インフィニットストラトス return of calamity (本編終了)   作:アルバロス

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第三十五話

キャノンボール・ファスト当日

会場は観客がオーバーするんじゃないかと思う程に来ており、空には花火がかなりの数上がっている。

 

「終夜」

「家に連絡は入れたが来たのはお前だけか」

「ええ。これからのことがありますからね」

「これからのこと?」

「はい。それは………」

「ほうほう」

 

こりゃあ、別の意味で楽しめることになりそうだ

 

 

 

 

 

二年生の試合が終わり、次は一年生である俺たちの番になった

 

「皆さーん、準備は良いですね?それではスタートラインまで移動しますよー!」

 

全員が移動し終わると、山田先生が合図をしアナウンスが流れる

 

『それでは皆さん!一年生の専用機組のレースを開催します!』

 

3……2……1……ゴー!

 

一斉に全員が飛び出す。まず先行したのはオルコット、第一コーナーを過ぎてからオルコットを先頭に列ができ、ここから妨害合戦が始まった。

 

「貰ったわよ、セシリア!!」

 

最初に仕掛けたのは鈴で、衝撃砲をオルコットに向けて連射し、それをロールでかわした横を爆発的な加速で抜いていった。だが鈴の後ろでスリップストリームを利用していたラウラが鈴を抜き、先程と同じく鈴が衝撃砲を放とうとしたが鈴より先にラウラの大口径のリボルバー・キャノンが火を噴き、被弾した鈴がコースラインを大きく逸れる。さらにラウラは後ろへの牽制攻撃を始める

 

「ッ……武装が剣だけの高速戦闘はキツいなッ」

「私を忘れないで!」

「簪!?」

 

ラウラの牽制に対応していたとき、後ろからの簪声に反応して後ろを向いた瞬間、錬の話の通りトップのラウラとそれに続いていたデュノアを撃ち抜いた

 

「あれは……サイレント・ゼフィルスか」

「大丈夫か!シャル、ラウラ!」

 

織斑はすぐさま墜ちた二人に駆けつけエネルギーシールドを展開。その直後BTライフルの攻撃が雨のように降り注いだ

 

「一夏さん!あの機体は私が!!」

「お、おい!セシリア!!」

「BT二号機『サイレント・ゼフィルス』……今度こそ私が!」

 

そのまま、サイレント・ゼフィルスと織斑たちの混戦が始まった

 

 

 

 

 

「ふふ、流石はエムね。これだけの専用機を相手に立ち向かえるのだから。しかし、彼らもたいしたことないわねぇ。もう少し頑張って欲しいのだけれど」

 

サングラス越しに目の前の戦闘を見ながら赤いドレスを身に纏う女性━スコールは呟く

 

「あら、イベントに参加しておいてその言いぐさはあんまりじゃないかしら?」

 

スコールの後ろから声がかけられる。その声の主は更識楯無だった

 

「IS『モスクワの深い霧(グストーイ・トウマン・モスクヴェ)』だったかしら?貴女の機体」

「それは前の名前よ。今は『霧の淑女(ミステリアス・レイディ)』と言うの」

「そう」

 

スコールは振り向く刹那ナイフを楯無へと投擲する。それを楯無はISを展開し、機体の武装で防ぐと同時にスコールを狙った

 

「マナーのなってない女は嫌われるわよ」

「あなたこそ、初対面の相手に失礼ではなくて?」

 

スコールは腕部を部分展開し、楯無の攻撃を受け止める

 

「『亡国企業』あなたたちの狙いを教えて貰うわよ」

「言うわけがないでしょ。せっかくいいシチュエーションができたのに」

「無理やりにでも聞かせてもらうわ」

「あら、そんなこと出来るかしら」

「無理でしょうね。これからは私たちの時間ですから」

 

謎の声が聞こえたとたん、スコールの両足が撃ち抜かれる

 

「ガッ……お前は!」

「会合ぶりですね。スコール・ミュゼルさん」

「羽衣錬ッ!」

 

片手で(ベレー帽を被った山猫っぽく)ガンプレイをしながら登場したのは錬だった。楯無はスコールを警戒しながら錬に銃口を向けていた

 

「ねえ、錬さん。私たちの時間とはどういうことかしら?」

「既に知っているでしょう?私たちの目的を。それが今から始まる、それだけのこと。ほら、あちらでも」

「?……なっ、どういうこと!?」

 

楯無が錬の指差す方、一夏たちがサイレント・ゼフィルスを操るマドカとの勝負の場所には普通では考えられないことが起きていた

 

 

 

少し時間は戻って、丁度錬が両足を撃ち抜いたころ

一夏たちはマドカと戦っていたが、マドカの戦闘技術は高く全員が苦戦していた。だが突然マドカが一機のISによって吹き飛ばされた

 

「零童…終夜。貴様ッ何のつもりだ!貴様らが今回の情報を流しただろう。まさか、私たちを裏切る気か!」

「裏切る気?俺らを切ろうとしたのはそっちだろうが。それはそうと、後ろに気を付けた方がいいぞ」

「ハッ、そんなことを聞いて私が素直に後ろを向くとでも?」

「忠告はしたぞ」

「『人よ神を繋ぎ止めよう(エヌマ・エリシュ)』」

「何っ!?ぐあっ……」

「サンキュー、エディ」

 

俺が英雄王でぶっ飛ばしたあとエディが自分の機体の宝具で織斑マドカを攻撃した。あんまり効いてなさそうだが

 

「男性操縦者ですの!?」

「一夏たち以外にいたんだ」

 

下からISを操縦しているエディへの驚きの声が聞こえてきた。だが、織斑から怒りの声が聞こえてきた

 

「おい終夜!情報を流したってどういうことだ!」

「そのままの意味だが?まぁ、正確に言うと俺じゃなく俺の仲間が流したんだがな」

「まさか……今ニュースでやってるテロも」

「ああ、お前の予想通り犯人は俺たちだ。それがどうかしたか?」

「許せねぇ……お前なんか男じゃねぇ!!」

「ちゃんとした男です」

「お前が返すのかよ」

 

エディにツッコミを入れつつ織斑を墜とす。そしてそれと同タイミングで海上近くの海に巨大な戦艦が一隻それより少し小さい戦艦が四隻浮上した。ここで、俺は作戦開始の合図である宣戦布告をすることにした

 

「聞け!我らは世界を見放した者たち(アウトサイダー)。我らの目的はただ一つ。この女尊男卑の世界を潰すことだ。それを阻もうとすれば叩き潰す。殺られる覚悟があるものだけ我らを攻撃すればいい。そのときは、後ろに控えるIS部隊で相手をしてやろう。こちらは男でも使えるISコアを完成させた。それがどういうことかわからん馬鹿でもあるまい?」

「なっ!?何故こんなに男性操縦者が」

「行くぞ!」

「了解」

 

 

 

「集合がかかりましたか……それでは、これから頑張って下さいね、更識楯無さん」

「待ちなさい!」

 

楯無は無理やりにでも止めようと特殊武装の水で捕まえようとするが、ぬらりくらりとかわされ、逃がしてしまった

 

 

 

『鈴、簪、ラウラ。一緒にいくぞ』

『ええ』

『うん』

『わかりました』

 

俺さ鈴たちに声をかけ、アウターヘブンへ向かっていると俺に付いていこうとする鈴に向かって織斑が声をかけた

 

「お、おい鈴!お前、何をしているのかわかってるのかよ」

「ええ、ちゃんとわかってるわよ」

「ならなんで」

「前にいったじゃない。終夜と一緒に居たいから。それだけよ」

 

教員のIS部隊などが止めに入るが容赦なく倒してアウターヘブンに乗り込み会場を後にする

 

 

 

「サタン、ゲーティア、アポカリファ。今から亡国企業を全て潰せ。迅速にな」

「「「仰せのままに」」」

「錬は篠ノ之束にコンタクトをとり、契約破棄及び敵対する旨を伝えろ。その他のメンバーは襲撃がないか警戒を怠るな。解散!」

 

アウターヘブンに乗り込んだ俺は即座に次の指示を飛ばす。この世界を変えるためではなく、ただ俺が楽しむために……そして、織斑一夏を否定するために

 

 

 

 

 

終夜たちが宣戦布告した日の午後は世界中が一つのことで持ちきりだった。新たなテロ組織が世界に宣戦布告をしたことではなく、男でも使用可能なISコア。この事実に世界中が震撼したのだ。さらに、それを裏付けるかのように約三十人の男性操縦者の存在が確認されている。各国のトップたちはそれに対する協議で慌ただしくなっていたが、ある専門家は

 

「おそらく各国はこの組織を止められないでしょう。二人目の操縦者だけがISを使うならまだしもテロ組織全員がISを所持している可能性だってある。ISが少ない国から狙われるとこちら側のISが少なくなり、次第に押されてしまう。篠ノ之博士がどちらの味方かわからない今、状況は向こうが有利とみていいでしょう」

 

といった意見を残していた

 

 

 

今日の騒動のため、キャノンボール・ファストが中止となり、俺たちは俺の部屋に集まっていた

 

「クソッ!終夜の野郎ッ」

「一夏さん、落ち着いて」

「そうだよ、一夏。今どうこうしたって何も出来ないんだから」

「……わかったよ。でもまさか終夜がテロ組織のリーダーだったなんて」

「だが、私はあいつらが世界を変えることが出来るとは思わないんだが」

「出来るわよ、残念だけどね」

 

一夏の部屋に楯無が入ってきて、そう告げた。おれはそれを詳しく聞くために楯無さんへ質問をした

 

「楯無さん。それはどういうことですか」

「終夜君には世界を変えることが出来るくらいの戦力を持っているということよ」

「そんな……」

「じゃあ、私たちは終夜君が世界を変えるのを見ることしか出来ないんですか?」

「いいえ。今終夜君たちアウトサイダーを倒すために各国が最高戦力を投入する準備をしているところなの。それが通用するかどうかは分からないけどね」

「俺も戦う。終夜のやることは間違ってる。そんなことをしなくても別の方法があるはずだ!」

「でも、今の一夏君じゃ彼らには勝てないわよ。これは競技ではなく戦争。殺すか殺されるかの二つよ。それでも戦うの?」

「ああ!」

「うん……今の一夏君、お姉さんは好きよ」

「え?」

「なっ!」

「まあ、そんなことはさておき。終夜君たちと戦うなら今よりもっと強くないと駄目よ。だから、明日からとっても厳しい訓練をするから、心構えをしっかりとね」

「分かりました!」

 

終夜……お前を俺が正す!それに、俺が皆を守るんだ!

 

 

 

 

 

 

「それはこの束さんに喧嘩を売ってると思っていいんだよね?」

「ええ、だからさっきいった言ったでしょう。『あなたごとき敵ではない』とね」

「ふん。だけどッ」

ガン!

「束さんは細胞単位でオーバースペ…ック………」

「なんだ、この程度ですか」

「ッ……はぁぁぁぁ!!!」

 

篠ノ之束は一瞬恐怖を感じながらも錬へと怒濤の攻撃を仕掛けていく。が、錬はそれを涼しい顔で片手だけで捌いていく。束が息を切らしたとわかったときに錬は帰る旨を伝える

 

「それでは、我が王の意思は伝えましたので」

「ま、まて……」

「それでは頑張って止めてみてください。天災さん?」

「……クソッ!あり得ないあり得ないあり得ない!!この束さんが負けるなんてあり得ない!!!!」

 

束は負けたことが信じられないと言わんばかりに周りにある自分の機械に当たっていた




ということで、終夜たちの計画がいよいよスタートです。ちょっとしっかりと考えてから出すので少し長くなってしまうかも知れませんが気長にお待ち下さい。
fgoの最新情報……ヤバすぎでしょ。驚くことしかできませんでしたよ!けど、石80個は嬉しいですね。これで水着イベが……
それではまた次回に!

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