役人転生IFルート〜先生になった私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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※ご注意※

愉しい愉しい修羅場回ですが、若干の桃色展開があります。


PS,後書きにアスパラガスside(前々回ぐらいに入れようと思って忘れていました)がありますので良ければそちらもご覧下さい。


受難

ど、どうしてケイ君がここに!?

 

ハッ、まさか!!

 

「……」

 

窓の外でナオミ君がサムズアップしてるんですけど!?ハメられた!!

 

って、ナオミ君!?何で窓ガラスに濡れた新聞紙を貼るんですか!?

 

いやいや、もう一回サムズアップされても意味が分かり――よく見たらサムズアップじゃない!?女の子がそんなジェスチャーしちゃ駄目ですよ!!

 

いつものクールさはどこに行ったんですか!?

 

「ようやく見付けたわよ」

 

「ヒィイ!!あわ……あわわわ……」

 

ま、不味いです!!逃げ場が、逃げ場が無い!!

 

唯一の出入り口はケイ君の後ろにしか無いですし、ナオミ君によって新聞紙を貼られてしまった窓は固定式でそもそも開かないですし。

 

……あれ?もしかして詰みました?

 

「フフフッ、そんなに怯えなくても大丈夫よ、レンタ」

 

ならまず凄くイイ笑顔でにじり寄って来るのをやめてもらえませんかね!?

 

「私ね、分かったの」

 

な、何がです?

 

「やっぱりレンタも男なんだし、押されっぱなしは嫌なんだって」

 

……いや、押されっぱなしが嫌というか高校生である君に手を出したら犯罪なので逃げているだけなんですけど。

 

それにそもそも私は自分からグイグイ行くタイプでもないですし。

 

「だからね、押してダメなら――」

 

おや?勘違いしていますけど何はともあれケイ君は方針を転換して引いてくれるようです。

 

これは助かったんでしょうか?

 

「もう有無を言えないぐらい押し切ればいいって!!」

 

違った!?引くんじゃないんですか!?

 

ッ!!どうして制服の上着を脱ぐんです!?いやいやいや!!ネクタイを外す必要はありませんよ!!

 

「フフッ、だから……既成事実さえあればもう逃げられないわよね?」

 

「ヒィイイッ!!」

 

何かケイ君がとんでもない事を言い出したんですが!?黙って雲隠れした事が完全に裏目に出ました!!

 

というか……ケイ君の目が本気……く、食われる!?

 

「密室で2人っきり……逃げられるなんて思わない事ね」

 

ま、不味い、不味過ぎます。ケイ君が自分で作り出した場の空気に呑まれて正気を失っています。

 

「あぁ、大丈夫よ。大人しくしてれば天井の染みを数えている間に終わるから」

 

そのセリフは普通男性側が言うのでは!?

 

「フフッ、フフフッ!!さぁ、覚悟なさい!!」

 

ッ!!ツッコミを入れている場合ではありませんでした!!このままでは事案が!!事案が!!

 

「えい」

 

「ふぁ!?お、お、落ち着いて下さい!!ケイ君!!」

 

診察台兼寝台に押し倒され――力が強い!?何で片手で私の両手を押さえ込めるんですか!?

 

ノォオオー!!スーツとシャツのボタンを外さないでー!!そんな手つきで腹筋をまさぐるのは止めて下さいー!!

 

「フフッ、私は落ち着いているわよ」

 

嘘だ!!か、神様!!お助け下さい!!この場の空気を壊すだけでいいですから!!

 

そうすればきっとケイ君も我に返ってくれるはず!!

 

なのでどうかッ!!

 

「ケ、ケイ君!?今ならまだ間に合います!!ですから!!」

 

「シャラップ。うるさいわよ……そうだ。口を塞いじゃえばいいのね。ん〜」

 

ケイ君の顔が近付いて――神……様。

 

「――失礼します、隊長。撤収の準備が……」

 

「……」

 

「……」

 

神は居た。

 

「あ、あれ?あーぁー……し、失礼――」

 

ナイスタイミングです、アリサ君!!助かりました!!お陰で場の空気は完全におじゃんです!!

 

「ではでは私はこれで!!」

 

ケイ君が背後を振り返ったままの状態で硬直してしまったお陰でマウントポジションから逃げ出せました。

 

さて、無表情かつ瞳孔が開いた目でケイ君がアリサ君を凝視している隙に逃げましょう!!

 

「え、あ、ちょっと!!お願いだから行かないで!!」

 

おっと!?アリサ君に手を掴まれてしまいました。

 

「大丈夫です!!アリサ君なら大丈夫です!!」

 

だから、その手を離して下さい!!

 

「大丈夫って、何が大丈夫なんですか!!お願いだからこのまま隊長に襲われて下さ――あぁ!?」

 

「さようならッ!!」

 

アリサ君には申し訳ないですけど、私が助かるにはこうするしかッ!!

 

「お願いだから……戻って――……うっ!?」

 

「……」

 

「あ、あの、あの……隊長?」

 

「……なぁに?アリサ?」

 

「その……怒ってますよね?」

 

「怒ってる?アハハハッ、怒ってなんかないわよ〜。フフフッ」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「えぇ、だって誰にでもミスをする事はあるでしょ?」

 

「そ、そう言ってもらえるとありがたいですけど……その、顔が笑ってないですよ?」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……ねぇ、アリサ」

 

「は、はい!!」

 

「懲罰房、行こっか」

 

「ヒッ!?」




……アリサに幸あれ。

さて、ストックがスッカラカンになってしまったため更新は暫く先になります。
m(__)m




アスパラガスside

「メルド(ちくしょう)!!なんて醜い戦いざますか!!サンダースの成り上がり共!!私達から取り上げた戦車を無様に浪費するなんて!!戦車道の風上にも置けないざます!!」

あの方の指導を受けておきながらなんという結果ざます!!

「いかがします?アスパラガス様」

「よろしいざます。我が輩達が戦車道のなんたるかを教育してやるざます!!」

そして、あの方に鍛えて頂いておきながら無様な戦いをしたサンダースとは格が違うという事を知らしめてやるざます!!

……しかし、あの素人達はやけにあの方の様な戦い方をしていたざますね。

まさか……いや、そんなはずはないざます。

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