人狼ゲーム『Selfishly -エリカの礎-』   作:半沢柚々

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002.目覚め-2-

 

目黒 結翔

「てゆーか、どこだよ、ここ」

 

竜崎 圭吾

「それな」

 

小田切 冬司

「なんか、古い洋館って感じだけどね。

 ここは……、目的としては会議室なのかな?

 窓は一切ないけど、ホワイトボードもあるし」

 

道明寺 晶

「特殊な作りだな。狭いが、構造は宴会場に近い。

 それにしては厳かと言うか、……気色の悪い部屋だな。

 見ろよ、この彫刻」

 

本堂 空太

「!!」

(うっわ、そんなものわざわざ見せなくていいのに)

 

八木沼 由絵

「うわぁ~気持ち悪~い」

 

和歌野 岬

「悪魔みたいね」

 

道明寺 晶

「悪魔だろ」

 

間宮 果帆

「……なんだか、雰囲気満載って感じだな」

 

本堂 空太

「うん」

(確かになんか不気味だよね)

 

乃木坂 朔也

「それはこの状況の、ってこと?」

 

間宮 果帆

「ああ。どう考えたっておかしいだろ?

 なんで、こんなところに」

 

本堂 空太

(果帆が不安そうにしてる。どうしよう……。

 彼氏としては、なんか元気付けてあげなきゃ……。

 …………てゆーか、なに、あれ)

 

本堂 空太

「果帆っ」

 

間宮 果帆

「……なんだよ?」

 

本堂 空太

「首……首のところに」

 

間宮 果帆

「え? ……なんだ、これ……」

 

本堂 空太

「……絆創膏?」

 

間宮 果帆

「空太……お前もじゃん」

 

本堂 空太

「え……?」

 

有栖川 直斗

「も、もしかして……」

 

乃木坂 朔也

「美海っ!」

 

白百合 美海

「朔也……朔也もだわ。

 …………アキラ……」

 

道明寺 晶

「ああ、俺にもついてるな」

 

千景 勝平

「俺もだ」

 

八木沼 由絵

「由絵も~」

 

筒井 惣子郎

「みんなについてるのか……」

 

目黒 結翔

「なんかこれ痒くね?

 つーか、掻いてたら剥がれるんじゃねえかな…………いってぇっ!

 え? え? なんだよ、これ!!」

 

小田切 冬司

「どうしたの?」

 

目黒 結翔

「なんか引っ張ったらすげえいてーんだよ!」

 

道明寺 晶

「……触らない方がいいな」

 

目黒 結翔

「ちっくしょう……わけわかんねえよ、

 なんなんだよ!」

 

本堂 空太

(本当に……おかしいよね)

 

 

 

 …………。

 

 

 

白百合 美海

「ね、ねえ、みんな、

 ここに来る前のこと覚えてない?」

 

 

 

 ………………。

 

 

 

有栖川 直斗

「わるい、よく覚えてない」

 

本堂 空太

「俺も……」

 

白百合 美海

「そう……。

 あたしは――学校を出たところまでは覚えてるの。

 果帆と一緒だったわ」

 

間宮 果帆

「ああ」

 

本堂 空太

「思い出した。

 果帆、用事あるって言ってたよな、白百合とだったんだ」

 

間宮 果帆

「ああ。美海が――ケーキ作りたいって言うから、買い出しとか、色々する予定だった」

 

白百合 美海

「うん」

 

白百合 美海

「……それで、バス停に行く途中で、由絵と勝平くんに会ったの。

 それで、四人で暫く話し込んでて……それから……」

 

間宮 果帆

「そうだ、その時にやられたんだ」

 

八木沼 由絵

「そうだったっけ? 全然覚えてな~い」

 

千景 勝平

「俺は覚えてる。

 こいつらが喉が渇いたって言うから、自販機まで買いに行ったんだ。

 俺はその時に、後ろからやられた」

 

間宮 果帆

「始めに勝平がやられて、その後、あたしらもスタンガンで」

 

本堂 空太

「…………」

 

小田切 冬司

「俺も、たぶんスタンガンだったと思う。

 部室にいたんだけど、まだ誰もいなかったから掃除しようと思って、ロッカーを空けたんだ。

 そこに変なやつがいて、そいつにやられたんだけど、顔はわからなかったな」

 

筒井 惣子郎

「……俺と圭吾も、部室だった。

 他の部員もいたはずなんだが、

 ………………思い出せない」

 

竜崎 圭吾

「惣子郎は顧問に用があるって部室を出たんだよ。

 それから戻って来なかった。

 他の部員はみんな帰ったんだけど、俺は一応待ってようと思って、んで、気付いたらこれよ」

 

筒井 惣子郎

「そうだったのか……。

 目黒はどうなんだ? なにか覚えてるか?」

 

目黒 結翔

「全っ然覚えてねーよ!

 クラスの連中とゲーセン行こうって話してたとこまでだよ」

 

筒井 惣子郎

「そうか……」

 

七瀬 和華

「わ、わたしは、お買い物の途中だった。

 今日は妹の誕生日だったから、早く帰ってお祝いしてあげなきゃって、急いでスーパーを出たの。

 それから……覚えてないわ」

 

筒井 惣子郎

「そうか……」

 

小日向 花菜

「うちらも、買い物の途中だったね」

 

和歌野 岬

「ええ。……でも、ごめんなさい、

 わたしは覚えてないわ」

 

小日向 花菜

「そっか。うちらは、駅ビルで買い物しててさ、地下の自転車置き場まで戻って、そこだった。

 サキが……最初にやられて……。

 ごめんね、あたしが着いていながら」

 

和歌野 岬

「花菜、謝らないで」

 

佐倉 小桃

「あたしは……自宅だった。

 お風呂に入ろうとしたところまでは覚えてるわ」

 

乃木坂 朔也

「アキラ」

 

道明寺 晶

「ああ。俺と朔也もそうだった。俺の部屋だ。

 ……直斗、お前も来る予定だったんだぜ?」

 

有栖川 直斗

「そうだったのか……じゃあ、その途中で」

 

道明寺 晶

「恐らくな」

 

 

 

 ……………………。

 

 

 

乃木坂 朔也

「とりあえず、こうしてても仕方ないし、少し動かないか?」

 

道明寺 晶

「そうだな」

 

筒井 惣子郎

「…………出られるんだろうな」

 

道明寺 晶

「出入口は二ヵ所、か。

 とりあえず、あっちとこっちで二手に別れよう」

 

千景 勝平

「女子はここに残った方がいいんじゃねえか?」

 

道明寺 晶

「いや、一緒に行った方がいいだろう」

 

筒井 惣子郎

「そうだな。

 俺たちがいない間になにかあったら、目も当てられないよ……」

 

千景 勝平

「いや、男が一人残れば大丈夫だろ」

 

本堂 空太

(……………………。

 確かに、みんな不安そうだ。

 果帆も強がってるけど、あんな顔見たことないし。

 あんまり連れ回したくないな……)

 

小田切 冬司

「いいんじゃない?

 俺も、女の子に無理させるのはあまり気が乗らないよ」

 

間宮 果帆

「だ、大丈夫だよ!」

 

竜崎 圭吾

「いやいや、間宮が大丈夫でも他が……」

 

白百合 美海

「平気よ? でも、ありがとう。

 気を遣ってくれて」

 

乃木坂 朔也

「どうする?」

 

道明寺 晶

「まあ、いいか。

 勝平、残れよ。お前なら大丈夫だろ」

 

千景 勝平

「あ? まあ、いいけど」

 

有栖川 直斗

「よし、そうと決まれば」

 

 

 

 まだ部屋から出ないで下さい。

 

 

 

乃木坂 朔也

「空太、こっちに来れるか」

 

本堂 空太

「お、おっけー。まかして」

 

 

 

 まだ部屋から出ないで下さい。

 

 

 

筒井 惣子郎

「お前らは俺と一緒な」

 

竜崎 圭吾

「おうよ!」

 

小田切 冬司

「うん。心強いね」

 

目黒 結翔

「………………」

 

 

 

 まだ部屋から出ないで下さい。

 

 

 

道明寺 晶

「こっちは空太を入れて四人か」

 

本堂 空太

「お、おう!

 役に立てるかわかんないけど、なんでもコキ使って!」

 

有栖川 直斗

「コキ使うっておいおい」

 

 

 

 まだ部屋から出ないで下さい。

 

 

 

佐倉 小桃

「ま、待って、みんな!」

 

本堂 空太

「……?」

 

佐倉 小桃

「あ……あれ……」

 

本堂 空太

(テレビ……か……?)

 

 

 

 まだ部屋から出ないで下さい。

 

 

 

 

 

【残り:16人】

 


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