ガンダムブレイカー2 鉄血招来   作:岸山

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就職活動で遅くなると思いますが頑張っていきたいです。


第4話:デンドロビウム撃退

 レーダーとアークエンジェルからくるナビゲーションを頼りに進んでいく。

 するとやはりというか、バカでかい白い箱ことデンドロビウムがミサイルやらビームやらを放ちまくって戦闘地域がヒカリまくっている。

 

《ハンヅキ!?何しに来た!》

「援護だよ!」

 

 カレヴィが俺の機体をレーダーで捉えたのか、俺に通信をつなげてくる。

 俺は言いつつ、背中の滑空砲を構える。

 

 よく狙えよ……俺……こんなところでクソAIMさらすわけにはいかなぞ……

 まだ射程圏ではないがそんなことを思い緊張する。

 画面には写っているデンドロビウムを俺の認識と合わせるように黄色の四角いロックが掛かっている。そして黄色が赤くなり、頭に射程圏内になったことが伝わってくる。

 このコックピットシステムは阿頼耶識システムから有機接続ディバイスを排除したシステムなんだろうか?

 

《新手か!?》

 

 すると俺に気づいたデンドロビウムの通信がつながり、こちらにステイメンのメインカメラが振り向いてくる。

 

「当たれよ!」

 

 そして俺は弾の着弾予測をしながら、宇宙を泳いでいるデンドロビウムに滑空砲を放つ。

 それと同時にバルバトスは勝手にスラスターを吹いて慣性制御をし、機体をその場にとどめてくれる。便利な機能だ、この慣性制御がなかったら放った瞬間、俺の機体はグルグルと縦に回っていたことだろう。

 滑空砲から放たれた弾丸はデンドロビウムに直撃する。だが直撃した場所はIフィールドジェネレーターには当たらず、背中に乗せる武器庫に当たった。

 

《貴様、ヴァルダー様からいただいた機体に傷を!ゆるさん!》

 

 こいつこんな激情家だったっけ?最初あったときは威張っていたけど二回目には大分理知的という感想を持った気がする。

 っとこんなことを考えているわけにはいかないな。

 デンドロビウムは俺の方に機体を向けてミサイル発射を発射してくる。

 うおおお!?これ避けられねぇ!

 が、一線の光がミサイルを飲み込んでいく。これはウィングガンダムのバスターライフルか!

 

《おいおい、大丈夫なのか》

「一応ね」

 

 俺はカレヴィに軽く返しながら滑空砲をしまいつつ、スペースジャバーを上に浮かせてこちらに突っ込んでくるデンドロビウムをよける。

 

《なかなかやるようだが、一体増えたところで変わるものか!》

 

 ルスランはそう言いながら機体を反転させる。そして武器庫が開いてマイクロ・ミサイル・コンテナを打ち出した。

 俺たちはそれから放たれるミサイルを迎撃もしくは回避しながらそれを防ぐ。

 

《ハンヅキ、出てきたからには何か策でもあるの!?》

「まあね!」

 

 俺もスペースジャバーとバルバトスのスラスターを全開にしながら、ミサイルをよける。

 レーアの言う通り、一応策はある。

 

《ちぃ!しぶとい奴らが!》

 

 ルスランは墜ちない俺たちに苛立ちの声を上げている。その隙に俺はデンドロビウムを挑発するように滑空砲で小突く。

 そしてデンドロビウムが俺に視線を向けた瞬間、今度は別方向からウィングガンダムのバスターライフルが襲う。Iフィールドがある為、貫通はしていないがその威力に機体が揺らされる。

 

《鬱陶しい虫が!》

 

 そんな風に憤っているルスランのデンドロビウムの前に俺はあえて背を見せるようにして機体を出す。

 俺は後ろをチラリと確認すると獲物を見つけた獣のようにデンドロビウムの中にあるステイメンのメインカメラが光った。

 そして俺を追うようにデンドロビウムが進んでくる。

 

《まずい!ハンヅキを援護しろ!》

《ええ!》

 

 そんな姿を見た二人は援護するようにライフルをデンドロビウムに放つ。だがデンドロビウムは気にしないように進んでくる。

 そして俺がロックオンされた警告音が機体に鳴り響いた。その瞬間、俺は機体を垂直に上へと上げる。

 

《逃がすか!》

 

 俺を追うようにデンドロビウムも垂直に上がってくる。

 真っ直ぐに俺は機体を上げている。それを打ち抜かんとデンドロビウムは大型メガ・ビーム砲を俺に向ける。

 

《これで終わりだ!》

 

 メガ・ビーム砲が発射されようとしている。だがデンドロビウムのように巨大な機体の大型ビーム砲にはビームをチャージする隙がある。俺はそれを見逃さない。

 俺はスペースジャバーを蹴り、俺の機体をデンドロビウムのIフィールド側に押し出すことでメガ・ビーム砲の射程圏内から無理矢理外す。

 その後すぐに機体のそばをメガ・ビーム砲の光が通り過ぎる。

 俺はそのまま、向かってくるデンドロビウムの方にスラスターを吹かせて突撃する。

 メイスをIフィールドジェネレーターに投げ飛ばす。ガンダム・フレームの力で投げられたメイスはジェネレーターに突き刺さり、デンドロビウムのこちらに進む勢いは少し遅くなる。

 

《チッ!》

 

 デンドロビウムは俺に取りつかれまいと機体をそらせようとするが俺は逃がすまいとスラスターを吹かせてジェネレーターにしがみつく。

 そして俺はメイスの持ち手をつかみ、ジェネレーターの上に立った。メイスを引き抜いて大きく振りかぶる。そして―――

 

「おおおおおおおお!!」

 

 俺は雄たけびを上げながら、叩きつけた。

 ジェネレーターはスパークを上げ、煙を吐くがまだ、ファンのようなものは回っている。これでは足りないか!なら滅多打ちだ!

 俺は左アームにある滑空砲を再び構え、ファンを打ち抜く。

 

《離れろ!》

「そんなに言うなら離れてやるよ!」

 

 三発ほど打つと、ステイメンは長く伸ばしたアームで背中にあるビームサーベルを引き抜き、俺に振るう。それを紙一重でデンドロビウムの外側に転がりながら回避する。そして回避しつつ、最後にジェネレーターの横っ腹にメイスを叩きつけてやった。

 

《クソッ!》

 

 その一撃が決め手となったのだろう。ジェネレーター全体にスパークが走り、煙が上がった。ルスランは悔しそうな声を出し、ジェネレーターを切り離した。

 よし、これでアイツのIフィールドは封じた!

 俺はレーアとカレヴィの二人に指示を出す。

 

「Iフィールドはぶっ壊した!いまだ!」

《たく、無茶しやがって!》

《でもチャンスよ!》

 

 二人は、でかい的となったデンドロビウムに攻撃を開始する。

 ちょうど形としてはデンドロビウムはカレヴィ達に無防備な上を見せている状態なので、的は大きい。

 レーアはエクシアのライフルを連射する。そのビームは右の武器庫に全弾直撃し、熱で中の武器ともども誘爆する。

 

《ぐわっ!》

《驚いているところ悪いがこいつで終わりだ!》

 

 そしてカレヴィはウィングガンダムのバスターライフルで、下半身の巨大なブースターを打ち抜いた。ブースターがスパークを上げると爆発し始める。

 

《なんだと!クッ!》

 

 爆発に飲み込まれる瞬間にルスランはデンドロビウムからステイメンを分離され脱出した。

 ステイメンはこちらチラリを見ると、そのまま戦闘空域から離脱していった。

 終わったか……

 

「はぁ~~~……」

 

 俺は大きく息を吐いた。やっと終わった。

 如何せんゲームとは勝手が違いすぎるてどうしよもないが、何とかなってよかった。

 ゲームでは体力があっても、現実では一撃で落ちるんだよな……

 

《よくやった。アークエンジェル、もう出ていいぞ》

《了解した。艦長代行、号令を》

 

 俺が身体の力を抜いているとカレヴィからお褒めの言葉を賜る。そして付近に敵はいないと判断してアークエンジェルに合図を送る。

 それをマドックが了解するとルルに発進を促す。そして戸惑いながらもルルは号令を出した。

 

《アークエンジェル発艦してください》

《了解いたしました。アークエンジェル発艦》

 

 そして破壊されたコロニーの残骸の海を進んでくる。

 レーアは周りを警戒しつつ、こちらに通信をつなげてくる。

 

《周りに敵はいないようね、帰るわよ》

《そうだな、ハンヅキ行くぞ》

 

 俺を頷いて、背中のブースターを吹かそうとすると、バスンッという音とともに動かなくなる。いや正確に言えば動く、使えなくなったのは推進剤が切れたからだ。

 

「わりぃ、推進剤切れた」

 

 俺がそういうとレーアはため息をついてカレヴィはやれやれといった風に頭を振るう。

 

《たっく、仕方ねえな》

 

 カレヴィそいうと俺の機体の腕を掴んで引っ張って運んでいく。

 そしてハッチに入ると、俺の機体は両ひざをついた。その直後、唐突に眠気が襲う。

 

《おい、機体自体は動くんだろ?とっととガレージに入れろよ》

「悪い……もうだめ……眠……」

《おおい!?こんなところで勘弁しろって!》

 

 そんなカレヴィの叫びを最後に俺の意識は遠のいていった。

 

 

 

 

 

 俺は夢を見ている。頭に映像と声が響いてくる。

 

 

───この世界には戦いが満ちている。

 

 

 その声が聞こえると二機のムサイが艦のメガ粒子砲を放つ。そしてそのムサイからザクが二機出てくる。一機は指揮官機だ。

 

「すぐ戦闘だぞォッ!!!」

 

 指揮官機が指示を飛ばすと、二機の艦のうちザクが出てこなかったムサイが攻撃を受けて轟沈する。

 

「チッ、下手糞が…。 きたぞ!!」

 

 前を振り向くと向かってくるジムにザクマシンガンを放った

 

 

────積み上がる瓦礫の山

 

 

 ジムとザクの銃撃戦が始まる。

 ジムはシールドでマシンガンをはじくと新兵を思わせる声とともにビームスプレーガンを投げ捨て背中のサーベルと抜いて、突撃する。 

 

「こんのぉっ!!!」

「馬鹿なァッ!?」

 

 そして、そのサーベルは指揮官機を切り裂いた。

 

 

─────繰り返す争いの歴史

 

 

 ジムはやったぞと喜んでいると上からギラドーガが二機接近してくる。

 

「ノロマがーッ!!!」

 

 女性の声が響き、ギラドーガのシールドに装備されているシュツルムファウストを二発放つ。

 ジムは放たれたシュツルムファウストをよけようと必死に回避するが、接近を許しすぎたためかよけきれず、直撃する。

 

「うわああああぁぁぁーーーっっ!!!?」

 

 そして新兵の乗るジムは爆散した。

 

 

───────でも…それでもわたしは信じてる

 

 

 ジムを破壊した女性が乗っているギラドーガはぐっとマニュピレーターで親指を立てて隣にいたギラドーガにアピールする。

 だがその隣のギラドーガは下から来たビームに貫かれて破壊された。

 

「───なっ!?」

 

 驚くがすぐに女性のギラドーガも同じビームに貫かれて消えた。

 

「…進路クリア、次の戦域へ移動」

 

 撃ったジェスタは機械的に処理し爆発の音や戦闘をしているところに介入するために進んでいく。

 

 

─────────人はいつか 戦いの無い世界を作り上げると

 

 

 俺はその願いは正しいと思うだけど―――――――――――――それは無理だ。

 

 

 そう答えると目が覚めた。




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