朝帰りだったので目がシパシパします。
永琳の言ってた通りに博麗神社に向かうぬらりひょんとうどんげ。
「ん〜、こっちか〜?」
「違います!こっちですって!なんでわからないのに先に行くんですか!」
「ハハハッ!そんなに怒らなくてもいーじゃねえか」
「怒ってませんよ!」
「それにしても兎ちゃん遅いのう。もっとしっかりついてこんか」
「いつの間に私が案内される側になってる…ていうかなんで急ぐ必要があるんですか?」
ハァハァと言いながらついて行くうどんげ。
「意味はないのう…」
「ないんですかッ!」
たわいもない話を繰り返していると博麗神社に辿り着いた。
「お、ここか。なんとなく親近感がわくの。…ん?」
ぬらりひょんは何を見つけた。赤い何かが地面に倒れている。
「ありゃあ…なんじゃ?」
「霊夢さーーーん!!!?」
地面に倒れているのは博麗神社の巫女である博麗霊夢だった。
「だ、誰にやられたの!?霊夢さんを倒すほどの相手…きっと只者ではない…!」
「……」
「…いや、こいつは敵にやられてなんかいないぜ?」
「え?」
「………」
「………」
「お腹が…お腹が減った…」
「………」
うどんげが言葉を出せないでいると神社の中から2人出てきた。
「あれ?鈴仙じゃないか。どうしたんって霊夢どうしたんだ!」
出てきた1人目は普通の魔法使い、霧雨魔理沙である。
「な、なんかお腹が減ったみたいで…」
「あー、ってことは体力がもたなかったんだね」
もう1人は鬼の伊吹萃香である。小さくても鬼だ。
「それはどういう…」
「色々あって博麗神社の食べ物と酒がほとんどなくなってしまったんだ。それで霊夢がギリギリまで買い出しを渋ってたんだが結局さっき行ったんだ」
魔理沙がそう説明するが、色々あってとはいうもの、ほとんど魔理沙と萃香が食べてしまった事が原因である。
「んで、結局お腹がすいて体力がなくなり今に至る…ってことだね」
萃香はケラケラと笑っている。その反面霊夢の顔は死んでいた。
「いやどんだけ買い出しに行くの渋ってたんですか…とりあえず何か食べ物を…」
周りを見渡したがもちろん食べ物など落ちてはいない。
「……」
「…よし兎ちゃん!ワシに任せろッ!」
「え?」
「ところであんた見ない顔だな。誰だ?」
「そいつはこれが解決してからじゃ!じゃあちょっくら行ってくる!」
そういうとぬらりひょんは凄いスピードでどこかへ向かった。
「ちょ、ちょっと!地理に詳しくないのに…迷っても知りませんよー!!!」
うどんげの声はもう届いてなかった。
「はぁ…」
「とりあえず霊夢を中に入れるか。萃香ー、頼む」
「……ああ、わかったよ」
「……ふーん…」
「帰ってきたぞッ!!!」
十数分後、ぬらりひょんは大量の食べ物と酒をもってきた。
「おお〜!すごいな!これで霊夢も息を吹き返すはずだぜ!鈴仙、ちょっと手伝ってくれ!」
「はーい」
しばらくした後、大量の料理が出来上がった。
「できたぜ霊夢!好きなだけ食べろ!」
「……!!」
料理のにおいで飛び起きた霊夢はガツガツと貪っていく。
「ハッハッハ!食え食え!いっぱい食え!」
笑いながらぬらりひょんは酒を飲んでいる。
「悪いわね、こんなにたくさん食材をもってきてもらって。お礼を言いたいわ。あなたの名前は?」
喋られるようになった霊夢がぬらりひょんに聞く。
「ワシはぬらりひょん。ただの妖じゃ」
「なんだ妖怪だったのか」
「それにしてもよくこんなに集めてこれましたね…お金もないのにどうやって…」
「ん?ちょいと拝借しただけじゃ」
ニヤッと笑いながらそう言ったぬらりひょん。
「…え?ってことはまさか…」
「盗ってきたってことか!!!」
「魔理沙が言うな」
「まぁお嬢ちゃんが危ないところだったんだし、いいだろう!」
なんの屈託もない笑顔を見て3人は怒るに怒れなかった。
「はぁ…まぁいいわ、それと私は博麗霊夢。霊夢って呼んで頂戴」
「普通の魔法使い、霧雨魔理沙だ!魔理沙でいいぜ!」
「私は鬼の伊吹萃香。萃香でいいよ」
「ほう、鬼か」
ぬらりひょんが萃香に興味を示した。
「鬼と会うのははじめてかい?」
「いや…知り合いにおったのう…」
「……ねえぬらりひょん」
何かを思いついたように萃香は言う。
「なんじゃ?」
「私と…ゲームをしないかい?」
「げえむ?」
「ああ…いやなんてことはない…ただの…」
「鬼ごっこだよ!」
はい、第3話でした。
お金のないぬらりひょんがする事といったらこれしかないですよねぇ…
それとお気に入りをもう12人の方からしてもらい嬉しいです。これからもよろしくお願いします。