ゴブリン成長記   作:補う庶民

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4話

俺が異世界に来て1週間が経過した。

一匹で行動しているゴブリンを狙って倒していったせいかレベルがなかなか上がらない。

だがレベルが上がると俺の体も強化されるようで、やりがいがある。

 

『名前:高橋浩太郎 種族:ゴブリン Lv7/10

HP :27/27 LP:26

MP :7

 

スキル

HP上昇(小) Lv2/5 毒耐性(小)Lv2/5

言語習得不可 』

 

レベルもなかなか上がらなけりゃスキルもなかなか上がらない。

毒耐性は空腹に耐えかねてキノコを食べてしまった時に成長した。

うまい毒キノコだったよ。HPが1になったときは死んだかと思ったね。

1週間も経つと俺も慣れて来たのか殺すのになんの躊躇もなくなっていた。

今ではただの作業になってきた感がある。

ゴブリンを探してぶっ殺す。ゴブリンを探してぶっ殺す。ゴブリンを探してぶっ殺す。

夜になると木によじ登り枝に寝っ転がる。

落ちる心配からか余り深くは眠れない。

喉が渇いたら湖で水を飲み、腹が減ったら湖に泳いでいる魚を捕まえる。

初日に捨てた鳥の内臓が餌になっているのかよく取れる。

火が作れないから生で食べるしかない。

内臓はまた湖に捨てる。

そのローテーションだ。

あれからスライムも発見できないし、鳥も余り襲ってこない。

ゴブリンが圧倒的に多い。

たまにツノがある一角猪を攻撃してもダメージを与えられない。

俺が貧弱すぎる。

 

 

 

1匹で行動しているゴブリンを発見。

手に持っている石をゴブリンの頭目掛けて思いっきり投げる。

石は当たらずにゴブリンの横を通り抜けていった。

ゴブリンはこっちに気付いて襲いかかってくる。

ゴブリンが殴りかかってくるのを避けて足払いをかける。

ゴブリンは転び、その転んだゴブリンの上に乗って石の破片を頭に突き立ててその上に石を叩きつける。

レベルが上がることによってこういうこともできるようになった。

上がる前までは柔らかそうな胸に突き刺していた。

だが胸だとたまに反撃されるのだ。

 

ステータスを確認する。

 

 

『名前:高橋浩太郎 種族:ゴブリン Lv8/10

HP :30/30 LP:28

MP :8

 

スキル

HP上昇(小) Lv2/5 毒耐性(小)Lv2/5

言語習得不可 』

 

レベルアップした。

あと2つ。先はまだ長い。

その場から立ち去り湖に戻る。

湖が拠点みたくなってきた。

湖に近づくたびに騒ぎ声が聞こえてくる。

近くの木に隠れて覗き込む。

そこには4人組の男が焼き魚や焼いて萎んだ丸いものに何かを振りかけて食べていた。

丸いものはなんか見覚えがある。

よく見るとスライムの目のような気がしないでもない。

あれはそうやって食べるのか……。

よく見ると剣や杖を持っている。

男たちの近くには死んでる猪があった。

ツノは折られている。

つまりあの男たちは確実に俺よりも強い。

そして俺は全人類の敵である魔物である。

近づけば殺されてしまうかもしれない。

だが、あの男たちについていけば街か村がどこにあるのかわかるかもしれない。

男たちは食事を終えると1番がタオがいいやつが猪を担いで歩き出す。

俺も遠くからこっそりついていく。

 

「?????????」

「????」

 

結構声はでかいがなんていっているかは全く理解できない

言語習得不可の所為だ。

ただわかることは日本語ではないということだ。

しばらく進んでもまだ森から出れない。

この森は思ったよりも広いかもしれない。

さらに進むと男たちは森から出て近くには街が見えた。

遠くには結構大きい城も見える。

王様とかいるのだろうか。

俺は森から出ずに木に隠れてみてる。

街は石壁でぐるっと囲まれていて魔物対策をしているようだ。

門には門番がしっかり警備している。

男たちは門番に何かを見せてから門の中に消えていった。

男たちを見届けてから湖まで戻る。

街が近くにあったことに驚いた。

人間に戻れたら是非行ってみたいものだ。

 

 

 

3匹1組のゴブリンを発見する。

 

「グギャギィ」

 

不意打ちで石を投げつける。

今度は当たり、当たったゴブリンは頭を抱える。

他のゴブリン達は驚いてキョロキョロと周りを見る。

やっぱりゴブリンは馬鹿だ。投げられた方向を見れば済む話なのに。

少し大きめの石を拾い、投げる。

さっき当たったゴブリンにまた当たる。

今度は俺に気付いたようで頭を抱えてるゴブリンをおいて俺に向かってくる。

距離は開いているのでどんどん石を投げつける。

運良くゴブリンの1匹の目に当たり、うずくまる。

残り1匹になってもこっちに向かってくるゴブリンには足払いをかけて大きめの石で頭を思いっきり叩き潰す。

次は目に当たったゴブリンに近付きさっきと同じように叩きつけて殺す。

頭を抱えていたゴブリンはやっと頭の痛みが治まったようで逃げようとしだすがまた石を投げつける。

今度は外れたがその石を見て少しビビったようで立ち止まってしまう。

立ち止まってるうちにゴブリンの後ろまで移動して後頭部に思いっきり殴りつける。

ゴブリンは倒れる。まだ生きてるようだ。

ゴブリンに乗り、後頭部を殴る。殴る。

死ぬまで殴りつける。

レベルは上がらない。

 

ゴブリンの中にも緑色の石があることを知った。場所は心臓の中。

俺の中にもあるのだろう。

ゴブリンの死体は放っておいて湖に戻る。

体を洗って返り血を落とし、冒険者がいたところに寝転ぶ。

街は意外と近かった。

湖のところから歩いて1時間くらいである。

 

疲れたからしばらく休憩することにした。


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