相変わらず、文字数がちょっとありますがどうぞご覧ください。
では、どうぞ御ゆるりと。
あと、残念美少女が絶好調ですのでそこをお気をつけて
さて、嵐というものは前触れがあるものだ。
余りにも静か、風が強くなってくのを感じるなど。
今回は風が強くなっていく形である。そう、時々嵐の前に妙に強く吹く風のようだ。
さて、今日も今日で特訓・・・いや、修行の日々が続いている。
その中で変わったこと言えば、時間割の修正だろうか。前までは補習-体力作り(剣道)-実践であったが、補習と実践が逆になった。
その理由はアリーナの使用時間帯が15~16時だからだ。先に補習をしてから体を動かしたかった十千屋であるが、学園の決定事項には逆らえない。
故に疲れた体で済まないと思いながら補習を最後に回したのだ。
「さて、今日は追いかけっこをしてもらおうか」
「で、どんなルールが付いてんだ?」
「あぁ、追いかける最中に指示が出てくる。それを行って逃げる方を追いかけるんだ。チェーロ、
デモをやるぞ」
「はい、パパ!アイアイサー!!」
いつものメンバーがアリーナに集まり、今日の修行を始める。
今回のメインは機動術の熟練の為の追いかけっこだ。ただし、タダの追いかけっこではない。
追いかける側に不定のタイミングで視覚領域に様々な指示が映り出される。
一夏の場合では、右に避けろ、左に避けろ、ターゲットを切れ、仮想攻撃を避けろ等が出される。
無論、それだけでは終わらない。時間制限が有り、その間に逃げる側にタッチダウンしなければならない。
故に今まで培った機動術をフル活用して捕まえなければならないのだ。
その実演を逃げる側を十千屋、追いかける側をチェーロがする。
先に彼が飛び出し、ある程度離れるとチェーロが飛び立っていった。
縦横無尽にある時は物理法則を無視した、まるで
「どちらも早いな・・・」
「しかも、指示全てを手早くこなしていますわ。あ、三つのターゲットを
たわね」
「・・・俺…ちゃんと出来るかな(汗」
各人が呆れと感嘆の声を漏らしながらも、彼らの演習は続いた。
そして制限時間である3分間近くになった頃、両者ともにカーブに差し掛かった時に、チェーロは円周の内側を通るような上昇しそこから十千屋へ向かい最短距離で降下することで再び速度を得ながら追随する。
現実の戦闘機の空中戦闘機動『ハイ・ヨー・ヨー』の軌道を描き彼女はターゲットである彼を捉えたのだ。
それをハイパーセンサーで見た彼は逃げ切れないと判断すると、彼女に向かって腹這いになり両手を広げる。これに気づいた彼女は満面の笑みを浮かべて彼に抱きついに行ったのである。
彼は彼女を両手で体の前に抱き抱え-通称『お姫様だっこ』して見ていた皆の前に着陸し声をかけた。
「まぁ、こんな感じでやってもらうんだが・・・」
「「レベルが高すぎて全然参考にならねぇ(ない)!?」」
「ですわよねぇ」「まぁ、そうなるね」
一夏と箒が両者ともに全身全霊の声を張り上げる、そしてそれに残りのセシリアと轟は同意するのであった。
これには失敗したような雰囲気を出しながら十千屋は言う。
「あ~、二人共。流石に今日ココまでにやれっていう訳じゃないからね。あくまでいずれたどり着
いて欲しいレベルのデモであり二人に行って貰う時はちゃんと加減するからね?」
「先生、俺…普通に飛びたいです・・・」
「高みが高すぎて何も見えないです・・・」
「おじ様、素晴らしすぎて凹んでおりますわよ?」
「もうちょっとマイルドにするべきだったね。あと、チェーロ…いい加減降りろ(怒」
「え~、もうちょっとだけ~」
グダグダに成りかけたが、何とか凹む二人のケツを叩いて立ち直らせ今日の修行を始める。
十千屋は何度も追いかけられるターゲットとなり、残りのメンバーがそれぞれ追いかけた。
それを行ってゆくうちにアリーナの使用終了時間となり、皆それぞれ近くのピットへと向かうと思いきや…皆、同じ方向に向かっていた。
理由は十千屋と離れたくない娘'S、同性で彼と進路が同じな一夏と彼から離れたくない箒、そして両者から離れたくないセシリアという感じである。
「一夏、飛ぶ時まだ体が強張りすぎだ。もっと楽に自然体で飛べるようにしないと・・・凄く疲れ
るぞ?」
「はい、実感しております・・・」
「ひとなつは緊張しすぎ、飛ぶのってもっとビュ~んとで良いのに」
「感覚オンリーで鷹の目持ちの貴女には言われたくないわ」
「全く、日頃から鍛えていないからそうなるのだ。周りを見てみろ」
「そうですわね、何事も体は資本ですし」
一夏は十千屋からアドバイスを受けるが、慣れない機動を行いすぎて疲労困憊である。
ここに来て日頃の体力差と言うか鍛錬の差が出ている感じだ。
ある意味現役の十千屋、代表候補生のチェーロ・轟・セシリアの三人、日頃から鍛えていた箒と疲労の加減に差が出ている。
箒は汗をかき少し疲れた様子だが、他のメンバーはそれよりも程度が軽い感じだ。
その事実にちょっとショックを受けている一夏の前に彼女が現れる。
「一夏っ!おつかれ。はい、タオル。飲み物はスポーツドリンクで良いわよね?冷えてないの」
「おぉ!サンキュ。あ~~、生き返る~~~」
「健康に気を配るのは変わってないわね。で、だいぶシゴかれているみたいね」
「あぁ、でも当初よりはマシに成ってるのは感じるぜ」
現れた人物は鈴であった。彼女は一夏の為にタオルとスポーツドリンクを持ってきたようだ。
それを有り難く頂き一息つく一夏は彼女との会話が弾みそうになるその時に邪魔が入る。
「一夏っ、一息つくのは良いが打ち込みがこの後あるんだ。早くしろっ」
「あ、悪りぃ…箒」
「ん?アリーナはもう閉じてるからお仕舞いじゃないの」
「そうなんだけどさ。体力作りと刀の修練の為に剣道部で打ち込みをやるんだよ、この後」
「ふ~ん、ねぇ…ついて行ってもいい?」
「え?俺は構わないけど、更にそのあと補修もあるんだけど」
「良いわよ、別に今日は用事があるってわけじゃないし」
「あ~うん、十千屋さ~ん!」
邪魔をしたのは箒であり、次が控えているのを理由に一夏と鈴の距離を開けようとした。
だが、話の流れでこのまま付いてくる事に決定したため何も言えなくなりストレスが溜まる。
その乙女心のストレスは剣道部で彼をボコボコにする事で発散するのであった。
そして、最後の項目である補修までたどり着く。
「(なによ、コレは?一夏に教えてるって言うロボ頭の人…専属コーチレベルじゃない。しかも、
特訓も補習もアイツに特に今必要なものばかりを中心にしてる。・・・
ね)」
補習の内容と一夏の様子を見て鈴はそう思っていた。
実のところ彼女は最初から彼らの修行を見ていたのだ。理由は自分の国-中国からの指令である。
彼女が中国代表候補生に選ばれたのは実力だけではない、いや実際に実力は候補生の中で飛びぬけていたのだが。
それはともかくとして、片方の男性装着者-一夏と顔馴染みであった事が理由の一つである。
かの国は第一男性装着者である彼を自国に誘致したいがために鈴を選んだのだ。
そして、第二である十千屋も丸め込めて来いと指示してある。
「かの会社はISに次ぐパワードスーツFAなる物を売りつけているそうだ。そのような物、まず我が
国に差し出すべきではないのかね?なのにっ、アソコは日本・ドイツ・イギリスを主として売り
つけている!過去の大戦時の同盟のつもりかね!?」
「そこで君だ、第二男性装着者はその会社の重要人物らしい。彼の好みは調査済みだ、ロリk…
ゲフン!幼目の容姿をもった女性が好みらしい、故にひんそ…ゲフンゲフン!小柄な君が
ゆうw…コホン、様々な手を使い説得して我が国に彼から融資を持ちかけて貰いたい訳だ。
頼んだぞ」
「(Pi.Po.Pa…)え~、凰鈴音代表候補生です。●■担当官がセクハラ発言いたしましたので、お願
いしたします」
「き、きさまぁあああああ!!?」
鈴はその時をやり取りを思い出し、余計な部分は頭を振るって削除する。
そして、改めて補習の…いや、十千屋の様子を見た。
「(容姿と性癖の一端を除けば、パーフェクトよね。実力も有り、財力も有り、懐も大きいと、
はぁ…私の好みじゃ無いんだけどなぁ。まぁ、一夏を振り向かせる合間に何とかするか。
アイツに付きまとえばロボ頭さんとの接点も増えるし、やっぱり信頼関係からよね。なら今は
雌伏の時ね)」
誰にも分からない彼女の内面はこう結論付ていた。
そして、補習が終わり寝る前の自由時間に事件が起こる。
鈴が強制的に一夏と同室になるために箒に部屋替えを提示しひと悶着があった。
それはまだ良い、問題はこの先である。その時に鈴が一夏にむかって「約束を覚えている?」と尋ねたら、彼が
その翌日・・・項垂れて座る一夏の前に頬杖を付き足を組んだ十千屋が座る。
そして、十千屋の言葉が響く…
「お前は馬鹿なのか?」
「は…反論の余地も御座いません(汗」
「馬に蹴られて死ね」
「ほんと、刺されて死んじゃえばいいのに」
「
「本当にレディの扱いがなっておりませんわね」
昨夜の事を一夏は十千屋に相談すると、まずはその一言が返って来た。
すると便乗するかのようにいつものメンバーが悲傷中傷を言い、クラスメイトからの目も「ダメだコイツ」的な視線で見られる。
重い溜息を吐き、十千屋はこの朴念仁にむかってしたくもないフォローをする。
「はぁ~…まぁ、今に始まったことじゃないが何が悪かったか分かるか?」
「す、スミマセン…イマイチ理解できてない」
「ふぅ、はぁ~~あぁ…先ずはな、凰さんも女性だってことだよ」
「ん?確かに鈴は女性だけど」
この受け答えをした一夏に「あぁ、ダメだコイツ」と思いながら十千屋は説明を始める。
「まず、女性と男性の考え方の根本が違うって事を念頭に置け」
「そりゃ、他人なんだから男女も関係なく違うだろ?」
「そこから違う。俺の言ったのは十人十色では無く、男女差の思考パターンだ」
「よく分からないんだが」
十千屋は光量が落ちたカメラアイで彼を見ながら話し続けた。
男女が違うというのは生き物レベルからの話である、医学、生物学的に全く違う生き物であるという論説も出たくらいだ。
故に脳が受け取る情報の処理も違うというのは当たり前のことである。
男同士で通じ合うことでも、男と女の間では通じても受け取り方が若干の差異が出てしまう。
だから同じ言語でも全く違ってくる、それゆえにその誤差も考えて対話しなければならないのだ。
「しかもな、女性は台詞に裏の意味を持たせたがるんだよ」
「う、うら?」
「あぁ、凰さんとお前とした約束は『毎日、私の酢豚を食べてくれる?』だっけな」
「ああ、うん。そんな感じ」
「コレは別れるシーンで言ったんだよな?」
「そう、だったけな…うん、引っ越す前日だったな」
一夏の話を聞いて、彼はそのシュチュエーションを想像し彼女が伝えたかった本当の意味を探る。そして、それを一夏に伝えるのであった。
「俺は本人じゃないから想像だがな、それは『自分のことを忘れないで欲しい』とか『心の支えに
したい約束』だとかの類じゃないのか?」
「あ…」
「ソイツをただの奢る約束と履き違えたら、そりゃ怒るわ。しかも、女の子にとって手料理を食べ
て貰うってのは特別なことだぞ」
「え、じゃあ・・・俺は、」
「チョイ待ち、俺の言ったのは俺の想像だ。本当の約束の意味はお前で考えろ、それがお前に課せ
られた義務だ」
「分かった、十千屋さんが言ったのは参考程度にする」
十千屋は彼に伝えた事の中で、ワザと伏せたものがある。
だけどそれは、彼自身が気づくものであり自分が答えるものではないからだ。
しかし、彼女との約束は特別なものであるというのは伝えておく。
話を聞き終えた一夏は考える素振りを見せるが、十千屋はまだ足りないと思い更なるアドバイスをまた話し出す。
「一夏、凰さんと仲直りしたいんだよな?」
「当たり前だ、幼馴染だからな」
「なら聞け、お前はつい本音が溢れて余計な一言に成り易い感じだ」
「…そうなのか?」
「なんか、つい言ったら相手…特に女性の機嫌が変わったなんて事よくあったと思うんだが?」
「ある…あった、ああぁ・・・」
「覚えがある様だな。だから、勢いに乗らずじっくりと話すようにしろ。今回の鳳さんは意地っ張
りみたいだと感じたからな。買い言葉売り言葉でややこしくするなよ」
「肝に銘じておきます。いや、ほんとマジで」
と、一夏の失言癖を彼は注意してこの話題は終了となったが・・・
その数日後、十千屋は前と同じように一夏の前に座っていた。
「と、言ってたのに・・・何やってるんだ、お前は?」
「返す言葉もござりませぬうぅうう!!(泣」
十千屋は腕と足を組み、カメラアイを暗い赤にして一夏を見下していた。
見下されている彼はというと・・・地面に堂々と座った構えから、大地に両手をつき、彼に向かって頭を下げていた。
つまり、●乙女流奥義:
そう、一夏は彼に注意されたにも関わらず鈴との仲直りが失敗したのだ。
意地っ張りな彼女の暴言からつい喧嘩を買ってしまい、そこから言葉の売り買いの応酬でさらに一部女性のNG
本当に…十千屋が注意した事そのままが起こってしまったのだ。
「最低だな、一夏は」
「もう返す言葉もございませんわ」
「朴念仁の神-朴念神」
「ひとなつの事、今度からにんじんって呼ぶね?答えは聞かないから」
女性メンバーとクラスメイトの視線が絶対零度まで下がる。
そう、一夏の評価が『残念なイケメン』レベルまで下がったことを意味していた。
「さて本当はしたくないが、凰さんとお前の仲はなんとか俺が取り持ってやる」
「ほっ本当か!?」
「ただし!判決は有罪っ、クラス対抗戦まで修行のランクを1~2ランク上げて行う!
そしてぇええ!!」
流石に気まずいと思ったのか十千屋が関係の修復に乗り出した。
だが、その対価として一夏には当面の修行が苦しくなる結果となる。
そして、執行内容が言われ平伏する彼に十千屋が本音に何か言い、彼女が彼に近づいてゆく。
「(・ω・`*)ネーネー、いっちー」
「な、なんだ本音?」
「いっちーのってちっさいの?」 心境風景⇒)ハアァッ!
「グハァ!」
本音から純粋な眼差しでその言葉を言われた一夏は、心の中で血反吐を吐く。
さらに便乗して、チェーロが純粋さを装って言った。
「にんじんは~、包●・短△・早◇なの~?」 心境風景⇒) ハドウケン!ショウリュウケン!タツマキセンプーキャク!!
「がっ!?グフっ!がぁあ!??」
心にダメージを受けながら顔をなんとか上げると、そこには轟が立っていた。
そして、彼女は十千屋と彼の一部分を見比べ…
「…ふっ」 心境風景⇒)シンクウゥゥウッハドーケン!!
「ゲハァ!!」
鼻で笑った。無論、彼の心には大ダメージである。
その様子を見て流石に箒が駆けつけた。彼女は彼の肩を持ち確りしろと声をかけたが、それが最後の止めとなった。
「いっ一夏!確りしろ!?」
「うぅ、箒か?」
「私にはどうしてそんなに心に傷を負っているかわかないが…」
「ほ、箒……」
「私はお前の
「ゴハァア!?!?!ウァウァウァウァゥァ…ガクッ」
「いっ一夏!確りしろ!!一夏ぁああああ!!!!」
「完全KOですわ。自業自得とは
心に完全なダイレクトダメージコンボが決まった一夏は、心のHPバーが無くなり気を失う。
完全に倒れた彼に向かって名を呼び続ける箒、周りは今度は不憫な目で彼らを見つめるのであった。
そして、この混沌した場に更なる混沌が呼び寄せられる。
「 ? 何?この状況?」
「あ、え~と三年生の方ですか?」
「そう、三年:基木素子。父様に会いに来た。で、この状況は何?」
「あ、その言い回し十千屋さんの関係ですね。え~とこの状況は、」
そう、残念美少女枠の
彼女は状況を聞き、納得する。馬鹿が一名死にかけているだけだと。
「うん、納得した。でも、父様のと
「え、何をですか?」
「ん…」
聞かれた彼女は携帯を出すと、その中にある画像データから一枚の写真をその近くの生徒に見せる。
するとその生徒も、興味本位で見に来た生徒も顔を真っ赤にしながら十千屋の方を見た。
彼はその様子を訝しげに首を傾げると、次にはその生徒らは彼を恐れ敬い、果てには拝み始める。
これには嫌な予感がした彼は素子に詰め寄った。
「おい、一体何を見せたんだ」
「コレ・・・」
素子が見せた写真には、彼女が
それには流石に相変わらず見えないが、十千屋の開いた口が塞がらない。
そして、周りの生徒たちはこう話していた。
「大きいです///」「太いです///」「長いです///」
「「「随分とご立派な魔王をお持ちで///(/ω\*)キャ」」」
「しかも攻撃力・防御力・HP・MPなどトップクラスで、もはや『大』魔王級。
実感済み(*ΦωΦ)ドヤァ」
「………プライベート中のプライベートの写真を見せンじゃねぇエェエーええぇええ!!!」
あからさまな自らの恥部(生身)を回りに知られてしまった十千屋はその場で崩れ込んでしまう。
その間にも、キャーキャー言いながらそういう事に興味がある生徒たちが写真を覗き込み拡散してゆく。
ふさぎ込んでしまった彼に素子はしゃがみこみ、スカートの両端をつまみ上げるカテーシーの様な動作をしながら声を掛ける。
「父様、大丈夫?一本ヌく?」
「もおぅぅとぉぅ子ぉぉおっ、家に帰ったらお仕置きしてやるぅうう!!」
「えっ…そんな、父様お仕置きだなんて・・・・無理やりされるのって…意外と‥
モえる…・よね(//∇//)」
「(ぶちぃっ!!)轟ぃ!チェーロぉお!!」
彼のお仕置き発言に彼女は照れながらはにかみながら、小指を加えてうっとりとして言った。
しかし、その反応に遂に十千屋はブチ切れて二人を呼ぶ。
「チェーロ、右っ」「あいさー!」
「お?おぅっううう!?」
呼ばれた二人は素子をうつ伏せになる様に叩きつけると、相手の手足をそれぞれ左右一方ずつ相手の腿の外側から、自分の足で巻き込むよう固定し各自で相手の手を持った。
そのまま後方に自ら倒れこみ寝るようにして体勢を変えつつ、相手の体を吊り上げる。
そう、以前十千屋がセシリアに掛けたプロレス技『ロメロスペシャル』の
「さぁ、悲鳴を上げてみせなさい」「素ねぇはいい加減にすべき」
ギリギリギリ…「ぐぬぬぅぅ・・・」
それぞれのパーソナルカラーのシマぱんが丸見えに成りながらかけるその技はフリーダム娘の自由を奪う。
二人掛りではさすがに抜け出せないのか、関節を軋ませながら全身に力を入れて素子は抵抗した。その彼女に十千屋が近づいてゆく。
「さぁ、釈明を聞こうか?」
「粗●ン(仮)とぉ(性的に)素晴らしき父様をっ比べるのは可笑しっいと思ったぁ。反省はっする必
要がなぁいしっ、後悔は元々なっい」
「そうか、遺言はあるか?」
「技をぉっかけられる…なら、父様のぉベアバックとかぁツームストン・パイルドライっバーと
かっの幸せ投げ・締めの方がいいっ!」
十千屋が素子に弁明を聞きだしたら、抵抗しながら彼女は話すため口調が乱れる。
そしてその内容は反省どころか謝罪も何も無かった。そんな彼女に冷たいカメラアイで見下す彼は技をかけている二人にもっと強くするように指示する。
それに対して彼女は必死の抵抗をした。そう、普段は自ら抑え付けている身体能力の枷を外しそうになるくらいに。
だが、それに気づいた十千屋はトドメを刺しにかかった。
素子のシャツの裾を少し捲くり、下腹部つまりヘソの下あたりを優しく撫で回す。
「うっあっアン♪はぁん!そっ、ソコ!もっとぉ、もっと!触って!!私のし…ギュッ!!?」
撫で回された素子は、十千屋から与えられる心地よさに意識がいって力が緩んでしまった。
この隙を逃す二人ではなく固定した手足を一気に引き伸ばしトドメを刺す。その瞬間、人体から聞こえてはならない鈍い何かの音がし・・・素子の意識は失われた。
基木素子
一夏と素子を
修行の方はどうしたかと言うと、やることは指示してある。
今頃、白式用に用意しておいたM・S03と04-プロペラントタンク〈角〉〈丸〉を使い白式のSEを増強、回復させ一夏は1対複数をノンストップの連チャンで戦わせられている事だろう。
きっと使用しているであろうアリーナの横を通ると、男の悲鳴が聞こえたような気がしたが気のせいだ。
しばらく歩くと目的の人物が見つかった。誰も来なさそうな校舎の隅で鈴が膝を抱いていて泣いている。
「やれやれ、やっと見つかったか。リアにハッキングしてもらえなかったら見つけられなかった
な」
「ジュン…あによ」
泣き腫らした目で鈴が十千屋を睨むが、彼はそれを介さず彼女を摘まみ上げ肩に担いだ。最近だとお米様抱っこと呼ばれるヤツだ。
いきなり担がれて彼女は驚くが、すぐに自分の様子を把握し暴れだす。
「こらぁ!何やってんのよ!!このロボ頭っ!!」
「あの
「なんで戦わなきゃいけないのよ!?」
「ひと暴れして、少しスッキリしようぜ?そのあとにアイツに対する愚痴を聞いてやるさ」
彼の言葉を聞いて心配してくれていると彼女は気づく。
やり方は強引であるが自分には合っている慰め方であろう。そして、どんなに暴れても確り担いでる力強さには父性を感じた。
両親の離婚のせいで会えなくなった父も、幼い頃に自分が泣いていた時には力強くそして優しく抱きしめてくれた事を思い出す。
ただし、今の状態は抱き上げられるよりも担ぎ上げられていると言ったほうがいいのだが。
少し、しんみりした鈴であったがハッとなり正気に戻る。
「訳は分かったから!いい加減に下ろしなさい!!」
「はっはー!じゃあ行くぞ~~!!」
「だぁーかぁーらぁー!下ろしなさいってばぁあああ!!!」
こうして、十千屋は鈴を担いだまま今日一番人がいないアリーナに向かうのであった。
下ろせと暴れる彼女を楽しそうに担いだまま。
今回は如何でだったでしょうか?
鈴の慰め方は書いてるうちにこうなりました。
あの子はまずは暴れさせてスッキリさせないとと思ってしまったので。
という訳で、次回は鈴と十千屋とのプチ戦闘と一夏と鈴へのフォローが主なお話になると思います。
・・・プチ戦闘のレベルで文字数が収まればいいなぁ(汗
そして、今回は下品すぎましたか?(汗
しゃーないんや、素子が暴走するんやっ(滝汗
あぁ、はやく彼女のマトモな戦闘シーンを出してあげたい(泣
では、今回は此処まででございます。
そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。