ゴブリン成長記   作:補う庶民

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6話

起きるともうあたりは真っ暗になっていた。

ステータスを表示させる。

 

『名前:高橋浩太郎 種族:ゴブリン Lv10/10

HP :16/35 LP:32

MP :12

 

スキル

HP上昇(小) Lv3/5 毒耐性(小)Lv2/5

言語習得不可 』

 

あの剣士ゴブリンは強かった。

そしてスキル。

俺のスキルは効果があるのかどうか分かりづらいのばっかだったから、侮っていた。

体の傷は大体ふさがっている。

周りを見ると血があちこちに見える。

俺と剣士ゴブリンの血だ。

少し前には剣の破片があった。

もう一度進化先についてもう一度考えてみる。

 

『進化先:ボブゴブリン 拳闘ゴブリン

魔術ゴブリン 剣士ゴブリン

槍士ゴブリン 槌士ゴブリン

斧士ゴブリン 盗賊ゴブリン

種族変化:オークベビー フォーバード』

 

俺はスキルというものを舐めてたかもしれない。

自分の戦闘スタイルについて考える

俺の戦闘スタイルは石だ。

それを考えると拳闘ゴブリン。

俺は立ち上がり、破片を拾ってから湖に戻る。

俺はボブゴブリンを目指すと決めた。

そのほうが進化先も増えそうだし。

だが今のままではLPを手に入れるのは難しく、拳闘ゴブリンか盗賊ゴブリンを選んだ方が手っ取り早いとは思うが。

 

 

 

しばらく進むと、何か音が聞こえてきた。

その方向に向かってみる。

この前とは別の4人組が一角猪と戦っていた。

4人とも剣で戦っている。

俺では猪にダメージを与えられない。

だが今の猪は図体は普通のより大きいが切り傷があり弱っている。

とどめを奪えば、LPが手にはいるだろうか。

こっそり隠れて見守る。

状況を見ると4人組はたいした傷はない。

だが全員疲れ切ってるようで息が上がっている。

猪は傷こそ多いがまだ余力がありそうだ。

4人組の1人の剣が光る。

すごい勢いで猪に近づくと大きな切り傷をつけた。

あの剣士ゴブリンと同じスキルだ。

だがあれと比べると全然遅い。

猪は呻き声を上げ、その人を吹っ飛ばす。

その人は気絶してしまった。

だが猪の方もダメージがでかく、血がすごい勢いで流れている。

とどめを刺すなら今だろう。

こぶし大の大きさの石を拾う。

 

「グギャギャギャギャ!!」

 

大声をあげ意識をこっちに向けさせる。

3人が気を取られている隙に猪に近づき、剣の破片を傷口に突き刺し、そこを石で殴りつける。

すると剣の破片が一角猪の体の中にめり込み、

猪は倒れ、絶命した。

俺は剣の破片を無理矢理引き抜き、急いで逃げる。

幸い3人は追いかけてこなかった。

 

しばらく走って適当な木に登る。

太い枝を押し、折れないことを確かめてから座る。

 

「グギャギィ」

 

すごい緊張した。

とりあえずステータスを表示させる。

 

『名前:高橋浩太郎 種族:ゴブリン Lv10/10

HP :22/35 LP:36

MP :12

 

スキル

HP上昇(小) Lv3/5 毒耐性(小)Lv2/5

言語習得不可 』

 

思い通りにLPが手に入った。

前の剣士ゴブリンとの戦闘はなんだったとは思うが、楽に手にはいるならそれに越したことはない。

進化先を表示し、ボブゴブリンを選択する。

 

『進化先:ボブゴブリンを選択しますか?』

 

Yesを押す。

 

瞬間、俺は意識を失った。

 

 

 

目がさめる。

まず目に入るのは明るくなった空。

朝になったようだ。

寝ぼけ眼をこすりながらステータスを表示する。

 

『名前:高橋浩太郎

種族:ボブゴブリン Lv1/15

HP :30/30 LP:1

MP :8

 

スキル

HP上昇(小) Lv3/5 毒耐性(小)Lv2/5

言語習得不可 』

 

思ったより強くなったという実感はない。

木から降りて湖に戻る。

目線が高くなってるから大きくなったのはわかった。

肌を見ると緑色が少し淡くなっている。

湖に着き、水面に映る自分を見る。

身長は高くなり、姿勢が良くなった。

前は完全な猫背だったから嬉しい。

体は全体的成長しているようだ。

身長は1mから30センチは伸びただろう。

筋肉も少しついて前よりも遥かにマシである。

石を持って木を全力でぶん殴る。

木が折れた。

そのことに驚く。進化するだけでこれだけ違うのか。

太い木はまだ無理だった。

しばらく体を動かし調子を確かめる。

前よりも全然強くなっていた。

今ならあの剣士ゴブリンにも勝てるかもしれない。

 

「ギャギィ」

 

気分を切り替える。

次に考えることはスキルだ。

どうやったらスキルを手に入れることができるのだろうか。

今知っているのは最初のキャラメイクか、進化で手に入れる方法だけだ。

修行でも手にはいるのだろうか。

とりあえずやってみようか。

次の問題は武器か。

仮にスキルが手に入ったとしても武器がなきゃ何もできない。

木でも削って棍棒でも作ろうか。

バットを振り回すようなものだ。

いいな。作ってみようか。

 

さっき折った細い木を持ってくる。

剣の破片で夜中まで時間をかけて形を整える。

木製のバットの完成だ。

完成したものを思いっきり地面に叩きつける。

 

バキッ!

 

普通に折れてしまった。

 

「グギャァ!」

 

強度が足りない。

やっぱり俺には石しかないのか!

石関係のスキルを手に入れるしかないのか!

例えば土魔法とか?かっこいいな。

どうやったら入手できるかはわからないけど。

気に登り、太い枝に横になって寝ることにした。

 

朝だ。別に清々しくない。

湖に行って魚をとる。

いい加減味も飽きてきた。

塩もないし生である。寄生虫が怖い。

食べ終わると拳大の石を持ち、レベルを上げるためにゴブリンを探しに、いや、せっかくだから一角猪いってみようかな。

今ならいけるかもしれない。

猪を探すことにする。


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