インフィニットストラトス return of calamity (本編終了)   作:アルバロス

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第十六話

「よし……それでは各班ごとに割り振られた装備試験を行うように。専用機持ちは専用パーツのテストだ。それぞれ、迅速に行うように」

 

臨海合宿二日目は昨日のような遊べる時間はなく、とにかく専用機を持ってないものは班で汎用ISを簡単に言えば乗りまくる。専用機持ちは国から送られてくるパーツのテストをし、結果を国へ提出すると鈴から聞いた。なので俺たちは離れた場所に移動したのだが、なぜか篠ノ之もこちらへきていた。専用機を持ってないのになぜだ?と鈴も同じことを考えていたのか織斑先生へ質問していた

 

「織斑先生、なぜ箒はこっちにいるんですか?」

「ああ……それはだな」

「ちぃ~ちゃぁぁぁん」

 

……俺たちのいる少し先の崖から馬で崖を駆け降りた義経真っ青になること間違いなしの生身でワンピース姿の女性が走ってきた。織斑先生以外はほぼ唖然としており、織斑先生は悩みの種がきたと言わんばかりの素振りをみせ、篠ノ之はなぜか隠れた

 

「おい、束……」

「やあやあ!会いたかったよ、ちーちゃん。さぁ、愛を確かめるためにハグハグッ」

 

アイアンクロー……って、顔面めり込んでるが大丈夫か?……でも、崖を駆け降りるくらいだし大丈夫か……と今度は篠ノ之の方へと向かった。

 

「やぁ!!」

「ど……どうも」

「久し振りだねぇ。こうして会うのは何年ぶりかなぁ……おっきくなったね、箒ちゃん。とくに……おっぱいが…ゲプッ!」

 

最後の言葉を発したとたん、悪即斬と言わんばかりに篠ノ之がぶん殴った。まぁ、あれについては仕方ないだろう……誰だってそうするだろうな。って、ん?……ちーちゃん、箒ちゃん……そして最初の織斑先生の言葉から察すると、この人が篠ノ之束か

 

「束、自己紹介くらいしろ。うちの生徒が困ってる」

「えぇ……ハァイ、私が篠ノ之束さんだよ~。はい終わり!」

 

ずいぶんと雑な自己………はぁ

タタッ

 

「死ねぇい!」

「お前が死ね、エディ。ってかその左手のアイスはなんだ」

「すぐそこで買った」

 

現状を説明すると、俺の知り合いが右手に剣を左手にアイスを持ちながら斬りかかってきた。なので俺は刀で受け止めている

 

「それで、何のようだ。いつも通りに殺し合うためだけにきたんじゃないだろう?」

「ああ、錬からの届けもんだ。頼まれた通りの追加システムだと……それじゃあ」

prprpr

「「んん?」」

 

この音楽は確か………

 

「なんだ?エレナ」

『マスターが呼んでるわよ。素材集めするって』

「ん、わかった。マスターにすぐ戻るって伝えておいて」

『よくってよ。じゃあ、待ってるわね』

ブツッ……

「ってことで帰るわ、んじゃな」

 

嵐かあいつは……でも素材集めか、御愁傷様

ズズーン

 

「おおう!?」

 

びびったぁ……なんだいきなり

 

「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃんの専用機、名を赤椿。全スペックが一台を除き現行ISを上回る束さんお手製だよ!」

「一台を除き?束、その一台はなんだ」

「んー?それはね~そこの終夜君のISなのだ。なんで彼のを除いてるかっていわれると、まずデータがないからだよ」

「データがない?」

「ああ……紙の資料でやってたからだな。確か一切データに置き換えてはなかったような……」

「それより、箒ちゃん。今からフィッティングとパーソナライズを始めようか。私がやるからすぐに終わるよ!」

 

というと、ものすごい早さでデータを整理していく。なかなかのタイピング速度……いいセンスだ

 

「それじゃあ次は刀を使ってみようか。右が雨月で左が空裂ね」

 

武器の特性もスラスラと話していく束博士だが……三次元での勝負に剣から飛ばすエネルギー刃ははっきり言ってムダだと思うんだが、俺だけか?

 

「お、お、織斑先生。大変です!!」

「どうした、山田先生」

「こ、これを……」

 

山田先生から渡された端末を見て、顔色を変える先生……

 

「IS稼働試験は中止、今すぐ旅館へと戻り自室にて待機!専用機持ちは私とこい」

「「はい!!」」

 

 

 

 

大座敷に集められた俺たちは空中投影ディスプレイで説明を受けていた

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型のIS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が暴走。制御下を離れ監視空域から離脱したとの連絡が入った。その後の追跡の結果、福音は二キロ先の空域を通過することがわかった。五十分後、我々がこの事態を対処することとなった。それでは作戦会議を始める。意見があるものは挙手するように」

「はい、目標ISのスペックデータを要求します」

「わかった。だがけっして口外するな。情報が漏洩した場合、査問委員会による裁判と最低二年の監視がつけられる」

「わかりました」

 

オルコットからの要求で皆、福音のスペックデータをみながら相談を始めていた。

 

「教官、偵察は行えないのですか」

「無理だな……この機体は今も超音速飛行を続けている。アプローチは一回きりが限界だ」

 

非常時だからか、教官の部分には触れずラウラの問いに答えていた

 

「一度きりのチャンス……ということはやはり、一撃必殺の攻撃力をもった機体で当たるしかありませんね」

 

………は?アプローチは一回が限界だろうがなんでわざわざこっちが向かう前提で話をしてるんだ?少し離れた場所で防衛線を張れば済むんじゃないかといいたいが、既に織斑に攻撃を任せ、誰が福音まで連れていくかの問題になっていた

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺がいくのか!?」

「「「当然!」」」

「織斑、これは訓練ではない、実戦だ。覚悟がないのなら無理強いはしない」

 

織斑は一瞬こちらをみたあと

 

「やります。俺が、やってみせます」

 

と答えた。俺は一切できるとは思ってないが。

 

「オルコット、超音速下での戦闘訓練時間は?」

「二十時間です」

 

って、話が進んでいたし……それと、この訓練時間って長いのか?短いのか?そこらはようわからんが……

 

「ふむ……ならばてきに」

「ちょっとまったぁ!!ちーちゃん、ちーちゃん。ここは断然、赤椿の出番なんだよ!」

「何?」

「ほら、この展開装甲をちょちょっと弄ると……ほら、パッケージがなくてもスピードはバッチリ!」

 

まるで俺の聖杯だな。俺の場合は全部が変わるからそこに関しては少し違うか……

 

「束、赤椿の調整にはどれだけかかる?」

「お、織斑先生!?」

 

オルコットは自分が出撃すると思っていたようで織斑先生の言葉に動揺していた

 

「わたくしとブルー・ティアーズなら必ず成功させて見せますわ」

「そのパッケージは量子変換してあるのか?」

「それは……まだですが」

「ちなみに赤椿の調整には七分あれば余裕だよ」

「よし、では本作戦は織斑、篠ノ之両名による目標の追撃及び撃墜を目的とする。作戦開始は三十分後。各員、準備にかかれ」

 

各々動き出したとき、俺は少し人目のつかないところに移動した

 

「錬、いるな?」

「ここに……それで、ご命令は」

「俺になってここにいろ。解くタイミングは………」

 

それでは、高みの見物をさせてもらおうか……正義のヒーロー




ふぅ、………………えーと、連続投稿するのでここの後書きはカットで

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