インフィニットストラトス return of calamity (本編終了) 作:アルバロス
「一夏さん。もう休まれた方が……」
「まだだ、終夜に追い付くにはまだ……」
一夏はアリーナで既に疲れきっていながらも模擬戦を続けようとしていた。それも、合宿のときの終夜と錬の言葉が原因だった。そんな一夏をみて、箒たち三人は止めようとはするものの、その気迫に強く言い切ることが出来ずにいた
「シャル、もう一回……」
「待て、織斑。お前、身体を壊す気か?」
「お、織斑先生……」
まだ続けようとした一夏を制したのは姉である千冬だった
「篠ノ之、オルコット、デュノア。お前たちは帰っていい。私はこいつと話すことがある」
「わ、わかりました。一夏、後でね」
「一夏さん。その…ゆっくり休むことも大切ですわよ」
「そうだぞ一夏。身体を壊しては元も子もない」
箒たちは一夏に一言いってから寮へ帰っていった
「織斑、着替えたら職員室へこい」
「わかりました……」
着替えた一夏は千冬に言われた通り職員室へ来ていた
「失礼します」
「む……織斑、あそこの中にいてくれ」
千冬が指差したのは生徒指導室。人があまり近寄らない場所である。千冬が軽く仕事をしているのが見えたため一夏は言われた通り生徒指導室内で待っていた。数分たち千冬が入ってきた
「一夏、なぜあんな無茶なことをしている?」
「それは……」
「福音のときの羽衣錬というやつの言葉か?」
「ああ」
お前は皆を守れていない、努力すらしていない、ぜんぜん強くない……ここまで言われて頭に来ないやつはいないだろう。だが機体の差というのもあるが、終夜は一夏が二人がかりで戦った福音を一人で倒した。その事実は一夏からすれば錬の言葉を肯定するようなものだった
「皆を守るためにも、終夜より強くなりたいんだよ。あんなやつに負けないくらい、強く!」
「………一夏、その言葉に嘘はないな?」
「ああ!だけどなんでそんな事を聞くんだ?千冬姉」
「私がお前を鍛えてやる」
「ホントか!千冬姉」
「ただし、一切弱音を吐くな。お前が望んだんだ、いいな?」
「わかった!」
「ならさっさと部屋へ帰って休め。幸い明後日は土曜日だ、明日は模擬戦をやるな。土日は私がみっちりと鍛えてやる。平日の放課後は山田先生やデュノアに勉強を教えてもらえ」
「はい!」
端からみてもヤバいメニューに一夏も内心ゲッとなりかけたが、終夜を越えるためにしっかりとした返事をした
土曜日のアリーナでは一夏への怒号が飛んでいた
「大振りの攻撃が多い!そんなの隙を晒しているようなものだ!」
近接は千冬が、遠距離からの攻撃に関しては(無理矢理連れてこられた)山田先生やセシリアが担当していた。訓練開始時は千冬からの注意の声が止まることがなかったが時間が経つにつれ、その量も(僅かにだが)減ってきていた。
「よし、今日はここまで!」
「ハァハァ……」
「織斑、明日の朝に走り込みを行うのを覚えておけ」
「わ……わかりました」
一夏は想像以上のキツさでヘロヘロになっていたが、手応えも感じていた
「強くなってる手応えはある。この調子なら……」
日曜日もアリーナにて一夏は千冬の地獄のメニューをこなしていた
「馬鹿者!銃相手に距離をとったら相手の独壇場だといっただろう!」
「一夏さん。申し訳ありませんが、これで終わりですわ!」
「クッ!……」
『あなたは何故力を欲するのですか?』
「なんだ?……うわっ!」
謎の声が聞こえた途端、一夏は白式の光に包まれた。そして光が収まり、目を開けると目の前に海が広がる砂浜の上に立っていた。
「ここは……」
「何のために……力を?」
ここがどこなのか戸惑っているとと、後ろから声が聞こえた。振り向くと真っ白の甲冑を纏った女性がたっていた。一夏は先程の問いがこの女性からのものだと思い、その答えを話した
「……守るためだ。友達を、いや仲間を」
「仲間を……」
「ああ、世の中って腕力以外でも戦わないといけないことがあるだろ?そんなときの不条理から俺は皆を守りたいと思う」
「そう……ですか。なら私も力を貸しましょう。それと……もう一人の男に気をつけて」
「?それはどういう……」
答えを聞く前にまた目の前が光に包まれた
「……か………一夏!」
「ハッ!」
「織斑!大丈夫か!?」
「あ、ああ……!…これって」
「ああ、恐らく
「「は、はい!」」
この
えー、白式のセカンドシフトをどこでしようか迷った末ここの話しでさせることにしました。ちなみに箒のワンオフはまだ発動していないので判明しておりません。
さて、この後どうなっていくのやら……