IS×FA 遥かな空を俺はブキヤで目指す   作:DOM

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最近、遅筆となっておりますが…ようやくできました。
今回も、シャルルとのお話になります。


では、どうぞ御ゆるりと。



IS×FA28ss:彼らの関係はメル友

 守るという事は、決して裏切らないこと・・・

 そう、裏切らないこと…

 約束とは、果たされるもの・・・

 そう、果たされるもの…

 故に、私は約束を果たすために、決して裏切らず守るために・・・刃を向ける。

 

 

 さて、十千屋はシャルルの意志(反逆)を受け持った。故に状況を打破する手を考え出さなければならない。

 が、彼は又しても考え込んでしまった。

 

「…とは、言ったものの実際にはどうするべきやらだなぁ」

 

「し、師匠…やっぱり駄目なのか」

 

「いや、手はあるんだが此等はシャルルの思っている展開じゃないと思ってな」

 

 十千屋は今すぐに考え出される策は、シャルルの希望に沿っていないと言い出した。流石にそれだけだは二人は分からないので彼は説明し始める。

 一番簡単なのは〔亡命〕と言う手だ。彼女の身分は代表候補生、コレは一企業が任命できるものではない。国が選定し任命しなければ候補生と言えども国の代表とする事は出来ないからだ。

 故に、この不祥事を公にし不義を働いたのはデュノア社と祖国として、自分は被害者であるという様に立ち回れば十千屋の所属国-ゲムマ群島首長国に亡命し保護する事が出来る。

 彼が所属する会社と国との関係はズブズブなので其方のルートを取ることが可能だからだ。

 もう一つは偽装死亡。襲撃されるか自殺を装うかは相談しだいだが、表向きは死んだ事にして又しても十千屋側で保護する、と言う手筈だ。

 しかし、何故コレが彼女の希望に沿ってないかと言うとこれらの案は()()()()()()()()()()()と言う一言に尽きる。

 

「うん、僕はお母さんも助けたい。確り治療されていれば、もう完治している筈だよ。

 それでも会えないってのは僕に対する人質なのかも」

 

「それに、確かに三年間はフランス政府ないしデュノア社が強硬手段を取らなければ

 IS学園内では大丈夫…かも知れない。

 だが、その間にアチラが動かないと言う保証はどこにもない」

 

「しかも、白式のデータ…第三世代のデータを盗ってこいって言ってるのに、

 二~三ヶ月も進展がなければ流石に(つつ)いてくるだろうしねぇ」

 

「…な、何か八方塞がりな感じしかしないんだけどさ」

 

「「いずれ、詰まることは確実だ(ね)」」

 

「じゃあ、どうしろって言うんだよ!?にしても、シャルルっお前やけに冷静だな!?」

 

「いやぁ~、あれだけ騒いだからね。なんか一周回って落ち着いちゃったよ」

 

「とりあえず、ウチの会社の諜報部にデュノア社を探らせてみるが…

 どれだけ掴めるかは今のところ皆目検討がつかないな」

 

「…あれ?師匠なんかヤバイこと言ってないか?」

 

 今の段階では手出しが出来ないとほぼ結論付いて、十千屋とシャルルの両者は首を傾げ唸って考えを絞り出そうとする。

 無論、この様な内政に近い案件を一夏は理解できないため放置されていた。

 そんな彼がせめてお茶でも入れようと動き出した時、十千屋が微かに唸った。

 

「あ、そういや…なんで思いつかなかったんだ?まぁいいか。

 シャルル、お前アルから何か変わったものを受け取ってないか?」

 

「えっ、変わった物?それにアルって誰ですか?」

 

「アルベール・デュノアの事だ。アイツとの妙な約束とこの件が結びついてな。

 その『鍵』をお前が受け取っているんじゃないか、ってな」

 

「…十千屋さんが父の知り合いだったなんて驚いたけど、変わった物ですか?

 変わったモノ?変わったもの・・・・あ、」

 

 何かを思い出したようにシャルルは自分の専用機から、とある武器を量子展開(オープン)する。出し終わると、その手には細やかな装飾が施された小さな拳銃(デリンジャー)があった。

 銃自体は銀色に輝き、それをより煌びやかにするように蔓のような金の装飾が施されたシックながらお洒落な物であった。一夏もやはり男の子なのかそれをまじまじと見つめる。

 

「何かちっちゃい銃だなぁ。でも、物凄く綺麗だ」

 

「上下2連の中折式シングルアクション拳銃-レミントン・ダブル・デリンジャー

 って呼ばれる種類だ一夏。しかし、コレが出てくるとはな」

 

「え、えと…僕の持ち物で変わった物と言えばコレなんです。父が出発直前に渡してきた物で、『いざという時に使え』って…いざって時って自殺か目撃者を殺す時とか思っていたんですけど」

 

「お、おいシャルル怖いこと言うなよ」

 

「一夏、間違っていないぞ。目的の内容的にスパイしに来たんだから使い方として

 間違っていない。それに、これが出てくる話では暗殺や自殺に使われるシーンが多い」

 

「はい…僕もそう思って受け取って、一応メンテナンスをしようとした時に

 弾倉に弾じゃなくてメモ用紙が入っていたんです」

 

「「メモ用紙?」」

 

「うん、内容は〔もしもの時、仮面の男に渡せ〕って」

 

「仮面の男…」

 

「こっち見るな一夏、コレは仮面じゃなくて被り物だっていう自覚はあるから」

 

 シャルルは出したデリンジャーの出処を説明してゆく。コレは彼女の父親から渡されたようなのだが、どうやら武器としてではなくメッセンジャーとして使われたらしい。

 その内容は、どう考えてもこのような状況の時に十千屋にコレを渡せと言うモノにしか聞こえなかった。彼女の手の平で輝く銃はそれを証明するかのように銃身に十千屋を映し出している。

 一同はその不可解な内容に首を傾げるが、シャルルは思い切ってこの銃と父と十千屋の関係を訊く。

 

「あの十千屋さん、父とは一体どういう関係なのでしょうか?

 この銃の事も知っていたようだし、約束って一体…?」

 

「あー、待て。順を追って説明してやるから一旦落ち着こう」

 

 十千屋はそう言って、まずは彼とシャルルの父-アルベールとの関係から話しだした。

 彼らの関係はメル友と言っていいだろうか?ここ最近はやり取りをしていないが、以前は程々にメールのやり取りをしていた。

 そうなった理由は、彼が幼い頃まで遡る。年齢にしてまだ10歳にも満たない時の事だ。その頃の彼はとある若手の技術者の懇親会に出席していた。但し、彼自身が幼かったため親が連れてきたものだと出席者たちは思っていただろう。

 そんな中で話しかけてきた人物が居た、後にシャルルの父となる若き日のアルベールだ。しかし、べろんべろんに酔っ払っていた状態であったが・・・

 だが、いざアチラが話しかけてくると話が通じる上、趣味も同じな同好の士であった。その為、互いの連絡先を交換しメールでのやり取りを行うようになったのである。まぁ…酔っ払っていた本人は誰に話しかけたのかは、ほぼ記憶が飛んでいたため相手が子供だということはだいぶ後になって知ったのは余談である。

 そのやり取りの中で、十千屋が何かの記念に送ったのが今回のデリンジャーであった。

 

「そんな事があったんですか」

 

「あぁ、実はラファールのコンセプトも俺たちの趣味が入っていてな。

 『量産機は高水準で高機動、武装は信頼の置ける火薬式の銃火器だろう』ってな」

 

「確かに師匠の趣味っぽいなぁ。武装の基本セットも信頼性重視だし」

 

「さて、ちょっと長話だったかな?シャルル、すまないがソレを貸してくれないか。

 調べたいことがある。あ、あとあったら銃のメンテナンス道具も」

 

「分かりました、道具も一緒にお貸しします」

 

「・・・なぁ、シャルル。その道具とか、このデリンジャーとかなんでISに入ってるんだ?」

 

「一夏、流石に許可がまだ降りてない個人-私用の武器なんか出して持ち歩けないし、

 個人用のロッカーに入れておくのも気が引けるからね。

 僕のISは容量が余ってるから出しづらい置きづらいのは全部入れちゃってるんだ」

 

「そうなのか、俺には分からない感覚だなぁ。だいいち、コイツ(白式)には全く入れられないしな」

 

 十千屋にデリンジャーを預けると二人は雑談を始めてしまった。そんな中で十千屋は色んな角度から銃を観察し、パーツを外し始める。

 その中で、グリップ内の余りの空間から小さな薬用カプセルと一番小さいサイズのフラッシュメモリーを発見した。雑談をしていた二人も様子を見ていたのでそれらが気になり覗き込んでくる。

 十千屋はカプセルはとりあえず置いておき、メモリーの中身を確かめることにした。ロボ頭の右耳らへんを弄るとコードが引き釣り出され、その先はUSBポート(差し込み口)となっており、ソコに差し込む。

 きっと、ロボ頭の中のディスプレイ等に中身のデータが映っているのであろう。う~むとか、ぬっ…とか、むぅ…とか何か唸りながら動かないでいる。暫くすると、彼は二人に向かい合った。

 

「シャルル、コレは本当にアルから受け取ったんだよな?」

 

「は、はい。そうですけど…」

 

「たく、ここまで語ったネタを使うかねぇアルは」

 

「何言ってるか分からないけどさ、結局それの中身は何だったんだよ師匠」

 

「いいか?他言無用だ。コイツの中身はデュノア社の不正データ。

 裏帳簿から違法行為など過去からこれからの予定までビッチリだ。

 カプセルもソレ系のマイクロフィルムが入ってるらしい」

 

「「…へ?えぇえぇええええ!?!」」

 

「防音が確りとしているからって騒ぐなよ」

 

「いや!だって!?コレはアレであー言うヤツなんだろう!?」

 

「うんうん!そりゃ驚くに決まってるじゃないですか!!」

 

 中身のデータとはデュノア社の裏の記録であった。公にされれば只事じゃ済まないこと確実なモノである。当然、そんなモノが入っていたと知った二人は声を上げて驚愕する。

 だが、慌てふためく彼らを余所に十千屋はしんみりとしてシャルルに話しかけた。

 

「シャルル…お前宛のデータ(手紙)がある。こちら(不正データ)は貰ってゆくぞ。」

 

「あ、はい」

 

「今すぐ読んでやってくれ。他人が居ると気になる内容だからな、

 俺と一夏は少しばかり部屋から出てゆくよ」

 

「は?おい!?ちょっとぉ!!師匠っ行き成り掴んで引きづらないでぇええ!?」

 

 十千屋は彼女宛のデータを本人に送信すると、強制的に一夏を引き連れて部屋を出ていってしまった。それに呆気に取られるシャルルであったが、取り敢えず受け取ったソレを開いて見ることにする。

 が、一行目-差出人の名前を見た瞬間に彼女の動きは止まった。それもその筈、差出人はアルベール・デュノア(彼女の父)であったからである。

 

「なぁ師匠…なんで俺は連れて出されたんだ?色々あってついて行けてないんだけど…」

 

「ん~、そうだな。いろんなネタばらしするか」

 

 男二人は見つからないようにして(特に千冬に)寮内の自販機までやってきた。軽食やお菓子、無論飲み物などがあり軽い休憩所となっているので此処なら時間を潰すのにも苦にならない、と判断した為である。

 そこで飲み物を買って席に着き、一息ついたところで一夏は十千屋に詳しい経緯を聴き始める。

 

「シャルルが来たのは学園でスパイ行動をする為だった、という事までは分かってるよな?」

 

「馬鹿にしないでくれよ、師匠。流石にそれは分かるさ。でも、あの証拠品-

 不正行為のデータは一体何なんだよ」

 

「それを語るには、デュノア社は一枚岩でない事を知る必要があるな」

 

「( ゚ ω゚)フムフム…」

 

 デュノア社は現在、大局的に見れば二つに分かれている。社長派と夫人派だ。十千屋が知っているアルベール(社長)は根っからの技術者で、会社経営を純満に出来るとは言い難かった。

 しかも資金振りや財政界へのコネなどが無く、今の一流企業への道は遠かった。その為、それに通じる家との政略結婚…現在の社長夫人の家と縁を紡いだ訳である。こうして、現在の世界シェア三位の大企業となったのだ。

 ただし、それ故に社の経営は夫人側が握っており自分(アルベール)は飾りの社長となってしまったのである。しかも、夫人の手腕は強引で後暗い事まで平気でやるようなやり方であった。

 

「たぶん、そうなってきた頃かな?メールのやり取りが最後になって、

 一方的に約束を取り付けられたのは」

 

「約束って?」

 

「『道を違える事になったら私を止めてくれ』ってな」

 

「な、なんだよ…それ?」

 

 十千屋はそれを良心の呵責故の言葉だったと思っている。そして、その約束が今回果たされたわけだ。

 このまま行けば立場の悪いシャルルも何れかはどうにかなってしまうだろう。会社の行先も怪しく、只の犯罪行為に走ろうとしている。それなのに自らはどうする事も出来なかった。

 だが、IS学園にはアイツ(十千屋)の影が見える、だからどうか…あの時の約束を果たしてもらえないだろうか・・・・

 

「…そう、思ったんだろうな。シャルルをIS学園に入学させれば自動的に保護される立場になる。

 デュノア社-社長夫人を止める手段は、共に話題にあげたスパイ映画の手法を使えば

 俺が気づいてくれるはず、と…まぁ、こんな感じだな」

 

「そんな事になっていたのか」

 

「あぁ、社内の経緯は不正データと共に俺宛ての手紙が有ったから分かった事なんだけど」

 

「…手紙。そうだ、シャルル宛ての手紙もあったって言っていて、

 なんでこうして連れられてきたんだ?」

 

「そいつは完全に他人の家の事情だからな。俺らが居たら読みづらいだろうし、

 それに…俺の知っているアルなら謝罪や本心を彼女に向けて書いてるだろうしな」

 

「…俺には分からないや、親の気持ちってのは」

 

「今は分からなくていいさ。大切なのはきっと、大切な人とどうなりたいか、

 どうしてあげたいかだと俺は思う」

 

 親子の話題となり、何処か遠くを見ていた一夏に十千屋はいつもどおり顔は見えないがきっとシニカルな笑みを浮かべて、ポスっと彼の頭に掌を載せてそう言った。

 その行動に一夏は気恥しさから少し拗ねた表情を見せたが、何故か悪い気は湧かず暫くはそのままでいたのである。

 そして、そろそろいい時間になったので部屋に戻ると少し泣き腫らしたシャルルが出迎えてくれた。あと、ちゃんとノックして部屋に入ったのであしからず。

 彼女の顔には確かに泣き腫らした跡が見えたが、その表情は先程よりも覚悟を決めスッキリした表情をしている。

 

「どうやら、これからどうするかが決まった様だな」

 

「はい、十千屋さん。貴方を頼り、他力本願となってしまいますが、

 どうか僕らを…僕とお母さんと()()()()を助けてください!!」

 

「で、代償は何を支払う?」

 

「僕には僕の命しかありません。僕を、いやっデュノアの全てを支払います!!」

 

「おいおい…もう既にデュノア社まで勘定に入れてるのかよ」

 

「どうせ、デュノア社は御終いです。

 なら、全部貴方にもらって貰った方がお得だと僕は思いました」

 

「OK、契約条件はお前の覚悟、報酬はお前と(デュノア社)の全て…確かに請け負ったぜ」

 

「ふふ、何か悪魔の契約みたいですね」

 

「悪魔か…確かに。伊達にあの世は見てきてねぇからな。

 さて、いろいろ要請しなくちゃな。忙しくなるぞ」

 

 十千屋はなんとなく聞き返した質問から苦笑が絶えない。シャルルは自分に関する事-デュノア社も全て巻き込む気だからだ。

 ここに悪魔の契約と同等かそれ以上の契約が結ばれた。彼は全てを請け負えると自分の部屋へ帰り、行動を開始する。

 そう、人知れずに一国を巻き込む戦いが此処から始まったのであった。

 

 

 ここは…ゲムマ群島首長国の本島より南東に位置する《ヒモト島》、此処にはナナジングループの本社が有りその中にコトブキカンパニーの本部所がある。

 また、国防総省がありこの国の軍備を司る島でもあった。その一室に初老の男が入ってきた。

 

「我らが若旦那様の特別要請だ。『特殊戦闘規定β』のな」

 

「ヒュー!そいつはオッタマゲだなぁ。で…? デカい喧嘩になりそうか?」

 

「少尉、不謹慎ですよ。それにまだ貴方が出ると決まったわではありません」

 

 この一室は十千屋も所属するコトブキカンパニー秘蔵FA部隊の個室だ。いや、もう既に公に出つつあるからFA特殊部隊と言ったほうがいいか?

 まぁいい、此処は国とナナジングループ及びコトブキカンパニーから選ばれたエース達が集う部隊だ。様々な任務を受け、戦場へと躍り出る兵士たちが勤めている。

 初老の男性はこの部隊の纏め役である『ロイ・エイラム』階級は大尉、

 軽口を叩く男は部隊の問題児『ジャン・B(ベル)・ウィルバー』階級は少尉、

 それを窘めた大柄の女性は『リロイ・ハロルド』階級は准尉であり問題児(ジャン)のストッパーでもある。

 それと、此処には十千屋の過去話にも出てきた『トルース・ロックヘッド』『今朝霧スミカ』も居る。ちなみにどちらの階級も中尉だ。

 そして『特殊戦闘規定β』とは、対企業や対特殊要人を相手にする事を示している。だから、ウィルバーは()()()()()と言ったわけである。

 

「まだ我らの出番はない、お上(ナナジングループ)が先ずはM&A(企業買収)を掛けている最中だ。

 が、いずれ我らが出る時が来る」

 

「ふむ、その話題からすると今回の相手は企業か。

 それもナナジングループが先ずは相手する程の」

 

「そうだ。今回の相手は、IS世界シェア第三位を謳う《デュノア社》だ」

 

「そいつはまた…派手なことに成りそうだな」

 

 エイラムが内容を語っていると不敵な笑みを浮かべながらスミカが言葉を差し込み、その答えで疲れたようにトルースが言う。同じようにリロイも溜息をつくが、ウィルバーは逆にスミカと同じように笑みを浮かべるのであった。

 その様子に彼は何時も通り、と思いながら話を続ける。

 

「そして、武力行使の際の人員は私も含め此処に居る全員が出る。

 トルース・ロックヘッド中尉 今朝霧スミカ中尉 

 リロイ・ハロルド准尉 ジャン・B・ウィルバー少尉 

 この場に居ないその他にはMD(メイルデバイス)を装着した00No.(ダブルオー ナンバー)チーム 

 そして、私-ロイ・エイラム大尉だ」

 

「っと、エイラム大尉お話は以上かい?」

 

「今のところ以上だ…で、どこに行く気だ」

 

「ハンガーだよ。最近、俺のカワイ子ちゃん(愛機)お着替え(改修)したからな。

 デート(作戦)の時にご機嫌斜めにならないように宥めて(メンテナンス)くるのさ」

 

「すみません大尉。私も行きます、コレを放っておいたら何しでかすか分かりませんから」

 

「すまんな准尉。ウィルバー少尉、先に目的を言えば文句は言わん。

 だが、その先で迷惑を掛けるなよ?」

 

「了解、りょーかい。ん、じゃまぁ…行ってくるわ。あ、そう言えば…」

 

「今度はなんだ?」

 

 ウィルバーは出てゆく直前に思い出しかのようにエイラムに次の事を聞いてみる。

 

「若旦那の所のお嬢ちゃん達(直属部隊)は出るのか?あと、最近…つーても1年くらい前か、

 そこら辺で雇われた新人どもは?」

 

「実働出来るお嬢さん達は全員IS学園に何かしらの要件で行っている。

 他はまだ新型機の調整中だ。新人たちは片方は産休、もう片方は体の調整が入っている

 …もう、聞くことはないか?」

 

「サンキュー、もうないぜ!行ってきまーす」

 

「では、失礼します」

 

 彼は答えを聞くと部屋から出ていき、それに伴ってトルースとスミカも出てゆくようだ。いや、トルースは強制的にスミカに連れられていった。

 

「ふっ、体が鈍ってはイカンからな。朝まで付き合えトルース(相棒)

 

「放せ、模擬戦くらいには付き合ってやる。だが、それ以上はやらん」

 

「別にいいではないか、今から戦って汗を流し、夜はベットの上でも汗を流すんだ。最高だろ?」

 

「えぇえい!俺を襲うな!!このバトルジャンキーの色情魔が!!」

 

「逃しはせんよ、お前には公私共に私と付き合う資格があるのだからな!」

 

「そんな事、誰が決めた!!」

 

「私が決めた!!」

 

 廊下から喧騒が聞こえてきたが、これが何時ものやり取りだと思うとエイラムは遠い目をした。そして、おもむろに部屋の私物入れから小瓶を取り出した。

 

「くそ、イギリス空軍を退役した後この話に乗るのでは無かった

 …恨むぞ、過去の自分とジェイムス」

 

 エイラムは元イギリス空軍のエースパイロットであった。退役(定年)に近づいていて、ISに活躍の場-つまり空を盗られた際ジェイムス・B(ボード)・オルコットの勧めと十千屋のスカウトにより此処に居る。

 が、やり甲斐がある仕事には付けたが…部下になったエース達は色々と問題児だらけ、ストレスから来る胃痛の為に胃薬が欠かせなくなった苦労人となってしまった。

 ちなみに市販の薬では効かなくなってきており、魔窟の(マッド)科学者から薬を調合してもらっている・・・・




はい、最近はなんか遅筆ですが…ようやく今回の話を書き終わりました。
段々と《2人の転校生編》のバトルに近づいていますが…原作の展開的にまだちょいとあります。
しかも、最後に出てきた彼らが暴れる話も書かなくては成らないので・・・終わりはまだまだ先の事になりそうです。
まぁ、見てくださる方々が居ればゆっくりでも書き続けてゆきたいと思います。

そう言えば最近、原作の最新刊-11巻を買いました。
本格的に読んでませんが、チラ読みすると…天災ウサギがかなり外道になってきているような?
あと、本自体の厚みが薄くなっていっているような?
まあ、それ以前が読みきれてないので詰みですね。
・・・あぁ、原作もプラモも(詰み)重なってゆく((((;゚Д゚))))
全然、(詰み)清算(生産)が追いついてないぃぃ・・・(´;ω;`)


では、今回は此処まででございます。

そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。

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