ナオミが神楽堂入りが決まって恋龍に家まで送ってもらっている頃アラマキ島に転移してしまった相川始は第一茶熊学園前に辿り着いたのであった。
「まさか、こんなところに学校が在るとは」
「バイパーだ。おまえは誰だ?」
「仮面ライダーだ」
「一真もだが、オレもだ。オレが知りたいのは人としての名だ」
「日本語は通じるならよかった。オレは相川始、剣崎の友だ」
「その様子だと、何か訳ありの様だな、ここで立ち話もなんだ、ついて来い」
「(見た所、剣崎と歳が変わらないのになんで高校生の制服を着てるんだ?)」
まさか異世界の島に学校が建設されているとは思ってなかった相川始は校舎前の広場に建てられているアカデミックドレスを着ている熊の銅像を見て驚いていたところにこの世界の仮面ライダー王蛇である銀髪の上半身を露出させているバイパー・ナイトアダーに声を掛けられて咄嗟に仮面ライダーと話すとバイパーがふくらはぎのポーチから紫色の長方形に金色のコブラの絵柄のカードデッキを見せて自身も仮面ライダーと明かすと相川始と名乗り、バイパーに言われるがまま第一茶熊学園の中に入って行ったのであった。
「どうぞ、入ってください‼」
「失礼する」
「失礼します。‼ ベアーアンデッドか‼」
「勘違いしているようですね。わたしは正真正銘の熊のカムイと申します」
「すまなかった。まさか熊がしゃべるとは思ってなかったので(橘だったら確実に変身してるか怒ってるな。睦月は大丈夫だろ)」
「どうぞ。そこに掛けてください」
バイパーに案内されてやってきたのは学長室でバイパーが扉をノックして中から入って来るように言われたので入ったのであった。
入った瞬間、相川始は学長が熊だったために人ならざる者の証であるジョーカーラウザーを出現させてハート・カテゴリーA「チェンジ・マンティス」を構えたのだがカムイが止めて事なきを得てほっとしてソファーに座って話すことになったのであった。
「では、この第一茶熊学園の学長のカムイです」
「相川始です。先ほどはどうもすいませんでした」
「慣れてますよ。仮面ライダーさん」
「聞きたいことが、剣崎一真を知っていますか?」
「おや? 剣崎さんのお知り合いでしたか。剣崎さんはここの生徒として在籍しているんですよ」
「剣崎が学生として? 講師とかではなく?」
「ここでは講師兼生徒として籍を置くことになっている。どうやら入れ違いだ」
「いいんだ」
「ジョーカーとしての闘争本能が暴走することを恐れているようですね」
「何故、そのことを‼」
カムイは先ほどのことを気にするほどではなく何事もなかったかのように自己紹介をして相川始からの質問に剣崎一真が学生として第一茶熊学園に在籍していると明かすと聞き直したがバイパーが説明して剣崎一真が先ほど寮に戻ったことを教えると会わなくていいんだと言いカムイはそれがジョーカーアンデッドの闘争本能が暴走することを恐れていることを見抜いたのであった。