この星を救った悲しき王に幸せと祝福を!   作:剣崎 誠

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大変ながらくお待たせいたしました。二話です。


このよく食われる冒険者に助けを!

「おし三体目!」

 

ノクトはあれからジャイアントトードを一体倒した今倒したのを加えて三体目となる。残りあと2体だ。

 

「次行くか……あ?」

 

次のジャイアントトードを討伐するため右で跳ねてるジャイアントトードにシフトをしようとエンジンブレードを投げようとした時だった。

 

「あああああああ!!助けてくれ!アクア、助けてくれえええええ!」

 

突然男の叫び声が聞こえてきた。叫び声が聞こえてきた方をみると1人の少年がジャイアントトードに追いかけ回されていてその近くには水色の髪で長髪の少女が1人。流石にあのまま野放しには出来ないので助けることにした。

 

「しゃーね、助けるか」

 

ノクトは言いながらエンジンブレードを少年を追いかけ回してるジャイアントトードに向かって投げシフトする。

 

「そら!」

 

ノクトはエンジンブレードをジャイアントトードに突き刺した状態で空いてる片手でブラッドソードを召喚し手にとりジャイアントトードに突き刺す。そしてそのままクロスするように切り裂く。倒したことを確認するとブラッドソードとエンジンブレードをしまい腰を抜かしてる少年に手をさしのべる。

 

「大丈夫か?」

 

「え?いま武器が消え……てそうじゃない。あ、ありがとうございます。えっと…」

 

「ノクトだよろしく」

 

「僕は…カズマです」

 

「OKカズマな覚えた」

 

軽く自己紹介をしたノクトはある疑問を少年に聞いてみた。

 

「なぁなんであそこに居る水色のお前の仲間は助けてくれないんだ?」

 

ノクトがそういうと目をそらしさぁと答える。そしてふと水色の少女がいた場所を見ると何故か居なくなっていることにノクトは気づいた。というかそこにはジャイアントトードがいて口から足らしきものが突き出ている。

 

「なぁお前の仲間あれ食われてるよな」

 

「は?……ってアクアー!おま、お前、食われてんじゃねえええええ!」

 

「はぁ……手伝うぜカズマ」

 

 

 

 

 

 

 

案の定助け出したアクアと言う少女は情報通りカエルの粘液まみれになって泣きじゃくりながらお礼を言ってきた。

 

「お、おういいってことよ。じゃあ俺はこれで」

 

「本当ありがとうございました!」

 

ノクトは残り2体のジャイアントトードを倒し駆け出しの街、アクセル、冒険者ギルドへと戻る。

 

「ジャイアントトード5体討伐してきたぜ」

 

「はい……確かに。それでは報酬金の125000エリスです。お受け取り下さい」

 

「お、サンキュ」

 

ノクトが報酬金を受け取ると空いてる席に座りしばらく窓から外を眺める。すると突然腹が鳴る。

 

「腹減ったな……すいませーん!」

 

腹が減ったノクトは店員さんを呼び定番だというカエルの唐揚げ定食を頼んだ。

 

「カエルかぁまえの世界でもギガントードとか言うカエルを()()()が料理してたなぁ。あれはうまかった」

 

しみじみとノクトは前の世界で仲間が作ったカエル料理を思い出しそう呟いた。そしてさらにある事を思い出した。

 

「あ、そいやファントムソード使えるか試すの忘れてたわ…まいっか」

 

ジャイアントトード狩りで武器召喚は確認出来たしかしついでにファントムソードの確認もしようとしていたが忘れてたノクト。と料理が運ばれてくる。もちろんノクトは元の世界でギガントードの料理でカエル料理は馴れているためこの世界のジャイアントトードの料理に抵抗は全くない。

 

「お!、来た来た!」

 

 

数分後……

 

「ふぅ…食った食ったじゃあ行くか」

 

ノクトはカエルの唐揚げ定食を食べ終えるとクエストが張ってある掲示板へと向かう。

 

「ジャイアントトードは終わったし次なにやっかなぁ。そういえばジャイアントトード5体倒したしいくつかレベル上がってるだろ……」

 

ノクトは言いながら冒険者カードを取り出しレベルをみる。そこにレベル5と書かれていた。

 

「ま冒険者はレベルが上がりやすいからな。それよりクエストクエスト…」

 

それからノクトはただひたすらに二週間とちょっとジャイアントトードを狩りつづけて生活していた。幸いファントムソードも使える事が分かったためもうボス級の敵が出て来ても余裕で渡り合える。と言うことで今日もノクトはジャイアントトードを狩っていた。ちなみに今のノクトのレベルは15だ。

 

「おーし!これで12体目っと……あ?」

 

ノクトが12体目のジャイアントトードを狩り終えると近くでとてつもない轟音と共に爆裂魔法が放たれた。

 

「ジャイアントトードに爆裂魔法ってオーバーキル過ぎるだろ……ん?あそこに居んのカズマとアクアか?あとなんか近くに魔法使いのかっこしたやつが倒れてんな。おーいカズマー!」

 

ノクトは近くにいたカズマを呼びかける。カズマとはこの街の風呂屋で何回か会っており今は普通の友達みたいな関係だ。そして今日カズマにパーティーに入ってくれと頼まれたノクトだったが考えとくわと言って保留にした。ちなみにカズマとアクアがこの二週間なにやってたかもしている。

 

「あれ?ノクトじゃないか。どうしたんだこんな所で」

 

「いつもジャイアントトード狩りだ。でお前は?」

 

「俺もジャイアントトードを狩ってたんだ」

 

「つかようやく土木作業のバイト止めてクエストやる気になったのなお前」

 

「アハハ……」

 

カズマは痛いところをつかれたようで苦笑いを浮かべている。そう。このカズマと言う少年とアクアと言う少女はおっさん達と汗にまみれながら土木作業のバイトを何故かしていた。ちなみにノクトはカズマが転生者だと知っておりカズマもノクトが転生者だとしているがノクトの死因は教えられていない。

 

「つかアクアまた食われてんぞ。あとそこでぶっ倒れてる魔法使いも」

 

「お前ら食われてんじゃねえええええええ!!」

 

「手伝うか」

 

 

 

 

 

 

そしてアクセルにて…

 

「生臭いよう…生臭いよう!」

 

「アクア、お前さ学べよ…」

 

案の定女子陣はみんなカエルの粘液まみれである。アクアはずっと生臭いと言いながら泣いていてうるさい。アクアが何故食われたかと言うと自分からゴッドレクイエムとか言いながら突っ込みそのまま食われたらしい。そしてそんな自業自得なアクアにツッコミを入れるノクト。

 

「カエルの中って臭いけどいい感じに温いんですね」

 

「…………」

 

めぐみんと言うこの魔法使いのアークウィザードの発言に無言そして若干引くノクト。そしてその発言にカズマが知りたくもないと一言。ちなみにめぐみんは爆裂魔法をぶっ放した反動で動けないためカズマがおんぶしている。もちろんめぐみんはカエルの粘液まみれなためカズマの背中も当然粘液まみれだ。

 

「爆裂魔法は緊急の時以外禁止な。これからは他の魔法で頑張ってくれよ…」

 

カズマがそうめぐみんに言うと使えませんと答えた。その言葉にノクトとカズマは

 

「「(は?)使えない?」」

 

と言った。

 

「はい。私は爆裂魔法しか使えないんです。他には一切魔法は使えません」

 

「…………」

 

ノクトは再び無言になり、カズマがまじかと言うとめぐみんはマジですと答える。

 

「爆裂魔法が使えるレベルなら他の魔法だって使えるはずでしょう?私なんて宴会芸スキルを習得してからアークプリーストの全魔法を習得したし」

 

「宴会芸スキルってアクアお前……」

 

こいつは一体なにを目指しているのだろうとノクトは内心思った。そして流石にこのままいるとなんか面倒くさい展開になると察したノクトはじゃあ俺宿に戻るわといってその場を去った。

 

 

 

 

 

 

「あ、一端ギルド行ってジャイアントトードの討伐金もらわねぇと」

 

ノクトは思い出すと冒険者ギルドへと討伐金を貰う為向かった。

 

「これ今日の収穫な」

 

「ジャイアントトード12体ですね。はい確かに。では討伐金の60000エリスです。なんかどんどん討伐数増えてますねノクトさん」

 

「そうか?、おサンキュ」

 

ノクトは金を貰うとそそくさと冒険者ギルドをでて宿へと向かう。途中カズマ達を見かけたので遠回りをした。その時だった。

 

「お、川か………ひさびさに釣りやるか!」

 

ノクトは題の釣り好きのため川や海などを見ると釣りをしたいと言う衝動に駆られひたすら釣りをするのだ。ちなみにノクトの武器やアイテムは確認したところ全て引き継がれているためこれまで旅で入手したもの全てあるのだ。もちろん釣り竿もある。

 

「釣り釣り~♪」

 

 

数時間後…

 

 

「あ?もうこんな暗いのか…そろそろ帰るか。ふぅ大量大量っと♪」

 

釣りを終えたノクトは魚が10匹くらい入ったバケツを手にノクトは予約していた宿へと足を運ぶ。

 

「ただいまおっちゃん」

 

「おかえりノクトさん。今日は何頭ジャイアントトードを討伐したんだい?」

 

「12体だ」

 

「す、すごいねぇ…」

 

「いつもだいたいこんな量だと思うんだけどなぁ」

 

最悪ノクトはジャイアントトードを1日10体は必ず倒すのだ。だから増えたといってもたって二匹だけなのに何故か反応がすごいなど若干引いた声などと言われる。

 

「あ、そうだおっちゃん」

 

「んなんだい?あ部屋のカギ渡してなかったね。すまんすまん」

 

「え?あサンキゅ。ってそうじゃなくてこれ料理出来るか?」

 

ノクトはカギを家主から受け取ると魚の入ったバケツを出しそういった。

 

「ああ出来るよ」

 

「お、じゃあよろしくな」

 

ノクトはよろしくなと言うと二週間前から住んでいるというか泊まっている部屋に戻る。するとカズマとアクアを思い出す。

 

「仲間……か……」

 

ノクトは懐から一枚の写真を取り出しそうつぶやくと何故か目から涙がこぼれていた。しかしそのことに本人のノクトは気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く


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