メイン盾の軌跡   作:爆焔特攻ドワーフ

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特別オリエンテーリング7

「おう、大丈夫か!?」

俺はフィーの下に駆け寄って手を差し伸べる。

「ん、大丈夫」

フィーはそう言うと自分で立ち上がった。

「タケル、来てるよ」

後ろを振り向くと先ほどぶっとばしたガーゴイルがこっちに飛んできていた。

俺は盾を構えて銃砲をガーゴイルに向ける。

 

「いくぜ・・・【テラーズクラスター】!」

銃砲から導力の光に包まれた特殊弾が飛び出す。

それはガーゴイルの翼に着弾し、片翼を焼き尽くした。

 

 

ガーゴイルの体勢が崩れる。

その懐に真っ先に飛び込んだのはリィンだ。

『この隙を逃してはいけない』と脳内に浮かんだのだ。

それにしたがってリィンは刀を横に滑らせる。

これまでは表皮しか傷つけられなかったのに今回は驚くほど深く刀が入った。

そのまま刀は滑って行き、すぱん とガーゴイルの前足を断ち切った。

 

 

リィンがガーゴイルの脚を断ち切る瞬間Ⅶ組全員の心がつながった。

自分以外の動きが手に取るようにわかる。

タケルは苦し紛れにリィンに振り下ろされようとしていたガーゴイルの前足を《黒鋼》で受け止める。

その俺の肩をフィーが踏み台にしてガーゴイルの背の上に乗り、残った翼に穴を空ける。

タケルとリィン、フィーが飛び退くと

ガーゴイルに【ファイアボルト】と【ルミナスレイ】が身体に叩き付けられる。

見れば戦線復帰したエリオットが少し顔が青いながらも隣りのエマに支えてもらいながら導力杖をガーゴイルに向けていた。

 

GOAAAAAAAAAAAAA!!!

 

翼をなくしたガーゴイルが怒りの咆哮を上げる。

憤怒に染められたその顔に銃弾と矢が飛ぶ。

 

マキアスとアリサの援護射撃がどんどんと飛んでくる。

それを鬱陶しそうに首を振るガーゴイルだが

その隙にラウラが走りよる。

ラウラの動きは飛び出す直前にガイウスが掛けてくれた補助魔法のおかげか正確無比だった。

ラウラはその手に持った大剣で

ガーゴイルの上半身と下半身を両断した。

 

最後のあがきか、ガーゴイルの口から火がチロリと覗いたが、火は飛び出すことなく首はユーシスの騎士剣によって断ち切られた。

 

 

やっと終わった戦闘にみんなが息をつく。

エリオットなど緊張が解けて崩れ落ちてしまった。

「エリオットさん、大丈夫ですか?」

「ああ、エマさんありがとう・・・」

エマがエリオットに回復魔法をかけるとエリオットの顔色がずいぶんとよくなった。

エリオットは一息つくと言った

 

「それにしても・・・最後のあれ、何だったのかな?」

「そういえば、何かに包まれたような」

「ああ、僕も含めた全員が淡い光に包まれていたな」

 

エマとマキアスが肯定する。

 

「確かにあの瞬間、皆がが何をしようとしているのかがわかった。正確には見えなかったはずなのだがな」

ラウラが不思議そうに語る。

 

「多分、本当に視えたんだと思う」

とフィーが同意し

「ああ、もしかしたらさっきのような力が――」

リィンがその先を言おうとすると

 

 

「――そう。《ARCUS》の真価ってワケね。」

 

階段を下りてきたサラ教官がリィンの言葉を先取りした。

 

 

 

 


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