異星艦娘と新任提督(事務員)   作:対艦ヘリ骸龍

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遅くなりました。更新です。


なかなか進まなくてイライラしていると思いますがどうぞ!



第十一話  対話

横須賀第三鎮守府執務棟、執務室。

 

「改めまして、初めまして。帝国・連邦合同艦隊の旗艦を引き受けている、戦艦常陸、という。性別については、俺もわからないから突っ込まないでくれ。」

 

「改めまして、初めまして、横須賀第三鎮守府の執務補助事務員の神崎と言います。」

 

「同じく、横須賀第三鎮守府提督代理の戦艦長門だ。」

 

「さて、我々は見ての通り、そちらで言う、ドロップ艦?なわけだが、ドロップ艦の扱いと言うのはどうなっているんだ?」

 

「一応規定上、ドロップ艦は発見者の所属する鎮守府へ配属されるという事になっています。」

 

「では我々はここに配属されることになるのかな?」

 

「規則上は。」

 

「というとどういうことなんだ?」

 

「つまり、お前達は、天龍達を助ける過程でかなり大きな戦闘能力を示した。それを聞き付けた上位の鎮守府──例えば横須賀第一鎮守府とか呉、佐世保なんかから引き抜かれるかもしれないということだ。」

 

「権力争いか、どこでも変わらないものだな。俺の艦長はそういうのとは無縁だったが…」

 

「それは羨ましいですね。」

 

「そうでもないぞ?俺の艦長は確かに権力争いからは無縁だったけどな。なぜかというと、絶対的な頂点だったからなんだよ。俺の艦長は、帝国皇太子殿下だったんでな。やたら黒ずくめの男が来てたな。」

 

戦艦常陸、こと戦艦アドミラル・ヴェルスは、帝国海軍最強の戦闘艦であり、単艦で艦隊を粉砕できると言われるまでの巨艦であった。しかし、どちらかと言えば、象徴のようなものであり、戦時でも滅多に動かない。そのため、艦長職は名誉職に近く、初代こそ海軍中将であったが、2代目は、帝国皇太子が艦長を勤めていた。一応海軍元帥の階級を保持してはいたが、飾りのような物だった。

 

「皇太子が艦長だっただと…」

 

「まあ今は関係ないけどな。んで結局俺達はここに所属していいのか?」

 

「はい、権力系統のお話は貴殿方艦娘…艦息ですかね?の手を煩わせる事でもないですし、餅は餅屋とも言いますのでね。まあ頭抱えるのは大将の役目ですし。」

 

さらっとたった一人の同期の胃袋と、もしかしたら頭にも、ダメージを与えようとしている神崎。

 

「いい性格してんな…ていうか丸投げして良いのか?」

 

「良いでしょう。別に。私にそっぽ向かれて困るのは海軍の方ですし。」

 

「神崎、さん?お前何者だよ…」

 

「えっと常陸、でいいな。こいつはドロップ艦以外の艦娘の艤装の上位管理者権限と、艤装を気配だけで見つける特殊能力の保持者だ。全く、どこが一般の海軍中佐だ…」

 

「あと大将の唯一の同期ってだけですよ。」

 

「それだけあれば十分だろう…」

 

長門の答えと、神崎の付け足しに、呆れたような声を出す常陸。

 

「まあ良いか。面倒事は少ない方がいいし、複雑な背景を持ってるってのも干渉を防ぐ軽い防壁にはなる。その場合、所属鎮守府は俺達の意思が優先されるのか?」

 

「ええ、おそらく。」

 

「なら問題はない。神崎さん、それから長門さん。ここで世話になる。余計な干渉が有ったら言ってくれ。俺達が撒いた種は俺達が回収する。」

 

「良いんですか?確かに艤装見た感じ強そうですけど、こちらにちょっかい出せるほどの鎮守府なら、多分武力も…」

 

「問題はない、と思うが、長門さん、日本の鎮守府にはドイツ艦は居るのかね?」

 

「ん?ああ、居るぞ。数は少ないがな。」

 

「その中に…フォン・ヒンデンブルグ、もしくはフォン・ブラウン、モルトケといった艦は居るか?」

 

「……いや、居ないな。」

 

「基本的に最強の艦は?」

 

「大和、あるいは武蔵だな。」

 

「一号艦級か、多分大丈夫だろう。相手できるのは…俺と霧と須磨と雫だけか?」

 

「そうですね…いえ、霧は厳しいと思います。速度が同等だとすると、火力で負けます。」

 

「ああ、そうか、<穂高>のモデルは5号艦級巡戦だもんな…後継とやりあうのは厳しいか。」

 

「となると3隻までしか相手できませんね。三号艦級以上が居なくて良かったです。」

 

「と言うことで相手が大和型連合艦隊組まない限り負けることはない。」

 

「大丈夫そうですね…」

 

「んで正門のありゃあ一体何が?」

 

「あれはですね……」

 

そして、神崎が大体の経過を、鎮守府内については長門が説明を加えつつ、すべてを説明した。

 

「その結果として、未だに駆逐艦は人間、特に男との接触を恐れています。」

 

「ほう、それで、その提督とやら(ゴミ屑)はどうなったんだ?」

 

「逮捕され、今は刑務所にいるはずです。」

 

「そりゃ残念。帝国皇家直属戦闘艦の名の元に鉄槌を下ろしたかったんだが。じゃあ表のはあれか、暴発を恐れてか。」

 

「恐らくは。」

 

「何で起きる前にわからんかったかな、よほど無能だったんだろ?」

 

「教官は割りと反対だったんですが。」

 

「上層部も使えないってことか、全く。ゴミみたいな上司ほどこの世に要らんものはない。ますます問題ないな、ここに所属した方が良さそうだ。」




以上です。

…えっと、常陸と須磨の場合、相手する、ではなく吹き飛ばす、ですし、雫の場合は溶かす、になります(汗)

なお彼等は文中にもありますが、大和型をRSBCの一号艦級(34ノット、46㎝9門)と考えています。まあ実際は穂高(霧)でも戦術次第で勝てると思います。

それでは、要望質問指摘等受け付けております。

次は…舞鶴か横須賀第一が喧嘩売りに来るかもです(笑)

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