以前からIS系の二次創作を読んでいたりFAが好きだったりしてコレを書き始めてしまいました。
ここに投稿するのも初めてなのでどうかご贔屓お願いいたします。
IS×FA1ss:テンプレをリアルで体験するのはお腹いっぱい
諸君らは転生と言うものは信じるだろうか?
まぁまぁ、信じる人もいるだろう。
だが、それ以上ではない。
なぜならば死後というものは絶対的に知りえないことなのだから・・・なぜいきなりこの様な事を述べているかというと、
「今、自らに起きているからなんだよな…」
そう、何故か真っ白な空間にいる自分。
そして、これも何故か自らが死んでいることを自覚できる。
「あ、ありのままに起こったことを言うぜ?寝起きたら何故か白い空間にいた、ドッキリ
とか白昼夢なんてチャチなもんじゃねぇ…事実は小説より奇なりを言葉じゃなくて心で
理解したぜ」
ふぅ、ポレポレったら少し落ち着いた。
でも実は心当たりあるのだ、それもテンプレで・・・
「チート転生準備待ったなしのテンプレか?」
「まぁ、お主らのところではそう言うかの?」
空間にいきなり第三者の声が響く、意外とビビりな自分は肩を引きつらせながら声の方向に体を向けると同時に
「さて、よく分かっておるなら早速説明を「消滅か普通の輪廻転生でお願いします」オイ」
土下座しながら振り返りセリフを遮る。
いや、マジで勘弁なんですこういうテンプレは妄想だから楽しいんであってリアルは地獄なんです。
自分からは見えないが声の主は一般的な仙人のイメージをそのままにした老人で頬を掻いていた。
「いや、いきなり消滅とは穏やかじゃないのぉ。理解が早いのは良いのじゃがそれはどうかと思う
の?」
「どこの異世界かは分かりませんがそこに放り出されるのは嫌です。ならば、いっその事・・・」
「それはそうじゃが」
「ほんとマジで察してください!このテンプレをリアルで体験するのはお腹いっぱい過ぎて破裂し
て死にます!!」
土下座しながら声を張り上げる自分、老人は困った表情でそのまま見つめる。
それから、どれくらい時間が経ったかわからないが
「もう、良いかの?」
「はい、申し訳ございませんでした」
失望した目で空元気の覚悟終了した自分は始めて老人を見る、かの人は可哀想な人を見る目でこちらを見ていた。
そして、ため息を一つ吐いて話し始める。
「まず、お主はもう死んでいる」
「はい」
「お主の言うテンプレ状態にある、ここまで良いかの」
「はい」
「よし、改めて言おう。お主には別世界へ逝ってもらう」
「やはりそうですか」
事実内容を確認しそれを突きつけられる。
やはり気分の良いものではない、その様子を見ていた老人は怪訝な表情で自分を見つめる。
「お主、死んだことには何の躊躇いもないのか?大抵の者たちはうろたえたり逆上したり騒がしい
ものなのじゃが」
「狼狽えていますけど、このようなテンプレではたいてい生き返られないしそれに・・・」
「それに・・・?」
「『自由に生き自由に死にました』が自分の家族の合言葉みたいなものなので、それに未練も俗だ
らけなどうしようも無いモノだらけだし…あぁ、でも両親が完全にボケて俺がわからなくなるま
で親孝行できなかったのは残念かな」
妙な達観している自分に老人はまた溜息をつく。
それに自分もあとを追うようにしてため息をつくとようやく話が始まった。
「さて、もういい加減話を進めるがお主には別世界に行ってもらう。」
「はい、ですがなぜ自分なのですか?」
「それは、相性じゃ」
「相性?」
そこから世界に関する説明が始まった。
自分が選ばれたのは死んでゆく魂の中で送りたい世界への相性が良かったから。
世界というものは生き物みたいな部分もあり、余りにも違いすぎると異物として処理されるか世界自身がショックを受けてしまうそうだ。
そして、送られる理由は世界自身の活性化のため。
此の世にあるありとあらゆるものは「存在力」が全てである。
例えるならたとえ古い映画でも人々がいつまでも口に出していたらその存在は何時までもある。
どんな名作でも忘却されれば、存在していても本当に存在したことにはならない。
ならばどのようにすれば忘れらずに済むかというと、話題を付ければいい。
それがどんなものであれ振り向き始めれば良い。
映画が世界、話題が自分とそういう事らしい。
と、いうのが受けた説明の全てである。
「ここで大事なのは、お主の言うテンプレのチート能力も自在に付けれるのでなく、世界と送られ
る者の相性にもよるということじゃ」
「じゃあ、絶望するしかないじゃないですか!?自分はただのへっぽこだって自覚しているんです
よ!!」
「心配せんでもいいわい。肉体的は優良なモノになるくらいはサービスじゃ」
「では、本当の力は?」
「いまから、調べるから心静かにせいよ」
そう言って老人は自分の頭に触れる。何かを探るように何かを考えるようにしていると感じた。
もうそろそろ良いかなと自分が思い込んだ頃に手を離し一言、
「ロボじゃな」
「ロボですか?」
「うむ、正確にはメカやロボットと言ったメカニカル系じゃ」
その後、老人は本当に方向性だけで正確にはどうなるかは不明だという。
言いそびれていたが、この老人は神に値する何者かであろう。
説明の時、口下手な自分がイメージ通りに伝えられたのは文字通りイメージが伝わっていたとしか考えられない。
「では、お主の力は以上でよろしいか?」
「はい」
「それでは送るとしよう、最低でも定年退職まで生きられるようがんばるのじゃぞ」
「はい」
「生き方はお主で決めなさい。世界を滅ぼす以外の制約は存在せん」
「はい、短い間でしたがありがとうございました。」
「うむ、それでば送るぞ」
老人がそう言った瞬間、ゆっくりと意識が遠のく。
自分からは見えないが体の末端から光の粒子となってこの白い空間に溶け込んでいった。
「さて、次の世界の補強じゃな…全く忙しいわい」
この次の瞬間、送られた者の世界でひとつの産声が上がった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
タイトル通りの展開は次回からになります。
ですが、原作にたどり着くまでオリジナルで行うとなるといったい何時辿り着けるか分かりません。
その為、展開的に原作開始まで一気に飛ぶことになる事をご了承ください。
そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。