役人転生IFルート〜先生になった私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
そのため本格的な修羅場は次回となります
m(__)m
「先生、ただいま戻り――む?姿が見えぬな」
「本当だ……どこに行ったんだろ?」
「チッ、勘づいて逃げたわね。……まぁいいわ、手掛かりは掴んだんだし」
ふぅ……危ない危ない。しずか君達が入って来た方とは反対側の陣幕を捲って間一髪脱出に成功しました。
「……」
ここでケイ君に捕まってしまうと大変な事になるのは目に見えていますから……しずか君と鈴君には申し訳無いですけど、このまま先に学校へ戻らさせて頂きましょう。
帰りの準備や諸々の手配は既に済んでいますし、急用が出来たので先に帰るという旨を大急ぎで書いた置き手紙も置いておきましたから問題は無いはずです。
「……」
あ、そう言えば観戦している途中で邪魔になって外してしまった変装道具を忘れてきてしまいました。
……まぁ、放っておきましょう。今さら考えていても回収は無理なんですし。
さて、それではケイ君やサンダースの子達に見付からないように帰りましょうか。
「……何をしているんですか?」
へ?
「ナ、ナオミ君!?」
言ってる側から見つかってしまったんですけど!!というか、ナオミ君はいつからそこに!?
「ウチの隊長が探してますけど」
「い、いやーその……ね?ちょっと、ハハハッ……」
「……?」
ま、不味い……ここでケイ君を呼ばれてしまっては逃げる事など到底不可能です。
となれば致し方ありません。ここは最終手段を使うしか無いようです!!
「……ナオミ君」
「何ですか?」
「お願いです!!見なかった事にして下さい!!」
必殺、ジャンピング土下座!!
捕まれば死の瀬戸際に最早恥も外聞も関係ありません!!
「……」
「……」
「……」
「……」
あ、あのー沈黙が怖いんですが。
「……まぁ、いいですけど」
「ありがとうございます!!」
良かった……これで最悪の事態は回避出来ました。
ナオミ君には後で何かお礼の品を送っておかないといけませんね。
「では、私はこれで」
「あぁ、そうだ。状況が落ち着くまで私達が持って来たあの救護車の中に隠れていた方がいいんじゃないですか?ウチの隊長の事だから非常線張るでしょうし」
「それもそうですね。ではお言葉に甘えてさせて頂きます」
よいしょっと。
ふぅ。とりあえずナオミ君の助言通りにこの救護車――牽引車の荷台に積まれたコンテナ型の救護所の中で暫く時間を潰しましょうか。
……しかし、それにしても私が楯無高校に居ることがケイ君に感付かれてしまったのは痛いですね。
まぁ、しずか君と鈴君に協力する事を約束した時点でこんな未来が来る事は避けられない定めだったんでしょうが……バレるのが些か早すぎます。
まだ全然ほとぼりが冷めてないですし……はぁ、困りました。
――ガチャ、バタン。
あれ?誰かが入って――ッ!?
「久し振りね、レンタ」
「ヒィ!!」
次回、割りと大変な事になります。
(´∀`)