前回の投稿…かなり薄味すぎて申し訳ありませんでした!
しばらくこの状態が続くかもしれませんが、どうかこの小説をよろしくお願いします!
では本編どうぞ!
…僕らはそれぞれ練習を重ねていき、気がつけば梅雨の時期に入った。
万世橋高校のグラウンドは室内の設備が全くないので、僕らは梅雨の期間、それぞれで練習をしていた。
たった1人を除いては…
そいつの正体が知れたのは、たまたまグラウンドに忘れ物を取りに来た時の事だった。
健人「…全く…なんで俺タオル忘れるかな…」
と、1人でぶつくさ言っていると、グラウンドで1人、ピッチングマシン(もちろん、雨対策用の簡易屋根をつけて)を使って打撃練習をしていた。
雨が降ると、多少ボールの軌道が変わってくるので、雨中の練習も本当は必要なのだが、今の野球部は基礎中の基礎をやっているので雨の練習はやらないようにしていた。
そんな中で雨の中、誰かが練習をしていた。
僕はベンチに出て、打撃練習をしている奴を見た。
健人「…おーい、そこで何やってんだ?」
晴男「お?健人やないか。何しとんの?」
打撃練習をしていた奴の正体は、晴男だった。
健人「晴男か…たしか、お前関西で地区大会優勝経験者だっけ。雨の中での試合は普通にやってたか」
晴男「せやで。ホンマやったら他の奴らを呼んででもやりたかったんやけど、他に経験者おらんし…」
健人「俺いるよ?」
晴男「まぁ、お前さんはなんか色々用事あんやろ?」
健人「あぁ…一応」
僕は今の野球部のみんなにμ'sの事を伝えていなかった。
理由の1つとしては…みんなが彼女持ちじゃなかった事、というか、女子にすら話した事がない連中だからだ。
そんな中で僕が最近野球部内でも話題沸騰中のμ'sの話をしたら殺されかねないので、一応μ'sは伏せている。
晴男「んで、なんで健人もここにおんの?」
健人「あー…俺はバカしてタオル置きっぱにしててね…」
晴男「なんやねん、健人…お前どこか抜けてるんちゃう?」
健人「あはは…んで、折角だから俺も一緒に練習しようか?」
晴男「ホンマか?それやったらマジありがたいんやけど」
健人「俺も暇だしな…」
というわけで、僕と晴男で打撃練習をした。
晴男はやはり地区大会優勝を経験しているからか、雨の中でも飛距離がある球を飛ばしていた。
健人「…すげー…」
晴男「ほな、健人の番やで」
健人「あ、あぁ」
僕も晴男の後に打ち、自分がいうのもなんだけどやはり飛距離は出ていた。
晴男「おぉ…やはり健人もU-15の世界大会に出てただけあるわな」
健人「まぁね」
その後、僕は晴男と一緒に飯を食べに、近くのラーメン屋に来た。
店主「はい!ラーメン一丁!」
健人「ありがとうございまーす!」
僕と晴男はラーメンを食べながら話をした。
健人「しかし…なんで晴男は雨の中でもやってたんだ?」
晴男「なんでそんな事聞くん?」
健人「…気になったから」
晴男「ははは…まぁ、気になるのも無理ないわ。別に隠すような話やないし、話したるわ」
晴男は自分が雨の中でも練習をやった理由を、憧れの存在である人が、雨の中でも頑張って野球をしていたことに感動して、自分もいつか雨の中という悪条件の中でもやれる野球選手になろうと決意したらしい。
しかも、その憧れの存在というのが…
晴男「健人は知っとるかな…中島幸男って人」
健人「あぁ…阪神の大砲として活躍した…」
晴男「あの人、わしのおとんなんや」
健人「えぇ!?」
僕は少し驚きながら、晴男の卓越した野球能力の根源がわかった気がした。
中島幸男はかつて阪神で活躍した野球選手で、阪神の大砲として4番を長らく務めた名スラッガー。
守備もピカイチで、たまにスーパープレーを見せてゴールデングラブ賞を取った事がある。
晴男「…うちのおとん、引退してからずっとわしにつきっきりで練習に付き合うてくれて…かっこよかったんや…おとんが…」
健人「それで…お父さんを超えたいと…」
晴男「せや…」
僕は晴男の真剣な目に、少し心を動かされた。
健人「…晴男、明日もやるよな?」
晴男「ん?」
健人「俺、明日も暇だしさ…一緒にやろうぜ」
晴男「え?ホンマに…ええのか?」
健人「当たり前だろ?」
こうして、僕と晴男は梅雨の間、互いに打撃練習をし、互いの弱点を言い合って励ましあったのだった。
いかがでしたでしょうか?
今日もこんな薄い内容でした…
しばらくこうなってしまうのですが…改めて今後ともよろしくお願いします。
では次回お会いしましょう!