異星艦娘と新任提督(事務員)   作:対艦ヘリ骸龍

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遅くなりました。(みてる人が居るかどうかわかりませんが…)ヴィローネ側です、漸く動き出します。


第六話  多重人(?)格

「では一応自己紹介としよう。主力艦だけでも知っておかないと今からの行動に支障をきたす。大型艦限定で向こうでの名前と所属、こちら側での名前を名乗ること。まずは俺からだな。向こうではアドミラル・ヴェルス級戦艦一番艦、アドミラル・ヴェルスと名乗っていた。帝国海軍所属だった。こちらでは<常陸>という名で呼ばれるようだ。主要目は変わらないな。あと、艦娘は女だとの事だが、俺は例外らしいな。」

 

そう言って、やや古びた軍服を着た青年──戦艦<常陸>の艦息──は笑った。背中の艤装に巨大な3連装砲塔を4基携えていた。

 

「次は私かしらね?私は向こうではスィルグレン級航空母艦、二番艦スヴィルという名前だったわ。元帝国海軍所属よ。こちらでは<伊吹>という名が付いているわ。主要目は同じく変わらないけれど、艦載機が旧式になってるものが有るわ。後で確認するけれど…」

 

次に<伊吹>と名乗った少女は至って普通の洋服を着ていた。右手には、そこそこ大きいボウガン、左手に巨大な飛行甲板を持っていた。

 

「次は…私、ですか…?私は…向こうではV級特務艦一番艦ヴォールンと名乗っていました。えっと所属は連邦海軍です…でした。こちらでの名前は試験艦<須磨>です。よろしくお願いします。」

 

そう言った彼女の背中の艤装には砲塔が──無かった。その代わり、本来砲塔が有るべき位置には板があった。

「おい、お前、兵装無いのか?」

 

「え…?いえ、ありますっ!ちょっと待っててください!──兵装システム、オールグリーン。問題なし。艤装<須磨>をシャットダウン。…完了。艤装<幻炎>を起動…完了。システムチェック、オールグリーン。戦闘に支障なし──これでどうです?」

 

そう聞いてきた彼女の背中には、先程まであった大きな板の付いた艤装はなく、代わりに噴進弾発射機と思われる箱形の兵装と、恐らくレールガンと思われる砲身の付いた砲塔が存在した。さらに艤装そのものの大きさも先程より小さい。

 

「V級特務艦二番艦、ヴァースフレイムです。こちらでは駆逐艦<幻炎>という名を持ちます。」

 

「待て、どういうことだ?」

 

「えっと、何でかは知らないんですけど、私、V級の艤装を全部使えるらしいんです。」

 

「V級ってことは…単艦で艦隊規模ってことよね……」

 

「他に──めんどくさいので出しませんけど──V級三番艦ヴェイルキャノン、同四番艦ヴィクターホルンの艤装が使えます。それぞれこちらでは戦艦<三河>、巡洋戦艦<劔>という名前を持ちます。」

 

連邦海軍所属、V級特務艦。V級と一括りにされてはいるが、同型艦ではない。超兵器に対抗するべく、生み出された戦闘艦群──特化型戦闘艦、そのプロトタイプとして生み出された軍艦である。その内訳は駆逐艦1、巡洋戦艦1、戦艦1、試験艦1。対超兵器兵器であるため個艦戦闘能力は異様に高い。これらの4隻が居れば大抵の超兵器に対抗できる、つまり大抵の敵に対処できる。

 

「本来なら一人の艦娘に1つの艤装の筈なんだが…俺が男であるように例外があると見るべきなのか。他に複数の艤装を使える、あるいは二つ以上の名前を持つ者は居るか?居たら手を挙げろ。」

 

常陸の発言に反応し、手をあげたのは二人。ヴィローネこと琴風と──R級防空駆逐艦リークこと秋月改級防空駆逐艦霧だった。

 

「ふむ…二人か。出せる艤装と艦級を教えろ。戦力の把握は急務だからな。」

 

「じゃあまずは私から。私はV級駆逐艦三番艦ヴィローネ、出せる艤装は、<太刀風>級防空艦三番艦<琴風>と島風改級駆逐艦三番艦<琴風>の二つです。ただ、<太刀風>級の艤装にしてはいくつかおかしい点が有るので、融合している可能性もあります。」

 

「そこら辺は後で聞くとしよう。次は?」

 

「私だな。私はR級防空駆逐艦Ⅲ型23番艦リーク。出せる艤装は、<鞍馬>級装甲巡洋艦二番艦<生駒>と<穂高>級巡洋戦艦一番艦<穂高>の2隻だ。とくに気になったことは無いな。」

 

「巡戦の艤装だと?」

 

「ああ、ただこれは私じゃ説明が難しい。詳しく説明してもらうとする。──艤装<霧>のシステムをシャットダウン。艤装<生駒>のシステムを起動。あとは頼んだ。──艤装<霧>のシャットダウンを確認。艤装<生駒>全システムチェック──完了。オールグリーン。それで…私になにかご用ですか?」

 

そう聞いてきた彼女の口調は、先程と全く異なっていた。

「ああ、お前の名前を教えてくれ。」

 

「私はⅤ号艦級装甲巡洋艦ヴァンガード。こちらでは<生駒>という名前を持ちます。」

 

「ふむ。じゃあさっき<霧>が言っていたが、説明をしてもらおう。」

 

「わかりました。ではまずこの艦に存在する意識について教えます。現在、私の中には、"私"の他に、ⅩⅠ号艦級巡洋戦艦一番艦イルミナティこと<穂高>、そしてこの体の基本人格たる<霧>の3人の艦娘の意識が存在しています。なぜなのかは不明です。また、こうやって表面に出ている意識によって艤装が変わります。原因については大体の予想はついてますが、話がかなり長くなるので割愛します。」

 

「意識か…じゃあそっちのええと…」

 

「V級駆逐艦ヴィローネです。私は霧のように意識の入れ替わりはありません。」

 

「艤装は両方とも駆逐艦だったか?艦級から考えるに防空艦と重雷装艦か?使い分けは容易そうだな。了解した。ではこれより輪形陣を組む。先頭は伊310、そのあと、生駒を中心に、太刀風級3隻で前衛陣を形成。次に湧別を先頭に、俺、伊吹、須磨を中心とした輪形陣を組む。間隔は大きくなくていい。あと伊吹、警戒管制機(AWACS)空中哨戒機(CAP)を『クローバー』で出せ。範囲は前衛陣を含み、中心はお前で。では各自行動に移れ!」

 

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

 




以上です。中々進みませんね…次は鎮守府side、遠征部隊のお話です。
艤装ですが、アルペジオ型は一部の艦娘のみ使用可能ということになるかと思います。

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