人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』 作:半沢柚々
まだ部屋から出ないで下さい。
本堂 空太
「ちょちょちょ、なんかまだ出るなって」
乃木坂 朔也
「なんだ? テレビ……パソコンか……?」
道明寺 晶
「ああ。PCと連動してるんだろうな」
目黒 結翔
「な、なんで?
なんで俺らが出ようとしてるこのタイミングで!」
七瀬 和華
「やだ……なんだか怖いわ……」
道明寺 晶
「どこかで見てるんだろうな……」
本堂 空太
「え!?」
(おいおい、そんなの笑えねえよ)
筒井 惣子郎
「これは……」
小田切 冬司
「うん、大人しくした方がいいね」
千景 勝平
「お前ら、こっちに戻れ」
目黒 結翔
「ああん? ふざけんな、関係ねえだろ!
俺は行くかんな!」
竜崎 圭吾
「おいおいおい、待ちなさいって」
筒井 惣子郎
「目黒、落ち着いてくれ。
今は要望に従った方がいい」
目黒 結翔
「うるせーなあ、離せよ惣子郎!
従うとか悔しくねえのかよ!?」
道明寺 晶
「あのさー、
場を乱すようなことするの控えてくんない?」
目黒 結翔
「ああ!?」
白百合 美海
「ちょ、ちょっと、アキラもやめて。
……結翔くん、あれ、気にならない?
一緒に見ようよ」
目黒 結翔
「…………///
ま、まあ、白百合がそう言うなら……」
白百合 美海
「うん(にっこり)」
目黒 結翔
「………………」
本堂 空太
(さすが白百合……)
まだ部屋から出ないで下さい。
画面の中央に集まって下さい。
…………。
道明寺 晶
「遠隔操作か」
本堂 空太
(時間が出てる……午前11時12分……。
襲われたのはたぶん放課後だったんだから、
あれから一晩越えたんだ……)
筒井 惣子郎
「…………従おう」
乃木坂 朔也
「……ああ」
私立宍銀学園高等学校の皆さん。
おはようございます。
良い夢を見られたでしょうか。
目黒 結翔
「ふっざけんな! なめてる!」
和歌野 岬
「ちょっと黙って」
目黒 結翔
「っ…………」
本堂 空太
(身元がバレてる……そりゃそうか、
完全に俺たちを狙ってたってこと?)
まず始めに、
皆さんにはそれぞれ役割を用意してあります。
具体的な指示が記されたカードが
皆さんのポケットに入れてありますので、
後ほどそちらを確認して下さい。
本堂 空太
「カード……?」
注)
カードは絶対に他人に見せてはいけません。
見てもいけません。
このルールを破った場合は死亡します。
――――――!!!
間宮 果帆
「ちょ、っと、死亡って……」
竜崎 圭吾
「冗談きついんだけど」
小田切 冬司
「……冗談とも思えないけどね」
八木沼 由絵
「……なにかの比喩じゃないの~?」
道明寺 晶
「待て……画面が変わった」
さて、皆さんは市民です。
市民の皆さんは、
自分のことを『村人』と名乗って下さい。
ですが、
この中に三人、『人狼』が紛れこんでいます。
村人の皆さんは協力し合い、
人狼を探し当てて下さい。
道明寺 晶
「……『人狼ゲーム』だ」
有栖川 直斗
「『人狼ゲーム』?」
道明寺 晶
「ああ、外国のボードゲームだな」
夜8時にこちらの会議室に集まり、
人狼が誰なのか話し合いを行って下さい。
話し合いの次は『投票』に移ります。
それぞれ人狼だと思う人を指差して下さい。
一番票を集めた人を夜9時までに
『処刑』して下さい。
注)
処刑とは、
文字通り殺害すると言うことです。
殺害方法は問いませんが、
道具をいくつか用意してあります。
ご活用下さい。
――――!!!?
【残り:16人】