アティスマータ新王国にフィルフィを探しにやってきた龍姫と星龍の目に飛び込んできたのは燃え盛る炎と魔物の群れと戦う装甲機竜の部隊だったのである。
二人はインテリジェントデバイスに入った知らせ通りにリーシャを助けに向かったのである。
そう五年前の悲劇を繰り返さないために。
「この世界に来るのは初めてだけど、なんでこんなことに‼」
剣崎一真が龍姫と星龍の後を追ってアティスマータ新王国にやってきたのだが目の前に広がる光景に驚きながらも愛車のブルースペイダーに跨り龍姫と星龍が飛んで行ったであろう方角へ走らせたのである。
そう少年時代に燃え盛る炎に呑まれて死んでいった両親の様にはさせまいと。
「見つけた‼」
「おまえ‼ 確か‼」
「すいません、お話をしたいのは山々なんですが、安全な場所へお送りします。『こちら、テレサ。至急、要救助者の転送をします。よろしいですか?』」
『こちら、フラクシナス、転送許可承認!』
「ちょっと待て‼」
「これで、後はラグリードを逮捕するだけ」
「急ぐよ‼」
この戦いは仕組まれた物だと言うことは龍姫と星龍は気付いていたがそれを敢て逆手にとって相手が油断する口実を与えるためで救助者になっていたリーシャであろう小柄な金髪赤眼の少女と一緒に囚われていた少女もフラクシナスへ転送許可を得た後、転送して、フラクシナスを通じて天界から送られた資料に基づいてこの戦いを仕組んだ主犯格である「ラグリード・フォルス」、そう五年前の事件もこの男の仕業でその際にフィルフィに濡れ衣を着せようとしたが11歳の龍姫と星龍に阻止されてどういう経緯なのか時空管理局と闇取り引きをして罪を隠蔽したのであった。
つまり龍姫と星龍の因縁の相手でもある。
そして因縁の相手が待つ空へ二人はバリアジャケットで飛び立ったのであった。
「ぐぉおおお‼」
「キリがない‼(セリス先輩さえいてくれたら‼)」
「天光満るところに我はあり、黄泉の門開く処に汝在り、出でよ‼ 神の雷‼ インディグネイション‼」
「え‼」
「ルクス。此処から先はわたし達が行く」
「だから(フィルフィ、お願い)」
「誰だかわからないけど、二人だけじゃ無茶だ‼」
先に戦闘を行っていたルクス達はあまりの反乱軍と魔物達の数に百戦錬磨のルクスでも悪戦苦闘を強いられており、龍姫と星龍は二人同時の上級魔術を詠唱し、一掃した後、ラグリードを逮捕するべくバリアジャケットで空を翔けたのである。
この時、龍姫と星龍は色違いの龍の仮面を被っているので顔を見られることがなかったのでルクスは二人と顔見知りであることに気付かなかったが、側にいたフィルフィは気が付いていたのであった。
「あはっははは(*^^*)‼」
「魔神剣」
「‼ 誰だ‼」
「ラグリード、はしゃぎすぎたな。そろそろ舞台から降りてくれもらいたいんだけど? 」
龍姫&星龍「さぁ。おまえの罪を数えろ‼」
「そんな貧弱な・・・」
「カチッ‼」
「え? 嘘だろ‼ お願いだ‼ そうだ金が欲しいならいくらほしい!? あああ‼ 死にたくない‼ 死にたくない‼」
「おまえはその言葉を今まで何度聞いて来た?」
「ラグリード、殺人並びにテロ行為で現行犯逮捕!」
ラグリードは高をくくって優越感に浸っていたのであった。
そこに龍姫と星龍は斬撃を放ってジト目で見て、ラグリードは二人の放つ気に負けたのか命乞いをし始め泣き出し、そして龍姫と星龍はラグリードを現行犯逮捕して送還したのであった。