IS×FA 遥かな空を俺はブキヤで目指す   作:DOM

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はい、今回は十千屋が鈴へ一夏のフォロー的なものへとなっていますが、どちらかと言うと十千屋(作者)の一夏の内面の考察みたいになっております。

では、どうぞ御ゆるりと。


IS×FA15ss:あぁ、納得だよこんちくしょう

 自分を見る自分、他人から見る自分、血縁から見る自分、自分の中の自分・・・

 様々な人は人の様々な有様を見る。その有様は美術館の絵のようだ。

 絵は人それぞれが受け取る思いが違う。楽しい綺麗ツマラナイ意味不明・・・

 さて、彼女たちが夢中になっている絵に彼はどんな評価を下すのであろうか・・・

 

 

 さて約束した放課後、鈴は十千屋のIS学園での拠点であるテーサウルスアルマ(宝船)に来ている。

 授業が全て終了した時に彼が迎えに来て招待したのだ。

 彼らは客間に改造した船室に居り、互い向かいに座っている。

 十千屋はロボ頭の顎パーツを外して用意したお茶を飲んでおり、鈴は落ち着かない様子で座っていた。

 

ズズゥ~ ん、どうしたんだ?借りてきた猫の様になって」

 

「いや、まさかこんな所で話し合うとは思ってもなかったから」

 

「学園じゃ人の目が有ってコッパ恥ずかしいだろ?」

 

「でもっこんな離れたというか!船の中なんて考えられないわよぉお!!普通は食堂の端とか個室

 でしょ!?」

 

「…すまんな、この船自体が学園での俺の個室みたいなもんだ」

 

「もうヤダ!このセレブ!!」

 

 鈴が散々ツッコミ終わるまで十千屋は待ち、それからようやく本題に入る。

 が、その前に彼女のほうが疲労困憊だ。

 

「・・・もう、本題に入っていいか?」

 

「いいわよ…もう、ツッコミ疲れたわよ」

 

「さて、俺がアドバイスしたにも関わらず身体的特徴のNGを言った件は置いといて。

 まぁ、両者喧嘩腰だったから自爆なんだがな」

 

「そっちはもうイイわよ。本題はあたしとの約束の方よ」

 

「あぁ、そっちは額面通りにしか捉えなくてデリカシーの無い一夏が悪い」

 

「そうよ!乙女の純情を踏みいじる、と言うよりも彼方へ放り出して!!」

 

「でも、」

 

「でも?」

 

「アイツにしたら頑張ったほうじゃないかな?」

 

「はぁ?」

 

 十千屋は鈴の意見に同意するが、困った雰囲気を出して一夏の方をフォローし始める。

 乙女心を知ろうともせずデリカシーの無い彼にしては文面だけでも思い出せたのは上出来ではないかと思ったのだ。

 先程も述べた通り、女性の扱いが分からない彼だが文面のみだけでも思い出せた。それは、彼が思い出せるほど楽しみにしていたという事だ。

 そして、何より誤算なのは・・・

 

「アイツが曲解の告白(プロポーズ)が分かる頭はして無いって事は先刻承知だろ?」

 

 「分かってても、アレで限界だったのよぉおおおお!!」

 

「それを踏まえての適切な回答はこうだな」

 

 そう、彼女の約束は正確に述べると『料理が上達したら、毎日わたしの酢豚を食べてくれる』である。これは『毎日わたしの味噌汁を飲んでほしい』という女性側からする遠回しプロポーズの引用であった。

 その様な事は十千屋はアレ(一夏)が理解するのは無理と前提し、問題時の適切解を想像してみる。

 

「あぁ!あの毎日酢豚を奢ってくれるって奴だな!!」(一夏)

 

「ε=(・д・`*)ハァ…ま、言ったセリフはそんな感じか」(鈴)

 

「あれ?違っていたのか」(一夏)

 

「もうちょっと違う捉え方して貰いたかったなぁ…なんてね。約束通りあたしの作った

 酢豚を奢ってあげるわよ♪」(鈴)

 

「え?あれ?違う捉え方って?…お、おい鈴!?」(一夏)

 

「…♪」(鈴)

 

 十千屋は腕を組みながら想像した内容を言い、鈴に聴かせる。

 

「こんな風に余裕を持って切り返してやれば、もうちょっと違う結末だったかもな。しかも、

 アレが持ってる鈴の印象も変えられてたかも」

 

 「ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!」

 

 想像で、しかも後の祭りの内容に鈴は泣き出してしまう。

 彼は泣き出した彼女の隣に座り、無言で泣き止むまで優しく頭を撫で慰めるのであった。

 

ヒィックヒィック・・・

 

「まぁ、今回の鈴側の原因は一夏に期待…いや、美化しすぎてたのと自分のカッと成り易い

 性格だな。どちらも悪いと思ってるんだ。あとはお前らでケジメを付ければいい」

 

コクコク…

 

「さてと、あとは俺が気づいたアイツに関すること話してやりたいんだが。一方に肩入れは

 出来ないんだよな」

 

「…?」

 

「つまり、「コンコン… 雄貴さん?よろしいでしょうか、入りますよ?」おっ来たな。

 おうっ!いいぞ!!」

 

 十千屋の言葉を遮るかのようしたノックの音と入室の許可を聞く声がした。

 彼の了承を得ると入ってきたのはリアハと、

 

「なんで、アンタたちが来るのよ」

 

「それはこちらのセリフだ。なぜ貴様がここにいる」

 

「あら?本当ですわ」

 

 鈴と同じように一夏を狙う箒とセシリアである。

 彼は入ってきた二人を鈴と同じ方向に座るように促し自分は先程の席へと戻る、そしてリアハが皆にお茶を出すと話を再開するのであった。

 その前に、

 

「もぅ、雄貴さんたら女の子を泣かしたらダメですよ?」

 

「ああ、スマン。鈴もごめんな?」

 

「別に気にしてないわよ」

 

 いきなり謝られた鈴は気恥しくてそっぽを向くがリアハの話は続く。

 

「それに…」

 

「それに?なんだ ズズゥ~…

 

「泣かして良いのは心通じ合ってベットの中で、ですよ?」

 

 「「「ブゥーーー!!」」」

 

 リアハの突然の発言にお茶を飲んでいた面子は吹き出す。

 

ガハッゴフォ!ゲホォ!!そりゃっ泣かすじゃなくて()()()だろ!

 意味違ぇえよ!つーか!それ以前の問題だよそれ!?」

 

グハッ!ゴホゴホ…

 

ケホケホ・・・ お、奥様…それはどうかと思いますわ」

 

「…はっ!? そうだ、そういやこの人がアレ(ハレム)の元締めだったけ(汗」

 

 咽せたり放けたりツッコんだりする面子を尻目に、「あらあら…」と朗らかに笑うリアハであった。

 そして、皆が落ち着いたらようやく本題に入る。

 十千屋がいつもの一夏サイドの女性メンバーを呼んだ理由は、自分が気づいた彼の事を聞いてもらい恋の鞘当てを頑張ってもらおうと思ったからだ。

 十千屋自身は誰が彼と付き合ってもいいが、その助言となる事をたった一人に伝えるのは流石に贔屓になると思い残りのメンバーも来てもらったのである。

 

「さて、俺が気付いたアイツの鈍感さの事だが・・・」

 

「「「(;゚д゚)ゴクリ…」」」

 

「アイツは言うなれば『レッテル人間』と言ったほうがいいか?思い込んだらこう…と言うか、」

 

 彼は一夏の事をそう評すと顔の両側に手を立て、前方方向にスライドさせてゆく。

 彼が気付いた一夏は自分の中の他人へのイメージが出来上がったら、そのように思い込んだり決めつけてしまう性質()があると感じる。

 しかも、思い込む-自分で付けた他人へのレッテル(印象)はそのまま真っ直ぐでほぼ変わらないときた。

 さらに、

 

「アイツが重度のシスコン(千冬好き)なのも鈍感の拍車を掛けていると思う」

 

「「「あぁ…」」」

 

 彼のシスコンの言葉に嫌でもメンバーは理解させられた。

 一夏にとって織斑千冬とは唯一の肉親であると同時に絶対的な存在だ。それに両親の居ない彼にとって一番身近な大人であり保護者であり規範である。

 彼の性格・人格形成は千冬が大部分を占めており、十千屋が見た教育基本方針は『強く・優しく・正しく』だ。故にお人好しで何が言われようが正しいと思ったことに一直線なのである。

 だが、それが鈍感さに拍車を掛ける。

 

「アイツはこれが正しいと思ったらそれに一直線しか向かわない。他の意志や全部を総無視だ。

 それで全部解決しちまった例を身近に見てきたからだろうな織斑千冬っていう」

 

「え~と、それって千冬さんのせい?」

 

「そう言えるかもしれない。アイツの憧れや目標、規範は全部織斑先生だろうからな。しかも、

 本人から聞いたんだが説教されるとき理論バッチリで一刀両断されるらしい。

 だからアイツは考えてるようで考えていない」

 

「どういう事ですの?」

 

 織斑千冬の教育というのは傍から見ると激しく真っ向からぶつかってゆくものだ。間違いや疑問をバッサリ理論付で即断してしまうほどの。

 そして、それを唯一無二の教えとしてしまうのだ。更にタチが悪いのはソレが間違っておらず大体の場面に当てはまってしまうという事。

 だから、それさえ守ってゆけば考えて行動しなくても良い方向にどうにかなってしまう。

 

「 ? それは良い事なのではないか?」

 

「まぁ、規範としては良いかもしれないけどアイツは幼少期の頃からそれを受けてきている。

 つまり昔から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事だ」

 

「「「!?」」」

 

「本人に自覚は無いだろうからな。どうしようもないのかね?それに他人の家の教育に口出す気は

 ない。以上から、一夏は思い込んだら猪突猛進である。ついでに物事をあまり深く考えてない

 悪癖もあり、と」

 

「「「……」」」

 

 十千屋の評価にメンバー全員が絶句した。皆それぞれ一夏の事を思ってはいるがここまで考えたことはない。今一番頼りになる大人がこう切り出してくるとは思わなかったため、メンバー全員が呆然となった。

 その様子に言い過ぎたか刺激が強かったと十千屋は思いなんとかフォローを言わなければとなる。

 

「ん~、なんかすまん。ちょっと斜めに語りすぎたな。まぁ、君たちに重要なのはアイツが純粋で

 真っ直ぐで恋愛観が小学生並ってことだ。そこに惹かれたんだろ?」

 

「んっまぁ…その、だな///」

 

「まぁ、そのお陰で出会えたんだし///」

 

「そうですわね~///」

 

 恋愛話になった途端に絶句してた者達は愛しの君を思い出したのか、顔を赤くして再起動した。

 それに感触を掴んだ十千屋は恋バナとして重要な事を切り出す。

 

ふぅ、軌道修正できた。さて、一番大事な事を言おうかね。アイツ攻略のヒントを」

 

「「「!!」」」

 

 ヒントの言葉に耳が大きくなる3人、この様子に十千屋は苦笑しながら話すのであった。

 

「まずは、アイツに根付いている三人其々の印象を変えていくということだな。」

 

「どういうことだ?今のままではイケナイということか」

 

「ブッちゃけそう」

 

 彼の言葉にまたショックを受ける三人。こちらの方は予想できたので話を続ける。

 

「アイツの考えてそうなそれぞれの印象ってのはちょいと恋愛に遠い感じだ。一個人の友達として

 の個性レベルだな」

 

「そ、それはどういう・・・・」

 

 彼は聞いてくる箒を手で制して、軽く指でさしながら各個人の印象を言ってゆく。

 

「まずは、箒から」

 

「わ、私からか…」

 

「『侍チックで剣道少女な幼馴染』以上」「(が~ん!?)」

 

「次は鈴、」

 

「あっあたしはどうなのよ!?」

 

「『悪友的中華系幼馴染』かね?」「(ズ~ン…)」

 

「最後はセシリア」

 

「わたくしは、どうなのでしょう?」

 

おじ様(十千屋)大好きなイギリス貴族お嬢様」「・・・なにか納得ですわ ε=(=д=;)ハァ…」

 

 それぞれの評価に沈み込む三人、これもまた予想できたので十千屋は狼狽えたりはしない。

 だが、さらに叩き込ませるような事を言わなければならないのは気が引ける。

 

「ぬぅぅ…コレはイメチェンとやらをしなければいけないのか?」

 

「そうね、そうよね。じゃなければいつまでも一夏にとってあたしは友達扱いなのよね ギリッ

 

「あ~、ソレ逆効果になると思うんだが?」

 

 「「何ですとぉーーー!?」」

 

「アイツの朴念仁レベルは神レベルだってわかってるだろう?ならその反応は、」

 

 彼の評価に自らの印象を変えなければ一夏に思いは届かないと分かったのだが、それは逆効果だと言われ声を上げる。

 何故かという説明に彼は一夏の朴念仁の程度を先ずはあげた。

 一夏の鈍さは皆が先刻承知の様に病気レベルである。そんなアイツにイメチェンで対抗しようと思ったら絶対に斜向かいの方向に感想を述べるであろう。

「なんか悪いもんでも食ったか?」「え~と、うん…いまさら高校デビューか?」「調子でも悪いのか?何かあったら言えよ?」

 など、乙女ゴコロ彼知らずといった感じの感想が次々と飛び出すに決まっている。この予想にアッサリとシックリくる乙女達は気が滅入った。あぁ、納得だよこんちくしょう、と。

 故に彼はこう助言する。

 

「ほらな、急に印象を変えようとしても無駄だろ?だから、長期戦だ」

 

「おじ様、長期戦というと?」

 

「程々ゆっくりと印象に『女性』という属性を付加させてゆくんだよ」

 

「すまぬがよく分からない」

 

 十千屋の助言の意味が分からないと彼女らは言う。それを受けて詳しい内容を彼は話してゆく。

 皆が一夏の事を鈍いだの朴念仁だの言うが、それ以外はちゃんと年頃の男の子だと彼は知っていた。

 十千屋は一夏の事を知るために時間があれば彼の話にのっていた。彼も学園で自分以外の唯一の男性という事でよく相談や雑談をする。まぁ、そのせいで腐女子が湧くのは置いとくとして。

 その話の中で、女子に対するやめて欲しい事などを語る時もあった。寮の廊下を薄着で彷徨くのは止めて欲しいとか、妙に近くに寄らないでとか、女子特有の甘ったるい匂いでちょいと変な気分になるとかだ。

 だから、無理やり印象を変えるのではなくちゃんと一人の女の子だという認識をさせるのが重要だという事である。

 

「これを踏まえて三人、特に箒と鈴に求めることは素直になり余裕を持つことだな」

 

 彼の助言に目からウロコが落ちそうになる三人であった。

 特に昔から一夏に苦労させられていた箒と鈴が涙ぐみそうになる。流石は妻子持ちでハレムの主よく分かっていると謎の感想まで頭に過ぎった。

 

「数々の助言をありがとうございます。それで私はどうすれば?」

 

「先ずは一番簡単なセシリアからだな」

 

「わたくしですか?」

 

 すっかり信用してしまった十千屋に心なしか急かすように問いかける箒であるが、彼は難易度の低い順に話してゆくようだ。

 

「あぁ、セシリアは単純にとある認識を変えればいいだけだからな」

 

「しかし、それが難しいから苦労しているのですが」

 

「いや、セシリアの『好き』って感情が別に()()()()()では無い事に気づかせてやればいいのさ」

 

 十千屋がセシリアが一番簡単だといった理由はそこに有る。元々セシリアに対して一夏はちゃんと女の子扱いはしている。

 だが、自分に向けられている感情が恋愛のそれだという事に気づけないだけだ。しかもその感情は十千屋に向いているものだと思っている。

 だからその好きは恋慕ではなく思慕、一夏自身が()()()()()()()()()()()()()()()()だと気づかせてやれば余計な認識を変えられるのだ。

 故に何かしらの話題で上がったら慕う意味が違うと一夏に告げ、分からなければ何度も言えばあの彼でも気づくだろう。

 難易度が低く、対応もしやすいセシリアに向かって妬ましく見る二人。しかし、当の本人は十千屋の助言に納得した様子で気づいてはいなかった。

 

 そして、遂に箒と鈴の番が来たが内容は難しいものであった。

 それは本人らがしっかりと行動していかなければならない問題であったが故に。

 この二人に関しては長年、友達として幼馴染としての認識が強すぎる。だから今後は日々の中で少しづつ変えていくしかない。

 スキンシップをはかったり事ある毎にちゃんと女の子扱いして欲しいと注意したり、一番難しいのが自分の好きという感情に素直になり余裕を持って接することだ。

 それに対し彼女らは疑問を投げかけるが、

 

「お前ら…照れ隠しが暴力的すぎるんだよ。だれが殴ってくる奴が好きになるんだよ?

 ドMを除いて」

 

「「うっ」」

 

 十千屋の言葉に言葉が詰まる二人、彼女らの照れ隠しの暴力で一夏はどれだけ怖い目にあったのだろうか。

 木刀が目の前に振られ、ドアを貫通してこちらを狙ってくる。いきなりISを部分展開させ壁を凹ませて威嚇してくる。

 自分自身に原因があると気づいていない一夏にとってそれはそれは脅威に見え感じただろう。

 

「だろ?死傷者が出るような威力の照れ隠しって、それはただの攻撃だ。しかも

 必ず殺す技の方な。あと、鈴…」

 

「な、なによっ!?」

 

「感情に任せたIS展開は止めろ。技量の高さは分かるが脅威だし、代表候補生としてIS所有規定は

 知っているし守らないといけないだろ?」

 

「あっあぅぅう!?」

 

 一番の欠点を指摘され狼狽える二人、彼女らは一夏の幼馴染であるが故に手を出すのが容赦がない。しかも武道派だからその一撃一撃がヤバイ。

 だから今一番必要なことは、暴力を振るう前に素直に気持ちを伝えること、それを振るわない最低限でも抑えるために心に余裕を作っておくことだ。

 

 それからも十千屋の話は続き、本格的な男性がグッとくるポイントなどはリアハが指導した。

 それらを食い入るように聞く3人であったが、彼は彼女らにワザと伝えたいない事がある。

 それは、一夏がISを装着できる事に関わってくる内容であり伝えてもどうしようもない事だ。

 十千屋は一夏が何故ISを装着できるかを考えたことがある。その中で千冬と一夏の関係性を焦点とした仮説を立てたことがある。

 その仮説は『織斑一夏は織斑千冬と何かしらの類似点がありそれにISが反応している』というものだ。

 それが遺伝的アルゴリズムなのか脳波なのか、それとも篠ノ之束がISを作るときに記録したであろうの千冬のパーソナルデータなのかは分からない。

 だが、もしそれが本当なら一夏の本質の一部は女性(千冬)なのではないだろうか?実際に彼は家事全般が好きであるというどこか女性的な面を持っている。

 しかし、そのせいで鈍感とかであってもどうする事も出来ないため話題には上げなかった。実際にIS生みの親である束に聞いてみても「実際に作ってみたらブラックボックスだらけで束さんでも分かんな~い」とのことだった。

 

 こんなことが十千屋の頭に過ぎったが、それは直ぐに追いやった。

 いま目の前で姦しく騒いでいる少女らには関係ないことだ。彼は彼女らを暖かい目で見守っていた。…相変わらず他人からは見えないのだが。

 

 

 数日後、一夏と鈴は再び相対して互いに喧嘩したことは謝った。それと同時にどれだけ十千屋に助けてもらったかも実感する。

 だから、喧嘩の発端となった約束の件については互いに譲らずに決着をケジメを付ける事を両者共に決めた。

 その舞台はクラス対抗戦(リーグマッチ)として二人は別れる。

 他人には分からない二人だけの譲れないものの為に、その舞台で雌雄を決する為に当日まで会わずに鍛えることにした。

 

 そして、その当日が来る。

 奇しくも対抗戦の第一回戦目の組み合わせは『1-1 織斑一夏 VS 1-2 凰鈴音』であった。

 

 

 

 




さて、なんか説明回みたいになりましたが簡単にまとめると
『織斑一夏の価値観は小学生の時の千冬の躾で止まっており、未だそのまま』
って、感じですかね。
小学生位で価値観のほとんどが止まっているので自分への恋愛感情が分からない、という感じです。
鈍感主人公らしいと言えばらしいのですが…やっぱり、トloveっている主人公の方がまだ恋愛に敏いですよね。
なんか一夏って勝手に納得して自滅している事が多いような気もしなくもないです。

では、今回は此処まででございます。

そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。

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