ぬらりひょんが幻想入り   作:破壊王子

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この小説はぬらりひょんの孫と東方projectの二次創作です。

萃香の能力ってなんか好きです。



【第5話】決着

 

 

 

「よし…今度はワシからいくぜ…!」

 

ニやッと笑いながらぬらりひょんは答えた。その顔にはどこか余裕があるように見える。

 

「それがアンタの能力かい?」

 

「まぁそんなもんじゃ。じゃあ次はこっちからいくぞ!」

 

 

 

ぬらりひょんは明鏡止水を使い、再び姿を消した。

 

 

「(また消えた…霊夢の『夢想転生』みたいな技か…)」

 

「見えないなら見なくてもいいさ…嫌でも姿を出させてやる!」

 

萃香は飛び上がった。先程とは比べものにならないくらいの高さだ。何をしようとしているかは、ここにいる全員が見当ついた。

 

 

「っ! あの馬鹿ッ!」

 

「ふ、伏せろ〜!!!」

 

「この一帯もろとも…吹き飛べぇぇぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うう…ぬらりひょんは生きてるか?」

 

 

凄まじい音が鳴り響いた。魔理沙達は耳を塞いだが、それでも尚身体の奥底まで振動が響いた。

 

「なんて威力なの…!」

 

さっき地面に開けた穴が小さく見えるほどの大穴をあけた萃香。しかしそこにぬらりひょんの姿はない。

 

「ほっ…」

 

「!! ちっ!」

 

いつの間に後ろにいたぬらりひょんの手が触れる寸前に萃香はかわした。そして萃香は距離をとった。

 

「おーっと、惜しいのう。もー少しだったのにな。」

 

ヘラヘラしているぬらりひょんをみて萃香は苛立っている様子だ。

 

「ちょこまかと…つまんない男だねぇ!」

 

「そうカッカすんなよ。これは遊びだろ?もっと楽しもうぜ。」

 

ぬらりひょんはそう言いながら神社から遠ざかっていく。これ以上ここでやっていたら神社に被害が及ぶと思ったからだ。

 

「“畏”を断ち切ることができなけりゃワシを捉えることはできないぜ?力技じゃ解決できんこともあるってことだ」

 

「へぇ…じゃあそれを…もっと教えてくれよ!!」

 

また先程のように連続パンチを繰り出す。しかしぬらりひょんには当たらない。

 

「おいおい、ワシの言うこと聞いてなかったのか?」

 

「聞いてたさッ!でも私はッ!アンタを一発殴るまでッ!やめれないのさッ!」

 

パンチを繰り出しながら続ける。しかしぬらりひょんには全く当たらない。

 

「そのすました顔に一発入れるまでやめられないッ!」

 

「やれやれ…嫌われたもんだな」

 

「見た時から思ったよ、アンタは私に似ている。それでさぁ、なんでだろ…同族嫌悪って言えばいいのかね。そう言う類のものがおきたんだよ」

 

「ワシは鬼ではないぜ?」

 

「分かってるさ。種族とかの問題じゃない…私にも説明できないな…」

 

「鬼ってやつはメンドくさいもんだな」

 

ハッハッハと笑うぬらりひょん。そして萃香の顔は明らかに怒りを浮かべていた。

 

「おい…まずいんじゃないか?」

 

「…かもね」

 

鬼としての誇りを持っている萃香に対してこの発言は地雷を踏むのと同じことである。

 

「止めま…無理ですね…」

 

 

うどんげにはもうどうする事もできなかった。

 

 

 

「アンタに鬼の力を見せてやるよ…死んだって知らないからね…」

 

「その前にワシがお主に触れてみせるさ。」

 

「できるかね、アンタに。」

 

「やってみなきゃわかんねーなぁ…」

 

「いくよ…はあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「おいおいこいつぁ…」

 

大地が震えるほどの凄い威圧感である。近くの木々も小さく見えるほどの。いや、見えるほどのでは無いのだ。萃香自身が巨大化していた。

 

「なんじゃこれは…成長期ってやつかい?」

 

「私の能力は『密と疎を操る程度の能力』まぁこんなのはその一部だけどね。」

 

「だが触れる面積を増やすってのはいかがなもんかの?」

 

「問題ないさ…それよりいくよ!」

 

「!?(体が…引き寄せられて…)」

 

「さぁおいでよ…」

 

「ちっ!《明鏡止水》」

 

このままだとマズイと思ったぬらりひょんは明鏡止水を使って姿を消した。

 

「無駄だッ!!」

 

「くっ!」

 

「きゃあ!?」

 

霊夢とうどんげが吹っ飛びそうになる。

 

巨大化した萃香のパンチの威力はとんでもないものであった。

周りの木々は一瞬で吹っ飛び、逆方向にいた霊夢達にも風圧が襲った。

 

 

 

 

その瞬間、ピシッと小さな音が鳴る。

 

 

 

「!?」

 

「ワシの畏が…」

 

 

萃香の全力の一撃により、ぬらりひょんの畏が断ち切られた。

 

「みぃつけた…」

 

 

「ちっ!」

 

次の攻撃もぬらりひょんは間一髪でかわした。しかしかわすのが精一杯で一回転して転んだところをなんとか受け身をとった。

 

「あぶねぇ…」

 

「……消えた?」

 

さっきまで凄まじいほどの威圧感を放っていた萃香の姿が消えた。

 

「これもあいつの能力……密と疎か…」

 

「……」

 

「目を瞑った…?」

 

この圧倒的不利の中、ぬらりひょんが目を瞑っていたことに霊夢だけが気づいていた。

 

 

 

 

 

 

「(ここだッ!)」

 

霧状に変わっていた萃香は一瞬で元の姿に戻り、ぬらりひょんの背後に回っていた。そしてぬらりひょんの後頭部目掛けて全力の一撃を放った。

 

「あ!!」

 

萃香の拳がぬらりひょんに触れた…

 

 

 

かと思われたが…そのぬらりひょんは煙のように消えた。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ワシの勝ちじゃな!」

 

「な!?」

 

煙となったぬらりひょんは一瞬で萃香の後ろに周り、その手を萃香の頭の上にポンと乗せた。

 

「…どういうことだい?」

 

「目に見えるものが全てじゃないぜ?お主が殴ったワシは水面に映った月ってところじゃな。」

 

鬼憑『鏡花水月』相手の認識をずらして相手の畏を断つ技。ぬらりひょんという妖怪の本質とも言える技である。

 

「ぬらりくらりと…」

 

萃香は溜息を吐きながらやれやれと言った。

 

「私の負けだよ。この鬼ごっこ、アンタの勝ちだ。」

 

「面白かったぜ萃香!お前やっぱり強いのう!ワシの百鬼に入れたいくらいじゃ!」

 

「百鬼?」

 

「ああ!ワシの百鬼は凄いぜ?日本一じゃ!」

 

笑いながら胸を張るぬらりひょん。

 

「(ぬらりひょんの百鬼…面白そうだね…)」

 

「(鬼は誰の下にもつかない…けど、ぬらりひょんだけは別かもしれない。)」

 

「訂正するよ、ぬらりひょん。アンタ最高に面白い男だよ!」

 

2人は握手をかわした。それは萃香がぬらりひょんのことを認めた瞬間であった。

 

「おーい!ぬらりひょん!」

 

遠くで見ていた3人が近づいてきた。

 

「勝負は…終わったようね。」

 

「ああ、ぬらりひょんに負けたよ。」

 

「負けたっていうのに随分清々しい顔してるじゃない?」

 

「鬼ごっこだからね…本気の勝負なら負けないよ!ぬらりひょん!」

 

「望むところじゃ!……それより…」

 

「どうしました?」

 

 

「酒じゃ!!戻って宴会をするぞ!!」

 

「え〜、さっき食べたのに…」

 

「…ははッ!じゃあ戻ろうか!」

 

 

 

 

 

 

 

4人は宴会をするべく、再び博麗神社に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、第5話でした。

ぬらりひょんの百鬼に萃香がいれば京妖怪相手でも楽に勝てたかもしれませんね。

ではここで終わります。お疲れ様でした。

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