ぬらりひょんが幻想入り   作:破壊王子

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この小説はぬらりひょんの孫と東方projectの二次創作です。

今までこの小説はいわゆる『台本書き』で書いていたのですがこの話からは普通の書き方にします。
理由は後ほど活動報告の所に載せておくのでよかったらみてください。


【第8話】和解

ガキィィン!

 

鉄と鉄が擦れ合うような音がした後、左手でチルノを抱え、右手で刀をもったぬらりひょんが立っていた。

 

「てめぇ…何やってんだッ!」

 

ぬらりひょんは睨むように幽香を見ながらそう言った。

 

 

「……いい顔ね」

 

幽香も不気味な笑顔を浮かべながらそう言う。

 

「ぬ、ぬらりひょん…く、くるのがおそいよ!」

 

チルノはそう言いながら怒っていたが、ぬらりひょんが来たことに安心感を感じていた。

 

「悪りぃな、ここ結構広くてよ。大妖精!お前も大丈夫か?」

 

大丈夫ですと答える大妖精。どうやら大した怪我ではないようだ。

 

「うふふ…遅かったわね。ずっと見てたわよ、貴方たちが出会った時からね」

 

「…ワシらに何か用か?」

 

「用?そんなものないわ。貴方たちが勝手に私の縄張りに入ってきたから…軽く脅してやっただけよ。そこの氷の妖精には向日葵を凍らされて少しイラッとしたけどね」

 

幽香がチルノに冷ややかな目線を向ける。チルノはまだ幽香を怖がっているようだ。

 

「それでどうする…?その子たちを傷つけた私と戦うのかしら?」

 

傘の先端をぬらりひょんに向けて幽香は言った。幽香はこのままぬらりひょんと戦うつもりだったが、ぬらりひょんの答えは…

 

「いや、ワシらはここを去ろう」

 

刀を鞘に収めながらぬらりひょんはそう言った。

 

 

 

「…は?」

 

幽香は思わずそう言ってしまった。

 

「ワシらがお主の縄張りに入らなければよかっただけの事じゃ。しかもお主の存在に気づいとったというのにな」

 

「その上お主の花まで傷つけてしもうて悪かったのう」

 

「いやそうじゃなくて…いやそうだけど!…そうじゃないのよ!」

 

なぜか慌てている幽香の姿は、とてもさっきまで鋭い殺気を放っていた者とは思えない。

 

「チルノ、大妖精、行こう」

 

そう言ったぬらりひょんを幽香が止める。

 

「待ちなさいよっ!」

 

「なんじゃ?まだ用があるのか?」

 

「いや…だから…その…」

 

『貴方と戦いたい』とはとても言いにくい空気になってしまって、幽香はモジモジしながらぬらりひょん達を見ていた。

 

「……あぁー!わかったわ!」

 

突然チルノが大声を上げた。

 

「な、なによ…」

 

「アンタもあたい達といっしょにあそびたいんでしょ!そうならそうとハッキリ言いなさいよ!」

 

「……………は?」

 

チルノがそう言い放った。数分前まで幽香に恐怖していたのにこんな事を言えるのはチルノくらいだろう。

 

「え?そうなんですか?」

 

大妖精もそれを信じてしまった。

 

「いやそうじゃなくて!」

 

変な方向に話がズレてしまったので幽香はそれを戻そうと必死である。

 

「そうじゃったのか、それならそうと早く言えばいいのによ〜!」

 

「………」

 

幽香は黙り込んでしまった。もう話を戻すことは無理と思ったのだ。

 

「はぁ…もうそれでいいわ」

 

「ハハッ!こういうのは人数が多い方が楽しいからな!まずは自己紹介するか!」

 

笑いながらぬらりひょんは言う。

 

「ワシはぬらりひょん!妖じゃ!」

 

「あたいはチルノ!さいきょーの妖精よ!」

 

「私は大妖精といいます!名前のとおり妖精です!」

 

「……」

 

「風見幽香…妖怪よ」

 

3人の紹介の後に小さい声で幽香はそう言った。

 

「おう!よろしくな幽香!」

 

「よし!じゃあかくれんぼのつづきをするわよ!幽香おにね!」

 

「もぉー!チルノちゃんまた勝手に決めつけて!」

 

「別にいいわ…それより、さっきは悪かったわね。急に攻撃して」

 

かくれんぼが始まる前に幽香はチルノと大妖精にそう言った。

 

「大丈夫です!勝手に畑に入った私たちが悪いんですし。チルノちゃんはダメージないし」

 

「そうよ!だからさいしょのおにって事でチャラにしてあげるわ!」

 

「そう…ありがとう」

 

 

「………へへッ!」

 

ぬらりひょんはそんな3人をみながら笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…暗くなってきたわね」

 

あれから長時間かくれんぼをしていたら、いつの間にか辺りが暗くなっていた。

 

「そうだな…おーい!大妖精!」

 

「はーい。なんですかー?」

 

「チルノを呼んできてくれ!そろそろ終わりにしようってな!」

 

「わかりましたー!」

 

最後はチルノが鬼ということで終わった。チルノが鬼になったら中々だれも見つからないので、3人とも簡単なところに隠れたのだがそれでもかなりの時間がかかったのであった。

 

 

 

「くっそー!みんなかくれるのうまいわね!」

 

「そうね…」

 

「そうだな…」

 

「そうだね…」

 

3人が気を使っていることもわかっていないチルノ。

 

 

「うーん、もう真っ暗だな。どうしたもんか…」

 

ぬらりひょんは頭をかきながら悩んでいる。

 

「ところであなたってどこからきたの?」

 

幽香がぬらりひょんに聞く。

 

「ん?あっちじゃ」

 

ぬらりひょんは来た道を指さしながら言った。

 

「…随分と大雑把ね」

 

呆れながら幽香は言った。

 

「もう暗いし行くとこないならウチに泊まっていく?妖精達も良いわよ」

 

幽香はそう言ってくれた。たしかにこの真っ暗の中何処かへ行こうとするなら確実に迷うだろう。

 

「ホントですか?」

 

「ヤッター!」

 

大妖精とチルノは喜んでいる。

 

「悪りぃな。んじゃ、お言葉に甘えるか!」

 

泊まるとこを決めてなかったぬらりひょんは幽香の言葉に甘えた。

 

「幽香ー!あたいお腹減ったー!」

 

「はいはい、帰ったら作るわよ」

 

「私もお手伝いします!」

 

「あたいもー!」

 

「……邪魔だけはしないでよね」

 

 

 

 

 

 

そう言いながら4人は幽香の家へ向かった。

 

 

 

 




はい、第8話でした。

サブタイトルがなかなか決まらずに苦戦しました。今までこんなに決まらなかったのは初めてでした(笑)

では次にお会いしましょう。お疲れ様でした。

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