インフィニットストラトス return of calamity (本編終了) 作:アルバロス
今日は一時間目を潰して全校集会がある。内容は今月の半ばにある文化祭についてだ。なので全校生徒が体育館に集まっているのだが、言ってしまうと悪いが、やはり百何人もの女子が集まるとうるさい。まぁ、男子が集まっても同じだとは思うが
「それでは、生徒会長から説明をさせていただきます」
説明が始まるのと通知されると、波が引くように静かになっていった。壇上に上がったのは初日にハニートラップかましてきた変態シスコンの楯無だ
「やぁみんな、おはよう。今年は色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶ができていなかったわね。私の名前は更識楯無。以後、よろしくね」
……まぁ、いたって普通だな。自己紹介は
「では、今月の大イベント、学園祭についてだけどいつもと違った特別ルールを導入するわ。その内容は……」
そういうと、楯無がいつもの扇子を取りだし、それが合図だと言わんばかりに楯無の後ろに空間投影ディスプレイが浮かび上がった
「名付けて、各部対抗織斑一夏争奪戦!!」
「え……ええ~~~!!!!」
「いつもは部活動対抗の催し物を出し、それに対して投票を行い上位の部活に特別援助金が部費とは別に出る仕組みでしたが今回は……一位の部活に織斑一夏を強制入部させましょう!!」
体育館の中は最初、驚きの声で一杯になったが、その後の楯無の言葉で周りから
「おっしゃぁぁぁ!やってやるわ!!」
「絶対に負けちゃ駄目よ!織斑君は私たちが貰う!」
「私たちは早速今日から準備よ!!え、大会がある?んなもん捨てて構わないわ!」
おい、最後。大会を捨てるのはダメだろ。今までの努力が無駄になったようなもんだぞ。いいのか、それで
「なんで終夜が入って無いんだよ……」
織斑の呟く声が聞こえたが、その答えは昨日の放課後にさかのぼる
「終夜くん、ちょっといい?」
「なんですか?シスコン会長」
「シスコンいうな!」
「携帯のフォルダが簪の顔で埋め尽くされてたら誰でもそう言うわ!」
「どこで知ったのよ、それ!」
「自分で考えてみな。それで、用は?」
「納得いかないけど……ここではあれだし、生徒会室にいきましょうか」
そうして、生徒会室にいくと、中にいたのは見知らぬ女子生徒、リボンの色からして三年か
「始めまして、楯無様のお付きをしています布仏虚といいます」
「どうも、零童終夜です」
「じゃあ、終夜くん。座って」
促された先は応接室によくある長机とソファだ。向かい側には楯無が座り、その後ろに虚さんが立っている
「終夜くん、どこかの部活に所属してみる気は?」
「一切無いな。めんどくさいから」
「じゃあ、生徒会に…「却下だ」なんでよ!?」
「放課後ぐらいゆっくりしたいんだよ」
「それは……何かの計画があるから?」
さっきまでのだらけた雰囲気ではなく、しっかりと力のある声……と、同時に二人の纏う空気も変わった。これは、あの件か
「さて、なんのことでしょうかね」
「惚けないで。裏の実力者が君の住む場所に集まってること、知ってるのよ?」
へぇ、もう知ってるのか……しかし学園内からわかるはずもないし、指示も出せるはずがない。出せたとしても俺近辺のこと。錬の行動は気づかれにくいはずだったが……注意人物が動くと流石に報告が入るか
「お姉さんはこの学園の安全を守らなきゃいけない。その為なら、愛しの簪ちゃんの彼氏である君でも倒さなきゃいけないの」
「俺がこの学園を危機に陥れると?」
「可能性の話よ」
「だから近くに置いて監視したいと」
「ッ!」
図星か。不意を突いたからか、珍しく呆けた顔が見れたな。うんうん
「ならば必要はありませんよ。鈴や簪のいるここをターゲットにするはずがないんですから。ああ、それと俺を学園祭の景品にしないでくださいね」
「え!?な、なんのことかしら?」
汗をタラタラ流しながらそっぽ向く楯無だが……
「机の上の書類が見えたんでね。もし、したら……」
「も、もししたら……どうするの?」
「簪に一ヶ月程無視して貰うよう頼みましょうか」
「イヤァァァァァァ!!お願い!!それだけは止めて!ホントにダメ!絶対にしないから!」
「ほぉ……絶対にですか」
「ホントだから!信じて!お願い!」
必死すぎるその表情に、ちょっと引いてしまったのは心の中に留めておこう。
「わかりましたよ。それじゃあ失礼します」
そして、俺は生徒会室をでて、真っ直ぐ自分の部屋に戻った
「…………」
「楯無様?」
「ねぇ、虚ちゃん。さっきの言葉、嘘だと思う?」
「先程の簪様のですか?」
「わざと言ってるわよね!?その前の話よ!」
「そっちですか。そうですね……私には嘘をついているようには見えませんでした」
「そう……終夜くん、貴方は一体何をしようとしてるの?」
俺の名前が無いということは、昨日のことをちゃんと守ってくれたようだ。流石シスコン、簪の名前をだしたらすぐだな
騒がしいまま、全校集会は終わり、ザワザワとなりながら皆、教室に戻っていった
放課後、いつもはそのまま帰れるのだが今教室ではクラスの出し物を決めるためにわいわい盛り上がっていたがその内容が
『織斑一夏のホストクラブ』『織斑一夏とポッキーゲーム』『織斑一夏とツイスター』『織斑一夏と王様ゲーム』と、織斑関係だらけだ。これには織斑も
「却下だ却下!誰が嬉しいんだこんなもの!」
と反論したが、即刻周りから
「織斑一夏は共有財産である!」
「女子を喜ばせる義務を全うせよ!」
「そーだそーだ!」
「他のクラスとか、先輩からも言われてるんだってば!」
と反論を返された。織斑先生がいないから、これを止めれるのは山田先生ぐらいだが、あの先生は……
「山田先生、だめですよね?こんな企画は」
「えっ、私に振るんですか!?えーと、そのー、私はポッキーとかがいいと思いますよ」
皆さんご存じのこの通り……大丈夫なの?この人。いい人ではあるんだけど……
「は~い。私は『零童終夜に甘えよう!』で!」
「ちょっと本音!?」
ちょっとまて、あの二人の差し金か?って地味に安堵すな織斑ァ!
「ならば、メイド喫茶ならどうだろう。メイド喫茶なら織斑もお兄様もメインにできる」
ラウラの提案に教室にいる全員が唖然とした。ドイツ軍人であるラウラからメイド喫茶という言葉がでると思ったのは誰もいないからだ。とかいう俺も驚いている。どっから知ったんだ?メイド喫茶ってこと……ば………まさか、神矢か?……クラスの反応はよく、結局メイド喫茶でいくことにし、メイドでは男子二名が当てはまらないのでご奉仕喫茶に名前を変え、決定した。
ということで、学園祭前の話です。はい
今回……話すことは特にないですね。
不夜城のキャスター(ネタバレ防止のため真名を隠させて貰います)の能力がこの作品ではとても合っているためキャスター枠は恐らくこのキャスターになると思います。
それでは、明日か週末に