのだから。

 底の見えないコトブキカンパニーとソコから来ている十千屋達に千冬は漠然とした脅威を感じるのであった。

 

 

「一年生 Bブロック 四回戦 二組目、準備お願いしたします」

 

「はぁ、待ちくたびれたわ。ようやく、あたし達の出番ね」

 

「はい、ですが油断大敵で行きましょう。本命は専用機が居るペア。こんな所で負けては…」

 

「分かってるわよ。馬鹿笑いされるより、生暖かい目で見られる方がキツいわ」

 

「では…行きますわよ!」

「じゃ…行くわ!」

 

 そして、鈴とセシリアは初戦に挑む。戦いの結果は…まぁ、彼女らの圧倒であった。

 国家代表候補の専用機ペア 対 一般生徒の量産機ペア、日の目を見るよりも明らかである。

 ではダイジェストでどうぞ…

 

「セシリア!ちゃっちゃと決めるわよ!!せいりゃっ!」

 

「了解ですわ!ブルーッティアーズ!!展開!!!」

 

「OK!先に行くわ!!」

 

 鈴が全衝撃砲を相手にバラ撒き相手の行動を抑制し、さらにセシリアがビットで相手のペアを一箇所に纏める様に撃ち込む。

 その間に鈴が相手の方に向かって飛び出し、完全に一箇所に固まった相手ペアをセシリアがビットで押し込み、相手が反撃しようとしたら狙撃して封じる。

 

「ブルーティアーズにはこんな事も出来ますわよ!」

 

「そして、最後はあたしの独壇場だぁあ!」

 

 押し固められた相手のペアに頭上から鈴が襲いかかる。動けなくなっているペアは彼女の十八番、連結された双天牙月の回転攻撃を余すことなく喰らいSEがゼロとなった。

 

「へへん!あたしらならお茶の子さいさい、ってね!!」

 

「それは良いですが…このコンビネーションはブルーティアーズに

 傷が付き易いのがネックですわね。フゥ・・・

 

 

 さて次は…箒とチェーロの番だ。チェーロは専用機だが、箒は打鉄を身に付けている様である。

 しかし、彼女の背後には紅い充電くんが立っていた。

 

「頼むぞ、装着開始!」

 

「\(*・_・)♪」

 

「イエーイ(^o^)ノ !」

 

 打鉄は元々鎧武者の様な風貌であったが、充電くんにより一部のパーツが交換または装着されていく。これらが全て終わった時、銀の鎧武者は赤紫の武者へと変わっていた。

 変わったのは肩部の物理シールドで、コレがスラクター込みの水色のクリアパーツがついた物理シールドに交換されており、他にも胸、腕、腰、脛にも装甲が追加されている等だ。

 

「篠ノ之 箒 打鉄-換装装備(パッケージ)月甲(げっこう)禍津(まがつ)…出る!」

 

「チェーロ・プニャーレ FA:Gスティレット…行っくよー (*≧∀≦*)!」

 

 打鉄-換装装備:月甲禍津 は、コトブキカンパニーで作られた打鉄の換装装備である。とあるFAの可変型増加装甲を由来としており、その性能だけで第三世代ISと同等になるという恐ろしいものだ。

 しかし、実際には転用しただけでは作動できず、FAとISの出力差や総エネルギー量

 (つまりUEシステムが付いて無いせい)の関係でそこまでの性能が出せないのが現実である。

 そして、貸し出された理由はこの前のヤキモチ騒動の侘びと…箒が密かに感じていた自身が身に付けるISの性能が周りの専用機達に置いてかれている不安感を和らげるためであった。

 無論、使用後のレポートはきっちり義務となっている。

 

「…不思議な気分だな。まさか貰ったFAのプラモデルと同じ装備を身につけるとは」

 

「へぇー、スコーパちゃん『マガツキ』のプラモ貰ったんだー。アレ?

 アレって普通よりも1.5倍くらい量があるから、初心者向けじゃないよね?」

 

「あぁ、貰ったあと何度も十千屋さんにアドバイスを貰いに行って昨日ようやく完成した」

 

「パパの玩具のFA営業活動は殆ど病気と化してるからねー ( ̄▽ ̄;)」

 

 そう、仲良くなった生徒(主にいつものメンバーだが)に十千屋はFA系のプラモデルを渡したり、割引して売っていたりするのだ。

 だてに役職が特殊営業課ではない。

 そして、(定価でも構わず)よく買いに来るのは簪だったりする。

 

『バトル-スタート!』

 

 さて、対戦が始まったが対戦相手は打鉄とラファールのペアだ。打鉄は完全に近接戦装備で、

 ラファールはスナイパーライフルとスプリットミサイルと完全に遠距離戦装備であるため

 相手ペアは完全分業のスタンスらしい。

 近接(打鉄)は箒が、遠距離(ラファール)はチェーロが受け持った。箒は背にあるラックから一刀を取り、迎撃姿勢に移る。

 

「さて、見慣れない換装装備した打鉄だけどぉおお!?ひっぃいい!!?

 

「ぬっ、受けたか」

 

「な、なんとかねぇ…でも、その馬鹿デカいブレード何よ!?

 打鉄の(ブレード)よりデカくて厚くて怖いわよ!」

 

「戦術迫撃刀『テンカイ』と言うらしい、確かに馬鹿デカいな」

 

「でも、馬鹿デカいから小回りは効かないよね!」

 

 相手は鍔迫り合いをしていた刀を振り払い、スウェーバックして距離をほんの少し取った瞬間に箒へと飛び込んで抜き打ちをした。

 だが、それは叶わなかった。彼女の片手にはテンカイよりも小さな刀が握られており、それによって受け流されてしまったのだから。

 

「戦術要撃刀『サツガ』其れくらい分かっているさ」

 

「くっ!」

 

 ドォオン!

 

「ぷはぁ!どぅよ!流石に素のグレネードを持っているとぉ・・・え?」

 

「確かに少し驚いたが、同じような手を使う人が教えてくれているんでな。

 それほどでもない。そして、この月甲禍津には効かん」

 

「え…えっ、嘘。シールドエネルギーとは違うバリア?」

 

「(やはり、Tクリスタル(C)シールド(S)はエネルギーを喰うな。バッテリーがこれだけで残り八割か)」

 

「体勢立て直して…てぇ!?早い!?」

 

 ガキィイン!

 

「ぬ?防がれたか」

 

「防ぐ!防ぐよ!SEが無かったら真っ二つ攻撃じゃん!?怖いわ!!早いわ!」

 

「コイツは速力がないが敏捷性と防御力を高めてあるからな」

 

「もう、やだぁあああ!!!」

 

 至近距離からのグレネードの爆発、相手も爆風を食らったが超至近距離からの攻撃で多少堪えたと思いきや、箒はSEとは違うバリアを張っていた。

 その正体は、TCS-これはTクリスタルを調整し『壁』とした力場を発生する…

 まぁ、所謂バリア発生装置である。元はFAマガツキ、そう元はそのFAの武装なのだ。

 マガツキは拠点防衛用FA。 敏捷性と防御力を高めた機体で、敵の攻撃を受け止め、粘り、時間を稼ぐことに特化している。

 本当のマガツキは一体だけ作られていのだ。(とある特殊機体以外は、ほぼ試しに一機づつ作られている)

 いつの日かの為に今は小倉入りであるが、その武装はこうしてFA:GまたはISの武装として使われている。

 

「このっこの!当たりなさい!」

 

「う~ん…()れてきたなぁ。やっぱり、嫌でもライフル持って来ればよかった。

 鉄砲(ハンドガン)じゃ、威力不足かぁ」

 

 チェーロを相手取っていた生徒は攻撃の当たらなさ加減に焦りを感じていた。自分の攻撃は当たらないのに、彼女からの攻撃は何度も喰らう。

 言っておくが相手生徒の腕前はそこまで悪くない。ただ、相手(チェーロ)が悪かったというだけだ。

 彼女の読みと機動はただの生徒では力不足である。

 そして、更に焦りを感じる理由は相手の攻撃が()()()()()()()()()なのだ。もしも、チェーロがハンドガンではなくもっと威力の高いライフル等で攻撃をしていたら、とっくに相手生徒のSEは無くなっていたであろう。

 逆に避けてその隙に撃ち込んでを繰り返していたチェーロは、このルーチンワークに飽きてきていた。

 その時、相手ペアそれぞれのSEが少なってきた事に気づいたチェーロは箒にとある提案をする。

 

「ありゃ?イケルかな。スコーパちゃん!みんな派手にやってるみたいだからボクらもイクヨ!」

 

「了解した。だが、呼び方を改めろ!」

 

 箒は相手を切り流すのでなく叩きつける様にして弾き飛ばし、チェーロは急旋回して蹴りを叩き込みこちらも吹き飛ばした。

 そして、飛ばされた相手ペア同士が激突し一塊りとなった時から彼女らの独壇場である。

 

「ボクは(ブレード)もイケるんだよ!ズンバラりんっ!!だよ!!!」

 

「誤って私を斬るなよ!チェーロ!!」

 

 箒は相手ペアを逃がさないようにシールドスラクターを吹かしながら切りつけ、チェーロは急旋回と急降下を上手く使いその間をぬって切り流してゆく。

 この剣戟の乱舞から相手ペアは逃れられず、乱舞の締めである彼女らの同時切りを喰らいSEが尽きて負けた。

 

「抜けば玉散る氷の刃…えぇい、寄るな寄るな・・・って、ボクから寄ってるじゃん」

 

「元は里見八犬伝で使われた言い回しか?チェーロ。だが、そいつは村雨じゃないぞ」

 

 

 今度は簪と本音のペアだが、こちらも苦もなく駒を進めた。

 試合内容は本音が相手ペアに突っ込み錐揉みになったアクシデントと、簪の低速ミサイルを使った一人連携が見所だったといった所である。

 簪の一人連携の内容は先に低速ミサイルを撃ち、自分自身は加速してそれを追い越し背中に搭載された2門の連射型荷電粒子砲『春雷(しゅんらい)』で牽制、それで動けない所を追いかけてきたミサイルの集中砲火を浴びせる、といったものだ。

 この為、本音自身は囮くらいしか役に立っていないが・・・

 

「本音…相手にぶつかったのワザと?」

 

「あれ~、かんちゃん分かっちゃった?」

 

「しかも、接触した相手のISを弄って動作不良起こさせたでしょ」

 

「わ~、そこまで分かってるんだ」

 

 実は本音と相手が錐揉みで回転している際に彼女は触れたISの部分を弄りまわし、動作不良を引き起こさせたのだ。

 簪が気づいたのは一人連携の際に、本音と事故を起こした側の相手の動きが急に悪くなり困惑した表情をしていたからだである。

 そこまで簪が指摘すると本音は笑って答えた。

 

「えへへ~、憧れなんだよね~。こう~、触った所から…

 しゅぱっしゅぱっしゅぱ~って、解体できるやつ~ (´∀`*)」

 

「本音、ソレは人間技じゃない。不可能。」

 

「え~~ ( ̄◇ ̄;)」

 

 布仏本音-整備課志望、どうやら彼女の憧れは顔無し指令(非現実的人物)らしい。

 

 

 さて、何時ものメンバー達は順調に勝ち進んでいる。

 他にも色んな生徒たちが勝ったり負けたりしていた。

 そして、第一回戦目が終盤に差し掛かった時・・・

 

「さて、私が…戦闘教導官主任:織斑千冬が言おう。死ぬな

 

「一年生 Dブロック 一回戦 三十六組目、準備お願いしたします」

 

「さて、行こうか?戦友(とも)よ…」

 

「あぁ、行こう。私たちの舞台(戦場)へ…」

 

『十千屋 雄貴 & ラウラ・ボーデヴィッヒ』ペア出場…さぁ、ここからが地獄だ・・・・




はい、予定と違って『十千屋 & ラウラ』ペア戦まで書けませんでした。
もう、文字数も八千文字位いきましたので、ここら辺でキリがいいと思い次回に回します。
それぞれの戦闘シーンはスパ□ボ系でイメージして書きました。
主に連携攻撃ですね。…簪ちゃんは一人でやらないといけないので違いますが。

次回は、今度こそ『十千屋 & ラウラ』を書き、トーナメント免除の轟の認定試験試合も書きたいと思っています。
後は、予定の予定で…ちょっと簪ちゃんを優遇してもう一戦。
とある作者さんが画いた戦いで、自分なりにアレンジしたのを書く予定です。

そして、原作でのトーナメント事件が起きる前にデュノア社の方を片付けたいとも思っています。

では、今回は此処まででございます。

そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。

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