ラブライブ!〜伝説の男と9人の女神〜   作:VOSE

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どうも、VVVFです。
今回の話で、ようやく絵里が登場…
絵里推しの読者の方、本当に申し訳ありませんでした!
話の構成を考えた時に、こんな後の方になってしまいました…
後、前回出て来た単語『ロサンゼルスの奇跡』が、意外とキーになる言葉と考えていまして…今回の話で『ロサンゼルスの奇跡』について内容が少しわかると思います。
では本編どうぞ!


第7話〜ベストと完璧〜

…夏が近づいてきたある日のこと…

 

健人「あぢぃー…」

蓮「そっそろ暑くなるからな…」

 

僕と蓮は半袖のワイシャツの襟をパタパタと仰ぎながら、音ノ木坂学院の中を歩いていると…

 

花陽「あ!健人君!蓮君!」

 

と、花陽ちゃんが何やら焦りながら走ってきた。

 

健人「ん?花陽ちゃん、どうしたの?」

花陽「いいから!早く部室来て!大変なの!」

蓮「大変?」

 

花陽ちゃんは走って部室の方へと向かった。

僕と蓮は花陽ちゃんの後を追って部室へ向かった。

 

僕と蓮が部室に着くと、花陽ちゃんがパソコンを駆使して何やら説明をしていた。

中には穂乃果さんとことりさん、海未さん、凛ちゃん、そして先ほど走っていた花陽ちゃんがいた。

5人ともパソコンを見ていた。

 

健人「…ええっと…これは?」

穂乃果「あ!健人君!あのね、なんかラブライブというのが始まるって花陽ちゃんが…」

花陽「ラブライブです!スクールアイドルの甲子園、ラブライブですよ!その第1回大会が始まるんです!」

蓮「花陽ちゃん、すごい真剣…」

凛「凛はそんなかよちんも好きにゃ」

 

その後、花陽ちゃんの情報によると、大会は人気ランキング上位20位以内のチームが本戦出場をし、その本戦でトーナメント形式でNo.1を決めるらしい。

そして、花陽ちゃんはラブライブを()()()()()としていたが…

 

穂乃果「なんだーてっきり出場するのかと…」

 

と、穂乃果さんが言った。

僕と蓮もラブライブに出れるなら出た方がいいと思っていたので、穂乃果さんの意見に賛成だった。

しかし、その発言を聞いた花陽ちゃんは…

 

花陽「そ、そんな!私達が出場するなんて恐れ多いです…」

 

と、いつものキャラに戻った。

 

ことり「でも、そんな大会があるんだったら出場を目標にするのもありだと思うよ」

穂乃果「というか目指さなきゃダメでしょ!」

健人「目指す方針だったら俺は賛成」

蓮「俺もだ」

 

穂乃果さん達はあまり根拠無しにそう言っているのだと思ったが、僕はラブライブ出場を目指せる根拠があった。

 

真姫「でも、今の順位じゃ到底無理でしょ?」

 

先ほど部屋に入って来た真姫ちゃんがそう言った。

それに僕はこう返事した。

 

健人「それなら平気だ。今朝ちょっとスクールアイドルのサイト見たら、急上昇ランク上位にμ's入ってたぜ」

穂乃果「そうなの!?」

健人「あぁ、コメントもかなり来てたぜ」

真姫「そうなの…だから…」

穂乃果「?真姫ちゃん、どうしたの?」

 

真姫ちゃんがμ'sが人気出ているという話で何かを思い出したらしく、穂乃果さんがそれを聞くと、真姫ちゃんは出待ちにあった事を話してくれた。

 

健人「出待ちか、もうそこまで有名になっていったか…」

真姫「本当ね…」

 

その後、僕らは許可をもらいに生徒会長室へと向かったが、目の敵にされている(と、僕と健人は聞かされている)ので、ことりさんのお母さん、つまり、音ノ木坂学院の理事長の元へと向かった。

そして、理事長室に着いて、ドアをノックしようとしたその時だ…

理事長室のドアが開き、中から現れたのは…

 

希「あら、みんなどうしたん?」

 

…希さんだった。

そして、その後に出てきた金髪のポニーテールの制服を着た女性を見て、μ's全員が顔を引きつらせた。

 

???「あら?見かけない顔ね…」

健人「…桑畑健人です」

蓮「…田淵蓮です」

 

μ'sのみんなが警戒していたので、僕と蓮も思わず身構えた。

 

???「桑畑健人君に田淵蓮君ね。私は絢瀬絵里、音ノ木坂学院で生徒会長を務めているわ」

健人「はぁ…」

 

僕と蓮が身構えているのに対し、絵里さんは優しく話してくれた。

その後、理事長と話した穂乃果さん達は、ラブライブ出場を認めてもらえたが、1つ条件があるという。

それは…次のテストで赤点を取らないという事…

その話を聞いた穂乃果さん、凛ちゃん、にこさんがうなだれてしまった…

 

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部室に戻った僕らは、まず穂乃果さんと凛ちゃんの謝罪を聞く羽目になった。

どうやら穂乃果さんは数学、凛ちゃんは英語ができないらしい。

そして、にこさんも数学ができないらしく、教科書を逆さにして読んでいた。

 

健人「どうするんですか?この後…」

海未「仕方ないですね…今日からテストが終わるまで、穂乃果は私とことり、凛は花陽と真姫…健人君と蓮君もお願い出来ますか?」

蓮「大丈夫ですよ」

真姫「というか、健人君と蓮君赤点大丈夫なの?」

 

真姫がそう言ったのは、理事長が出場の条件を僕と蓮まで対応させたのだ。

理事長自身が万世橋高校に直接電話で聞くと言っていたので、μ'sのみんなとしては気になる話なのだ。

 

健人「俺は平気だ。蓮は?」

蓮「俺もだ。不安材料はない」

凛「2人ともすごい!」

真姫「凛がそう言ってどうするのよ…」

 

かくして、僕らはラブライブに出場すべく勉強をすることにしたのだ…

 

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数時間後…

 

穂乃果「はぁ…疲れたよー…」

海未「何呑気な事言っているんですか…次行きますよ次」

希「さぁ、これの答えは?」

にこ「ええっと…にっこにっこにー!」

希「ふざけていると、ワシワシすんよ?」

にこ「ひいっ!」

 

それぞれが各々で勉強を教えている中、凛の方は…

 

凛「…あれ?わかるにゃ…」

花陽「すごい!全問正解!」

真姫「健人君、意外と先生になれるんじゃない」

健人「あんがと…あ、凛、これはまだ簡単な方だから、次はね…」

 

と、その時だ。

 

海未「…すみません、ことり。この後弓道の練習があるので…あ、蓮君、今回も手ほどき教えてもらえますか?」

蓮「あ、いいですよ」

 

と、海未さんと蓮が弓道部の練習に向かうべく、部室を後にした…

 

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放課後…

 

生徒「じゃあね!」

海未「ご機嫌よう…はぁ…」

 

海未さんは先に学校から出ていた。

弓道の練習がひと段落終えたからだ。

蓮は片付けをしてから帰るという事で、海未さんは1人だった。

と、海未さんが校門の外に出たその時…海未さんは聞き慣れた音楽が聞こえたのだ。

 

海未「…?」

 

海未さんがふと音楽が流れた方を見ると…薄い金髪の少女がウォークマンでμ'sの音楽を聴いていた。

制服を見る限り中学生であった。

海未さんはそのウォークマンを覗いた。

そこにはμ'sのライブの別アングルの動画が流れていた。

と、その時だ。

少女が海未さんに気がついたのだ。

 

???「…あ!園田海未さんですよね!

海未「ひ、人違いです!」

 

海未さんがそういうと、少女は目を涙目にさせた。

それに海未さんは瞬殺されてしまい…

 

海未「…は、はい…本物です…」

 

と、折れてしまった。

 

???「ですよね〜」

 

と、少女はすぐに笑顔を見せた。

それよりも、海未さんが気になったのは…

 

海未「あの、その動画は…」

???「ライブの動画です。亜里沙は行けなかったんですけど、お姉ちゃんが撮ってきてくれて…」

海未「お姉ちゃん?」

 

亜里沙という名の少女は動画について説明すると…

 

絵里「亜里沙!」

 

と、μ'sを目の敵にしている生徒会長、絵里さんが現れたのだ。

亜里沙ちゃんの姉が絵里さんなのだ。

絵里さんを見た海未さんは少し身構えた。

そして、その様子を玄関から眺めていた蓮は不穏な空気を感じとった…

 

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その日の夜…

海未さんがウォークマンでとある動画を見て歩いていたその時だ…

 

蓮「…海未さん…」

海未「!?蓮君でしたか…驚かさないでください…」

 

蓮が海未さんに話しかけたのだ。

先ほどの事があってか、蓮は少し気にしていたのだ。

 

海未「でも、なんで蓮君が?」

蓮「…夕方、生徒会長と会っていましたね?」

海未「…見ていましたか…」

蓮「…何か話をしたのですか?」

海未「…」

蓮「…僕もμ'sの一員です…話してくれますか?」

海未「…はい…」

 

そして、海未さんは、生徒会長はμ'sの活動を見せてやってもどうしようも出来ないと思い知らせようとした事、結果として真反対の状況を生み出した事…そして、生徒会長から見てμ'sの全てが素人だという事…

その後、海未さんは希さんにとある動画を見せてもらったが、その動画がショックだった事…

先ほどの出来事を話した海未さんは、蓮に希さんからもらった動画を見せた。

それは、絵里さんが小さい頃の動画で、バレエをしていた。

蓮もその動画に釘付けになったが、それよりも心に残ったのは自分達が素人だと言われた事だ。

 

海未「…どうでしたか?」

 

動画を見終わった後、海未さんが感想を聞こうと蓮に尋ねた。

だが、蓮は感想よりもμ'sの活動が無駄ではない事を言った。

 

蓮「…すみません…動画をあまり見てませんでした…でも…俺は…素人だからって今までの活動が無駄だとは思いません…」

海未「…え?」

蓮「…少し…昔話していいですか?」

 

蓮は静かに話を始めた。

 

蓮「…今から4年前…アメリカのロサンゼルスで15歳以下の野球大会が行われていたんです…僕はその時、完璧主義で、野球も興味無かったのですが、友達から見てみろと言われて仕方なくテレビで見たんです…その時見た試合はちょうど決勝戦で…ピッチャーとして出ていたのは、ちょうど僕と同い年の子だったんです…」

海未「…」

 

蓮の突然の昔話にもかかわらず、海未さんは静かに聴いていた。

 

蓮「…その同い年の子が…決勝戦で…バッターを1人も出さずに試合に勝ったんです…」

海未「…え?バッターを1人も?」

蓮「海未さんは野球のルールを知っているかどうか知らないのでこの話してもいいかわからないんですけど…僕が見た少年は、完全試合を達成したんです…みんながすごいと言っていたので、後々で調べてみたのですが…日本のプロ野球の世界でも十数回しか達成していない偉業を成し遂げたんです…」

海未「え!?」

 

蓮の話に海未さんは驚きの表情を浮かべた。

 

蓮「すごいですよね…同じ年の子なのに、そんな事成し遂げたんだって…それで僕は、そいつは完璧主義者だと思ってその後のインタビューを聞いたら…彼はなんて言ったと思います?」

海未「…さぁ?」

蓮「…『僕はただベストを尽くしただけ。みんながいたからこその結果』…『完璧主義なんて嫌いな言葉。ベストを超えた先に完璧があるから』…僕が心に刺さった言葉です…」

海未「!!」

蓮「だから今回の生徒会長の話を聞いて…是非、この言葉を聞かせたいんです…本当なら、動画を見せたいほどなんですが…」

海未「動画がないのですか?」

蓮「4年前の試合の動画は今なくて…僕自身、そのインタビューに答えた、完全試合を達成した少年の名前すら忘れて…ただ僕が唯一覚えているのは…背番号が『9』であった事…」

海未「そうですか…」

蓮「だから…僕は生徒会長と仲良く出来たらって思うんです…完璧ではなくても、僕らはこうやって活躍出来る…そこに生徒会長がいれば、どれだけ強くなれるのかなって…」

海未「…」

 

その後、海未さんと別れた蓮は、ふと夜空を見上げたのだった…

 

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運命の答案返却日…

偶然にも万世橋高校のテスト日と音ノ木坂学院のテスト日が重なっていたため、答案返却も同じようなタイミングで行われたのだ。

僕と蓮は難なくクリア。不安材料の凛ちゃん、にこさん、そして穂乃果さんもクリアとなり、μ'sはラブライブ出場を目指そうと走り出そうとした…その時だった…

 

凛ちゃんからメールが来たのだ。

 

音ノ木坂学院が廃校になると。




いやー今回の話はどうだったでしょうか?
感想お待ちしております!
『ロサンゼルスの奇跡』…まずわかった情報が完全試合というほぼ不可能な話…でもそれを実現してしまうたった一人の少年とは…乞うご期待!
次回は…この小説を見てる人なら流れでわかるかもしれませんが、絵里、そして希の加入シーン!
楽しみですねー
では、次回、お会いしましょう!

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