貴方を追いかけて   作:サバの缶ずめ

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いよーし!中4日で書けたゾー!まじ最近描く意欲がだんだん上がって来てる気がする!

な割には文字数が少ないのは内緒


15章、50歩100歩

「そう言えば悠人の家って知ってる?」

 

「あっ!知らないずら…」

 

ここで重要な事に気が付いてしまった。ここにいる3人誰1人として悠人の家を知らない。

悠人がメンバーの家に行く事はあるのだが逆のパターンとしてある事はあるのだがこの3人には当てはまらない。即ち行きようが無い。

 

 

どうにかして行きたいと善子がただをこね始める。確かに彼女は勢いで押す所がありそこが吉にも凶にもなっている。だからと言って信念を曲げずに貫き通すメンタルは中々のもの。

 

「あっ、楓花さんに教えて貰えば良いんじゃないかな…?」

 

梨子がボソッと独り言くらいの大きさで話すと途端に善子のレーダーが反応する。

 

 

「それだわ!」

 

解答が一致かポケットから自分のスマホを取り出す。慌ただしく電話帳から楓花の名前を探し電話をかけた。

 

「プルルルル、プルルルル」

 

スピーカーで駆けている為音は2人にも聞こえている。1回、2回と着信音が鳴る。3回、4回たっても出る気配が無い。諦めてもう切ろうかと思ったその時プッと音が鳴り通話へと切り替わる。咄嗟の事で意識していたのだが慌ててしまい言葉になっていない。空かさず梨子がカバーに入り通話を始める。

 

 

「もしもし楓花さん、少し良いですか?」

 

「うん!大丈夫だよ!」

 

「悠人の家に今から行こうと思っているんですけど私は悠人の家を知らないので教えてもらえませんか?」

 

「別に構わないけど、悠人は今家に居ないよ?」

 

「どうして知ってるんですか?」

 

「だって悠人は今私といるんだもん」

 

 

 

思いがけない答えに驚いたのだが驚きを悟られてはいけない。何故なら少し様子が変な事に気付いてしまった。それは2人も薄々と感じているだろう。

 

(何か知られてはいけない事があるの?)

 

心の中で疑問が浮かんだ。もしこれが万が一だとしたらこの場面が鍵になる。だとすれば攻めてもここで何か情報が欲しい。少し攻めても良いぐらいの状況である故にここは少し攻めて行こう。

 

 

 

「どこにですか?」

 

「うーん、まあ梨子ちゃんには関係ない場所かなー」

 

「ここから近いですか?」

 

「うん、そんなに遠くは無いけど歩きや自転車で行けるような距離では無いかも」

 

 

次の言葉を探しているその時に一瞬の隙を見たか丸が電話に向けて一言話す。

 

「楓花さん、お兄に代われないずらか?」

 

中々攻めた質問。場を間違えれば切られてもおかしくない質問を平然とやってのける。慎重の更に慎重を進む人間では手が出ない様なコースの質問。丸も何かを察し自動的に行った行動なのかそれとも丸の気持ちが勝った行動なのかは不明だが有意義な質問なのは間違いない。

 

「全然良いよ!ちょっと待ってね〜!」

 

またも考えを外されたが悠人と話せるのは収穫。これはチャンスと見て電話口が変わるのを今か今かと待つ。

 

「もしもし?梨子?」

 

「悠人、今どこにいるの?」

 

「俺もよく分かんないけど取り敢えず近くじゃない事は俺でも分かる」

 

 

冷静さを失わず動揺しないを心がけて悠人と話す事にしている以上失敗は許されない。探り探りだが最短の時間で的確な答えを導き出すしかない。

 

 

「そうなんだ、明日は学校来れそう?」

 

「多分だけど明日はちゃんと行けると思う」

 

「分かった。ありがとう悠人。じゃあ切るね」

 

 

そう言い電話を切った。時間で言えば3分少々の通話であったが3分以上の価値があったと思う。話したい事を話せて何しろ悠人の様子を伺えたのはこれ以上ない収穫。

 

 

「で、何て?」

 

 

梨子に変わった辺りからスピーカーを解除し耳元で通話していた為2人には悠人の声が聞こえていない。

 

そこまでめり込んで話をして欲しいと言う様子は見られない。先程と比べて少し落ち着きを取り戻したのかとも感じられ話しやすい環境にもなっていた。

 

 

「楓花さんは悠人に変わってくれた。そして悠人とも話をしたけど特に変わりはなくて明日には学校に来れそうって行ってたからそんなに心配する事でも無さそう」

 

 

「それなら良かったずらー!また明日にすればいいずらね!」

 

「そ、そうね!また明日!明日は明日の風が吹くって言うし!」

 

 

善子は納得してくれたみたいだ。意外とこう見えても素直で何しろ分かりが良いのは良い子の証拠。この状況から善子が善い子なのも納得できる。

 

時を忘れ過ごしていたがこのまま忘れている筈も無く近くのお寺から6時の鐘が鳴る。ここら辺では6時を告げる有名な鐘。近くの子供はこの鐘とともに帰宅すると言った習慣がある家庭もよく見かける。

 

 

「門限までには帰らないといけないので丸はそろそろ失礼するずら」

 

「私も帰るわ。じゃねリリー」

 

「じゃあね、善子ちゃん」

 

 

2人と別れてここから1人の時間。夕焼けが照らす夜道を1人俯きながら歩いている。そこまで遠くない帰り道だがここ最近は悩み事が多過ぎて時間が止まっている様に感じる時も珍しくない。今日もまた1つ悩み事が増えたのでこの時間は今後更に増加していきそうだ。

 

 

「さて、今日はどちらにしようかな」

 

 

そう言い立ち止まった別れ道の前。登下校の際の通り道にある別れ道は極端な話近道をしたければ右、急がば回れであると左、の教科書通りの別れ道。普段から左の道を通るのだがたまに急いでいる時は右を使ったりもする。今日はそこといって用事は無いので通常通り左の道を通って帰る事に決めた。

 

体を左に傾けて街灯がついた道の方向へと進んでいく。夜は街灯が点いているこちらの道を歩くのが一般的で対照的にするとあちらの道は街灯も無く静まっている。何とも気味が悪くもはや夜なんて論外。急いでいても出来るだけこちらを通る様にはしている。

 

少し歩いた所で立ち止まり一言。

 

「千歌ちゃん、人をつけるのは良くないよ?」

 

「へへー、バレちゃったか、」

 

そこには不気味な笑顔で立っている千歌がいた。直前まで気づかなかったとなると後ろを完全につけられていたという事になる。

 

つけられていたのは不覚だがここで見て見ぬ振りは宜しくない。会ったからには少しでも話しをしなければ。

 

「単刀直入に言うけど梨子ちゃん、悠くんの居場所知ってるよね?」

 

「ええ、知ってるわよ」

 

「なら話が早い!教えてくれない?」

 

「残念だけどそれは出来ないわね」

 

殺風景の道に戦闘体制の2人が火花を散らしている。いつ襲いかかってきてもおかしくないぐらいに不愉快そうな顔をしており時に舌打ちも聞こえてくるほど。

 

こうした会話が数分続き勢いと流れで行ったり来たり。持ち越し持ち越されての中で場の空気を変える一言を放つ。

 

 

「梨子ちゃん面白いよねー!ますます虐めたくなったねー、もうそろそろいいよー!」

 

背後から何者かがこちらに向かって走ってくる。元々距離が近かった為に考える時間も無く直感で行動するしか方法がない。左に足音が強くなっていく。身体を右にかわし状態を戻し少し間が出来た一瞬で相手の顔を確認する。「えっ?」と一言、言葉を失った。

 

 

「梨子さん大人しくしててくださいよ。捕まえられないじゃないですか。」

 

「ルビィちゃん…?」

 

目の前に死んだ目をした黒澤ルビィがいた。話の様子からして捕まえようとしていたのは一目でわかってしまった。だが友達と言おうが限度がある訳で当然このような状況でも正当防衛を主張し逃げ切るつもりだ。

 

「くっ…」

 

結果は見え見えだった。1対2で差が歴然なのは梨子自身も分かっていたはずだが最後まで

何とかしようともがき続けた。そして言う間も無いままに意識を失った…

 

「梨子ちゃんも哀れだよね!悠くんの居場所を教えてくれれば傷1つ付かずに済んだのに、本当に馬鹿は馬鹿だねー!」

 

 

手に持っていたスマホを見ながら笑い始める千歌。そのスマホに書かれていた物は驚愕する内容だった。GPSマップだったのだが現在も動作している。それは千歌の動きに反応している訳では無い。ルビィが名前を見て見ると…

 

「"久遠悠人"」

 

悠人に付けたGPSによって動作している。この争いもそもそも最初から完全に理解していた事になる。 梨子がムキになっていたのも最初から馬鹿を見るような目で見ていたのだ。

千歌やルビィにとって邪魔でしか無かった梨子を沈められた為にこれで制御されずに行動が出来る。

 

 

「待っててね〜♪悠くん♪」

 

 

ーまた1つ邪悪な魂が宿る…ー

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
千歌ちゃんヤンデレの可能性あると思います!
楓花さんは中々本性を現しませんね…(あっ!何でも無いです…)

次回も中3、4ぐらいで書けるように頑張ルビィ!

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