東方大魔王伝 -mythology of the sun-   作:黒太陽

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-秘伝- 合唱(コーラス) Ⅶ

 

 

 

 

 

 

『それでは次の試合に行きましょう!』

 

粉々になったリングはすぐに新しい物に変えられている、最初に消滅したリングの代わりをつくる際に予備も作っていたのでスキマで運ばれ設置されていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あと二人か……」

 

魔理沙が呟く

 

「残ってるのはポップと勇者、どうするお前等?」

 

どうするとは勇者一行と幻想郷、どちらが先に出るか

 

「っても今だにバーンから勇者の相手をどうするか決められてないからな、下手に出て勇者来られてもマズイしなぁ」

 

言うのは妹紅

 

「ならあの魔法使いを指名すればいいじゃない……ああ、魔法使いだから魔女組に遠慮してるの?」

 

パチュリーの問いに妹紅は苦笑する

 

「まぁそんなとこさ、だからさパチュリー行くか?」

 

「遠慮しとくわ、大した事なさそうだから」

 

パチュリーはポップに興味が無くそっぽを向いた

 

「んじゃ私が行ってくるぜ」

 

立ち上がったのは魔理沙

 

「本気?すぐ終わるわよ?」

 

魔理沙とポップの実力を鑑みて冗談なのかとパチュリーは言った

 

「まぁ見てろよ!多分面白い事になると思うからよ」

 

ニカッと魔理沙は笑うと箒に跨がりリングへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おおーっと!先に出場したのはまたもや頂点!幻想郷が誇る魔女の二天から霧雨魔理沙が来ましたーーー!!』

 

盛り上がる会場の声に魔理沙は気にせずリングへ降り立ち勇者一行の控え室へ指を向ける

 

「来いよポップ!一丁揉んでやるぜ!」

 

挑発するように指をチョイチョイ折り曲げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呼ばれてんな、まっもう俺しか残っちゃいねぇんだけどよ」

 

指名をされたポップは苦笑する

 

(ダイを最後にしたいって事か、焦らすじゃねぇかよレミリア)

 

詳細は知らずとも唯一武闘大会の理由を知るポップは気を落ち着かせるように大きく息を吐いた

 

「しゃあねぇ、行ってくっか」

 

控え室の出口へ向かうポップに皆が応援の言葉をかける

 

「わーってるよ!油断なんかしねぇ!つか出来るか!胸借りるつもりの気でいんだからよ俺ぁ!」

 

出口を一歩出たポップは立ち止まり、振り返りダイを見た

 

「……」

 

ダイはずっと俯いている

 

(行ってくんぜ……親友)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『勇者一行からはポップ選手ー!奇しくも?いや必然?六試合目は同じ魔法使いの戦いとなりましたー!!』

 

 

「おう来たか!逃げてたら後でボコボコのケチョンケチョンになってたぜお前?」

 

「怖ぇ事言うなよ!逃げるかっつーの、そういうのはもうやめたんだ俺ぁよ」

 

 

実況と大歓声の最中、魔法使いの言葉が交わされる

 

「なぁ?お前さんもダイの事ぁ知ってんだよな?」

 

「ああ知ってるぜ?それがどしたよ?」

 

「ホントに大丈夫なのかよ?」

 

ポップが気にしてるのはやはりダイの事、信じるとレミリアに言ったが何をするのかも知らないから不安になるのも当然

 

「知るかよ」

 

至極どうでもよさそうに、面倒臭そうに魔理沙は言った

 

「私は全能の神様じゃねぇからよ、んな事聞かれてもわかんねぇ、なるようになる……しか言えねぇぜ」

 

「なんだよそりゃ……無責任な事言いやがって」

 

「無責任なつもりはないぜ?何かあった時は私達が責任持って対処するつもりだからよ、私が言いたいのは勇者がどう転ぶか予想つかねぇって事だぜ……まぁ悪いようにするつもりはねぇのはマジだぜ」

 

「……そうかよ」

 

「わかったか?ならよ?辛気臭ぇツラしてないで今を楽しめよ!」

 

ダイの事は忘れて今は武闘会を、今だけはこの勝負に集中しろと言っている

 

「……わーったよ」

 

ポップも納得して表情に戦気を滾らせていく

 

「んじゃ改めて……霧雨魔理沙だぜ、魔女の二天、黒白天の大魔導士なんて言われてる、よろしくだぜ!」

 

「ポップだ、字も一緒かわかんねぇが俺も大魔道士だ……俺と師匠以外で大魔道士を見るとは思わなかったぜ」

 

「ハハッ!私も驚いたぜ!奇しくも同じ二つ名だねぇ坊や……ってか?」

 

二人の大魔法使いは笑い合う

 

「ああそうだ……おーい紫!」

 

魔理沙は大声でスキマに居るだろう紫に語りかける

 

「せっかく新しくしてくれたとこ悪ぃけどリング退けてくれ!理由はわかるだろ!そんで空間拡げてくれ!」

 

次の瞬間リングが消えた、紫が会場の外にでも置いたのだろう

 

「おわっ!?急にやんなよな!焦ったじゃねぇか!」

 

急に立っていたリングが消えてバランスを崩しながら地面に立ったポップとわかっていたから普通に降り立った魔理沙

 

直後に試合空間が弄られ倍に拡張される

 

「悪い悪い!そんじゃ準備も出来たしやるか!」

 

「御手柔らかに頼むぜ魔理沙?」

 

「そいつは無理な相談だぜポップ!」

 

 

 

『準備はよろしいですね?それでは第六試合目!始めぇ!!』

 

 

 

 

 

 

 

六回戦 ポップVS魔理沙

 

 

 

 

 

 

 

 

「恋符「マスタースパーク」!!」

 

 

八卦炉が火を吹いた

 

 

「どわあああああっ!!?」

 

 

極太レーザーをポップは必死のダイブで避けたも地面を転げ回り早くも擦り傷が出来てしまった

 

(なんつー威力の魔法だ!?いやつーか……!)

 

とんでもない威力に焦ったのは確かだがそれよりも言いたい事があった

 

「殺す気かテメー!!?」

 

明らかに直撃すれば死にかねない威力だったのだから

 

「大丈夫だぜ!死んでも世界樹の葉がある!」

 

初手で肝を冷やしまくったポップを見ながら意地悪そうに魔理沙は笑っていた

 

「故意の殺害は禁止じゃねぇのか!」

 

「バカにすんな!お前なら避けれると思って撃ったんだぜ!」

 

「……そいつはどうも?いやいやふざけんな!」

 

「細けぇこたぁ気にすんなポップ!次行くぞー!」

 

「させっか!メラゾーマ!」

 

ポップが火球を放つも魔理沙は箒に跨がり飛んで楽に回避する

 

「タイマンでんなトロクセェ単発技が当たるわけねぇだろボケェ!攻撃ってのはこうすんだよ!」

 

拡げられた空間を高速で飛びながら弾幕をばら撒く

 

「は?おい!?ちょっと待てよおわああああ!!?」

 

ポップもトベルーラを使って空中を飛び弾幕を必死に躱す

 

「これが私等の本来の戦い方ってヤツだぜ!イカすだろ!」

 

「ま、待て!待ってくれ!タンマだタンマ!」

 

「イヤだぜ~」

 

懇願を嘲笑いながら魔理沙は弾幕を撃ち続ける

 

(冗談じゃねぇぞ!軽く撃ってるように見えて一発一発がメラミ並みじゃねぇか!?ざっけんな!?)

 

幻想郷の頂点の一人であると同時に魔法使いの天辺でもある力の大魔導士の真髄はその魔法の威力にある、高められた魔法の力はただの弾幕を一発の被弾も無視出来ないモノに変えてしまう

 

「弾幕はパワーだぜ!!」

 

フランやロランが物理威力の最強なら魔法威力は魔理沙が最強なのだ、威力に関してはマダンテや合体魔法など特殊な魔法を使わない限り同じ二天のパチュリーすら足元にも及ばない

 

そして広範囲を攻撃出来る魔法を持つ魔理沙の殲滅力は幻想郷で最高峰となっている

 

「ちっきしょうがぁ!!?」

 

反撃もままならずポップは逃げ回るしか出来なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうも先生!」

 

「あらレティ、ピクニック以来ね」

 

やって来たパチュリーの魔法の教え子であるレティが横に座る

 

「先生はこの試合どう思いますか?」

 

「つまらない試合ね」

 

眺めるパチュリーがハッキリと言った答えにレティは苦笑する

 

「強いと思いますけどね彼……私、前に模倣する影の魔物と戦ったんですけどその影、彼を模してたんですよね」

 

太陽神異変の際にレティも戦った大魔王の影、それが模していたのはポップだった

 

「その影より絶対に強いんですけど……相手が悪いですよね」

 

「そうね、魔理沙が相手だもの……実力はあるのはわかるけど敵わないわ」

 

「知識と技術が追い付いてない……違いますね、無いのかな……?基礎を鍛えてただけって感じかな?」

 

「おそらくね、彼に足りないのは魔法の知識と経験、師が居ないのかそもそも知識の底が浅い世界なのかもしれないけれど魔法使いとして持つべき要素、知識への貪欲さが足りないわね」

 

「やはりですか……ふーむ」

 

二人の勝負を眺めるレティは内心思っていた

 

(……彼の才能は認めてるんだ、補完出来れば脅威と思う位には)

 

どうでもよさそうに見えて見るべき部分はちゃんと見てるんだと、意外だなと横目でチラリとパチュリーを見る

 

「……」

 

眺めるパチュリーは少し機嫌が悪い

 

(貴方ならその程度すぐに終わらせられるでしょうに……何を遊んでるの魔理沙?)

 

気に入らない展開を頬杖をついて睨む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラどうしたどうしたー!逃げるだけか大魔道士さんよー!」

 

変わらず弾幕を張り続けている魔理沙

 

「くそったれがー!?」

 

逃げ続けるポップ、勿論逃げるだけでなく僅かな間を見つけて呪文を唱えるも軽く避けられるか弾幕に擂り潰されて魔理沙には届かないでいた

 

「ふざっけんな!なんだその魔法はよ!卑怯だろうがー!」

 

「ハッ!青二才が寝言言ってやがるぜ!正面から弾幕撃つのが卑怯たぁ笑わせやがる!」

 

「んぐぐ……!?」

 

ポップは言い返せない、自分の世界には無い弾幕という物量攻撃に圧倒されて思わず言ってしまったが魔理沙の言う通りなのである

 

「悔しいんならお前もやりゃいいじゃねぇか!お前にゃ無理だろうけどよ!」

 

「ッ……!?くっそが……!!」

 

煽られるもポップは言い返せず唇を噛む

 

(俺には無理だと?舐めやがって……!)

 

怒りが出たが師の魔法使いは冷静であれという教えを思い出し気を静め魔理沙を見据える

 

(冷静になってよく見てみりゃ……練った魔力に魔法式を組み込んで細分化してやがんのか、えーっと……多分こういう事か?)

 

見様見真似の挑戦

 

「お、お……!で、出来た!よっしゃー食らいやがれ魔理沙ー!」

 

メラゾーマに模倣した幻想郷の魔法式を組み入れ弾幕化に成功した魔法を放つ

 

「やるじゃねぇかポップ!」

 

「名付けてメラストームだ!」

 

火の弾幕が魔理沙の弾幕と衝突し一方的に打ち消された

 

「へ……?うぎゃああ!?」

 

呆けたポップに魔理沙の弾幕が掠り悲鳴をあげる

 

「弾幕出来たのは褒めてやるけどんなショボイ弾幕じゃあなぁ……こっちのガキの弾幕と大して変わりゃしねぇ、児戯だぜ児戯!」

 

「ぐぐ……コノヤロー!」

 

弾幕を止めた魔理沙の呆れた言葉にポップの怒りは溜まる

 

(けど魔理沙の言う通りだ、俺はまだ出来ただけで熟練度が足りねぇ……あの弾幕に張り合うにはレベルが全然足りねぇんだ)

 

メラゾーマを細分化した事で一発一発の威力はメラ以下になってしまっている事に気付いたポップはまじまじと見せつけられるレベル差が高き壁のように反り立っているのを感じる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!」

 

パチュリーは僅かに反応を示した

 

「ウソ……出来てるよ彼」

 

レティは驚いた顔をしている

 

「凄くないですか彼?戦闘中に逃げ回りながら解析して習得するなんて……もの凄いセンスと才能ですよ」

 

「……」

 

パチュリーはレティへ返事を返さずポップを睨み続けていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(待てよ……?この魔法式を使やぁアレ使いもんになるんじゃねぇか?)

 

ふと思い付くポップ

 

「次はお前に手番譲ってやんぜ、来いよ」

 

それを察してか知らずか魔理沙は動かない

 

「ちっ舐めやがって……」

 

ある呪文に幻想郷の魔法式の組み込みを試す

 

(で……出来た!)

 

内心で感激しその効力を読み取り興奮する

 

「度肝抜いてやらぁ魔理沙!」

 

ポップは手をかざす

 

「メ・ラ・ゾ・ー・マ……!」

 

指に小さな火の玉が5つ灯される

 

「食らえ!フィンガー・フレア・ボムズ!!」

 

5つの巨大火球が一斉に放たれた

 

(体に負担はねぇ……よし!)

 

フィンガー・フレア・ボムズとはメラゾーマ五発を一斉にもしくは連射する呪文

 

呪文というよりは技法が正しいがその威力に対して人間の体には負担が大きく寿命を減らしかねない禁呪法に近い扱いをされている

 

その技法に幻想郷の魔法使いが弾幕をする際に組む魔法式を組み込み負担を無くす事に成功したのだ

 

 

「おー!やるじゃねぇかポップ、私の見立て通りだぜ」

 

迫る火球に魔理沙は八卦炉をかざしマスタースパークを放つと火球は全て消滅した

 

「よく出来ましたってなとこ悪いけどまだまだだぜ!」

 

「はぁ!?何っだそりゃ!?」

 

せっかく完成させた技を意図も容易く粉砕した魔理沙の理不尽に頭がおかしくなりそうになるポップ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!あの魔法……先生の……私まだ出来ないのに……」

 

レティは自らの師も使う魔法を見て驚きながらパチュリーを見る

 

「チッ……」

 

(舌打ちした?え?今小さく舌打ちした?)

 

普段と違う様子を見せる師にレティは怖がり声を掛けれない

 

(先生……凄く機嫌悪そう)

 

理由がわからずおろおろするだけ

 

(……癇に触るわね)

 

一層顔をしかめパチュリーは睨む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は私の番だぜ、久し振りに呪文使ってみるかな」

 

「……ッ!?」

 

身構えるポップに何を使うか一瞬考えて魔理沙は決めた

 

「よーしこれだ!ベキラゴン!!」

 

瞬間拡がる閃熱

 

「おまッ!?はぁ!!?」

 

視界一杯の超閃熱、自分の知る一般的な範囲の数倍はあるふざけた広範囲とそのくせに威力も普通のベキラゴンより高いのだから素頓狂な言葉も出る

 

「こなくそっ!?」

 

ポップはマヒャドを唱え対抗する、打ち勝つのが目的ではなく部分的に相殺させ安全地帯を作る為に

 

(なんだあのふざけた威力と範囲はよ!?魔力量は魔理沙の方がたけぇけど俺の何倍もあるって訳でもねぇ!なのにどうしてそうなる!?何をしてんだあいつは!!?)

 

「おーし次は……ドルマドン!!」

 

追い立てる様に唱えられポップの周囲を暗黒の波動が囲う

 

「なんっだこの呪文……ヤベェ!?」

 

見た事も無い呪文にその場に居る事が危険と感じたポップは一目散に暗黒波動の範囲外へ逃げる

 

「よしよし勘も良くていい感じだぜポップ」

 

魔理沙が褒めた次の瞬間、波動が唸りをあげ炸裂し地面を大きく削った

 

(ッ……やっぱりか!?あんなの食らったらひとたまりもねぇぞ!?)

 

まるで空間指定の燃えないメラゾーマの様な呪文に息を飲むポップへ魔理沙は続ける

 

「んじゃ次はこれだ、ドルマドンを弾幕に変えて……ドルマータ!!」

 

空間に闇の球体が無数に現れ次々炸裂し始めるそれはポップへ向かって伸びていく

 

(これも中級呪文くらいの威力がありやがる!なんでここまで強い!?俺と魔理沙で何が違うってんだ!!?)

 

飛び回り避け続けるポップだが魔理沙の圧倒的な威力の魔法に押され続けている

 

「そんなもんかよ?」

 

バカにする様な魔理沙の言葉

 

「調子に乗りやがってあのヤロー……目にもの見せてやる!」

 

火を付けられたポップは逃げながら詠唱を始める

 

「大地に眠る力強き精霊達よ……今こそ我が声に耳を傾けたまえ……!」

 

「お?そいつぁ……」

 

魔理沙は弾幕を止め体に魔力を漲らせる

 

「潰れちまいやがれ!ベタン!!」

 

その呪文はポップの師であるマトリフが編み出した重圧呪文、重力を操り敵を圧し潰す大魔法

 

 

ズンッ!!

 

 

重力が魔理沙を圧し潰す

 

 

「はぁ!?」

 

またもポップは素頓狂な声をあげる

 

「お前もベタン使えんだな!いいぜいいぜ~!」

 

潰したと思った魔理沙は普通に立っていたのだから

 

「な、何で効いてねぇんだお前!?」

 

「気合いと根性だな……ってのは冗談で魔力で潰されないように抵抗してるだけさ、やろうと思やぁお前にだって出来る」

 

「ッ~~~~ちくしょう!イオナズン!!」

 

「ベギラマ」

 

爆発球が閃熱に触れ爆発するも同規模の閃熱が爆発を全て押し留め相殺される

 

(見つけろ!俺と魔理沙の違いを!じゃなきゃ勝てねぇ!?)

 

攻防はまた繰り返される……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やはり実力の差は大きいと言わざるをえませんか)

 

白蓮は静かにお茶を啜る

 

(……正確には魔法技術ですね、下地は魔理沙に劣るとはいえ充分に出来ている、ですがそれを活かす知識と技が足りていない)

 

直にポップを見ていて戦う場面も見た白蓮はポップを経験不足と評した

 

(だからなのでしょう魔理沙?貴方がそんな真似をするのは……?)

 

嬉しそうに二人を見つめる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メラゾーマ!!」

 

「あらよっと!」

 

魔理沙の唱えたドルモーアが火球を消滅させる

 

(まただ!?中位呪文だろ今の!魔力だって特別込めてる訳でもねぇのにどうして上位呪文に打ち勝てる!?)

 

「何でかわかんねぇってツラしてやがんなぁポップ?へへへ……」

 

見透かされた魔理沙の言葉にグッと唸ってしまうという何ともわかりやすい反応を返してしまうポップ

 

「んじゃヒントやるよ、お前は魔力だけ見過ぎてんだぜ、見るとこ変えてみな」

 

「あんだと?見るとこだぁ?」

 

言われるがままポップは探りを入れる

 

(……ん?何だ……アレ?)

 

そして見つけた、魔理沙の体内に施された何かを

 

「わかったって顔してんな?答えを言うと私は自分に魔術を施してんだぜ、どんな術式かわかるか?」

 

「……いくつか組んでんな、わかるのは……魔力上昇」

 

「正解だぜポップ、「魔力覚醒」って魔術を改良した「超魔力覚醒」って術式だ、体内で練った魔力が体外に出る時に増幅される効果がある」

 

「そんでこんなに差が出んのか……」

 

「他は倹約系だな、魔力の消費を抑えたりロスを無くしたり魔力の自然回復を早めたりだぜ、そいつ等使って順転させて常時発動(パッシブ)化してんだ」

 

「……マジかよ」

 

カラクリを知ったポップは固まっていた

 

(要は効果がバカ高いマジカルブースターを常に持ってるって事かよ……自分に魔術を仕込むなんて考えた事も無かったぜ……)

 

魔法の威力を飛躍的に上昇させる技術に考え込んでいた

 

(魔力覚醒……アレを基点に常時発動化?どんだけ複雑に組み上げたか想像もつかねぇ、スゲェ……マジでスゲェ)

 

何をしていたか理解はしたが理解した事でどれ程凄い事をしているのかわからない程に痛感させられたのだ

 

「これな?増幅式は私が魔改造したけど元はバーンが教えてくれた方法なんだぜ」

 

「……!!」

 

それを聞いてポップの顔は驚愕に変わる

 

(あの野郎が……)

 

強さの理由がバーンにある事を知り狼狽えるもすぐに冷静さを取り戻す

 

(バーンは方法を教えただけ、鬼眼で強化したってわけじゃねぇんだ……その強さに至れたのは魔理沙自身の努力に他ならねぇ!)

 

方法を示しただけでそれを実践し高みへ昇華させるのは本人次第、バーンは知恵を授けただけでその芽を大木にしたのは他ならぬ魔理沙の意思によるものだと正確に理解する

 

「ホントはこんなのに頼らず強くなりてぇんだけど人間だからなぁ……寿命と衰えが早くて中々なぁ……」

 

「……」

 

まだ二十歳辺りのポップは見た目からは想像も出来ないし魔理沙が一度寿命を迎えて二度目の生を謳歌しているのも知らないが100年近くを生きている事だけは知るから言葉の重みを感じ何も返せない

 

「まっそういう訳だ、邪道と笑いたきゃ笑えよ」

 

「……笑わねぇよ」

 

ポップは笑わなかった

 

閃光の様な短く儚い人間の魔法使いの努力を笑える筈が無かった

 

自分が一番知っているから

 

「……魔理沙、こっからはマジでいくぜ?あぁいや、今までもマジだったけどなんつーんだ……アレだ」

 

「へっ……三枚目が格好つけんな!言わなくてもわかるぜポップ!覚悟決めた良ーいツラだ!来いよ!かかってこい!」

 

完全に集中し研ぎ澄まされたポップの気迫を見て魔理沙は嬉しそうに笑う

 

「……あん?」

 

構えた魔理沙はポップを見て気付く

 

(魔術組んでやがんのかアリャ……?)

 

体内に高速で何かをしていたのだ

 

「まぁ即興じゃこんなモンか……うーし!メラゾーマ!!」

 

ポップの持つブラックロッドから巨大な火球が放たれた

 

「うおっ!?」

 

面食らった魔理沙が慌てて避ける

 

(アイツ……!魔力覚醒使ってやがる!さっきの間に私の超魔力覚醒から増幅部分を見て盗みやがった!)

 

ポップが組んだのは魔理沙の超魔力覚醒ではなくその前身、骨組みと言える魔力覚醒だったがあの僅かな時間で構造を理解をして実践したのだ

 

(こいつは想像以上の天才だったみてぇだぜ)

 

スポンジが水を吸うようにどんどん吸収していく類いなるセンスに嬉しくなってくる

 

「イイぜイイぜポップ!アゲてけよ!楽しもうぜ!!」

 

「へっ!ならもっと楽しませてくれや魔理沙!」

 

大魔導士と大魔道士

 

二人のセッションは続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えぇ……見てすぐに出来るモノじゃないよアレ……私が戦闘中も維持出来るようになったの最近なのに……)

 

レティがポップの才能に嫉妬している

 

(でも本当に凄いセンス……魔理沙に引っ張られてどんどん駆け上がって行ってる……まさか魔理沙これを見越して……?)

 

レティはあの派手好きで遠慮なんて知らない魔理沙が今だに本気にならないのはこの場を借りてポップを鍛えているのかと思う

 

「先生?あの……ッ!?」

 

パチュリーの意見を聞こうとしたレティは思わず口を自分の手で塞いだ

 

「チッ……何アイツ、イライラするわ」

 

先にも増して凄まじく不機嫌になっていたからだ、もう抑えようともしていない

 

(それくらいさっさと蹴散らしなさいよ魔理沙……二天の名が泣くじゃない……)

 

苛立ちばかりが積もっていく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつはどうだ!増幅圧縮ベギラゴン……ギラグレイドだッ!!」

 

「甘ぇ!レミリアのアップルパイより甘ぇ!恋符「マスタースパーク」!!」

 

超熱閃のビームは超出力のレーザーに打ち消される

 

「これでもダメなのかよ!?ちきしょう!何なんだお前のそのマスタースパークって魔法はよ!?」

 

レーザーを回避したポップは次に襲い来る弾幕から逃げ回る

 

(……そうか!アイツが持ってるヘンテコな物体!アレが外付けの増幅装置になってんのか!)

 

魔理沙の十八番と言うべき魔法は他の魔法よりも段違いに強い、その理由が八卦炉にあるのだと知り身震いした

 

(体内に複雑な魔術施して増幅した魔力を更に外付けの増幅装置で強化だぁ?下手すりゃ暴走した魔力が爆発して自滅すんぞ!?)

 

想像するだけで非常に高度な事をしているとわかるのに魔理沙はそれを一切感じさせない

 

(経験値の差って事か……んとにとんでもねぇ奴だぜアイツ)

 

魔力覚醒を使用した強化弾幕を放つも魔理沙の弾幕の勢いを減衰させるのが精一杯で逃げを余儀無くされる

 

「逃げんのだけは上手いなお前!大したもんだぜハハハ!」

 

当の魔理沙はそんな難しい事をやっている自覚は無い

 

やってみたら出来た、練習したら出来た、くらいにしか思っていない

 

理論より先に実践の本能型が自然に至った力の境地なのだ

 

(くそっ……ブラックロッドに魔術仕込んで増幅装置にするか?いやダメだ、ぶっつけ本番じゃ自爆する可能性の方が高い……ならどうする……!)

 

考えた末にポップは動く

 

「ベギラゴン!!」

 

強化された熱閃が弾幕を押し留める

 

「んじゃまたマスパで……」

 

八卦炉をかざそうとした魔理沙はポップを見て止まった、片手でベキラゴンを放ちながらもう片手を魔理沙を狙っていたのだ

 

「メラストーム改め……メラゾストームだ!!」

 

強化された火の弾幕が魔理沙を襲う

 

「おおっ!?」

 

驚いた魔理沙が空中へ飛び逃げる

 

(器用な奴だぜ、増幅した種類が違う魔法を同時に操ってやがる……パチュリーと同じか、やるじゃねぇか!)

 

立場が変わり今度は自分が追われている

 

「何とか出来たぜ……よっ!っと!」

 

弾幕は魔理沙を追いながら先に魔理沙が撃っていた弾幕を消し終えた熱閃を動かし魔理沙を挟むようにする

 

「おっとピンチってヤツだぜこいつは」

 

「どうだ魔理沙コノヤロー!今度こそ食らいやがれ!」

 

逃げ場を無くした魔理沙に弾幕と熱閃が命中した

 

「ハァ……ハァ……どうだ……!」

 

息を切らせたポップが爆煙を見つめる、大量の魔力を使い更には慣れない事もしてさすがに疲れた顔をしている

 

「やったと思ったかよポップ……?」

 

爆煙から声が聞こえポップの顔は歪む

 

「ところがぎっちょん!!」

 

魔力で爆煙は吹き飛ばされ中から服は少し焦げているが殆ど無傷の魔理沙が現れた

 

「ふざけやがって……今度は何しやがった!!」

 

「何って簡単だぜ?マジックバリア張って軽減した魔法を気合いで耐えただけのこった、知らないのかマジックバリア?結構便利だぜこれ」

 

「……知らねぇよんなの」

 

また知らない魔法か技術かもわからない事にポップはうんざりするような顔をする

 

(それにしたってほぼ無傷ってなんだよ……魔理沙が使うマジックバリアってのの軽減率が高いのか魔理沙自身の魔法耐性が高いのか……)

 

結論から言えば両方であるのに加えポップ自身の熟練度にも問題があった、まだ精錬されていない付け焼き刃の魔法では威力がまだ足りなかったのだ

 

「いやーまさか当てられるたぁ予想外だったぜポップ!お前私が思ってたより天才だな!褒めてやんぜ!」

 

「嫌味かよテメー、俺からすりゃおめぇの方がよっぽど天才なんだよ」

 

「へへへ!悪い気はしねぇな、ありがとだぜ!」

 

まだまだ余裕たっぷりの魔理沙と疲れが見え始めたポップ

 

(威力……そうだ威力が足りねぇんだ、練習すりゃいけるだろうけど今はもう間に合わねぇ、魔理沙はまだ余力充分だしこれ以上やっても正直勝てる気はしねぇ……)

 

ポップは冷静に彼我の差を測り勝機は無いと悟る

 

(だけどよ、こんな楽しい勝負降りたくねぇ!最後までやるぜ俺ぁ!試してみたい事もあるしよ!)

 

今は命のかからない試合故に堪能すると決めた、自分より格上の魔理沙という魔法使いの強さを

 

「ちょっとよ……さっき思い付いた事あんだけどやってみていいかい?」

 

「お?おーおーやれやれ!無茶無謀は青二才の特権ってな!付き合ってやらぁ!」

 

格上の余裕か魔理沙はふたつ返事でポップを見守る

 

「スゥー……」

 

深呼吸をして両手に神経を集中させる

 

「……右手にメラゾーマ、左手にベギラゴン……」

 

ポップの両手に火と熱の魔法が灯される

 

「……ん?お前それ……」

 

魔理沙にはそれに見覚えがあるというか試したい事の予想がついた

 

「よし……そんでこいつを……こうだッ!」

 

両手を合わせ異なる呪文を合体させる

 

「んぐぎ……!?」

 

呪文どうしが反発しあうも暴走しないようにゆっくりと重ねていく

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!?」

 

パチュリーは目を見開いた

 

(まさか……)

 

拳を握りより一層に目を険しくポップを睨む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「出来んのか?」

 

魔理沙も心配そうに見守っている

 

「ぐぬぬぬぬ……!?」

 

それは初めてにしては恐ろしく速く進んでいた

 

それもその筈、ポップはメラゾーマとマヒャドを融合させるメドローアを会得しているのだから

 

合体と融合は似て非なるモノ、見た目は似ているが難易度は融合の方が高いのだ

 

ならば融合が出来るポップに合体が出来ない道理は無い

 

「ハァ……ハァ……出来たぜ……!」

 

呪文の合体は成功した

 

「いっくぜぇ魔理沙ァ!」

 

「……来いよポップ!」

 

構えたポップと八卦炉をかざした魔理沙が相対する

 

 

「閃熱大炎!メゾラゴン!!」

 

「恋符「マスタースパーク」!!」

 

 

超火炎とレーザーがぶつかり合った

 

 

「どうだぁ……!ぐぎぎぎ……!?」

 

「驚いたぜ……合体魔法使うなんてよ」

 

押すポップと留める魔理沙

 

「マジでお前は天才だぜ……だからこそよ!」

 

「くあっ!?」

 

レーザーが超火炎を押していく

 

(この程度で満足させるわけにゃいかねぇぜ)

 

いくら才能があろうと上には上がいる、慢心する事無く上を目指せと先達からの洗礼が合体魔法を撃ち破る

 

「くそっ……たれがーーーッ!!」

 

目前のレーザーにポップは逃げる事無く両手に魔力を纏わせ突き入れた

 

「あ……?」

 

魔理沙は一瞬目を疑った、レーザーがポップの居る位置から真っ二つに割られたのだ

 

「うおおおおおおッ!!」

 

ポップがしたのはレーザーの先端部分の魔力を分解し裂け目から魔力を纏った両手で突き入れ割ったレーザーを魔力で滑らせ方向を左右に誘導していた

 

「てめぇ……生意気なヤローだぜ!ホンットによぉ!!」

 

レーザーの照射が終わる

 

 

「ゼハッ!?……ゼェ……ハァ……ッ!?」

 

極限を乗り越えたポップだが呼吸すら忘れていたのに気付き大きく息を荒げ次いで来た強い疲労感に飛んでいた高度が下がり地面に落ち、膝をつく

 

「……まだやれっか?」

 

消耗はしているもポップに比べればまだ心地好い疲労感といった具合の魔理沙が問う

 

正直、予想を遥かに越えた結果だったからここで終わっても満足だった

 

「……ざけんな」

 

疲労困憊のポップは魔理沙を睨む

 

「まだまだ元気いっぱいだぜ俺ぁ……!」

 

吼えた、誰が見ても限界間際なのに強がりを吼えて見せた

 

「~~~~ッ!」

 

それを見て聞いた魔理沙は堪らない顔で微笑んだ

 

大好きなのだ、意地を張り通すバカヤローが

 

自分も同じだから

 

 

「よっしゃ、ならそんなお前に敬意を評して本気でやってやるよ」

 

一瞬で終わるかもしれない、そこまで消耗の差が出来ている

 

それでも見せてやりたかった

 

魔法使いの、黒白天の大魔導士と呼ばれる自分の高さを

 

「来い、よ……魔理沙……ァ……!!」

 

勇気の大魔道士に……

 

 

「……やあああってやるぜ!!」

 

魔理沙の魔力が急激に上昇する

 

上昇した魔力が魔術式により更に増幅されると同時に魔理沙は八つの魔方陣を形成する

 

 

「魔符「フォーチュンテリングスパーク」!!……そんで今は更に追加でもひとつ!」

 

八卦炉をかざし合計九門の移動砲台が完成する、その砲門のどれもがマスタースパークを連射出来る魔理沙の最強殲滅形態、更に今は八卦炉を使い最大火力の「ファイナルマスタースパーク」に繋げる事すら可能になっている

 

「……へへ、なんだよそれ……バケモンが……」

 

元から0だった勝ち目を-100まで吹っ切らせる力技にポップは笑うしか出来ないが諦める気は無かった

 

 

「行くぜポップーーーッ!!」

 

 

二人のセッションは終わりを迎える

 

 

 

 

 

「魔理沙ッ!!」

 

 

 

 

 

突如響いた声によって

 

 

「っとと……何だよパチュリー!?邪魔すんな!!」

 

慌てて止まった魔理沙は声の主、パチュリーへ怒鳴った

 

「代わって」

 

一言鋭く言い放ち魔理沙を見つめる

 

「ああ?何だお前いきなり?ふざけん……」

 

途中、パチュリーの目を見た魔理沙は言葉を止め見つめ合う

 

(……へっ!そうかよ……)

 

理解した魔理沙は嬉しそうに口角を上げ魔方陣を消し魔力を抑えた

 

「わーったぜ、交代してやんよ、貸し1だぜ紫もやし」

 

「ありがと魔理沙」

 

二人の合意は為された

 

 

「……は?どういう事だよ魔理沙?」

 

状況が掴めないポップ

 

「今からアイツがお前の相手をしてくれるってよ、良かったな!」

 

「はぁ?」

 

訳がわからず混乱する

 

『えぇ!?ちょ!ちょ待ってくださいよ!勝手な事されたら困りますよ魔理沙さんパチュリーさん!……え?何ですかレミリアさん?認める?そんなのアリなんですか!?』

 

実況も観客も同様

 

「気ぃつけろ~?アイツは私程優しくはねぇぜ~?」

 

「お、おい!なんだってんだよこの展開はよ~!?」

 

黒白天の大魔導士のリードが終わり高みへと至りかけた勇気の大魔道士

 

「次は私が相手してあげるわ……青二才」

 

次に共に奏でるは紫天の賢者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ポップの戦い始まりました。
魔理沙は大魔導士でポップは大魔道士と1文字変わってますが特に意味はありません、意図的に分けたつもりですが過去に間違えてるかもしれません。

ポップで思い出したんですがデジモンのbrave heartって歌がポップにピッタリだよなぁってずっと思ってました。
1番バラン編まで、2番ミナカトール前後、ラスト最終決戦……みたいな感じで凄く合うなぁって……どう思いますか?

次はパチュリー戦、ちなみに二天両方と戦うのは当初から決めてました。

次回も頑張ります!

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