弥生は並行世界の自分である、箒との絆を深めていた頃、天夏はこの世界の自分である一夏に説教をしていたのである。
「おまえは此処が女が大半を占める学校って言う認識はあるのか?」
「それがどうしたんだよ」
「女子と同室ってことになる可能性が高いってことを覚えて置け‼」
「なんで男同士にしてくれなかったんだ?」
「幼馴染だからだろ?(こっちのオレはどうやらあいつの抱えている闇に気づいてやれなかったのは一緒か、オレがあの時、助けられたか? 違うな、あの出来事があったから今のオレがいるんだしな)」
「終わった?」
天夏は掛けていた伊達眼鏡を外しているのだが一夏が鈍感なためと髪が腰まで伸ばしているので並行世界の自分と気づかれなかったのである。
大方説教し終わった所で弥生の声がノックと一緒に聞こえてきたので、
「いいぞ。じゃあな、また明日な」
「はぁ~」
「お疲れ。どっちが先に入る?」
「弥生からでいいよ。それにそっちはこっちよりうまくいってるみたいだな」
「うん‼」
一夏を元の部屋へ帰して弥生に入って来るように言い、弥生が入って来てどちらが先にシャワーを使うのかと聞いていたので天夏は弥生が先に使うように言って、弥生と箒の関係がいい方向に進んでいることを喜んでいたのである。
一方で、
「アイズさん。調子の方はどうです?」
「今のところは少し動かす際に軽く痛みがあるぐらい」
「あまり無理をすると入院期間が伸びますよ」
天界の病院で入院中のアイズはウダイオスの一閃で急所以外すべて骨折という大怪我をしたのだが、天界の医療技術の高さも相まって今は両手足のギプスが取れれば完治する状態まで回復したのだが、まだ動くと痺れが走るらしいが順調に回復に向かっているのだが怪我と治療の副作用なのか胸が大きくなったとアイズが述べていたのは言うまでもない。
視力は問題ないようで、看護師さんには評判がいいようであった。
一方で、
「どこ? フィルフィ」
『マスター‼ 大変です‼ リーシャさんが』
「まさか‼ そこにフィルフィが‼」
「行こう‼」
龍姫&星龍「セットアップ!」
アティスマータ新王国にフィルフィを探しにやってきた龍姫と星龍の目の前に広がったのは燃え盛る炎で焼かれている城下町と上空を飛び交う装甲機竜と魔物の群れだったのである。
フィルフィの嘘はこの戦いに友である龍姫達を巻き込ませないためだと察した龍姫と星龍だったが二人のインテリジェントデバイスにリーシャが捕まったことを知らされて脳裏に五年前のことが過ぎり二人はインテリジェントデバイスを掲げてバリアジャケットと神姫化して空を翔けるのであった。