『完結』家族ができるよ! やったねモモンガ様!   作:万歳!

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夏、暑いのと忙しさで疲れたよ。皆さんも水分補給は怠らない様にしましょう!あとコ〇ナにも気を付けましょう!


事案10

 村人たちが蘇生された。その言葉に蘇った自分達は、元から生きていた村人たちの話を受けて、蘇らせてくれた人とその主である、アンデッドに膝をついて土下座していた。死んだはずだった人生をもう一度歩ませてくれる感謝しかない。土下座しながら息を吐き生の実感を得ていた。そんな中だった、ンフィーレア・バレアレから言葉がかかったのは。

 

「お義父さん、娘さんを僕に下さい!!」

 

 エモット夫妻は、驚いていた。自分たちが死んでいる間に何があったか分からずにいたが、顔を真っ赤にしながらも驚いていない上の娘の表情を見て……自分たちが死んでいる間きっとエンリをンフィーレア・バレアレが支えてくれていたのだろうと。

 

 そう思うとンフィーレア・バレアレには感謝の言葉しか出てこない。だが父親としてはしなければならない事がある。重たい体で立ちあがり、ンフィーレア・バレアレの方を向く。

 

 深く90度以上に頭を下げていた。元々ンフィーレア・バレアレが娘のエンリのことが好きだということは察している。むしろ娘が気付かないことに危機感、少しだけ焦燥感すら抱いていた。

 

 ンフィーレア・バレアレは薬師として有名であり、エンリが結婚することに異存はない。

 

 しかし怒りを覚える。自分たちがいない間に恋仲になったことに対して。親の目を結んで娘を女にしたのは許せない。死んでいたという仕方がない理由があったとしても。

 

「ンフィーレア君」

 

「はい、お義父さん」

 

 その言葉に反応したように顔を上げるンフィーレアを、体が鉛のように重い中力を必死に振り絞り腕を振りぬき殴る。衝撃を受けたようだが、一歩もあとずさらずに受けたことは驚愕である。ぶっ飛ばすつもりで殴ったのだから。倒れるぐらいはしてもらおうと思っていたからだ。自分が弱くなったのか、彼が強くなったのか、どちらかは分からない。若しくは両方か。

 

 だがどちらにせよこれ以上は無粋だ。充分である。

 

「娘をよろしく頼む、ンフィーレア」

 

「……はい、任せてください、命に代えてでも僕がエンリを守ります!」

 

 村中から歓声が沸く。ンフィーレアがエンリと結婚することは他の村人たちも異存はないのだろう。村中を見渡すと、気づけばゴブリンの姿も見えた。危険かと思ったが、ネムが召喚した魔物であり、仲良くできると説明を受けて驚愕を受けた。

 

 さらに言えばネムの衣装が変わっていることに今気づいた。まるで王族が着るような衣装である。いったい何があったのか少しだけ不安に思う。しかし村の救世主に近づいて何かささやいているのを見ると気に入られたのかもしれない。そう思うと、自分の娘を誇らしく思う。救世主に気に入られたことに対して。

 

 そしてエンリの顔が村中の騒ぎと反比例するように真っ赤になっている姿に笑顔を浮かべてしまう。

 

 しかし蘇生直後に無理矢理力を使ったせいだろう。立っていることができずに跪く、それを慌てたようにンフィーレアが支えてくれた……。

 

(ああ、彼なら娘の婿として申し分ない)

 

 そう思いながら鉛のような体をンフィーレアに預けて意識を失った。途中でネムが驚いていたうえで、救世主に近づいてニヤニヤしているのは何故か分からなかったが。単純に姉の恋人ができたことに驚いたのかもしれない。そう思いながら笑顔のまま意識を失っていた。

 

 このとき彼らはまだ知らなかったのである。ある事実に。

 

★ ★ ★

 

 エンリの家族は全員救世主の家に招待されていた。あれから一度意識を失った父を心配したが、単純に異常な脱力感の中、自分の恋人を殴るのに力を使ったせいだろうと確信していた。そんなことしなくても良いと思うのだが。ンフィーレアも納得しているのだから必要なことなのかもしれない。なぜ必要かは分からないが。

 

 だが死んだはずの両親に認められて、晴れて恋仲になれたのは嬉しい。村の救世主に感謝である。それとも義理の弟に感謝であるといった方が良いのだろうか……。悩ましいところである。義理の弟になるということが。

 

 恐らくであるが、今回エンリたちが全員で招待されている理由に、エンリは気づいていた。あの時のニヤニヤとした表情のネムと想定外のことが起きたかのように慌てふためいていた救世主……もう答えは見えていた。一体どういう風になるかは疑問に思うが、無事に終わってほしいと思う。

 

 そして自分たちはユリ・アルファの先導に従い黄金の宮殿を歩く。確かにネムが言っていたように素晴らしい宮殿で畏怖を覚えてしまう。普通ならこんな凄い場所に訪れることなどない。しかしそんな中慣れているかのように宮殿を歩く、ネムには姉ながら感心してしまう。よくここまで純真でいられるものだと。いや、ここまで純真であったからこそ、この宮殿の主の心を射止めることができたのかもしれない。

 

 そして一つの部屋に案内された。そこには骸骨の姿ではない人間の姿の村の救世主?がいた。ネムが「サトル」と言って抱き着いているのだから間違いないのだろう。ここから起きることを察しているのはエンリとンフィーレアだけである。ンフィーレアには恋人として同じベッドで寝起きしている時に途中で事情を話したからである。すると彼も年齢差を考えなければとてもいい縁談であると納得してくれていた、両親は気づいていない。むしろ気付けるはずがない。大人の大魔法使い、しかも骸骨のアンデッドと娘が恋仲になっているとは思えないだろう。

 

 これからどういう行動になるか全くわからないが、隣にンフィーレアがいるだけで、未来を歩んでいけそうな気がしていた。エンリは勇気をンフィーレアからもらっていたのだ。

 

★ ★ ★

 

 

 悟はとても緊張していた。そう、今からンフィーレア・バレアレが行った事と似たことをしないといけないからだ。年齢を考えれば普通にアウトである。だがそれでも逃げ出すわけにはいかない。あのワクワクとしたような表情のネムを見ていると……逃げ出すことは許されない。最初から人間の姿で出て行こう。気分は罪を執行される罪人である。たっちさんに執行されそうである。いや本当に。

 

 ネムたちと会うのは一日ぶりだ。本当はも少し先延ばしにしたかったが、先延ばしにしても良い事はない。なので早めに行うことにしたのだ。あとネムが、自分達の関係を言う前に先に言わなければならないという思いから、急いだという理由もある。もしネムから自分達の関係を知られたらどうなるか分からないという恐怖感があるからだ。

 

(腹を括れ、鈴木悟!! ネムに手を出した時点で手遅れだったんだ。だったらその両親の許可を得ることぐらい簡単だろう!?)

 

 自分自身で自身を必死に鼓舞する。鼓舞していないと今すぐにでもこの場から逃げてしまいそうだからである。退路は無い。勝機は前にしかないのだ。それに少し嬉しくもある。ネムが両親が蘇っても自分と離れないでいてくれて。ここからは通過儀礼である。殴られることも罵倒されることも視野に入れてメイドたちは全員下げた。これで何一つの憂いもない。エモット夫妻の罵倒などを咎める存在はいない。自分はただ受け入れるだけである。

 

 本当は自分が出迎えるべきだったのだろう。だがそれをする勇気が無かった。そしてドアが開かれた。それと同時にネムが人間時の体に飛びつく。

 

「サトルー」

 

 甘えてくるネムが可愛い。そう思うことで心を平常に保とうとした、エモット夫妻の驚きを必死になって横に逸らしながら。

 

「どうぞ、楽にしてください、エモット夫妻」

 

「は、はい。救世主様? にこのような場所に招待して頂き感謝で言葉もありません」

 

 多少戸惑っているようだ。自分が人間の姿であることに。だが事前に人間に変身できるということは村長夫人やネムたちから聞いていたのだろう。驚きはすれど、拒否感は感じなかった。

 

「いえ、構いません。それに招待したのには理由がありますから……あと人間の姿の時は悟でお願いします」

 

「は、はいサトル様」

 

 空間には微妙な空気が流れている。エンリとンフィーレアは高みの見物なのか達観しているように見える。多分これから自分がする行動に気付いているのだろう。どうなるかが分からないという点で同じ境遇である。というより義兄と義姉になってしまうのだろうか……。

 

 

 

 エモット夫妻は先程から緊張しているのが分かる。すまない私はあなたたちに追い打ちをしなければならない許してほしい。

 

 そしてネムは楽しそうに私の傍に立っている……覚悟は決めた。後は走破するだけである。力の限り。全力で。

 

「エモット夫妻に実はお願いがあります」

 

「お願いですか? 娘たちを守っていただいた上に蘇生までして頂いたのです、可能な限り応えたいと思いますが……その内容は? それに我々が叶えられることなんてないと思いますが?」

 

 ネムが横からニヤニヤと期待感がこもった眼で私を見てくる。ならば言うしかない。たとえこの後どうなろうと。

 

「――お義父さん、娘さんを私に下さい」

 

 その言葉で空間が凍ったのが分かる。エモット夫妻が何を言っているか分からないかのように、混乱しているのまでは分かる。暫く時間がたち立ち直ったお義父さんが言葉を発した。

 

「その……大変申し訳ないのですが、エンリはンフィーレアと恋仲でして……二人の仲を引き裂くことは私にはできません」

 

「エンリではありません。私が欲しいのはネムです」

 

 茫然とした目でこっちを見ているのが良く分かる。気持ちはよく分かる。自分だって同じ立場なら困るだろう。大の大人が10歳の子どもに求婚するなんて、馬鹿げていると一蹴するだろうから。

 

「もう一度言います、お義父さん、ネムを私に下さい。必ず幸せにします」

 

 暫くの間沈黙が空間を支配した。そして大きなため息が義父となる方から吐かれた。義母となる方は驚きからまだ立ち直っていないようだ。

 

「ネムが、素晴らしい衣装を着ている訳が分かりました」

 

「いえ、その衣装は恋仲になる前にネムにあげた者です……私はネムのおかげで心を救われた。年なんか関係ないんです。ネムがネムだから好きになったんです。もう手放したくないほどに」

 

「……ではお聞きします。なぜ我々を蘇生させたのですか? 我々を蘇生させなければ、ネムを恋人にする事なんて容易だったでしょう。我々に遠慮する必要も無かったはずです」

 

「それは簡単です。一緒にネムと眠っていた時寝ぼけながら、お父さん、お母さんと呟いていたからです。私も小さいころに母を無くしています。家族を失う痛みは知っているつもりです。だからネムの心を守ることもかねてあなたたちを蘇生させました」

 

 エモット夫妻が互いに目を合わせているまるで視線で会話をしているかのように。いや小声で会話しているのだろう意識して、聞かないようにする。人間になってもこの体はハイスペックなのだ。

 

「えーサトルさんと呼ばせて頂きます……こちらに来ていただいても構いませんか?」

 

「はい」

 

 立ちあがり向かい合って座っていたのを止めてエモット主人の目の前に立つ。

 

 そして大きな打撃音が響いた。それはサトルを全力で殴ったエモット主人で会った。後ろに下がらないように耐える。ンフィーレア・バレアレを真似して。

 

「正直私は10歳の子どもに手を出したあなたを許せそうにない」

 

「当然です。私でも同じ立場なら、同じ反応をしたでしょう」

 

「ですが、あなたは村の救世主であり、我々を蘇生させてくださった救世主でもあります。そんな方にならネムを任せても構いません」

 

 紆余曲折はあったが許可を得ることは出来た。先程の沈黙で少しだけ焦っていたネムが満面の笑みを浮かべながら話しかけてきた。ネムも自分が殴られるのは想定の上だったのだろう。その事には触れてこなかった。

 

「やったねサトル!? これで私たちもお父さんたちに認められた公認の恋人同士だよ! 私、嬉しい!」

 

 可愛い笑顔をしたネムが自分にまとわりついて来る。そんなネムを遮るようにエモット主人が言う。

 

「言うまでもありませんが、必ずネムを幸せにしてください」

 

「もちろんです。ネムには私が個人的に持つ財産全てを使ってでも幸せにします」

 

 その顔にエモット夫妻が少しだけ顔を引きつらせている。いや、エンリやンフィーレアもだ。ああ金銭的に自分がマヒしていたのだろう。正直、今ネムが着ている服等を売るだけで彼らが一生きて行くことも可能だろうだから。

 

「では、ご両親の許可も得られましたので、食事にしようと思います。部下を呼びますので少々お待ちください」

 

 パンドラズ・アクターにメッセージの魔法を送る。人数分の食事を早急に持ってくるようにと。

 

 10分も立たないうちに、サトルの分を含めて6人分の料理が運ばれてきた。

 

 食事が配膳される。パンドラズ・アクターの配膳はとても洗練されていた。やはり舞台役者として演じているのかもしれない。それは今は関係ない、食事が冷める前に食べなければ。

 

「マナーなど気にせず食事を楽しんでください。私も余りマナーなどは得意ではないので間違えるかもしれませんから」

 

 だがネムを除いた4人は食べ始めない。何故か分からない。ネムも食べようとして他の4人が食べないのが不思議のようで手を止めていた。ネムはある程度であるが食事マナーを覚えている様である。パンドラズ・アクターの指導のおかげだろう。パンドラズ・アクターが何時休んでいるのか不安になるぐらいである。自分より優れているから体調面などを軽視している訳ではないだろうが。

 

 そんなことを考えていると、エモット主人から声がかかる。

 

「あ、あのこちらの料理は本当に食べてよろしいのでしょうか?」

 

「勿論です! そういえば今日の食事の内容を説明していませんでしたね。パンドラズ・アクター説明を頼む」

 

「畏まりました!? アインズ様!? 本日の給仕を担当いたします、パンドラズ・アクターと申します! では食事内容を説明させて頂きます」

 

 いつものように大振りな動作を伴いながら本日のランチコースのメニューをパンドラズ・アクターが話し始めた。いやいつもよりほこりが立たないように控えめに見える。慣れたからそう思っているだけかもしれないが。

 

 そして思う。色々あって自分も食べるのが初めてである。少しだけ楽しみである。

 

「本日の予定はオードブルサラダ、ホタテガイのサラダ、プラムスターのコンフィ添えが1皿目となります。2皿目がピアーシングロブスター、ノーアトゥンの魚介のブルーテソースでございます。つづいて3皿目が――」

 

 まるで呪文のようなパンドラズアクターの料理の説明が流れる。

 

 対面に座るエモット夫妻たちは、混乱しているように感じる。自分も似たような物である。聞いたことが無い食事ばかりである。だが良いにおいがしているのは間違いない。彼らもそれは分かっているのだろう。鼻を少しひくつかせているように思える。においをかいでいるのだろう。

 

 

 今から彼らと美味しい物を食べる。嬉しいと思う。新しくできた家族とその家族と一緒にご飯を食べることに。だが、多少の罪悪感が残った。自分が美味しい物を食べていいのかと疑問に思ってしまった。食事をしようとすると、どうしても母のことを思い出してしまう。あの自分の好物を作ろうとして倒れて冷たくなっていた母を思い出してしまう。

 

 それを思うと自分に美味しい物を食べる資格があるのか疑問に思ってしまう。

 

「……どうしたのサトル?」

 

「いや、何でもないんだ、気にしないでくれ」

 

腹芸は上手くなったと思ったがどうやら微妙な雰囲気をネムに感づかれてしまったらしい。楽しまなければ。ここに集まった人たちに悪い。大きく息を吸って吐く。いわゆる深呼吸をして、いやな考えを外に放り出す。

 

「では頂きましょう」

 

 その言葉に恐る恐るといった感じで彼らも食べ始める。一瞬で顔が変わって嬉しそうにしている。良かった。苦手な味とかと思われないで。

 

 自分自身が食べた感想は絶品、その一言であった。お代わりしたいぐらいである。だがそれと同時に心に残ったのは母に食べさせてあげられない無念さである。

 

★ ★ ★

 

 ギリギリギリギリ……歯ぎしりが止まらない。どうしてこうなったかが分からなくて。ネム・エモットの両親が招待されている。恐らくその場でネム・エモットと結婚するということを告げるのだろう。何故、自分ではないのか。理由は分かっている。孤独を私たちは大きくしようとしていたからだ。私たちは気づかなければならなかった。世界征服という間違った願望ではなく、孤独であったモモンガの心に。

 

 パンドラズ・アクターによれば至高の御方々は全員亡くなられている。いったいどれほどモモンガは辛かっただろう。昔の自分を殴りたい。自分のことだけを考えていた自分自身を。その事に気付くことさえできていれば、自分が今のネム・エモットの立場になる事も難しくなかったのだから。

 

 だが希望はある。この世界に来る前、本来ならモモンガも無くなるはずだったのだから、可能性は低いが自分の創造主が戻ってきてくれる可能性もある。

 

 

 もしこの場にタブラ・スマラグディナがいれば、少しは変わっただろうか。いや今からでも合流できれば変わるかもしれない。今モモンガがしていることをタブラ・スマラグディナにするような形で。タブラ・スマラグディナに私が泣きつくことによって。だがタブラ・スマラグディナが現れることはない。本当に使えない創造主である……。

 

 この際、設定を変更したなら責任を取ってくださいと言って、モモンガに泣きつこうか。そうすれば2番目にはなれるはずである。いや本当にそうだろうか。よくよく考えてみる何か見落としていないだろうかと。ライバルはシャルティアだけだと思っていた。だが、実際はどうだ? ネムというライバルを見落とし、アウラも同じように妃になる事を望んでいるはずだ。

 

 そして電流が走った。思い起こすのはプレアデスである。プレアデスはユリ・アルファを筆頭に自身をモモンガの妃に押してくれていた。一部はシャルティアを応援していたが……それはいい。重要なのは。今まではプレアデスと協力することができていたことが難しくなったかもしれないということだ。

 

 そう今までは。多くのプレアデスのユリを筆頭に多くのメイド達の支持も集めているため敗北はなかったはずだ――

 

(――待ちなさい。確か、アウラとユリは仲が良かったのではなくて?)

 

 多くのプレアデスの支持を集めているが、それは積極的賛成ではない。シャルティアが相応しくないと言う消極的賛成の筈だ。それも、ユリがシャルティアが苦手と言う理由もあったはずだ。

 

 ならば、自分よりも仲が良い、アウラを応援するのではないだろうか? そして、ユリがアウラを応援する事態になれば、プレアデスの多くがユリに靡く可能性が高い。そのうえ、アウラはマーレと双子だ。マーレが応援する可能性も大きくある。さて、守護者で自分を大きく後押ししてくれる存在はいるだろうか? コキュートスはアインズに世継ぎができるのであれば、3人の内誰が妃になったとしても異論を挟まない筈だ。セバスとて同じだろう。

 

 デミウルゴスも2人と同意見だろう。それにデミウルゴスが大きく動く事はない。パンドラズ・アクターも交えてバーで話した時から、デミウルゴスは失意にくれている。業務をこなして誤りを正す事が精一杯だろう。たとえ協力を申し出ても、役に立つかも分からない。

 

 階層守護者ではなく、領域守護者ではどうだろう。確かに自らの姉等味方になってくれる存在もいる。しかし彼女達は自らの守護領域を大きく動く事はしないだろう。支援があっても相談に乗ってくれる程度と判断して良い。

 

 例外はパンドラズ・アクターだが、それも難しい。彼が何を目的に動いているか判断する事ができないのだ。分かっている事は自分の敵にもなりうるし、目的次第では味方にする事も可能なはずだ。

 

 つまりプレアデスから最悪の場合4人がいや、5人がアウラを応援する。シャルティアにはソリュシャンが応援する可能性が高い。守護者達はマーレがアウラに付いて、他の者達が中立。若しくは味方でも意味を成さない者達。

 

 現状では自分に有利に事を運んでくれる味方が誰一人いないのだ。

 

 シャルティアは味方がいたとしても警戒に値しないがアウラは違う。

 

 特にモモンガが家族を欲していると知ってしまった以上、多くの者がアウラを応援する可能性は高い。自分達が家族へのなり方が分からない以上、アウラであれば、支配者と被支配者の壁を壊すことができるかもしれないと考えて。実際一緒にお風呂に入った時、「変態さん」と言っている以上、我々大人の守護者と違い家族になるのは容易な気がする。無念である。

 

(くぅうう! まさか、ここまで追い詰められているなんて!)

 

 何とか挽回しなければ……ここはそう、疑似的母親である村長夫人に意見を聞きに行こう。自分はどういう行動をするのが最善であるかを。

 

 プレイアデスの末妹に頼んでカルネ村への転移門(ゲート)を開いてもらう。そのまま人口が増えた街の中を平然と歩く。村長宅を目指して。

 

「これはアルベドさん? どうしました? 何かありましたか?」

 

「ご相談したい事があるのです、奥様、お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

 

「いいですよ、丁度休憩にしようと思っていたところですので」

 

 その言葉に従い、村長宅の中に案内され粗末な椅子に座る。……このまま粗末な生活をおくらせる訳にはいかないだろう。その点も考慮に入れて話そう。

 

「その、あなた様は偉大な御方の母君と似ておられます。アインズ様も重ねられておられます。よろしければ、家や調度品等を調えさせていただきますが?」

 

「ありがとうございます、アルベドさん。でも私たちはこれで良いんです。今アルベドさんが座っている椅子は主人が私のために誕生日に作っていただいた物なんです。思い出がたくさん詰まってるんですよこの家には……だから私たちはこのままで構いません」

 

 思わず今座っている椅子を見る。そんな思い出が詰まっているとはしならかったアルベドは慌てて謝罪をした。

 

「申し訳ありません!? そのような大切な物と知らずに、勝手を申したことを心からお詫びさせて頂きます」

 

「構いませんよ。実際に価値はないですからね」

 

 嫌味ではない。満面の笑みを浮かべての言葉だった。ああ。この顔ができれば、モモンガの心を動かすことができたのだろうか。悲しみが後から、どんどん溢れてくる。

 

「何か、聞きたい事があるんでしょう?」

 

 笑顔で問いかけながらの言葉だった。眩しかった。まさか下等生物と思っていた存在にそんな感情を抱くようになるとは、自分でも驚きである。変わっているのだろうか? 自分自身が。だがモモンガを愛していることだけは変わりがない。

 

「アインズ様は……私はモモンガ様に愛して頂いて妻になりたいんです。第2妃でもこの際構いません。何か良い手段はないでしょうか?」

 

「モモンガ様とはアインズさんのことでしょうか?」

 

 そうであった。そこから説明しないといけないのであった。アインズ・ウール・ゴウンとはそもそも個人名ではなくて至高の41人のギルド名であることを説明する。40人が去られたため戻って来るまで自分がアインズ・ウール・ゴウンであると宣言したことを。そして個人名がモモンガであるということを全て説明する。外部の人間に込み入った事情を全て話す。下手をすれば利敵行為に当たるかもしれないが、アルベドは口を止めることができなかった。それに部外者といっても彼女は別格だ。問題ないはずである。

 

「モモンガ様によれば、私がモモンガ様を愛しているのはモモンガ様が設定を書き換えたせいだと言われてしまいます。どんなに仲良くなろうとしても、そのことが私がモモンガ様を愛していることを設定のせいにされてしまいます。私は一体どうすれば良いかが分からないんです……」

 

「せっていとは?」

 

 そうか。設定とは何かについても説明しないといけなかったのだ。何て説明すればいいのだろうか……少しだけ考えた後に口を開く。

 

「至高の41人が定められた性格や、人間関係のことだと思われます」

 

 少し考えこむようなことをした後、村長夫人は大きく溜息を吐いた。びくりと肩を揺らしてしまう。叱られてしまうかもと一瞬だけ恐怖を感じる。ただの人間に怯える。昔の自分が見たら信じられないだろう。だが母親と重ねていると知ってしまうと、この方の機嫌を損ねることはモモンガに嫌われることに直結しかねないゆえの恐怖だ。

 

「私から見ると、アルベド様がモモンガさんのことを、心から愛しているということは伝わってきます。それを設定のせいとして貴方の愛を拒絶することは許せませんね」

 

 これはもしかして助けて頂けるのだろうか? 村長夫人の助力が得られれば百人力、いや千人力である。正当な方法で妃になることができる!

 

「私は、ネムがモモンガ様の家族になる事を反対はしません。あの純真さゆえにモモンガさんの心を射止めたのでしょうから。ですが、あなたの愛情を無かったことにしようとしていることは、許せません」

 

 村長夫人の顔には私にではなくモモンガに対する怒りが渦巻いているのが分かる、ああ。その言葉が聞きたかった! きっと協力してくれる。まだ私が正当なルートで妃になる道は消えてないのだ。

 

「ですが、私はただ母君に似ているという老母に過ぎません。私が関わりすぎれば、それこそ皆さんの関係も難しくなるのでは? なので私から言えることは一つです。心から愛しているという証拠を見せるしかないでしょう」

 

「ですが、それをどうすればいいのか分かりません。私たちは家族へのなり方が分からないんです」

 

 最後はまるで悲鳴のようになってしまった。だが本当に分からないのだ。あの場にいたNPC全員が決意をした、そしてその他のNPCにも伝播した。しかし皆どうすれば家族となれるかの問で回答に詰まってしまった。アウラやマーレは時間をかければ可能かもしれないが……。我々大人として創造されたNPCには無理な方法である。

 

 何よりこの言い方では妃へなるための協力をしてくれるのか不安である。

 

「家族というのは複雑そうに見えて単純でもあるんですよ? 一緒にいることが苦にならない、一緒にいて楽しい、この人と一緒なら未来が分からずとも、共に歩んでいける。そんな簡単なことなんです。家族へのなり方なんて時間が解決してくれるものなんですよ」

 

 小さくなっているアルベドに、視線を合わせるようにしながらアルベドの頬を両手で包み込む。優しくてささくれた苦労した手であった。

 

 自分も変わったと思った。この世界に来た当時にこんなことをされていれば怒りから殺していただろう。だが、今あるのは戸惑いである。なんと表現すればいいのかが分からない感情が渦巻いている。

 

「あなた達は力を入れすぎなんです。あなた達がほんの少しだけ力を抜けばモモンガさんも合わせてくれますよ。モモンガさんにとってすでにあなた達は家族なんですから」

 

 確かにあの日、あの時、自分達は家族であると宣言されていた。私達は難しく考えすぎていたのだろうか? 妃になるのも難しく考えすぎていただろうか? 

 

「後はそうですね、あまり殺気や怒気を表に出さないほうが苦手な人を作らないで済むと思いますよ」

 

「あの時は大変失礼しましたっ!」

 

 注意されてしまった。意気消沈してしまう。それを困った娘を見るような表情で村長夫人は私を眺める。本当に自分も変わったものである。人間に慰められるなんて。

 

「私はまだ少しだけ貴方に対して苦手意識を覚えています。ですがあなたの愛情を無視しようとしているモモンガさんを許すことは出来ません」

 

「ならっ!?」

 

 これは行けるかもしれない。村長夫人が出張ってくれればまだ自分が第一妃になるチャンスはある。

 

「ですが、それは私がモモンガさんの本当の母親だったならです。私がモモンガさんを叱るのは僭越が過ぎるでしょう。それにこれから、ネムという一緒に歩んでくれる家族ができたことで、今すぐに家族になるのは難しいかもしれません。実の母なら10歳の子供に手を出すなんてと叱りつけて、アルベドさんの気持ちも考えてあげなさいといえたかもしれませんが」

 

 ああ。やはりだめなのだろうか。この方の協力がないと自分は第一妃になれない。最後の手段を除いて第二妃にもなれない。つまり穏便にはいかないだろうか。

 

「それに私にとってネムも娘の様なものです。娘の幸せを願わない親はいないでしょう? なので私は止めません」

 

 そうだろう。この方からすると村人全員が子どものような物なのだろうから。ああ。返す返すも以前無礼を働いた自分が許せない。それさえなければこの方の協力も得られたと思うと、昔の自分を本気で殺害したいと思う。

 

「今のあなたには二つの選択肢があります。時間をかけてゆっくりと家族になる道と……せっていでしたか? 設定を書き換えたのなら責任を取ってくださいと泣きつく手段です。モモンガさんは王族のような物ですから多重婚も認められているでしょうし……後はあなたが考えて答えを出すことです」

 

 そうして村長夫人とのひと時の会話は終わった。ナザリックに帰還しながら考える。村長夫人の言うとおりなら時間をかければ間違いなく、家族になれるであろうことを理解できた。

 

 そして返す返すも無念である。最初に会った時に仲良くできて苦手意識を持たれていなければ、モモンガを叱ってでも、自分を愛するように言ってくれるかもしれないと思って。好感度が足りないせいで……積極的に手を貸してくれないのだから……。消極的に助言をくれたがこれでは妃になるには不足である。

 

(私はどうしたい? ゆっくり家族になる事を望むの?)

 

 ネム・エモットが寵愛を頂いているのを優しげな表情で眺める……。無理だ。そんなことできない。私は今スグにでも寵愛を得たい……家族になりたいのだ。それに時間をかければ先程考えたようにアウラを後押しする勢力ができそうである。いや今この瞬間にも誕生するかもしれない。そんなこと許せない。ならば方法はきまってくる。

 

 最終手段を実行せざるを得ない。

 

★ ★ ★

 

 アルベドから大事な話があるからと人払いを頼まれた。あれからずっとミニマムになる指輪を着けっぱなしでまるで子どものような姿である。ネムはすでに眠った後であり、エモット夫妻やエンリとンフィーレアもそれぞれ部屋に案内して眠っている時間だ。確実に緊急の要件だろう。

 

「それでアルベドよ重要な話とは何なのだ」

 

「……アインズ、いえモモンガ様にお願いしたい事があります!」

 

 穏やかではなさそうだ。アインズではなくモモンガの名前で呼ぶということは……非常に重要な問題が起きたのかもしれない。

 

「聞こう、いや聞かせてくれアルベド」

 

「感謝いたします。どうか私にも、ご寵愛を賜りたく思います」

 

 そっちの話だったか。成程、それならアインズではなくてモモンガに話を持ってくるのは当然かもしれない。

 

「前にも言ったが。アルベドよお前の私に対する感情は私がゆがめてしまった物なのだ。お前の本心ではないはずだ……」

 

「いいえいいえ!! この感情は私の袂からでてきた私自身の感情でございます! 不敬ながらもう一度お尋ねいたします。アインズ様に変えられる前の私はどんな設定だったのでしょうか?」

 

 上手く答えられない。ビッチだったなんて。告げることなんてできない。

 

「……応えられないのでしたら、どうか私をお傍においてください」

 

 涙目になりながら必死にアルベドが懇願している……どうするべきなのだろう。この身は既にネムと婚姻した身でもあると思っている。普通ならハーレムとかにあこがれるかもしれないが、アインズにとっては興味はそこまでない。いや違う。興味はあるが親友たちの子どもに手を出したくないから、隠しているだけだ。

 

「モモンガ様、どうしても応じて頂けないなら、私も最終手段に出ざるを得ません」

 

「……アルベドよ最終手段とは何だ?」

 

 アルベドの最終手段。危険な気がする。今すぐにでも護衛を呼ぶべきだろうか? いや本気で害をなすつもりは無いだろう。ならばアルベドに応じよう。

 

「どうか私の心を歪めた責任を取って私を妻にしてください!!!!」

 

 沈静化が発動した。そこを突かれると痛すぎる。確かにアルベドの感情は自分がゆがめてしまった物だ。なら責任を取らなければならないだろうか? そういう風にモモンガは考えていた。そのため一瞬だけアルベドから意識を外した。自分の内に意識を集めた。考えた。だからこそ気づけなかったのだろう。アルベドが飛び掛かってくるのを。

 

 そして気づけば床に押し倒されていた。

 

「もしも、私の心を歪めたことを責任に思っているなら、今すぐ生殖行為のできる姿になってください!」

 

 モモンガは非常に悩んでいた。確かに設定を歪めたなら責任を取るべきかもしれないと考えて。そして何故自分が生殖行為をできるようになったのか知っているかが不思議であるがそれは今は脇において置く。今を対処しなければならない。

 

 考える。このままアルベドと自分の関係性を進めてしまっていいのか。それとも護衛を呼んで助けてもらうべきかと色々悩んだ。まだネムと簡単に婚姻したばかりなのに、すぐに別の女性に手を出すのはどちらに対しても無責任で失礼ではないかと悩む。

 

 ぽつりと水滴がアインズの顔に当たる。それはアルベドの涙であった。

 

「モモンガ様のことを愛してるんです。家族になりたいんです。ですからどうか私も妻にしてください」

 

 そのアルベドの涙に呼応して出てきた感情は不甲斐なさであった。何故ここまで愛してくれる女性を泣かしているのかということと、このアルベドの感情は本当に心を書き換えてしまったせいであろうかと疑問に思ってしまった。

 

 設定は絶対に近いが絶対ではないのだ。違和感がないように変更される場合もあるのだ。全ての世界級(ワールド)を知っていると設定していながら現在持っているアイテムしか知識にないように。

 

 つまりアルベドがビッチの頃から自分を愛していた可能性もあるのだ。シャルティアのように最初から愛していた可能性に今気づいてしまった。

 

 だからだろう。今は美少女になったアルベドの望みをかなえてあげたい。もう、そう考えるしかモモンガにはできなかった。

 

 それに家族になりたいと言ってくれたのは嬉しくもある。だから最後にアインズはアルベドに聞いた。

 

「アルベドよ。家族になりたいと言ってくれたこと、心から嬉しく思う。その上で聞きたい。私はお前を確かに愛していると思う。親友の娘としてだ。私も家族になりたいとは思っている。だがそれは妻にする以外の方法ではだめなのか? 姪っ子、いや娘みたいな形ではだめなのか?」

 

「……ダメです。私はモモンガ様の妻になりたいんです。他の全てを投げ捨ててでもです。どうか、私をモモンガ様の家族、妻の一人にしてください」

 

 最後のモモンガのささやかな抵抗。姪っ子、娘ではだめなのかという言葉は妃になりたいという、アルベドの言葉で無意味に帰した。だが妻の一人で良いということはネムとの関係を継続するのは良いということなのだろうか? アルベドの性格なら独占しようとして来てもおかしくないのだが。その場合護衛を呼んで逃げるしかないが。自分にとって妻とはネムのことだからである。ネムと別れることは出来ない。たとえ死んだとしても(骨ではあるが)。

 

 モモンガは最後に大きくため息をつく。びくっと馬乗りになっているアルベドの視線が怖そうに揺れているのが分かる。自分が拒絶しないか不安なのだろう。

 

 

「はぁ……分かった、アルベド今まで寂しくさせてすまなかった今から人間の時の姿に戻る」

 

 アルベドの説得は不発に終わったと悟ったモモンガは悟の姿に戻る。

 

 美少女に馬乗りに押し倒された状態のまま人間の姿に戻る。自分自身に対して嫌悪感はある。……姪っ子といいながら、この美少女になっているアルベドを味わえたらどれほど気持ちが良いだろうと考えてしまう。自分自身に対して。ネムを幸せにすると言ったその日に浮気、いやハーレムを築くことになりそうな自分に対して。

 

 そしてあることを告げる。家族になってくれるとアルベドは言った。なら名前に関してはアインズやモモンガではだめだろう。それでは本当の意味で家族になったとは言えない。

 

「さて、人間に戻ったわけだが……このころの私は悟という名前だ。どう呼ぶかはお前に任せる」

 

 アルベドがどの名称を選択するか興味がある。モモンガを愛している設定がここで生きるなら、モモンガと呼ぶはずである。だが、本当に家族になりたいと考えてくれるのなら……悟と呼んでくれるはずと思いながら、アルベドの返事を待つ。

 

「では……サトル様とお呼びさせて頂きます」

 

 アルベドは一瞬考えた後サトル呼びを受け入れてくれた。ここでモモンガと呼んでいた場合、やはり護衛を呼んで助けてもらうしかなかっただろうから、良かったのである。諦めを纏いながらサトルはそう思った。

 

 そして、アルベド自身も服を脱ぎ始める。自分の服装はアルベドによって既に下着以外剥ぎ取られている。それアルベドが服を脱ぐのをただじっと見つめる。下着を脱いでいた……その下着から糸を引いているのが……悟にも確認できて思わずごくりとつばを飲み込んでしまう。気づけば愚息も起き上がっていた。それを見ている、アルベドの表情が喜びに変化するのを見ながら、悟は快楽に身を任せることにした。

 

 この後どうネムたちに言い訳をするかは必死に目を逸らして考えないようにしていた。これが何を意味するか分からないまま。




ちなみにアルベドが村長夫人を怖がらせずに上手く仲良くなっていた場合、モモンガ様はアルベドを寂しくしているとガチ目に怒られるかもしれないです(´・ω・`)

あと完全に書き溜めが無くなりましたので次話はかなり後になると思います。今年後1話ぐらい投下できるはず……許してくださいm(__)m

p.s
いつも誤字報告感謝です!

クリスマスとクリスマスイブ、どっちが最終話に相応しいですか?

  • クリスマス
  • クリスマスイブ

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