レイバーハンガー前にて
香貫花（イライラ気味）『太田、今日が何の日か知ってる？』
いさお（もじもじ気味）『お、おう。知ってるとも。バレンタインデーだ』
香貫花（更にイライラ気味）『そうよ、ヴァレンタインデーよ。』
香貫花（更にイライラ気味）『なのに、男のくせして何モジモジしているの、気持ち悪い』
いさお（困惑しつつ、もじもじ気味）『だ、だからバレンタインデーってのは・・・』
香貫花（更にイライラ気味）『何？』
いさお（困惑しつつ、もじもじ気味）『俺にチョコを・・・』
香貫花（更にイライラ気味）『チョコレートがどうしたの？ 欲しいの？ 自分で買ってくれば！』
いさお（困惑気味）『え？ くれないの？』
香貫花（あきれ気味）『なぜあなたにチョコレートをあげなきゃいけないの？』
いさお（困惑気味）『え？ なんでって・・・』
香貫花（あきれ気味）『あー、馬鹿馬鹿しい。先に帰るわ』
事務室にて
香貫花（あきれ気味）『南雲隊長？』
南雲隊長『どうしたの？ クランシー巡査部長』
香貫花（あきれ気味）『太田の様子が変なんです。私にチョコレートをくれって』
南雲隊長『チョコレート？ 今日は何日』
香貫花（あきれ気味）『（２月）１４日ですけど』
南雲隊長『なるほど。だから太田くんはチョコレートをもらえると思ったんだ。かわいいわね』
香貫花（困惑気味）『ヴァレンタインデーって、男性が女性にプレゼントする日じゃないんですか？』
南雲隊長『そっか、クランシー巡査部長はアメリカ人だから日本のバレンタインデーを知らないのね』
香貫花（困惑気味）『それ、どういう意味ですか？』
南雲隊長『日本ではね、バレンタインデーには女性から男性にチョコレートを贈る風習があるのよ』
香貫花（あきれ気味）『変な風習。だから太田があんなにモジモジしてたのね』
南雲隊長（引出しからチョコレートを取り出して）『じゃあ、今から持っていく？ これ』
香貫花（毅然と）『いえ、チョコレートは必要ないです。今から太田にアメリカンスタイルを叩き込みますから』
南雲隊長（チョコレートを持ったまま）『あ、そうなの。じゃあ、がんばって』
隣から、か細く
後藤隊長『あのー、しのぶさん』
南雲隊長『なんですか？ 後藤さん』
後藤隊長『僕たちは日本人同士なので・・・』
南雲隊長『はいはい、わかっていますよ』（と言いつつ、チョコレートを引き出しにしまう。）
後藤隊長（残念そうに）『え～くれないの。チョコ』
南雲隊長『慌てないで、あなた用はこっち』（と言いつつ、別の引き出しから高級そうなチョコレートを出す。）
後藤隊長（うれしそうに手を伸ばす）『ありがとう、しのぶさん』
南雲隊長（チョコレートを遠ざけて）『ちょっと待って、来月の今日は何の日か知っていますよね？』
後藤隊長（もみ手をしつつ）『知ってる知ってる、おじさん、何でも買ってあげちゃう』
しのぶ『そう、じゃあ楽しみに待ってるわ』（左手を眺めながら）