ラブライブ!〜伝説の男と9人の女神〜   作:VOSE

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どうも、VVVFです。
今回のお話もほぼオリジナルですが、今回は主人公の健人の過去のお話が出て来ると思います。
というか、このタイミングの方がいいと思ったので、色々調整していましたw
ここから野球シーンがかなり出て来るので、どうぞよろしくお願いしますw
では、本編どうぞ!


第18話〜伝説の背番号9(ナンバーナイン)〜

…ある日、真姫からメールが来た。

そこには…

 

『今度、試合があるそうね。それに伴って、あなたにもう一度チャンスをあげるわ。条件は今度の大会で優勝すること。そしたら考えておくわ。これは、μ'sみんなの意見よ。みんな見に行くから』

 

と、書いてあった。

 

健人「…ふうっ…」

 

僕は緊張で思わずため息が出た…

 

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一方、μ'sサイド…

夕暮れ…秋葉原の電気街にて…

 

穂乃果「…ここでもダメかー…」

真姫「そうね…」

 

μ'sのみんなは次のライブで使う場所を探していた。

そこには…

 

蓮「…全然見当たらねえしな…」

 

蓮がいた。

僕と蓮はあの事件の後、μ's側について僕に対抗した。

僕の言動にμ'sのメンバー同様腹が立ったらしく、すぐに絶交状態になった。

 

μ'sと蓮の御一行は、UTX学園の前に来た。

UTX学園の入り口の前には、ファンの人達がたくさんいて、建物のビジョンには、A-RISEが告知をしていた。

 

ことり「…すごいね」

海未「…堂々としています…」

蓮「…ファンがたくさんいんな…」

穂乃果「…負けないぞ…」

 

と、みんながあっけにとられていると…

 

???「…高坂さん」

 

と、目の前に薄い茶髪の女の子が現れた。

 

穂乃果「え?」

蓮「…え?」

 

穂乃果だけでなく、隣にいたことり、海未、蓮も驚いた。

何故ならその子は…今ビジョンで出て来たA-RISEのリーダー、綺羅ツバサだったのだ…

ツバサは、穂乃果の腕を掴み建物の中に入れ、食堂へと案内された。

ちなみに、エントランスで残りのメンバー、優木あんじゅ、統堂英玲奈も合流した。

綺羅ツバサはみんなの事を知っており、μ'sをライバル視していたという。

そしてもちろん…

 

ツバサ「…それで、田淵蓮…μ'sの音楽担当…」

あんじゅ「柔道においても、剣道においても、弓道においても全部優勝経験のある和風男子といったところかしらね…」

蓮「…俺の事も知ってんのか…」

 

蓮は驚いた反面、嬉しい気持ちで一杯になった。

そして、今はμ'sの間でもほぼ禁句と化している名前をツバサは出した…

 

ツバサ「そして…桑畑健人…」

μ's+蓮「!!」

 

μ'sと蓮は顔を強張らせた。

絶交状態にあるやつの名前なぞ、出して欲しくなかったのだろう…

しかし、ツバサはそんな事を知ってか、話を続けた。

 

ツバサ「…μ'sの音楽担当で、その感性が合間ってμ'sが完成してる…素晴らしい男よ。正直…音楽無くても、彼がいるチームはどこでも勝つというくらいだから、私たち…負けることも一時期考えていたわ」

海未「…どういう事ですか?」

 

ツバサの発言に、μ'sのみんなはもちろん、蓮も疑問に思った。

 

ツバサ「あら、みんな知らない?『ロサンゼルスの奇跡』」

蓮「!?」

 

ツバサのあるワードに、蓮は敏感に反応した。

 

凛「蓮?」

花陽「どうしたの?」

蓮「…ツバサさん…今…『ロサンゼルスの奇跡』って言いませんでした?」

ツバサ「えぇ、言ったわよ」

蓮「…それと…健人が…何か関係あるんですか?」

ツバサ「何って…『ロサンゼルスの奇跡』を起こした張本人よ」

蓮「!?」

 

蓮はそれを聞いて膝から崩れた。

それを見た海未は、少し顔を引きつらせた。

 

穂乃果「…『ロサンゼルスの奇跡』?」

ツバサ「…今から4年前…アメリカのロサンゼルスでU-15の野球の世界大会があったの…そこの決勝で完全試合を達成させた人がいるの。それが桑畑健人…まぁ、詳しい話は本人に聞いてみたらどうかしら」

 

ツバサは不敵な笑みを浮かべてそう言ったのだった…

 

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次の日…

μ'sのメンバー全員が『ロサンゼルスの奇跡』について調べた…

 

『ロサンゼルスの奇跡』…

4年前の野球のU-15世界大会で起きた日本の選手による大快挙の総称…

1回戦で0-14という大差でコールド負けを喫し、その上にピッチャー1人が怪我をする事件が発生し、『史上最弱のチーム』のレッテルを貼られた日本…

そこで緊急招集されたのは、まだ12歳の少年…

それを知った世論は大炎上。この年の世界大会は屈辱の予選敗退が現実味になったと誰もが思った…

しかし、その少年が神かがり的な活躍を見せ、予選は1回戦の敗退後は連勝に次ぐ連勝という結果になった。

それは全て、緊急招集されたたった1人の少年によって起こされたもの…

日本はその勢いで準決勝に進出、韓国と戦うことになった。

その準決勝でもすごい事が起きたという。

9回裏、日本の攻撃…

4-1の韓国リード、2アウト満塁、ここで打ち取られたり三振になったら日本の敗退が決定する場面…

そこで出て来たのはあの少年…

少年は粘りに粘ってフルカウントまで持ち越し、韓国のピッチャーが9球目を投げた…少年はその球を打ち…ホームランとした…

これが準決勝で起きた奇跡…

3点差から逆転サヨナラ満塁ホームランをプレッシャーのかかる準決勝で打った事なのだ…

さらに少年の奇跡はそれを止まらず…

決勝のアメリカ戦では…日本のプロ野球では過去80年において15回しか達成していない…完全試合を達成させたのだ。

少年のその奇跡のような試合展開を、総称して『ロサンゼルスの奇跡』と呼ばれるようになり、少年の背番号9と少年の名前…『ケント クワバタ』の名が世界中に知らされるようになった…

 

しかし、μ'sのみんなは疑問に思った…

 

真姫「…なんで私たち知らないの?」

穂乃果「そうだよ!なんでこんな快挙を私たちが知らないわけないよ!」

海未「確かに…この話が本当なら、健人君が私たちと一緒にいるわけありません…」

凛「どうして?」

希「学校の中には野球の推薦の高校があるんや。ここらやと東戸高校やね」

凛「そうなの!?」

花陽「…ねぇ、ここはあの龍君に聞いたらどう?」

ことり「そうだね」

絵里「その方がいいわね…」

にこ「そうと決まったら行くわよ!」

 

μ'sのみんなは龍に会うべく、東戸高校へと来た。

ちなみに、蓮は毎度の練習試合でこの日もいなかった。

東戸高校は、μ'sが来たことによってかなり興奮に包まれていた。

 

穂乃果「…あの!柴山龍君っていますか!?」

龍「ん?俺を呼んだか?」

 

龍は拍子抜けた声で返事した。

 

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その日は東戸高校は授業であった為、龍を尋ねるのは放課後になった。

 

龍「…それで、俺に何か用か?」

穂乃果「あの!健人君について…教えてくれますか?」

真姫「健人が『ロサンゼルスの奇跡』というのに関わったのはわかったの。でも…なんでみんな知らないのって思って…」

龍「あー…でもな…あいつにとっちゃ…」

真姫「お願い!」

凛「…真姫ちゃん?」

龍「…わかった…話すよ」

 

龍はμ'sのみんなに、『ロサンゼルスの奇跡』の後に起きた話をした…

U-15世界大会が終わった後、少年は一躍スターになった。

その時の日本を象徴する人として国内外から注目を浴びており、彼の父も有名なプロ野球選手だった為、将来が有望視されていた少年だったが…ツイッター上のある匿名の人が『ロサンゼルスの奇跡』は八百長によって起こったものだと根も葉もない噂を流したのだ。

根も葉もない為証拠などないものなのだが、少年は毎日マスコミに取り沙汰され、少年が入っていたチームまでにもマスコミが入ったのだ。

仲間を大切にする少年の心は、みるみるうちにズタズタにされていき、少年はチームを脱退。

さらには、少年の父親が名目上では体の限界としながらも、事実上の引責引退を発表し、少年は涙を流したという…

その後、その匿名の人が謝罪したが、少年はいつしか野球をやらなくなったという…

 

龍「…まぁ、ざっとこんな感じだな」

 

龍は重い話なのに、あっさりと話をやめてしまった。

 

絵里「そんな事が…」

海未「健人にも…辛い事が…」

にこ「でも…なんで野球なんかまた始めたのよ…」

龍「それは…μ's…お前らがいてくれたお陰なんだ」

μ's「えっ!?」

 

龍の発言に、μ'sのみんなは驚いた。

 

龍「…健人は言ってたぜ…μ'sがやりたいという気持ちで動いているのを見て、やっぱり自分は野球をやりたいって気持ちが増したってな…だから、あいつはプレーでμ'sのみんなにいつしか恩返しがしたいって言ってたぜ」

穂乃果「そんな…」

希「でも…」

龍「健人から聞いたぜ。喧嘩の事」

μ's「っ!」

龍「…確かにあの場で言うあいつも悪い…でも…それは仲間を思って言った事なんだ…わかってくれ…」

 

龍はそう言うと、深々と頭を下げたのだった…

 

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一方、僕はというと…

 

健人「…急遽明日に!?」

 

…緊急事態が起きていたのだった。

 




どうでしたでしょうか?
次回は地区内での大会初戦です。
予定では3話構成にするので、あまり面白くないかもしれませんが、どうかご了承くださいm(_ _)m
では次回、お会いしましょう!

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