異星艦娘と新任提督(事務員)   作:対艦ヘリ骸龍

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まさかの超兵器複数の同時探知。
ほんとはもっと余裕かましたかった常陸さんですが…



急用が重なり中々更新できずすみません


第二十一話  水上砲戦②

「悪いがちょっと用事ができた。手早く終わりにさせてもらう」

 

そう言うと、常陸は主砲を今まで以上の速さで連射していく。その間副砲はひたすら牽制の射撃を続ける。

 

と、上空から轟音と共に、巨弾が降ってきて、最後尾にいた日向に直撃。一瞬で撃沈判定に追い込む。

 

『呉鎮守府、戦艦大和、武蔵、長門、日向、撃沈判定』

 

『こちら三河。射点に到達、援護射撃を開始しましたぁ~』

 

「遅かったな」

 

『途中でノイズ探知したからですよ~?』

 

「残り2隻か」

 

『でももうおっしま~い』

 

そんな声と共に、回避行動をとる残された2隻──伊勢と陸奥の上空で砲弾が瓦解。大量の子弾が2隻に降り注ぐ。直撃弾多数。

 

『呉鎮守府、戦艦陸奥、伊勢、撃沈判定』

 

 

 

 

ほぼ同時に駆逐艦同士の戦闘も終焉を迎えていた。

 

「撃て。」

 

60ノット以上まで突発的に加速、距離を詰めて155㎜砲弾を叩き込む暮風。夕立は、避けようとするが回避先に40㎜自動機関砲が弾幕を張る。ダメージが蓄積し、徐々に回避できなくなり、直撃を喰らい撃沈判定。

 

 

一方で島風も逃げても追い付かれ、155㎜砲弾の直撃により撃沈判定。

 

『呉鎮守府、駆逐艦島風、夕立、撃沈判定』

 

『呉鎮守府撃沈艦60、横須賀鎮守府撃沈艦0。呉鎮守府艦隊の全滅により、横須賀鎮守府の勝利とする』

 

こうして演習はあっけなく終了する。

 

 

 

「お疲れ様でした、常陸さん、伊吹さん。おめでとうございます」

 

「勝てて当然だ。須磨にもほとんどの艤装を使わせたし、ほぼ全員が現時点での全力を出したからな。それより、厄介なことがおきた。詳しいことはあとで説明するが対処を間違えれば……」

 

「国が滅びます」

 

最後を濁した常陸の台詞を引き取ったのは雹。

 

「わかりました。ところで霧…<穂高>さんはどちらに?」

 

「音風と暮風をつれて呉の駆逐艦を探しにいっている。なあ神崎事務員、彼処の鎮守府の艦娘、こっちに引っ張れないか?」

 

「誰ですか?ウチにいるかもしれませんよ」

 

「夕立と島風だ」

 

「……確かその二人はまだ居なかったと思います」

 

「あとは……そうだな特には居ないな、その二人だけだ」

 

「多分無理だと思うんですが……なぜです?」

 

「今のところ、俺が見た艦娘の中で、そいつらだけが俺達の戦闘に付いてこれるからだ。改造すればアレとも戦えるだろう。だが、無理か。なら横須賀第三の艦娘に訓練を課すしかないか。俺たちが負ける相手に勝てるとは思えんが……」

 

「負ける?」

 

「そこら辺もあとで詳しく、だ。誰が聞いてるか分からんし、ましてや誰にでも言って良い話じゃない」

 

「駄目だったぜ、今回は俺達だけで対処するしかなさそうだ」

 

「おかえり<穂高>」

 

「構わない。もとよりそのつもりだ」

 

「でも複数同時に相手できるのか?」

 

「追い込まれたら<玉星>改二特型を出す。一個小隊だけだが充分だろう」

 

「確かに……」

 

「それに初期型であればこの艦隊でなら複数相手にできるはずだ、余裕を見てもな」

 

ただ、問題なのは艦載機である。恐らく超兵器を()()()()()()()()()()()のは特殊格納庫内の戦闘攻撃機<玉星>改二特型と呼ばれる航空機4機編隊のみ。あとはサポートにしかならない。通常艦載機では、空母型の艦載機と渡り合える程度。数で押し潰されるのは目に見えている。となるとやるべきことは……

 

「神崎、兵装の生産はどうするんだ?」

 

「生産?ああ、"開発"ですかね?鎮守府に戻ったらお教えします」

 

「"開発"か、ふむ。了解した」

 

 

 

 

 

鎮守府へ帰投する途中のマイクロバス車内(神崎運転)では、反省会が行われていた。

 

「今回の反省点を挙げていけ。と言っても多くはないが」

 

「潜水空母の見逃し」

 

「敵戦力に応じたこちらの戦力配置」

 

「そんなところかな?まあ全体的に纏めてしまうと偵察と情報収集の不足か。まあ仕方のないこととはいえ、次はないようにしよう。対超兵器戦闘は、わずかなミスが敗北に繋がる。鎮守府に戻ったら、伊吹は"開発"を、伊310は俺と一緒に神崎に超兵器についての説明をしてくれ」

 

「開発?」

 

「ああ、兵装の生産だ。何が出るかは知らないが、俺達が使えるようなものが出てくれれば上出来、俺達から見れば旧式でも普通の艦娘にとっては最高ランクの装備になる可能性がある」

 

「わかったわ。さしあたって<輝星>でも狙うかしら?」

 

「積めるのお前だけだろうが。普通に……蒼電とかで良いだろ」

 

ちなみにだが多分蒼電も普通の空母には載らない。

 

「結局探知したのは何なんだろうね?」

 

「"複数のノイズを確認"って言ってたからな、恐らくは同型だと思うが…違う可能性もあるんだよな」

 

「戦艦型と空母型だったら厄介」

 

「ですね、流石にこの艦隊でその組み合わせを相手するのは厳しいでしょう」

 

「相手が航空機型なら……」

 

「<玉星>改二特型と<須磨>か<幻炎>で片が付く」

 

「それ私必要ないと思うんですけど……」

 

「"ドリル"だったらどうするんですか?」

 

「あ、そんな奴居たわ……アレどうやって倒したんだ?俺その時出てないから分からんのだが」

 

「えーと、確か近距離で65㎝を叩き込み続けた筈です。ただそれをやった戦艦は沈みましたが」

 

「うわあ……それどうするよ……」

 

「というかそもそもあの小さい艤装でダメージを与えられるのかしら?ドリルとか接近したら文字通り死ぬんじゃ……」

 

「あー……確かに……どうすんだよじゃあ」

 

「えっと、良いですか?」

 

「どうかしたのか、神崎さん?」

 

「出来るかどうかわかりませんが、貴殿方はドロップ艦なので"超過艤装"が使えるかもしれません」

 

「"超過艤装"?なんだそれは?」

 

「ドロップ艦には稀に、体に付くタイプの艤装だけではなく、在りし日そのままの軍艦そのものを艤装として展開できる艦娘が居ます。その軍艦そのものの艤装を"超過艤装"と呼んでいるのです」

 

「んで俺達も出来るかもしれないってわけか。ふむ、鎮守府に戻ったら一度試してみるとしようか」

 




以上です。

玉星改二特型は、エスコンのノスフェラトゥみたいなのを想像してください。


それでは感想質問批評等お待ちしております。

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