引き続き頑張ります!
「悠?朝だよー!起きてー!」
「てか、何で姉ちゃんいるんだよ…」
どうやら今日の文化祭に来る為、帰っていては手間が掛かるから俺の家に泊まる計画を立てたらしい、とは言え12時に合鍵で家に入って来るとは、無礼にも程がある、泥棒が入ってきたかと思いこみ心が警戒モードに入ってしまった、鉢合わせした時魂が一瞬体から離れていた気がする
「まー、良いじゃん!こんな可愛いお姉ちゃんと一緒に2人っきりでいるんだよー?羨ましいとも思われるほどだよ?」
「姉ちゃんうるさいし、無駄口が減ったらまあ可愛いかもなー?」
「むー!何それ!失敬な!」
まあ自分で自分の事を可愛いって言ってる人は姉以外にもいるし、名前は伏せておくが私は「罪な堕天使」とか言ってる奴なんだけど、あいつも姉ちゃんも同類の痛い奴という事は分かった
「なーんて!冗談、冗談、文化祭に行くからだよー!」
全く…冗談か本気かハッキリしない
こういう場なら嘘の一つ二つ構わないが昨日の様な脳が動かない時には本当にやめて欲しい
結果として完全な答えを俺に差し出していたのだが捉えらなかったのは俺がまだまだ無能と染み染み感じた、
「朝ごはん作ったから食べて行きなさい!って言ったらなんか昔を思い出すねー、あの頃は悠人は凄く利口でカッコよかったのに本当にどうなってしまったのだろうねー?」
「まあそんな事言っても俺ももう高校生、性格だって変わるのは当然の事だろ?どっちにしろ今は色々大変な事に間違いは無いし変わるのは仕方ない事だと思うけど」
高校生にもなって中学生の様な生活をしていたらそれこそ恥だ、何があろうと決めたことは貫くと決めた以上願わくば必要以上の事に手を掛けたくない
「ミナサン!オッハヨ-!!シチジハンダヨ!」
テレビの掛け声がリビングを駆け回る
この掛け声が今日も訪れたのは登校時間がやってきたと言う事、
「もう行くわ、7時半になったし姉ちゃん文化祭は9時半からで車で来たらいけないから徒歩で来て」
「分かった、頑張ってねー!応援してるからね!」
姉が肩をポンポンと叩く、昔と何も変わってないと感じさせる様に優しく強い気持ちがこもっていた、本当何も変わってない、姉の相変わらずな性格も何も変わらない、俺が昔と変わっていて純粋の心を忘れていると悩みをまた1つ増やした、自分に甘く他人に厳しいなんてそれこそ理不尽過ぎる、
姉の元気な声とは裏腹に少し俯きながら家を出る、今の心情が「心情って顔に出る」と何処かのサイトで見た通りで全くといって良いほど一致している
「変えなきゃな」と思い込んでは胸に締め、そんな気持ちが体全体を包み込み行ったり来たりを繰り返し続いていた、のだが自分1人が弱音を吐き、みんなに迷惑を掛けるわけには行かないいつも通り見せようと決めていた
「悠人、おはよう、」
後ろから俺を呼ぶ声が聞こえる、本当に疲れている時って聞こえないって聞いた事があるからまだ大丈夫
「おはよ、梨子」
「今日は文化祭当日ね、どんな感じ?正直緊張してる?」
昨日のことが嘘の様に梨子は通常に話をしている、切り替えが早いのもそこはやっぱり流石と言える
「まあ裏方だからやっぱり失敗は許されないし全体的に支えないといけないから緊張は無いと言うと嘘になるけどやる事は変わらないし練習で出来た事をやるだけだとは思う」
「相変わらず悠人は堅実だね、でも1つ疑問に思った事があるんだけど、勿論私達はやるからには1番を目指して練習をして来たつもり、だけど1番より大切な事がある、それは楽しむ事だと思うの」
「私だってピアノをやってて辞めたくなった時は何回もある、黒い雲に覆われて前が見えないときもあった、でもここまで続けて来れたのは楽しかったと心だけではなく自分自身が思えたから、達成感だって楽しみが無くなれば自然と無くなっていってしまう」
「やっぱり梨子には敵わないな、本当ズルいよそれは」
全てが見透かされてる様で怖いぐらいゾッとしたが同時に安心感も覚えた、
相談はしてなかった訳では無いが必要以上の事は話さなかった訳で話しにくさも少しあった、気軽に話せる相談相手が出来たと言う事は架け橋が出来たと思っている
「私や花丸ちゃんは基本的に貴方の味方だけど何があるか分からないし悠人も十分注意しておいて、」
言われなくても分かってると言いたい所だが最近若干気付いていたが周りを見過ぎて自分の事は後回しになっている、いつもの事なのだが特に最近はそうだ、周りを見過ぎて自分の事を見れないなんて言語道断、ありえないの一言
「分かった、今後更に注意するけどまた何かあった時は梨子には頑張ってもらわないとな!」
「ええっ!みんなの悠人の為に頑張らきゃね!」
「その時は梨子の悠人になってるかもしれないけどな!?」
「もう!茶化さないで!///」
と言いつつも口元は緩み少し笑顔が見えた、自然と俺も笑っていたのは梨子は気付いていただろうか、久しぶりに心から笑えたような気がする
「悠くん!おはよー!」
わざと大きく千歌が挨拶をし、梨子と俺の仲を切り裂くかの様に真ん中に割って入る、
何かを察したのだろうか?梨子は「私用事を思い出した」と逃げる様に走りながらジェスチャーを飛ばす
本当に逃げたかどうかを考える暇も無く千歌が話を入れてくる、考える暇を作らさせないのかは定かではないがここは逃げたかでは無く千歌の話に入るのが無難だろう
「どうした、千歌?何か用か?」
「いやー、別に用は無いんだけど何か嫌な予感がしたからね?」
ゆっくりこちらを向き睨み付ける様に目を掛ける、例えるなら泥棒を問い倒す警官の様な感じ
視線が痛い、痛すぎる
「それだけか?用件は?」
「まあねー!特に用件は無いけど"梨子ちゃん"といたから少し気になっただけだよー!」
"梨子ちゃん"の一言が全身を駆け巡る、どうやら梨子の察しは正解みたいだ、イントネーションの問題ではあるものの千歌も強めて言ったに違いない
深い意味があるかはさて置き常に戦闘体勢に入っている事を再確認させられた
「悠くん!今日の文化祭頑張ろうね!」
「頑張るのは千歌達の方だろ?俺はあくまでスクールアイドルAqoursのマネージャーとして支えるだけ」
「そんな事ないよ!悠くんが頑張っているから私が頑張れているんだよ!」
と言い、俺を置き去りにし走り出した
熱は冷める前に打ては千歌らしいのだが…それより今の言葉を俺では無くメンバーに言って欲しいのだが、言えたら俺は必要ないか、
〜〜※※〜〜
「皆さん!今日は待ちに待った文化祭です、普段やって来た事をすれば完璧なはずです、悔いの残らない様に力一杯やっていきましょう!」
「ダイヤ?緊張してるー?」
「してませんわ!!」
ダイヤさんもこれ1番ないぐらい張り切っている、開始までまだあるが時間が経つにつれ緊張の色も見え始めているみたいだ、まあ緊張も無理はない、Aqoursのステージライブと言ったら文化祭1番を争うイベントである為用意の椅子では足りずに立ち見も出ると計算されている、であると共にそれに恥じないライブを見せなければならない、スクールアイドルとはいえ人の子緊張はするだろう
「僕がどうこう言えるとは思えないんですけどいつも通りですれば出来ると思います!」
「はい!では午後の部の3時からですので2時までには部室に集合しておいて下さい!では解散!」
朝のミーティングが終了した、この後の流れとしては朝会、ホームルームと続いて文化祭に入る、クラスに帰る途中に耳に入ってくる賑やかや話で盛り上がっている、
文化祭と言っても特に意識はしてない、正直去年の様な醜態を晒すぐらいなら真面目に勉強する方がマシと思っていた自分がいたのは反省したい、
「久遠くん!ちょっと良いかな?」
クラスの数名が話しかけてくる、用件はあまり期待出来ないが一応半分半分で聞いてみよう
「今日の文化祭あるじゃん?久遠くん一緒に行動しようよ!」
「早めに抜けるかもしれないけどそれでも良いのなら」
何かと言えばそんな事か、とは言え千歌達と行動するのはあまり冴えなかったしここで誘ってくれて嬉しかったのはある
「ええっ!悠くん!一緒に行かないの!?」
掛け割ってきた曜の驚愕した声が脳内を駆け巡る、こんなにビックリした曜は久しぶりに見た気がする
「そもそも一緒に行くとも言ってないだろ?まあ午後から一緒になるし別に午前のたった数時間いいだろ?」
「うーん…分かったよ!」
色々あったがとにかく納得してくれて何よりだ、後ろ髪引かれる思いで曜はその場を立ち去っていく
「はーい!皆さん!席について下さい!ホームルームで今日の文化祭の注意事項を話します!」
いよいよ近づいてきた文化祭は楽しみな感情と緊張した感情が入り混じって左右前後飛び回っていた
「これで終わります!10分休憩を取ってから開始です!」
1年生組のこちらもほぼ同時間に終えこれからとなりそうだ
「よしっ!これから頑張るわよ!」
普通に迎える文化祭では無い、善子はこの文化祭で重要な決断をしており決行まで決まっていた、欠点も出ると承知だがこの想いを言うには絶好のチャンスだと2人の一致で決めて現在に至っているのだ、
「善子ちゃん!ルビィちゃん!今日一緒に行動するずら!」
「うん!まずどこに行く?お化け屋敷も良いねー!」
「おばけ!?屋敷…?」
「善子ちゃんおばけ苦手ずら?」
「な訳ないでしょ!?ヨハネに怖いものなんてあるわけないし!」
「そうずらか!じゃあ3人で行くずらー!善子ちゃん先頭で行くずらー!」
「分かったわよ!おばけ!覚悟しておきなさい!堕天使ヨハネが成敗してあげるわ!」
ドッタンバッタンの文化祭がスタートする
どうでしたでしょうか?
覚悟を決めた善子!
今回は文字が少なめで申し訳ないです!次は多分4500〜5000書けるかなあ?
では皆さんまた次回!