貴方を追いかけて   作:サバの缶ずめ

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2話突入しました!!
という事で人間が変わったように細かく書いてみようと思いました

※主は受験生です、三月まではマジで勉強します(多分)


2話
5章、悪魔の囁き


「これ、持ち物ずら!」

 

「携帯壊されてなくて良かった…」

丸は没収した荷物をちゃんと全部返してくれた、何より嬉しかったのは丸の性格上なのか荷物を綺麗に整理しており、携帯おろかバックの中身まで整理されていた

 

時計のチャイムがなり、俺は上を見上げる、時計の針は8時30分くらいを指していた今日は中身がとても濃く1日丸々の感覚があったが時間を忘れるような緊張感が走っていた現場で時間を気にしている暇が無かったと言った方が良いだろうか?

 

「お兄、帰りどうするの?」

 

丸は心配そうにこちらを見つめる

 

「明日学校だしこのまま帰るよ!」

 

「本当にいいずらか…?」

さっきから丸の俺に対する対応が変わった気がする、少しは遠慮してくれているのだろうか?

 

「大丈夫!じゃあな!」

 

靴を履き玄関の扉を開けようと手を伸ばした、その時丸が震えた声で俺に問い掛ける

 

「Aqoursはどうなっちゃうのかな…」

 

丸はAqoursで居場所を見つけ、毎日がとても充実していた"Aqoursが無くなる"その言葉は丸の心の叫びのようにも聞こえた

 

「何言ってんだよ!無くなるわけないだろ?俺が何とかする!もし俺がピンチで立ち止まったら・・・」

 

俺は丸の肩に手を置き

 

「丸、助けてくれるよな?」

 

「もちろんずら!」

 

「よし!また明日な!」

 

「うん!頑張るずら!!」

 

丸のその目はあの頃の輝きが戻っていたように見えた、やっぱり丸はそうであってほしい、初めて会った時から光るものが俺には見えた、ようやく嘘じゃなく確信に変わった瞬間かもしれない

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「あっさだよーー!起きてーーー!」

 

この独特なアラーム音で目を覚ます

これは何かと言うと最近千歌が朝が弱い俺の為に作ってくれたらしい、確かに俺は朝が弱いが千歌よりかは100倍いや1000倍強い、自分の為に作れよって時々思ってしまうが、千歌曰く、それとこれとは違うらしい

 

「って!5時半じゃん!」

どうやらアラームを1時間早めに設定していた、この時一層自分が切羽詰まっているというのを再確認した

 

「見事眠気も覚めたし久しぶりにランニング行こうかな!」

 

最近本当に体力が低下しているのを日々感じる事が多くなり、終いには善子にも馬鹿にされる様になった、このままじゃ流石にマズイなって思ったから今日ランニングに行こうかなって思った訳なのである

 

目標は淡島神社にしよう、そこまで遠くも無いが問題はあの階段だ、日々トレーニングしているメンバーでも悲鳴をあげるぐらいだし俺は多分無理だな

 

「最初から決めてどうする!まだ勝負は付いていない!行くぞ!」

 

一体誰と勝負しているかは自分でもわからなかったが多分自分の弱気だろう

 

 

〜※〜

 

 

「はあ…はあ…着いた…」

 

勿論結果は分かってた、

何とか淡島神社の前の鳥居を所までは来れたがこれ以上は足が言う事を聞かない…素直にここまで頑張ってきた体を褒めたいそんな一心で俺はもう帰る気満々だった、と言うより帰ろう

 

ゆっくり体を上げて家に向けて歩き出そうとしたその時

 

「おーい!悠人ー!」

 

何処からか声が聞こえる

声が聞こえた方に振り向くと多分今一番見たくない人、いや、見てはいけない人を発見してしまった、"果南さん"だ…

 

淡島神社=ランニングコースみたいな方程式が果南さんにはあって、勿論此処に居るという事は最悪のケースに成りかねない

 

「逃げるしかない!」

 

逃げるのも相当体力を使うが淡島神社に登るよりかは何倍もマシだ

 

「ダッ!」

強く地面を蹴り家に向けてスタートした、だがとても無謀な事だ、果南さんの体力はAqoursの中でもトップクラスいや、比べる相手がいないぐらいだ

逃げ切るなんて至難の技って言葉で例えれないぐらいだ

 

「悠人どうして逃げるのかな?まあ良いや、ちょっと距離を伸ばそうかな」

 

数分走った所で果南さんが来てないか後ろを振り返る、案の定果南さんは後ろにいる、その差は段々縮まりつつある

 

「おーい!悠人!」「おーーい!」

 

俺は無視をしていた、

罪悪感が尋常じゃないぐらいあったが意味のない俺の主張を守る為には仕方ない事なのか?

 

「捕まえたー!どうして逃げたのかな?」

 

結局健闘虚しく捕まってしまった

まあ当然と言えば当然だが

果南さんの顔は笑っていたが目が笑ってなかった…一言で表すと、"怖い"

 

「ごめんなさい!」

俺は全て訳を話した

もう無駄に足掻くより素直に自供した方が早いと思ったからだ

 

「へー!そうなんだ!ランニングしてたんだ!偉いね〜じゃあもう少し距離を伸ばそうかー!」

 

また目が笑ってない

 

「そうだな〜淡島神社とかはどうかな?」

 

果南さんのその一言はまるで俺が常に監視されての上での話に聞こえた

 

「今日は…淡島神社の前で折り返して帰ろうかな〜って思ってたんです…」

 

渾身の力で放った嘘だったがどうやらバレバレだったらしく俺の考えは全部見通されていた

 

「悠人今日はよく頑張ったねー、まあ明日淡島神社の前で待ってるから一緒に登ろうか!」

 

今度は目も笑っていた、だがそのお陰で何とも断れない空気になっており、

結果明日も走る事になった

 

(今日は早く起きたからなのにな…)

 

俺の心の声は届かないようだ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「疲れたー…」

 

ランニングから帰って来たクタクタな俺を待ちうける次の強敵は学校だ、

月曜日だし体は痛いし、とても憂鬱な気分だ…まあ現時点で1つ分かる事といえば、ランニングは行くんじゃなかったって事かな…

 

 

冬風が強く吹く歩道で俺は考え事をしながら歩いていた、今後のライブの事の事もあったがこれ以上にメンバーの事に付いて考えていた、今日はバスに乗らずに歩いて登校しているが、かれこれ一年近くしていない、余程繊細な考え事だったのだろう

 

 

「悠人さん!」

この前梨子にこう言う状況で考え事をして気付かなかったのを無視したと勘違いされ、滅茶苦茶怒られたのが鮮明に残っているから、人が呼んだら考え事をしてても出来るだけ問い掛けようと思っている

 

 

「おはようございます!ダイヤさん!今日は寒いですねー!」

 

「そうですわ!悠人さんも風邪にはくれぐれにも気を付けて下さい!」

 

 

こういう真面目な会話もいつまで出来るのだろうか…最近はそんな事ばかり考えている、疲れてんだろうな多分

 

 

「そういえば、悠人さんいつもバス登校ですわよね?今日はどういった理由で徒歩で学校へ?」

 

「ちょっと考え事をしてて少し頭を冷やしながらと思って今日は歩いて行こうかなって」

 

「抱え込むのはダメですわよ?私で良ければいつでも相談に乗りますわ!」

 

 

ダイヤさんはこう言ってくれている

流石生徒会長、とても親身になって話を聞いてくれている、俺には勿体無いぐらいの人だ、相談したいのは山々だが、丸のことを忘れてはならない

 

丸は俺が相談していたから逆に不信に陥っていると掴み行動に入った、こういう事は2度と起こって欲しくない、だが今のAqoursなら簡単に起こり得ること俺はそう考えている、だからこそ例えダイヤさんであろうと迂闊に話すわけにはいかない

 

「では!また練習で!」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

なんて良い人なんだろう…

心からそう思えた瞬間だった

 

 

ガララッ

 

 

「あっ!悠くん!おはよーー!」

 

「おはよ、千歌、曜、梨子」

最近本当に同じクラスといっても全然行動パターンが読めなくなってきた

俺の考えている常に上を越してくる

特に"曜"彼女は未知数、気を付けた方が良いと丸とも話していた

 

「うん?今、何て?」

 

「普通に挨拶したけど」

 

「あの事忘れてないよね〜?」

 

「ああ…あれか…」

 

完全に記憶の中から消えていた訳では無いが思い出したくも無かった、千歌の事だから忘れていると期待もしていたが、その願いは完全に消え去った

 

「ちゃん付けだよな?」

 

この一週間は絶対俺の一年になる完全に黒歴史になる、そんな予感が千歌の喋り方から伺わせた

 

「覚えてくれてたんだ!」

 

(覚えたと言うより思い出したんだよな…)

 

「一週間やれば良いんだろ…?」

 

「うん!悠くん!」

 

こうなってしまったのは、仕方ない

それなら開き直ってこれでもかって気持ちで一週間過ごそうと思う、

 

「そういえば梨子ちゃん歌詞は進んでる?」

 

「もう一押しって所かな?」

 

「文化祭ライブ楽しみだね!」

 

毎年恒例の文化祭が今年もあと二週間に迫っていた、去年は男子は俺だけという事もありとても気不味い空気の中で過ごしていたが今年はステージの裏に回るという事もあり、目立たないのは個人的にはとても嬉しい

 

「悠くんもステージに立てば良かったのにー!」

 

「いやいや、お前達のステージを俺が立って邪魔する訳にはいかないだろ?」

 

と言って真っ先に裏をすると言ったのは、最初からそれが狙いだった

自信満々に答えたが俺の考えは誰かに見破られているのだろうか…

 

 

〜※〜

 

 

 

キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン

 

 

「終わったー!お昼♪お昼♪」

 

「千歌ちゃんたら!教科書しまってから!?」

 

「梨子ちゃんの言う通りであります!」

 

3人はいつもこうして仲良く中庭で昼を食べる、流石幼馴染と言うだけある

梨子も幼馴染のように2人に馴染んでいるから、もう違和感はほとんどない

 

「悠くんもいくー?」

 

「いい、1人で食べる」

 

「えーどうして?一緒に食べようよ〜」

 

「1年生に用件を話さないといけないし、1人の方が落ち着くし」

 

1年生に話す事があったのが、何とかその場を立ち去った

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ねえねえ善子ちゃん」トントン

 

「何?ずら丸?今ヨハネは堕天で忙しいの、出来るだけ短くまとめて頂戴?」

 

「何で堕天してるずら?」

 

「これは神聖なる儀式なの、野蛮な人間が立ち寄ってはいけない世界、わかった?」

 

「ふーん、そんな事よりお兄来てるずら」

 

「げげっ!これは訳があるから儀式は中止!!」ダッダッ

 

「善子ちゃん、教室は走っちゃ・・」

 

ズド--ン!!

 

「言わんこっちゃないずら」

 

「悠!ヨハネの儀式を邪魔するとはいい度胸じゃない!」

 

さっき中止とか言ってたような…、そこは敢えて触れずに用件だけ話そう

 

「丸は居るな、ルビィも居るか?」

 

「このヨハネが有り難く頼みを聞いてあげるわ!感謝しなさい!」

 

善子たちのクラスを見回すと丸は発見出来たが、肝心のルビィが見当たらない姉のダイヤさんの所にでも行ってるのか、そんな事よりまずは伝える事が先だろう

 

 

「文化祭ライブの予定表、丸とルビィに渡しといて」

 

「だから!感謝しなさい!」

 

「それじゃあ善子、また放課後で」

 

「それじゃあってヨハネ!!」

 

 

 

「もう!悠はヨハネ邪魔ばっかりして!」

 

「善子ちゃん最近お兄の話多いずら、もしかして好きずらか?」

 

「す、す、好きなわけ無いでしょ?!このヨハネが人間風情に、こ、恋なんて!!する訳ないじゃ無い?!」

 

(動揺しすぎずら)

 

「まあ、それならいいずら、早くお弁当食べないと休憩終わっちゃうずら」

 

 

 

「梨子さんいいんですか…?」

 

「ええ、もちろん」

 

 

 

黒い2つの影が動き出す

 

 




2つの影が凄く気になる投稿者
2話はキリのいい所で終わらせる予定です

※もう一回設定を練り直すので遅れるかもです


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