東方転猫録   作:グイド

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最近忙しくなり、更新が遅れ気味です、、


ではどうぞ


第10話 猫、料理と作戦会議

悪い予感は当たります

 

 

 

八坂神奈子side

 

 

 

 

先刻まで大和軍の本陣があった場所。しかし今は焦土と化したその場所で、私は一人呆然としていた。

 

 

あの時、何が起こったのか。いや起こったのは爆発だ。しかも本陣を丸ごと破壊可能な大規模爆発。だが、何故爆発が?

 

 

一瞬、天照様の能力かとも疑ったがそんなはずはない。あの方はこちらの味方。それにあの方の能力だったならばいくら私が結界を張ったとしても耐えられないだろう。

 

 

「そういえば諏訪から妖怪が来たとか言ってたな...まさかそいつが...?」

 

 

しばらくうんうん唸っていたが、あの規模の爆発を起こす術を一妖怪程度が持っているとは思えなかった。

 

 

__だめだ。考えても分からない。いずれにせよ洩矢が何かしたのだろうが....まぁとにかく一旦退却しなければ。

 

 

周りを見ると、数名の者が気絶している。私は痛む身体に鞭を打って立ち上がり、近くにいた奴を揺さぶって起こし始めた。

 

 

「ほら、起きな...」

 

 

「う、うーん....母上様?」

 

 

__こいつ...

 

 

「....」ゲシッ

 

 

「痛いっ?!!..あ、八坂様。一体何が..」

 

 

「知らん。とにかく一旦引き上げるよ。他の者どもは今頃隣国の社だろう。さあ、とっとといつまでもおねんねしてるベイビーちゃん達を起こしな。」

 

 

「しょ、承知しました!」

 

 

他の者を起こすのをそいつに任せ、飛ぶための神力を身体に纏って離陸し、軽く周りを見渡す。私達の他に生き残りはいなく、全員消えたようだ。

 

 

「一度にここまでの爆発...か。少し油断したね。何か対策とらないと負けるのはこっちかもしれないな...。」

 

 

さてどうしようかと思考していると、下からさっきの男が偉そうに他の者を起こしているのが聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

「おらぁ!起きぬか貴様らぁ!あれしきのことで気を失うとは情けない!それでも大和の神かぁ!」ガスッガスッ

 

 

よくこいつ上位の神になれたな...と思いつつ、やっと起きてきた者達に向けて言い放つ。

 

 

「予想外の痛手を受けた。一時、隣国まで退却する。.....わかったらさっさと飛ぶ準備をしな!」

 

 

「「「しょ、承知しました!!」」」

 

 

 

 

 

 

1分後、皆が揃ったのを確認してから言い放ち、飛ぶ。

 

 

「よし、帰るよ!」

 

 

 

 

 

 

飛びながら私は諏訪の国を見据える。

 

 

「洩矢諏訪子、どんな手を使ったかは知らないけど、、、必ず信仰は頂くよ...」

 

 

 

______________________________________________

 

 

 

 

ここは諏訪大社の居間。俺と諏訪子はグツグツと煮える鍋をつついていた。

 

 

「...いやぁ、ほんと京助が無事でよかったよ」

 

 

「ああ。心配かけてごめんな?予想外の威力でさ...」

 

 

「ほんとだよもう。あんなボロボロになって咥えられてきたからほんとに死んじゃったかと思ったじゃんかぁ」

 

 

「はは..申し訳ない...」

 

 

俺はあの後なんとか諏訪子に事情を説明して俺が無事なことを伝え、慰めることに成功した。

 

 

あの時俺はほとんど妖力を失っていたようだ。俺の帰りが遅いのを心配した諏訪子がミシャグジを1匹派遣したのだが妖力を追えず、見つけるのにかなり時間がかかったらしいのだ。

 

 

(対爆と硬化かけてたし...爆風で吹っ飛ばされたくらいであんなになるはずないんだよな...とするとやっぱり大質量の変質は妖力消費がやばいってことか....気おつけなきゃな....)

 

 

などと推察しながら鍋に箸を伸ばす。すると

 

 

「ハフッ..モグモグ..京助、これなに?」

 

 

諏訪子は取り皿の中の肉の塊を箸で刺して持ち上げ、こちらを見て首を傾げた。

 

 

「つみれってやつ。魚の練り物だよ」

 

 

これが魚なのかぁ...と驚いている諏訪子に俺はこれからのことを話す。

 

 

「そうだ諏訪子、明日からのことなんだけどさ、敵さんは明日にはもう攻めてくるのかな?」

 

 

「うーん...どうだろうねぇ...。あの爆発でそうとう痛い思いしたはずだから、またすぐに大軍で攻めてくるなんて馬鹿な真似はしないだろうけど...なにせ死なないからまた特攻..もしてきそうだなぁ。」

 

 

数で攻めるのが大和のやり方だしね...と苦い顔をしながらつみれを頬張る。

 

 

「そうか...また爆発させるなるとどうなるかわからないから特攻は勘弁して欲しいなぁ...」

 

 

今回の件もあり、自爆テロはやはり遠慮したい。今回は飛ばされた場所がまだ国の近くだったから良いものの、妖力が切れて意識がない状態で水に落ちたり、熊などの肉食獣に見つかったりしたら無事ではすまないだろう。

 

 

「それを祈るしかないねぇ。それに、あの爆発で生き残った神が何人かいたんだよ。ミシャグジ達向かわせた頃には居なかったけど..あの中の1人は相当強いなぁ...多分あれが八坂神奈子だろうなぁ...」

 

 

「八坂神奈子?」

 

 

「うん。敵の総大将が八坂神奈子って武神らしい。まだ天照様あたりじゃないだけましだけど...今の私と互角かそれ以上だね...ミシャグジじゃまず勝てないな」

 

 

「そうか...、他の神は?」

 

 

「うん、他の奴らも結構強いよ。1人でミシャグジ1〜3匹くらいなら相手できそうなくらいかな。そいつら筆頭に大勢で攻められたら、ミシャグジじゃ持たないかもね...」

 

 

「まずいな...なんとかいい案考えないと..」

 

 

 

 

結局その日はなにも考えつかず時間だけが過ぎ、次の日を迎えてしまった。

 

 

次の日、悪い予感が当たって、今度は1箇所で爆破されないように、数箇所から攻めてきた。幸いにも強い神達は来ておらず、ミシャグジ達が対処した。

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、流石に鍋が続いたので鳥肉の唐揚げをおかずにご飯を食べていた。

 

 

食べながら、何かを考え込んでいた諏訪子が決心したように話し始める。

 

 

「.....京助、私考えたんだけどさ」

 

 

「うん?」

 

 

「八坂神奈子に一騎打ちを申し込んでみるのはどうだろう」

 

 

「一騎打ち?」

 

 

「うん。流石にこのまま戦争が続くと町の人達も国から出られなくて困るし、外から物が入ってこないからね..。」

 

 

「...そうか。いい案だと思う。飢える人々が出てくるよりは、勝負に出るのが得策か」

 

 

確かに、現在は人々が国から1歩もでず、逆に他国からも物資を入れない状態が続いている。今はまだ食糧があるからいいが、これが長く続けば国の経済は停滞し、必ず飢える人々がでてしまう。そうなるよりはさっさと勝負に出て戦争を終わらせてしまうほうがいい。

 

 

「...よし、決まり。明日また使者をだそう。こっちの要求受けてくれるといいんだけど...」

 

 

「まぁ、爆破もあるから勢力は均衡してるし、多分呑んでくれるだろ。」

 

 

「..そうかなぁ。ま、とにかくご飯食べたら東郷さんの所に行かないとね」

 

 




京助はいつ思い出すのでしょうか..?


それではまた次回

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