役人転生IFルート〜先生になった私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
(´∀`)
なお、前話で少々紛らわしい話の進め方をしましたが、今回のメインキャラはケイではありません。
ふむ。しずか君と鈴君は今頃BC自由学園の試合を観戦している頃合いでしょうか。
彼女達のチームはしずか君達がこの先の事に備えて学ぶべき……学んでおかなければいけないノウハウを持つチームですからね。是非とも多くの事を見て学んできてくれればいいのですが。
……おっと。考え事をしていたら待ち合わせの場所を通り過ぎてしまいそうになりました。危ない危ない。
さて、目的の人物は……あ、居ましたね。
「お待たせしました」
「いえ、こちらこそコーチが大変な時にお呼び立てして申し訳ありませんわ」
ふぅ。無事にマジノ女学院の戦車道チームの隊長であるエクレール君と合流出来ました。
「いやいや、構いませんよ。では、とりあえずそこのカフェにでも入りましょうか。いつまでもここに居るのは少々人目につきますから」
「……はい」
うーん。エクレール君の顔色があまり良くありませんね。
相談があるという事で緊急用回線を介して呼び出された訳ですけど、まさかまた何かマジノ女学院であったのでしょうか?
以前はマドレーヌ君から隊長の座を勝ち取った際のゴタゴタで体調を崩すほど精神的に参っていたので手を貸しましたが。
今回は一体何なんでしょう。
「コーヒーを2つお願いします。――それで早速ですが相談というのは?」
「はい。それがその……」
「……?」
よほど言い出しにくい事なんでしょうか?
しかめっ面のエクレール君がすごく言い澱んでいます。
「BC自由学園の事なのです」
「BC自由学園?」
はて、母校であるマジノ女学院の事ではなく他校――BC自由学園の事でエクレール君が相談にやって来るとはどういう事なんでしょうか。
「実はコーチが学園艦教育局長をクビになった事を受けてBC自由学園の隊長であるアスパラガスとボルドーの意見が真っ二つに割れてしまいましたの。片や報復、片や忍耐という風に。そしてアスパラガスとボルドーが意見の相違から喧嘩を始めたのを切っ掛けに今現在学園艦全体で旧BC高校と旧自由学園に分かれて争っている有り様で」
「……はぁー……」
そういう事ですか……うん。もう何か大体分かりました。
「っ、申し訳ありません。最初は宗校である私達の力で収めようとはしたのですが……力及ばず、ますます争いが拡大する始末で」
「あぁ、すみません。今のため息は自分に対してですから気にしないで下さいね」
「え、あ、はい……」
全く、未だに統合計画の一件の事で私に恩を感じているあの子達の反応を読み間違えた私の失策です。
時間が無かったとはいえ、姿を消す前に会いに行っておけば良かったですね。
というか、自分のゴタゴタでBC自由学園がそんな状態になっている事に気が付けなかったなんて……一生の不覚です。
「それで……その……コーチも大変な時だとは存じておりますが、どうにかお力添えを頂きたく」
「分かりました。ちょうどいい機会がありますし、そこで手を打ちましょう」
エクレール君にお願いされましたし、何より我が身から出た錆びの不始末はきっちり付けなければいけませんからね。
断る理由はありません。
「お願いします」
しかし、それはそれとして私如きの事でチームの結束が揺らいでしまうのは頂けませんね。
さてさて。どう(教育)してあげましょうか。
恐らく次回の更新が遅れます。
(;´д`)