『完結』家族ができるよ! やったねモモンガ様!   作:万歳!

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今年も残すところあとわずかですがお付き合いください!


第8話

 カジット・デイル・バダンテールは充実した生活を送っていた。現在はプレイヤーに捕まり何をされるか恐怖があり疑問があったが。その疑問も解決していた。

 

 彼らは極力、自らの姿を隠そうとしているのだろう。だからこそ自分のような裏に生きている者を捕まえて、武器などの売買に利用しているのだ。恐らく自分達に匹敵するであろう法国や竜王を危険視、警戒して。あるいは同じぷれいやーを警戒しているのかもしれない。

 

 真実は分からないがカジットには構わなかった。

 

 そう、今の自分は商人のような物である。ここで働きを見せれば母親を蘇生してくれると聞いている以上やる気も上がるという物だ。

 

「ではこのアイテムは500金貨で買わせて頂きます」

 

「……ふむ、よかろう。交渉成立じゃな」

 

 相手の商人と目を合わせ握手をする。これで本日の売買は終了した。メッセージの魔法を唱えてパンドラズ・アクターにつなぐ。

 

 メッセージが危険なものと分かっているが、プレイヤーたちは有用性を優先しているので自分も同じようにしている。

 

『パンドラズ・アクター様、本日の売買が終了いたしました』

 

『おお、了解いたしました、早速ゲートを開きましょう』

 

 その言葉は偽りではなく、すぐに転移門が開かれた。恐らく8位階以上の魔法なのだろう。こんな魔法を使える相手と親しくできる幸運に感謝している。

 

 カルネ村に帰ってくるとそこには普段いないパンドラズ・アクターの姿があった。もう一人メイド服を着て頭が犬の存在もいる。どういうことだろうか?

 

「カジット殿、貴方は大変多くの手柄を立てました。その褒美として母親を蘇生させましょう。メイド長お願いします」

 

「――感謝致します。パンドラズ・アクター様」

 

 疑問は氷解した。遂に自分の母親と再会ができるのだ。問題は遺体がこの場に無い事だが……。その事を言うと、疑問に答えてくれた。

 

「私の知る限り最高位の蘇生魔法であれば、魂に蘇生魔法をかけます。そのため離れていても蘇生可能なはずです。できなければ遺体を取りに行けばいいだけです。ではメイド長最高位の蘇生魔法をお願いします」

 

「畏まりました、わん」

 

 そして蘇生魔法が行使された。そして、目の前には裸の……そう、自分よりも若い女性が倒れていた。母さんだ。間違いない。

 

「母さん!」

 

「――えっ何私裸えっここはどこ!? あなたは誰!? きゃー!!」

 

 まずい母は混乱している。まずは服を着させなければだが自分は母親の洋服を用意していない。どうすればいいかパンドラズ・アクターに目を向ける。

 

 そうするとパンドラズ・アクターが虚空に手を伸ばし服を取り出した。

 

「奥様、混乱されているとは思いますが、まずはこちらをお着になってください」

 

「あっありがとうございます」

 

 母はそう言うと即座に服を受け取り、着替えだした。一先ず周りにいるのは自分とパンドラズ・アクターとメイド長だけで良かった。

 

 他の男がいた場合自分はその男を殺さなければならなかっただろうから。

 

 そして母が服を着おわるのを待って、から話し合いが再開される。

 

「母さん、僕だよカジットだよ!」

 

「……あなたは誰ですか? カジットはまだ子どもなのよ。あなたのような大人な訳ないじゃない。待って、ここはどこなの! カジットは無事なの!?」

 

 駄目だ信じてもらえない。何とかしなければならない。自分がカジットであると認めてもらわなければならない。

 

 そこに横からパンドラズ・アクターの助けが入る。

 

「奥様とりあえず、混乱されているようですが、そこにいるのは間違いなくカジットです。カジット殿、家族の思い出を、お母様しか知らないこと等をお話しください。それで信じて頂けるはずです」

 

 そしてカジットは必死に自分が彼女の子どもであることを過去の思い出をほじくり返すように思い出しながら必死に話す。

 

 そして母は驚愕の表情を浮かべている。家族等だけの思い出を語った時など、目が零れんばかりに瞳が見引かれた。

 

「本当に、カジットなの? 私が死んでそんなに月日が経過したの?」

 

「信じてくれ、母さん。僕は間違いなくカジットだよ!」

 

 まだ本当か嘘かが判断に分かれている表情だ。だが先程よりも自分が彼女の息子であることを信じてくれているようだ。

 

 あと一押しが必要だろう。

 

「母さんが死んだ後、僕は必死に母さんを蘇生させようと考えたんだ。だけど、できなかった。母さんの難度じゃ、死体は灰に代わるだけだから、だから必死に生きて従属神様の力を借りて、母さんを蘇生して貰ったんだ」

 

 母は頷く。そして自分をよく見る。その瞳から目を逸らすことは出来ない。

 

「確かにカジットの面影があるわ……あなたは今までどうやって生きてきたの? ガジット」

 

 そしてその言葉に自分の罪を告白する。母さんを蘇生するためにしてきた悪いことすべてを、、そして。こう言った。

 

「ごめんね! ごめんね! 私が死んだからあなたは罪を重ねてしまったのね、本当にごめんなさい」

 

 泣きながら母が自分に抱き着いて来る。自分の瞳からも涙が溢れていた。

 

 そして気づかなかったがそれをパンドラズ・アクターは興味深そうに見ていた。

 

 

★ ★ ★

 

 法国では最高位の神官たちが集まり、議論を行っていた。すなわち、漆黒聖典とその護衛対象であるカイレを殺した存在に対してである。

 

「これは間違いなく100年の揺り返しとみて間違いないだろう」

 

 特別に漆黒聖典から隊長である自分が最高会議に出席していた。自分が見てきたことを報告するために。できる限り自分が思い出せることを丁寧に話す。彼らは目上の者であり、尊敬すべき人たちであるからだ。人間を……人間の国を守るために全力を尽くしている人たちだからだ。

 

 突然だった招かれざる客が登場したのは。何らかの門が現れ、誰かが出てきた。それはクレマンティーヌと二重の影(ドッペルゲンガー)だった。

 

 クレマンティーヌはあざ笑うかのようにこちらを見ている。まるで全てが終わってしまっているかのように。

 

「お初にお目にかかります。私、パンドラズ・アクターと申します。今あなた達が相談しているプレイヤーのNPCです」

 

 従属神! これは自分では勝てない。恐らく番外席次、アンティリーネ・ヘラン・フーシェでしか相手にならないだろう。自分では右手に持つ武器を使えば刺し違えれるかどうかであろう。勝ち目はない。

 

(彼女に連絡を取らなければ)

 

 だがその方法がない。目の前の存在はこちらを警戒している。こちらというよりも武器だろうか。一挙手一投足を警戒されているのが、目に見えて分かる。

 

「我が主はとても理性的であり、人間とも融和的に生活したいと考えております。行き違いもあり互いに殺し合いをしましたが、一時休戦と行きませんか? お互いに話だけでもしましょう?」

 

「……ひとまずお話を伺わせてください」

 

 神官長が恐怖を必死に押し隠して。目の前に急に表れたパンドラズ・アクターと会話する。何かあった時即座に間に割って入れるように準備する。自分では勝てないだろうが。みすみす護衛対象を殺されるのは一回で十分である。

 

「まず、我が主は人間を愛しておられる。現地の者と結婚もしており、この世界の人間を守る事は積極的に力をお貸しするでしょう」

 

 それは良い情報だ。だがではあのアンデッドは何だったのだろうか。あのヴァンパイアからは人間を軽視するような感情しか見えなかった気がするが。

 

「たしかに、あなたたちが戦ったヴァンパイアは人間から見れば危険な思想の持主でしょう。ですが我が主が目をひからせておられる限り、あなた達が想定しているであろう、プレイヤーとNPCを同時に相手取る最悪の可能性は避けれるでしょう」

 

 なるほど。ぷれいやー様は人間よりということか。それならばこのまま同盟関係に進むことも難しくはないかもしれない。

 

 実際神官長たちも目に見えて安堵のため息をついている。

 

「あなたたちがどれほど努力して人間の世界を守ろうとしたかは、捕らえた陽光聖典のものたちからある程度聞いております」

 

 なるほど。陽光聖典の者たちを捕らえたのも彼らだったのか。情報戦ではすでに負けている。これは軍門に下るべきかもしれない。尤もその判断をするのは神官長たちだが。

 

「ですが犠牲なく、あなたたちと同盟を結ぶのは困難です」

 

「何故ですか!? 我々は人間を守ろうとなさって下さるぷれいやー様と事を構えるつもりはありません!」

 

 その言葉に、クレマンティーヌがあざ笑うかのようにこちらを見下す……。そしてパンドラズ・アクターは大振りな動作を伴いながら発言をした。

 

「ええ! そうでしょうとも! ですが、一歩遅かったのですもはや犠牲なくあなた方と仲良く同盟を結ぶことは困難です」

 

 なぜだ。なぜ、ぷれいやー様は人間よりなのに、同盟を結ぶことが困難なのかが分からない。

 

「理由は単純です。我が主は婚姻を現地の者としています。そう、あなた達が襲ったカルネ村の者と」

 

 背筋が凍った。我々は仕方ないからその手段を選んだ。犠牲が出ることも容認した。しかしそのせいで同盟を結ぶことが困難になるとは……。

 

「さらに言えば、あの地には我が主が亡くされた母君に似た人物がいます。全てを擲ってでも守りたいと思う母君に類似した人物が!」

 

 冷汗が噴き出る。この男から情報を聞くたびに、新たな情報でめまいを覚える。それはどうやら自分だけでなく神官長たちも同じらしい。いや、自分より彼らの方が眩暈はひどいかもしれない。最悪が重なっているのだから。その中から最善を選び取らなければならないのだから。

 

「我が主は人間の発する輝きを愛しています。故に出会い方が異なれば、そのままあなたたちと同盟を結ぶことも可能でした。残念ながらその可能性は既に絶たれましたが」

 

 その言葉に神官長たちが意気消沈している。それをクレマンティーヌが嘲笑っている。パンドラズ・アクターがいなければ何もできないくせにと思ってしまう。

 

 だが分かっている。万が一自分が彼女を襲ったとしてもパンドラズ・アクターに容易に制圧されるだろうと。そして彼を殺すこともできない。万が一彼を殺せば、ぷれいやー様に繋がる唯一の筋道が消える。つまり右手にある槍は使えない。

 

「何とか翻意させることは出来ませんか? 我々は人間の世界を守るためなら何でも致します」

 

「そうですね、例えばですが、現政権にいる者たちの何割かが私欲におぼれて、カルネ村を襲った。そしてそのものが殺され謝罪に来るのであれば、充分見込みはあるかと。しかしあなたたちにその選択ができますか?」

 

 ……それは。確かにそれをすればぷれいやー様と関係を構築できるかもしれない。だが、彼らは国のため人間のために生きてきた存在だ。そんな彼らにそんな汚名を着ろというのか。

 

 だが、自分の考える余地はなかった。その言葉に神官長たちが目配せをしている。そして何人かが頷いた。それは年がいっているものが多かった。

 

「――畏まりました。その提案、我々は受託させて頂きます」

 

「ありがとうございます。いや、あなた方が納得してくれて感謝致します。我が主はカルネ村と吸血鬼の件であなた達にお怒りだったのです。私が翻意を願ったからこそ、改めてくれましたが、そうでなければあなたたちは皆殺しにあっていたでしょう」

 

 背筋が凍る。自分達はぷれいやー様の逆鱗を既に踏んづけていたのだ。それをパンドラズ・アクターのおかげで回避できた。しかし何故、彼は翻意させるように動いてくれたのかが分からない。

 

「何か、言いたそうですね? どうぞこの機会にお互いの思うところを話しておきましょう、漆黒聖典の隊長殿」

 

「――発言の機会をいただき、感謝いたします。パンドラズ・アクター様。何故、パンドラズ・アクター様はぷれいやー様の思いを翻意させてくれたのでしょうか?」

 

 神官長たちも疑問だったのだろう頷いている。自分が質問しなくとも誰かが質問したかもしれない。そう考えながら返事が返るのを待つ。

 

「答えは簡単です。我が主が人間を愛しているからです。だからこそ人間を殺す手段は出来る限り避けさせようと私は行動しているのです」

 

 人間を愛している……非常に遺憾だ。自分たちがヴァンパイアに先制攻撃しなければ、陽光聖典がカルネ村を襲わなければと夢想してしまう。

 

 そして……破局は訪れた。番外席次がアンティリーネ・ヘラン・フーシェがここに入ってきた。

 

「あなたは私より強いの? 敗北を知らせて」

 

「これはこれは。あなたが法国の切り札ですか……良いでしょう格の違いという物を見せてあげましょう」

 

 急いで神官長たちを避難させる。そして激闘が始まった。クレマンティーヌもこちらに避難してきている。巻き込まれるのを恐れたからだろう。

 

 話しかけたいが、どう話せばいいのかが分からない。彼女は親に虐待を受けて兄と比較され続けていた。それが原因で法国に反旗を翻した人物だ。漆黒聖典としては討伐対象になるが個人的には戦いたくない。いやそれ以上に彼女に手を出せば法国は終わるかもしれない。でなければわざわざ彼女をこの場に連れてくるわけがない。

 

 そして激闘が終わる。片方は膝をついている。そう番外席次、アンティリーネ・ヘラン・フーシェが。そしてそれをまるで当然のようにパンドラズ・アクターが見下している。

 

 あの番外席次が負けた。だがこれで良かったのかもしれない。殺されていない。それだけで僥倖だ。逆に殺してしまった場合どうなったかが分からない。だからこれでいいのだ。

 

 そして番外席次をパンドラズ・アクターは気絶させた。

 

「では話の続きと行きましょう」

 

 自分が番外席次を抱えて、話が続行される。神官長たちも元の席に大人しくついている。ただし先程までとは違う。パンドラズ・アクターに畏怖の目を見せている。番外席次を気絶させたからだろう。彼女が負けるなんてありえないと誰もが思っていた。しかしそんな彼女を気絶までさせてみた。ありえないことだ。

 

 それほどまでに彼は強いのだ。下手に弱ければ我々も思い切った妥協は出来なかっただろう。だからこれでいいのだ。

 

「ではまずあなた達法国には、我々に恭順するという意志表明のために、男の子は女の子の格好を女の子は男の子の格好を結婚か成人するまでさせてください」

 

「――はっ? 申し訳ありません。それは一体どういうことですか」

 

 いや本当にどういうことなのだ。自分は思わず困惑してしまう。いや、自分だけではない。この場にいるクレマンティーヌ以外が頭に?を浮かべている。

 

「これは帝国にも命令した事なのですが――」

 

 なるほど、帝国は既に軍門に下っているのか……。条件を呑んだのか? 呑んだんだろうな。

 

「我々はアインズ・ウール・ゴウンという組織です。そしてぷれいやーは41人存在しています。そのうちの一神であるぶくぶく茶釜様が定められたことです。曰く、子どもを異性装させることにより災厄から守るとの意志からこの命令は下されています」

 

 子どもを守る。今回のぷれいやー様たちは本当に人間のことを思ってくださっているのだろう。従属信様には不安があるが、これなら何とか安心できる。

 

「それと次回の王国と帝国の戦争ですが、あなた達にも王国を非難する声明を発して頂きたい。王国は帝国に滅ぼさせます。あなたたちの思惑通りに、ね」

 

「――感謝致します、パンドラズ・アクター様」

 

「では私は、帰らせて頂こうかと思います。クレマンティーヌ!」

 

「はい。何でしょう、パンドラズ・アクター様!」

 

 今までにやにやと笑っていたクレマンティーヌが真剣な表情に変化した。遊びがないというより武器も良く見ればかなり強化されている。漆黒聖典にいるころよりも優れた武器防具になっているのではないだろうか。

 

「あなたは異形種と人間の懸け橋になるという形で、私と結婚して頂きます。よろしいですね?」

 

「畏まりました。パンドラズ・アクター様」

 

 クレマンティーヌの顔に愉悦が走った。ああそうだろう。パンドラズ・アクターと結婚するということは彼女に手を出すということは、パンドラズ・アクターを敵に回すと同義なのだから。

 

「では法国のことを暫くよろしくお願い致します」

 

「畏まりました。パンドラズ・アクター様」

 

 そしてパンドラズ・アクターが帰っていた。そしてクレマンティーヌがこちらに振り向く。その顔は愉悦が走っていた。

 

★ ★ ★

 

 シャルティアはアウラに話しかけられていた。内容は、決まっている。自分が伯父さんとの関係をどうするかということだ、

 

「それで、シャルティアはどうするの? 伯父さんの側室になる訳?」

 

「もちろんでありんす! 今はどうやってなるか考えているんでありんせ。アウラ、負けないでありんすよ」

 

 シャルティアの側室になると言う言葉にアウラが考えこむ。そしてこういった。

 

「分かった。私が伯父さんの側室になれるように、協力してあげる……仲間外れは可哀そうだからね」

 

 シャルティアはその言葉に驚愕を覚えた。まさか、アウラが協力してくれるとは思っていなかったからだ。これは噂で聞いた通り、正妻であるネム・エモットの言葉通りということなのだろう。アウラはネム・エモットの仲間外れはかわいそうということで、側室になったと聞く。だからこそ自分が側室になるのを応援してくれるのだろう。

 

 仲間外れは可哀そう……上から目線だが構わない。今は伯父上と関係を持つことを一身に考えよう。その後のことは関係を持ってから考え……そういえば伯父上は3Pとかするのだろうか?

 

 ……上手くいけばアルベドやユリ・アルファとも一緒にそういったプレイができるかもしれない。その時はあのメロンを触りつくそう。

 

「うへうへへへ」

 

「気持ち悪い笑い方しないの!? 協力してあげないよ!」

 

「ごめんでありんす」

 

 素直に謝罪する。まだ机上の空論に過ぎないのだ。それを実際の計画にするためにはアウラからの協力が不可欠だ。……3Pや4Pをする時は今までヴァンパイア・ブライドたちで磨いてきた手わざを持ってアウラも気持ちよくしてやろう。いやイかせてやる。

 

「まずは一応ネムに断りを入れてからだね」

 

「何故でありんす?」

 

 その言葉にアウラが大きく溜息を吐いた。自分は何か変なことを言ったのだろうか? 別にネム・エモットから許可をもらう必要はないと思うのだが。

 

「はぁ。あのね、正妻はネムなのよ? 序列を乱してどうするの? 今現在伯父さんの妻の序列は一番がネム、二番目がアルベド、三番目が私、四番目がユリなのよ? あっそう考えると他の3人にも許可を貰わないといけないか……。アルベドは難しそうだから。私とユリとネムで推薦してあげる」

 

 ああハーレム内の序列のことか。それは確かに乱してはならない。自分自身ヴァンパイア・ブライドたちでハーレムを築いているが、序列はある。それを乱すのは得策ではない。自分が5番目の側室になるのは少々悔しいが仕方ない。

 

★ ★ ★

 

「逝くぅ!!」

 

 悟は今日も執務の時間アルベドと致していた。性欲が溢れて高まる状態だから仕方がない。今の体勢は対面座位だ。その恰好で執務をしながらしている。

 

 そして執務を続けていると一つ気になる案件が出てきた。それは、帝国の方針であった。曰く、男の子は女の子の格好を女の子は男の子の格好をである。

 

 ……確実にぶくぶく茶釜の性癖が表に出ている。

 

「アルベド、この帝国の男の子は女の子の格好を、女の子は男の子の格好をという件だが」

 

「はぁはぁ……そちらでしたら至高の御方方の目印になるように、アウラたちの賛成を以て既に帝国で流通させています。カルネ村でも結婚するまでは女の子は男の子の格好を、男の子は女の子の格好で流通しております」

 

 何ということだ。すでに流通してしまっているのか。これはぶくぶく茶釜に怒られる。いや違う。

 

(ごめん茶釜さん。俺はあなたの性癖を守れなかった。)

 

 その後むしゃくしゃしていつもの数倍アルベドとセックスをした。

 

★ ★ ★

 

 ネムは思う。自分の口は贅沢になってしまったと。それはサトルと一緒に朝と夜を一緒にご飯を食べるからだ。

 

 昔は美味しかった、母の料理が美味しく感じなくなってしまった。いや吐き気を感じて戻してしまった。

 

「うえー」

 

 そしてお母さんが思ってもいなかったことを言う。

 

「ネム、貴方もしかして――」

 

「――えっ」

 

★ ★ ★

 

 悟は考える。夜ご飯をネム、アウラ、シャルティアと一緒に食べながら。こちらに優しげな眼を送るネムに対して。そういえば結婚式を行わなければならないな……王国の革命計画が終わった次の日に行おう。

 

「ネム、そろそろ正式に結婚式を挙げよう。革命が終わったらすぐにだ」

 

「うん、分かった! 嬉しいな!! あっ私飛び切りのプレゼントを用意するね!!」

 

「ああ、楽しみに待ってるよ」

 

 その言葉にアウラが膨れる。

 

「伯父さん、私も伯父さんと結婚式上げたいです!」

 

「ああ。そうだな。アウラたちとも結婚式を挙げないとな、少し待ってもらって良いかアウラ?」

 

「むー待ちます……幸せにしてくださいね? 愛してくださいね?」

 

「当たり前だ。絶対に幸せにしてやる」

 

 そして食事が終わりネムとアウラいつものように抱える。

 

 今日は3人で夜の大運動会だ。そしてそれを行なおうとすると、後ろからシャルティアがついて来る。

 

「モ、モモンガ、私もハーレムに加えてほしいでありんす!! アウラとユリとネムから許可はもらっているでありんす!?」

 

 そして――

 

「ごめん。ペロロンチーノ……おれ、お前のシャルティアに手を出してしまった。本当にごめん」




ちなみに詳細は書いていませんが番外席次との戦いの時にパンドラズ・アクターは霊廟からプレイヤーの武器防具を勝手に持ち出しています。

後、番外席次も切り札は使っていません。周りに神官長たちがいたからですね。

なのでパンドラズ・アクターが楽に勝てたかのように描いています。

同じ条件下で戦えばやはりパンドラズ・アクターが勝つと思いますが苦戦はすると思います。

クリスマスとクリスマスイブ、どっちが最終話に相応しいですか?

  • クリスマス
  • クリスマスイブ

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